八ヶ岳バリエーション3登 赤岳主稜、小同心クラック 阿弥陀岳北陵
- GPS
- 25:35
- 距離
- 18.6km
- 登り
- 2,508m
- 下り
- 2,411m
コースタイム
3/22 行者小屋6:05-8:25小同心取りつき12:25-13:55小同心の頭-15:22横岳山頂15:35-1 6:20硫黄岳-17:40行者小屋
3/23 行者小屋4:00-阿弥陀岳北稜取りつき5:37-6:37阿弥陀岳山頂7:00-7:30行者小屋8:12-9:10赤岳山荘
天候 | 21日曇(風雪)、22〜23日快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
初日の赤岳西壁は、赤岳鉱泉から行動開始し、取りつきについた時は1パーティが登っていました。風雪で岩にもべったり雪がついており、先行パーティがかなり苦戦し、登攀開始が12時となりました。 2日目の小同心クラックは、早く出たつもりが4パーティの順番待ちで、まさかの4時間待ちでした。前日の悪天だったら間違えなく撤退していました。後続のパーティは大同心南稜にルート変更され、我らが順番を待っている間に完登されていまいた。なるほど、その手もあるのか。 3日目は、阿弥陀北西稜を登る予定でしたが、ラッセルでたどり着けないとのうわさを聞き、北稜に変更。4時に行者小屋を出発したので、朝焼けの北稜を私たちで独占しました。 |
写真
感想
初日
美濃戸口の下り道でドキドキしたけど、赤岳山荘まで車で到達。3連休だけど初日早朝のおかげで、駐車場に無事駐車できた。
曇り空の下、行動開始。途中ですれ違った(追い抜いた?)パーティの情報によると、北西稜はラッセルがすごすぎてあきらめたとの事。3日目のルート候補だったのに、なんとなくテンションが下がる。
美濃戸口からの歩行1時間分の距離を車でショートカットしたので、行者小屋までは難なく行けた。
行者小屋に到着後、即テントを張り赤岳主稜へ向かう。テント場からすぐの最初の二股を左に進むトレースがあり(途中で引き返していた)、間違えて入る。この時期はトレースを信じてしまうから怖い。
ガスっていたので、文三郎から主稜へのトラバース地点の確認がしづらいが、風雪の切れ目で確認。あったチョックストーン。でも、先行パーティはもう少し左のルンゼを登っている。あれ?自分の学生の時の記憶が正しければ、チョックストーンのチムニーを登るのだけど。先行パーティにならってうちの第1パーティがトラバースする。なかなか先行パーティが最初のルンゼを乗り越せず、文三郎尾根でしばらく待機。かなり風雪が強いため、12時までに取り付けなければ撤退を覚悟した。
先行パーティがなんとか1ピッチ目を乗り越え、うちの第1パーティも通過。12時ちょっと前に取りつくことができたセーフ。このルートは学生の頃やっているので、核心の1p目はI君に任せた。ここからツルベで上がるが、風雪で視界も悪く声も通らないので、短めにピッチを刻む。雪稜を過ぎ上部岩壁に到着。ここは楽勝だったイメージがあったけど、雪が引っ付いていてホールとがつかみにくい。支点も雪に埋もれて見つからないので、かなりランナウトする。
しかも、気が付いたら左手の親指が信じられない方向に曲がっていた。つったのか?脱臼か?骨折か?とりあえず元の状態に戻すも、痛くて親指が動かない。幸いにも、ここは順番的にI君のリードなので任せてフォローで登った。
雪のせいでかなりグレードアップしていたけど、赤岳北峰に到着。下りもトレースがない中、ガスの切れ目で、ルートを確認しながら文三郎を慎重に下った。西壁取りつきのあたりからガスが切れ始め、ルートが確認できた。明日の小同心に期待!
