ヤマレコなら、もっと自由に冒険できる

Yamareco

記録ID: 4240223
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
中国山地東部

山形仙・那岐三座           お地蔵さまを訪ねて

2022年05月03日(火) [日帰り]
 - 拍手
体力度
5
1泊以上が適当
GPS
10:59
距離
23.7km
登り
1,909m
下り
1,760m
歩くペース
速い
0.80.9
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
10:26
休憩
0:30
合計
10:56
7:29
10
8:21
8:22
77
9:39
9:39
39
10:18
10:26
91
11:57
12:03
88
13:30
13:36
36
14:12
14:12
14
14:26
14:27
12
14:39
14:39
5
14:45
14:45
4
14:49
14:55
11
15:06
15:06
3
15:09
15:10
28
15:38
15:38
170
18:28
18:28
1
18:29
ゴール地点
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2022年05月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 自家用車
コース状況/
危険箇所等
那岐山の林道を離れてから雲?(うんだわ)までは、登山道はなく、迷いやすい箇所が何箇所かあります。
GPSなしだったら迷っていたと思います。
傾斜の強い箇所も結構ありました。
那岐駅から因美線に乗って、美作滝尾駅に向かう。

因美線の智頭〜東津山間は、100円稼ぐのに1,963円のコストがかかる超赤字路線。

それでも、因美線が全線開通した90年前は、黒尾峠を越えて因幡(鳥取県東部)から美作(岡山県北部)へ行くのは(もちろんその逆も)大変な労力を要したはずなので、因美線全線開通は双方にとって悲願だったのだと思う。
2022年05月03日 05:58撮影 by  FinePix XP130 XP131 XP135, FUJIFILM
1
5/3 5:58
那岐駅から因美線に乗って、美作滝尾駅に向かう。

因美線の智頭〜東津山間は、100円稼ぐのに1,963円のコストがかかる超赤字路線。

それでも、因美線が全線開通した90年前は、黒尾峠を越えて因幡(鳥取県東部)から美作(岡山県北部)へ行くのは(もちろんその逆も)大変な労力を要したはずなので、因美線全線開通は双方にとって悲願だったのだと思う。
列車がやって来た。

因美線は非電化なので、ディーゼル車。
もちろん1両編成。
ボタンを押して後ろのドアを開け、バスと同様に整理券を取ってから席に座った。
那岐駅から乗ったのは自分ひとりだったが、すでに何人か乗客が乗っている。
なぜか少しほっとした。

列車は、しばらく山里の風景の中を走ったあと、間口の狭い物見トンネルの中に吸い込まれていった。

トンネルを抜けると、そこはもう岡山県だった。
列車は、両側から木々の枝が間近に迫る山間の線路を、時には自転車くらいにまで速度を落としてゆっくりと走っていく。
まあでも、こんなのんびりとした旅も悪くはない。今の世の中、ちょっと急ぎすぎだと思う。

美作加茂駅ですれ違いの列車を待つ間に、どうしてこんなにゆっくりなのか運転手さんに訊いてみた。
過去に落石のあった箇所はゆっくりと走ることになっているのだそうだ。

山間の区間は、台風や豪雨による土砂崩れ等で、過去に何度も不通になっている。
そんなことがあるたびに、ゆっくりと安全に注意しながら走らざるを得なくなったのかもしれない。
そのうち3時間くらいかかるようになるよと、運転手さんは笑った。
2022年05月03日 06:26撮影 by  FinePix XP130 XP131 XP135, FUJIFILM
3
5/3 6:26
列車がやって来た。

因美線は非電化なので、ディーゼル車。
もちろん1両編成。
ボタンを押して後ろのドアを開け、バスと同様に整理券を取ってから席に座った。
那岐駅から乗ったのは自分ひとりだったが、すでに何人か乗客が乗っている。
なぜか少しほっとした。

