【道志】倉見山〜石割山〜御正体山〜石老山【不遇の山々】
- GPS
- 32:00
- 距離
- 52.5km
- 登り
- 4,260m
- 下り
- 4,660m
コースタイム
三つ峠駅8:07~8:51p9089:08~10:26p1124手前10:40~11:48扚子山12:09~13:05立ノ塚峠13:18~14:26石割山14:48~15:50鉄塔下16:03~17:33御正体山17:51~18:42牧の沢山18:54~19:53道坂峠手前
4/6
出発5:17~5:57今倉山6:09~7:16菜畑山7:31~8:13ブドウ沢の頭8:29~9:24?赤鞍ヶ岳9:37~10:33馬場集落への分岐10:46~11:42鳥井立11:51~12:41ムギチロ2:51~14:15天神峠14:27~15:31伏馬田城跡への分岐15:38~16:16石砂山16:29~17:09牧馬峠17:22~18:12石老山18:25~19:39石老山入口バス停
天候 | 4/5 快晴のち晴れ 夜は雪 4/6 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
復路:石老山入口バス停で相模湖駅行きのバスに乗車 |
コース状況/ 危険箇所等 |
平野峠〜天神峠、石砂山〜牧馬峠 いずれもエアリアには記載されていないが登山道がある。 |
写真
感想
昨年10月に丹沢から眺めて以来、ずっと心にかかっていた道志山塊。普通に1泊2日で考えるなら御正体入口バス停〜菅井下バス停くらいになりそうだがそれでは(短すぎて)面白くない。折角だから三つ峠駅から歩き始めて有名な石老山まで繋げてみることにした。自分では結構気合を入れて歩いたつもりだったが、帰ってルートを入力して見ると水平距離、累積登り標高差ともに10月の丹沢に及ばず・・・。
4月5日
日頃の不規則な生活リズムのせいで2時間しか寝られなかった。腫れぼったい目をこすりながら電車に乗る。眠い所為か始発の発車時刻を7分勘違いして30分のロス。早朝の電車は意外と込んでいてなかなか寝付けない。あまりぐっすり寝て松本駅まで連れていかれるのも困りものだが。何とか大月で乗り換え。三つ峠駅は無人駅のはずだが臨時の改札係がいた。割と乗降客がいるらしい。雲一つない快晴。
エアリアを頼りに山の方へ進んでいくと途中から指導標が現れる。街を離れてから30分ほど川沿いの林道を歩く。川に水は流れていないが立派な堰堤がいくつも連なっている。厄神川という名前からしてかつては暴れ川だったのだろう。林道の終点から倉見山まで道はところどころ薄い。やたらと落石注意の看板が立っている。
倉見山はまあまあ展望が良い。倉見山から杓子山はエアリアの点線ルートで、両側が切り立った尾根上を時に手も使いながら攀じ登っていく悪路。こういう所でフリークライミングの経験が活きてくる(←クライミング歴1ヶ月)。この登りで左足の靴紐を掛けるフックが一ヶ所取れてしまった。この靴は買った直後の山行でもフックが取れて修理に出している。僕の幅の広い足だとキャラ*ンの靴ぐらいしか履けないのだが、ここの靴はどうにも故障が多いのが難点だ。
杓子山は展望がよくのんびりする。生憎富士山の頭には雲がかかっている。杓子から立ノ塚峠まで急で滑りやすい下り。立ノ塚峠から二十曲峠までは打って変わって緩やかなアップダウンで快調に進む。二十曲峠は車道が通っていて観光客がいた。折悪しく峠の手前で鼻血を出してしまったため、不自然に顔を手で覆って通過することになった。水場は出ていなかった。
石割山手前には道上に雪が残る箇所があったものの締まっていて問題なかった。石割山からは富士山がとてつもなく大きく見える。視野の左端から右端まで、目に映るもの全てが一つの山でありながら、視線を下に転ずれば細かな建物が散らばっている異常。スケールがあまりに大きすぎて現実味を感じない。ところで山頂の御正体山方面を指す道標が「←GOSYOTAI」になっていて笑った。それでは是非とも御招待に与るとしよう。