2日目小同心クラックに挑むべく、6時に行者小屋を出発。天気は快晴。素晴らしい。
大同心稜への取りつきもわかりやすくあっさり見つけることができたが、あまりにもわかりやすかったために、硫黄岳に目指すノーマルの登山者が数パーティ間違えて登り、大同心の基部で引き返していた、かわいそうに。
大同心の基部からは、小同心クラックが良く見え、先行2人組パーティが登っているのも確認できた。トラバースは慎重にノーザイルで通過。1時間かけて基部につくとまだ先ほどのパーティが登っている。たしかに真っ白で登りにくそうだけど、そんなに難しいの?基部にはほかにも3人パーティが二組いて、我らは4番目と5番目である。こりゃ2時間はまつかなあと思いきや、結果4時間待たされた。信じられない。3人パーティは非常に優秀で、後続パーティに気を使って、先行パーティの手前でピッチを切りつつ常に詰めて登っていただいた。非常に窮屈なクライミングでなんだか申し訳なかった。その後も続々とパーティが基部に到着するも混雑具合をみて引き返したり、違うルートに変更される。あるパーティは我々が待っている間に、大同心南稜に変更し、あっさり登って下山されていた。さすがは3連休の人気ルートだ。
非常に寒かったけど晴れていたので、日が当たらり始めてからはのんびり待つことができた。1p目はおもしろそうだったのでリードさせてもらう。雪に埋もれてホールドが滑りやすく、支点も見つからない。かなり緊張したが、その分面白かった。1p目の終了点には、まだうちの第1パーティがいた。最初に見かけた2人組パーティの影響で、いまだに混雑しているらしい。そのパーティは5時間かけても超えていないのか?そんなに難しいの?
途中途中で待機しながらも、2p目はI君のリードで登り、クラッシクなチムニー登りを楽しませてもらった。しかし、この時から左親指が痛みはじめる。3p目のリードを変わってもらおうかと思ったけど、後輩君の手前弱音を吐くわけにはいかず、リードでちょっとした馬乗りムーブで越える。左手でホールドをつかめている感覚がなくてかなり怖かった。普通だったらもっと楽しめるムーブのはず。残念。小同心の頭まではもう1pで抜ける。快晴。チョー気持ちいい。
全体的に雪がついて難しいかったけど、我々のパーティは順番待ちがなければおそらく1時間半で抜けていたであろう。でも、順番待ちも訓練のうちだ。
大パノラマを楽しんでいたら、ヘリが大同心沢に下りていくのが爆音とともに見えた。氷瀑で滑落骨折事故があったらしい。気を引き締めて、横岳の基部まで移動し、ピークまでの最後の1pを楽しんだ。
下りは、切なくなるくらいの絶景の中、硫黄岳に縦走して下山した。
3日目は阿弥陀岳北西稜の予定だったけど、前日小同心の基部から眺めていても、登山者の姿を確認できなかったため、トレースがついていないと判断。それに、北西稜までで登ってしまうと来年の楽しみがなくなるということで、北陵に変更。リード経験のないT君の経験の場として、登ることにした。
前日の経験を活かして3時起き4時出発にしたら、5時過ぎに取りつきに到着。まだ薄暗い。いくらなんでも早すぎだー。でも、他にパーティはいない。貸切状態。チョー寒かったけど、静かで、荘厳な景色のなか最終日のクライミングを楽しめた。しかし、この時の自分の左親指は腫れて使い物にならず、北陵だから登れたけど、北西稜だったら楽しめなかったかも。
今回、初日は視界の効かない風雪のクライミング、2日目は雪のついた小同心+順番待ちとそれぞれ意味のあるクライミングとなった。今回の4人は足並みもクライミング技術も似通った4人で、非常にスムーズに行動でき、ストレスもまったくなかった。いい山行でした。
22日に小同心クラックを二番手で登攀した3人パーティーです。
取り付きで小1時間待ったでしょうか、やむを得ず1ピッチ目下でも、震えながら待ちました。
本チャンやるならちゃんとスキルを身につけて来て欲しいものです。
あまり云いたくは無いのですが、リードもフォローも酷いレベルでした。
本当にお疲れ様でした!sakashigeさん達は2番手として、後続の我々を待たせているというプレシャーもあったのでしょう、2人組のフォローを追いかけるようにすぐ出発していただきました。1p目終了点直下で、とても寒い時間に、しかもあんな狭い中、窮屈な姿勢で長時間3人で待たれて本当に大変だったと思います。その様子は11枚目の写真の通りですが、改めて見ると、申し訳なくさえ思います。sakashigeさん達は、後のクライミングに支障が生じませんでしたか?
我々は待っている間に取りつきに陽が当たり、体の震えも止まりましたが、3番手の3人組さん以降、「1p目の終了点に到達するタイミングで出発する」という暗黙の了解ができあがりました。sakashigeさんたちの登りは(特にリードの方)、下から見ていて非常に参考になりました。ありがとうございました。
どこかの山でお会いしたいですね。
はい。リードは私の師匠です。
アルパインでの経験知と判断力は凄いですよ。
当日が下山日でしたので、美濃戸口19時過ぎになってしまいましたが、2ピッチ目以降は暖かい日差しの中でしたので、待ちの辛さも忘れました。
今時珍しいのですが、企業内山岳部なんです。川崎のF通山岳部です。また、どこかで!GWは穂高です。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する