列車は、しばらく山里の風景の中を走ったあと、間口の狭い物見トンネルの中に吸い込まれていった。

トンネルを抜けると、そこはもう岡山県だった。
列車は、両側から木々の枝が間近に迫る山間の線路を、時には自転車くらいにまで速度を落としてゆっくりと走っていく。
まあでも、こんなのんびりとした旅も悪くはない。今の世の中、ちょっと急ぎすぎだと思う。

美作加茂駅ですれ違いの列車を待つ間に、どうしてこんなにゆっくりなのか運転手さんに訊いてみた。
過去に落石のあった箇所はゆっくりと走ることになっているのだそうだ。

山間の区間は、台風や豪雨による土砂崩れ等で、過去に何度も不通になっている。
そんなことがあるたびに、ゆっくりと安全に注意しながら走らざるを得なくなったのかもしれない。
そのうち3時間くらいかかるようになるよと、運転手さんは笑った。
列車は、那岐駅からの23kmの距離を、ちょうど1時間かけて美作滝尾駅に到着した。

下車して列車を見送り、料金420円を整理券と一緒に駅の料金箱に入れて駅を出た。

この駅も那岐駅と同様、もちろん無人駅。
2022年05月03日 07:27撮影 by  FinePix XP130 XP131 XP135, FUJIFILM
2
5/3 7:27
列車は、那岐駅からの23kmの距離を、ちょうど1時間かけて美作滝尾駅に到着した。

下車して列車を見送り、料金420円を整理券と一緒に駅の料金箱に入れて駅を出た。

この駅も那岐駅と同様、もちろん無人駅。
昭和初期の風情を今に残した、どこか懐かしい駅。

映画「男はつらいよ 寅次郎紅の花」の冒頭シーンのロケ地にもなった。
2022年05月03日 07:27撮影 by  FinePix XP130 XP131 XP135, FUJIFILM
2
5/3 7:27
昭和初期の風情を今に残した、どこか懐かしい駅。

映画「男はつらいよ 寅次郎紅の花」の冒頭シーンのロケ地にもなった。
駅からの山形仙。(手前)

奥に見えるのは、公郷山かな?
2022年05月03日 07:29撮影 by  FinePix XP130 XP131 XP135, FUJIFILM
1
5/3 7:29
駅からの山形仙。(手前)

奥に見えるのは、公郷山かな?
線路の踏切のすぐ側にある登山口。

標識には「明神様へ約壱時間」とある。
2022年05月03日 07:40撮影 by  FinePix XP130 XP131 XP135, FUJIFILM
1
5/3 7:40
線路の踏切のすぐ側にある登山口。

標識には「明神様へ約壱時間」とある。
これがその明神様らしい。
2022年05月03日 08:39撮影 by  FinePix XP130 XP131 XP135, FUJIFILM
1
5/3 8:39
これがその明神様らしい。
山形仙山頂の電波反射塔。
2022年05月03日 09:37撮影 by  FinePix XP130 XP131 XP135, FUJIFILM
1
5/3 9:37
山形仙山頂の電波反射塔。
地図上の山頂は、ここではない。

だけど、声ヶ?から登った場合、ここが山頂だと思うだろうな。
2022年05月03日 09:42撮影 by  FinePix XP130 XP131 XP135, FUJIFILM
1
5/3 9:42
地図上の山頂は、ここではない。

だけど、声ヶ?から登った場合、ここが山頂だと思うだろうな。
山形仙中腹の展望所は、木々が成長して展望はあまりよくない。

それでも、次に目指す広戸仙が望めた。
2022年05月03日 10:12撮影 by  FinePix XP130 XP131 XP135, FUJIFILM
1
5/3 10:12
山形仙中腹の展望所は、木々が成長して展望はあまりよくない。

それでも、次に目指す広戸仙が望めた。
広戸仙山頂に向かう途中にある岩のテラス。

泉山の”のぞき岩”のような展望が広がる。
なぜかここへの案内板はない。
2022年05月03日 11:33撮影 by  FinePix XP130 XP131 XP135, FUJIFILM
1
5/3 11:33
広戸仙山頂に向かう途中にある岩のテラス。

泉山の”のぞき岩”のような展望が広がる。
なぜかここへの案内板はない。
広戸仙山頂から、次に向かう滝山を望む。

その間には、キレットのようなギャップがある。
たぶん、今日一番のつらいところになるだろう。
2022年05月03日 11:58撮影 by  FinePix XP130 XP131 XP135, FUJIFILM
1
5/3 11:58
広戸仙山頂から、次に向かう滝山を望む。

その間には、キレットのようなギャップがある。
たぶん、今日一番のつらいところになるだろう。
滝山を越え、今日の縦走の最高点である那岐山を目指す。

広戸仙〜滝山間のような大きなギャップはないので歩きやすい。
2022年05月03日 13:50撮影 by  FinePix XP130 XP131 XP135, FUJIFILM
2
5/3 13:50
滝山を越え、今日の縦走の最高点である那岐山を目指す。

広戸仙〜滝山間のような大きなギャップはないので歩きやすい。
那岐山山頂。

何十回も来てはいるのだけれど、まあ一応お約束で。

2022年05月03日 14:49撮影 by  FinePix XP130 XP131 XP135, FUJIFILM
2
5/3 14:49
那岐山山頂。

何十回も来てはいるのだけれど、まあ一応お約束で。

933.6mピーク。

昔の地図では、932m になっている。
1m以上も高くなったのか?

「大切にしましょう三角点」ってあるけど、こんな登山道もないところには滅多に人は来ないと思う。
自分のようなかなりの物好きだけだろう。
2022年05月03日 16:02撮影 by  FinePix XP130 XP131 XP135, FUJIFILM
2
5/3 16:02
933.6mピーク。

昔の地図では、932m になっている。
1m以上も高くなったのか?

「大切にしましょう三角点」ってあるけど、こんな登山道もないところには滅多に人は来ないと思う。
自分のようなかなりの物好きだけだろう。
なんか盆栽のような風情のスミレが咲いていた。
2022年05月03日 16:36撮影 by  FinePix XP130 XP131 XP135, FUJIFILM
1
5/3 16:36
なんか盆栽のような風情のスミレが咲いていた。
雲?(うんだわ)のお地蔵さまがいらっしゃった。

初めてお会いするのに、どこか懐かしさを感じてしまうのはなぜだろう?
2022年05月03日 16:41撮影 by  FinePix XP130 XP131 XP135, FUJIFILM
2
5/3 16:41
雲?(うんだわ)のお地蔵さまがいらっしゃった。

初めてお会いするのに、どこか懐かしさを感じてしまうのはなぜだろう?
柔和なお顔立ちのお地蔵さま。

遥か昔に人の往来も絶えて、今はまるで時間が止まってしまったかのようなこの場所に取り残されて、いったい何を思っていらっしゃるのだろう。

「お地蔵さま、さみしゅうはないですか?」
2022年05月03日 16:48撮影 by  FinePix XP130 XP131 XP135, FUJIFILM
2
5/3 16:48
柔和なお顔立ちのお地蔵さま。

遥か昔に人の往来も絶えて、今はまるで時間が止まってしまったかのようなこの場所に取り残されて、いったい何を思っていらっしゃるのだろう。

「お地蔵さま、さみしゅうはないですか?」
お地蔵さまのすぐ横には、その由来を書き記した立札があった。

文政五
年頃(約200年前)、因幡で伝染病が流行り、旅人も村人も薬がなくて大変困ったので、旅人の安全と村人の無病息災を祈願してこのお地蔵さまをここに建立したそうな。

近隣の村々から約150名と炊き出しの女性たちで、大変な苦労の末、7日間かけて麓から引き上げてここに設置したそうな。

欠損部分があって詳しくは不明だが、おそらく修羅(ソリのようなもの)にお地蔵さまを乗せて、孟宗竹のコロを敷いて、カズラや麻縄で引いて引き上げたのだろう。

お地蔵さまの本体と台座は分割したとしても、お地蔵さまだけで500kgくらいありそうで、しかも急な山道だから、その苦労は想像もできない。

2022年05月03日 16:40撮影 by  FinePix XP130 XP131 XP135, FUJIFILM
1
5/3 16:40
お地蔵さまのすぐ横には、その由来を書き記した立札があった。

文政五
年頃(約200年前)、因幡で伝染病が流行り、旅人も村人も薬がなくて大変困ったので、旅人の安全と村人の無病息災を祈願してこのお地蔵さまをここに建立したそうな。

近隣の村々から約150名と炊き出しの女性たちで、大変な苦労の末、7日間かけて麓から引き上げてここに設置したそうな。

欠損部分があって詳しくは不明だが、おそらく修羅(ソリのようなもの)にお地蔵さまを乗せて、孟宗竹のコロを敷いて、カズラや麻縄で引いて引き上げたのだろう。

お地蔵さまの本体と台座は分割したとしても、お地蔵さまだけで500kgくらいありそうで、しかも急な山道だから、その苦労は想像もできない。

「文政七(1824)年四月二十四日」

「泉州石工 忠衛作」

「因州 奥早野村、作州 馬桑村」

「費用 金六両二分一朱四十九文也、
 米六俵 麦ニ俵」

とある。

大阪からわざわざ石工を呼び寄せて、当時の貧しい山村にとってはかなりの大金をかけて、一大事業だったのだろう。
2022年05月03日 16:43撮影 by  FinePix XP130 XP131 XP135, FUJIFILM
1
5/3 16:43
「文政七(1824)年四月二十四日」

「泉州石工 忠衛作」

「因州 奥早野村、作州 馬桑村」

「費用 金六両二分一朱四十九文也、
 米六俵 麦ニ俵」

とある。

大阪からわざわざ石工を呼び寄せて、当時の貧しい山村にとってはかなりの大金をかけて、一大事業だったのだろう。
雲?(うんだわ)に一番近い奥早野村(おくわさのむら)の石からお地蔵さまが刻まれたらしい。

ついでながら、司馬遼太郎氏によれば、早野村の辺りは山が間近に迫って日照時間が短いので、早稲(わさ)を植えるしかなかったのが村名の由来だそうだ。
2022年05月03日 16:44撮影 by  FinePix XP130 XP131 XP135, FUJIFILM
1
5/3 16:44
雲?(うんだわ)に一番近い奥早野村(おくわさのむら)の石からお地蔵さまが刻まれたらしい。

ついでながら、司馬遼太郎氏によれば、早野村の辺りは山が間近に迫って日照時間が短いので、早稲(わさ)を植えるしかなかったのが村名の由来だそうだ。
お地蔵さまのお体に積もった枯れ葉や枯れ枝を取りはらい、用意してきたお供物を差し上げて、そっと手を合わせた。

「お地蔵さま、草大福餅を召しあがれ」
2022年05月03日 16:48撮影 by  FinePix XP130 XP131 XP135, FUJIFILM
1
5/3 16:48
お地蔵さまのお体に積もった枯れ葉や枯れ枝を取りはらい、用意してきたお供物を差し上げて、そっと手を合わせた。

「お地蔵さま、草大福餅を召しあがれ」
件のお地蔵さまの右隣りにも、小さな(と言っても、これが普通の大きさかもしれない)がいらっしゃった。

おそらく、こちらのお方が初代だと思う。
件のお地蔵さまもひとりぼっちではないようだ。
2022年05月03日 16:40撮影 by  FinePix XP130 XP131 XP135, FUJIFILM
2
5/3 16:40
件のお地蔵さまの右隣りにも、小さな(と言っても、これが普通の大きさかもしれない)がいらっしゃった。

おそらく、こちらのお方が初代だと思う。
件のお地蔵さまもひとりぼっちではないようだ。
お地蔵さまの左手は広く平らに整地されたようになっていて、お地蔵さまはちょうどその端っこの方に座っていらっしゃる。

きっと、昔はここに茶店があって、旅人を癒していたのだろう。

2022年05月03日 16:55撮影 by  FinePix XP130 XP131 XP135, FUJIFILM
1
5/3 16:55
お地蔵さまの左手は広く平らに整地されたようになっていて、お地蔵さまはちょうどその端っこの方に座っていらっしゃる。

きっと、昔はここに茶店があって、旅人を癒していたのだろう。

先の2体のお地蔵さまからだいぶ離れたところに‥‥、これはもしや?

ここにも1体のお地蔵さまが、台座から外れて倒れていらっしゃる。
なんとむごいこと。
2022年05月03日 16:55撮影 by  FinePix XP130 XP131 XP135, FUJIFILM
1
5/3 16:55
先の2体のお地蔵さまからだいぶ離れたところに‥‥、これはもしや?

ここにも1体のお地蔵さまが、台座から外れて倒れていらっしゃる。
なんとむごいこと。
元の台座に収めてはみたが、右肩から向かって右斜め下に袈裟斬りされたかのように、首から上がなくなっていらっしゃる。

辺りを探してみたが、それらしきものは見つからなかった。

不憫だけれど、手を合わせて立ち去るしかない。
2022年05月03日 16:56撮影 by  FinePix XP130 XP131 XP135, FUJIFILM
2
5/3 16:56
元の台座に収めてはみたが、右肩から向かって右斜め下に袈裟斬りされたかのように、首から上がなくなっていらっしゃる。

辺りを探してみたが、それらしきものは見つからなかった。

不憫だけれど、手を合わせて立ち去るしかない。
雲?(うんだわ)から黒尾峠に続く小道が、東へ向かって伸びている。

お地蔵さまたちに別れを告げて先を急ぐ。
またいつか来ますよ。
この次は、手ぼうきとお花を持ってこよう。
2022年05月03日 16:58撮影 by  FinePix XP130 XP131 XP135, FUJIFILM
1
5/3 16:58
雲?(うんだわ)から黒尾峠に続く小道が、東へ向かって伸びている。

お地蔵さまたちに別れを告げて先を急ぐ。
またいつか来ますよ。
この次は、手ぼうきとお花を持ってこよう。
旧道の黒尾峠。

昭和46年に黒尾トンネルが開通するまでは、ここを車が通っていた。
雪の積もる冬は、通行不能だっただろう。
2022年05月03日 17:09撮影 by  FinePix XP130 XP131 XP135, FUJIFILM
2
5/3 17:09
旧道の黒尾峠。

昭和46年に黒尾トンネルが開通するまでは、ここを車が通っていた。
雪の積もる冬は、通行不能だっただろう。
雪のない時期でも、細く曲がりくねった未舗装の道を車で走るのは大変だっただろう。
2022年05月03日 17:17撮影 by  FinePix XP130 XP131 XP135, FUJIFILM
2
5/3 17:17
雪のない時期でも、細く曲がりくねった未舗装の道を車で走るのは大変だっただろう。
路肩が崩れないように、道路下の斜面は石垣を積んで補強してあった。

大変な工事だったと思う。
2022年05月03日 17:25撮影 by  FinePix XP130 XP131 XP135, FUJIFILM
1
5/3 17:25
路肩が崩れないように、道路下の斜面は石垣を積んで補強してあった。

大変な工事だったと思う。
谷をまたぐ橋。
2022年05月03日 17:28撮影 by  FinePix XP130 XP131 XP135, FUJIFILM
1
5/3 17:28
谷をまたぐ橋。
その下を現在の国道53号線が通っている。
2022年05月03日 17:30撮影 by  FinePix XP130 XP131 XP135, FUJIFILM
1
5/3 17:30
その下を現在の国道53号線が通っている。
橋の名前は“のん谷橋”

なんかかわいい名前。
2022年05月03日 17:29撮影 by  FinePix XP130 XP131 XP135, FUJIFILM
1
5/3 17:29
橋の名前は“のん谷橋”

なんかかわいい名前。
そして、“国道53号線”の表示。
2022年05月03日 17:29撮影 by  FinePix XP130 XP131 XP135, FUJIFILM
1
5/3 17:29
そして、“国道53号線”の表示。
“竣功昭和44年12月”とある。

同じ年に黒尾トンネルも竣工し、2年後の昭和46年に開通している。
この橋が国道としての役目を務めたのは、わずか2年ほどだったのか。
2022年05月03日 17:30撮影 by  FinePix XP130 XP131 XP135, FUJIFILM
1
5/3 17:30
“竣功昭和44年12月”とある。

同じ年に黒尾トンネルも竣工し、2年後の昭和46年に開通している。
この橋が国道としての役目を務めたのは、わずか2年ほどだったのか。
法面も昔は石を積んでいたんだね、今はコンクリートで覆うのが普通だけど。
何十年も崩れずに残っているのがすごい。
2022年05月03日 17:48撮影 by  FinePix XP130 XP131 XP135, FUJIFILM
1
5/3 17:48
法面も昔は石を積んでいたんだね、今はコンクリートで覆うのが普通だけど。
何十年も崩れずに残っているのがすごい。
国道53号線の栃本大橋の下をくぐり抜けた。

車の待っている那岐駅まではもうすぐ。
2022年05月03日 18:15撮影 by  FinePix XP130 XP131 XP135, FUJIFILM
2
5/3 18:15
国道53号線の栃本大橋の下をくぐり抜けた。

車の待っている那岐駅まではもうすぐ。

感想

鳥取県と岡山県の境に黒尾峠がある。

今では黒尾トンネルが尾根の下を抜けているが、司馬遼太郎氏の「街道をゆく 因幡・伯耆のみち、檮原街道」によれば、古くは奈良朝の頃には吉備地方(吉備文化圏)から因幡(出雲文化圏)の国庁に至る最短距離の官道(当時の国道)だったそうだ。

平安時代になると戸倉峠越えの道(鳥取県側では播州街道、兵庫県側では因幡街道と呼んでいるそうだ)が京への道として盛え、黒尾峠越えの道はさびれていった。
もう一つの古官道の志戸坂峠(駒帰峠)越えの道は、江戸時代にも使われたとか。

その後、高度成長期のおかげで、ほとんど廃道に近かったこの道が国道53号線に昇格した。
やがて黒尾トンネルが開通すると、峠にはドライブインやたい焼き屋もできて賑わった。

だけど、西に米子自動車道、東に鳥取自動車道ができると次第に交通量も減っていき、件のドライブインやたい焼き屋も姿を消していった。

時の流れというか時代の移り変わりというか、無情としか言いようがない。

最後にもうひとつだけ付け加えると、黒尾峠の西にある物見峠は、明治初期に岡山県北にある物見という山村の北村嘉平という人が、最初はたったひとりで山を開削し始めたそうだ。
その後、彼の行為に感じ入った人たちが力添えをして竣工に至り、岡山県と鳥取県が道でつながった。

最初は杣道だったがやがて県道に昇格し、黒尾峠に国道53号線が開通するまではこちらの方が主要のルートだったそうだ。

この話は、黒尾峠のことを調べる過程で偶然知ることとなり、恥ずかしながら今までは知らなかった。
こういう先人たちのご苦労の話は、もっと伝承されていいと思う。

先人たちのご苦労のおかげで便利な今があるのだと、今回あらためて思った。
黒尾峠と名付けたのは、自分の想像ではおそらく因幡側の人だと思う。
因幡側の山里から見れば、南側に衝立のように聳り立つ山(尾)は、陽を遮り、また多少の恨みも込めて、黒く見えたのだと思う。
しゃれを言うつもりはないが、”苦労峠”という気持ちも込もっていたのかもしれない。



お気に入りした人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:374人

コメント

まだコメントはありません
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

コメントを書く

ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。
ヤマレコにユーザ登録する

この記録に関連する登山ルート

この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。

ルートを登録する

この記録で登った山/行った場所

関連する山の用語

この記録は登山者向けのシステム ヤマレコ の記録です。
どなたでも、記録を簡単に残して整理できます。ぜひご利用ください!
詳しくはこちら