石割山から暫く道が悪くなり、ところどころ笹が覆っている。通行に支障はない。山伏峠への分岐を過ぎた直後の鉄塔付近は展望が良い。遂に富士山が頂上を現す。この先向かう道志山塊、去年登った西丹沢もよく見える。
今日はあまり調子がよくない。御正体までの高々400m程度の登りで度々足が止まる。冬の間山をさぼっていた所為だろう。夏休みに向けてトレーニングを積まねば。御正体の手前で残雪が出始めるも特に問題ない。御正体の山頂は広々としていて気持ちがいい。積雪は40cm程度。
山頂で幕営してもいいが、なるべく明日の行程を楽にするため道坂峠まで進むことにする。6:30頃にヘッドライトをつける。初めの急な下りを越せば道は歩きやすく緩やかになるが、寝不足のせいでふらふらする。道志方面の寂しい夜景を見ながら足の置き場を誤らないよう集中して下る。
計画では今倉山に張る予定だったものの、道坂峠で眠気が限界に達する。道坂峠の分岐の少し手前に平らな場所を見つけてテントを張る。踝程度の笹が生えていて、若干テントの底がもこもこする。テントの中から笹を踏みつけて平らにしようとしたら、木の枝がボトムシートを突き破って1cm程度の穴が開いてしまった。萎え。雑炊を食べ抹茶オレを飲み、簡単に明日の行程を確認して9時過ぎ就寝。
4月6日
前に日記に書いた怖い夢と言い、最近変な夢ばかり見る。この晩は覚醒する寸前に、今までの夢の内容とは何の脈絡もなく謎の男が現れて「これは夢だ」とか「ほら、目が覚めるぞ」などと告げてくるというものだった。それが何回も続く。その度に今度こそ謎の男の正体を暴いてやろうと思うのだが、次の瞬間には目が覚めているために手が出せないのである。
12時頃から雪が降り始める。明け方には大分冷え込んで寝ていられなくなったため、予定より早めに3時過ぎ起床。朝食はチリトマトヌードルと抹茶オレ。食後暗く雪が降る中を出発する気にならず、まだ寝足りなかったのもあって、裸火をつけたまま30分ほど転寝してしまった。危ない。
テントを出ると雪は止んでいた。昨夜は雪の降る音で目が覚めるくらいだったのに、5cm位しか積もっていなかった。妙に損をした気分。厳道峠くらいまで新雪が見られたが、ほとんど歩行に支障はなかった。
道坂峠〜平野峠はあまりにも地味でよく覚えていない。右手に見える大室山だけはなかなか印象的だった。そういえばどこかで右足のフックも一ヶ所外れてしまった。頑張れキャ*バン。平野峠〜天神峠はエアリアには記載されていないが登山道がある。林道に降りる手前で林業用の道やテープが錯綜するので惑わされないよう注意する。天神峠から石砂山は東海自然歩道を歩く。親切すぎるくらい巻道が多くて歩きやすい。途中尾根上の山里を通過する。なかなか風情がある。
石砂山から牧馬峠もエアリアに記載されていない道がある。この辺りはギフチョウとやらが出没するらしく、酷いところだと1mおきに「ギフチョウを捕まえないでください」の看板が設置されていた。「ヒルに気をつけましょう」の看板も同じくらい頻繁に目にした。
牧馬峠を一旦右に進み、落石除けの柵的な人工物の横から山道に入る。こちらはエアリア点線だが、石砂〜牧馬よりよほど荒れている。刻々と日没が近づいている。気が逸るのと裏腹に足の動きは鈍い。太陽が山の向こうに隠れてから15分くらいで石老山登頂。石割山で視界いっぱいに広がっていた富士山が大室山の向こうに小さく覗いているのが見え感無量。これだけの距離を歩くと「旅をした」という気分になる。名残惜しいがヘッドライトをつけて下山にかかる。昨日の夜とは打って変わって、首都圏のきらびやかな夜景が広がる。やはり御正体は深い山だったのだなあと実感。向こうの山の上に見える遊園地のきらびやかな光には、励まされる様でもあり、寂しさを掻き立てられるようでもあった。
途中の説明板のついた巨岩ではいちいち足を止めながら、何とか顕鏡寺に着く。本当は標高差にしてもう100m山道が続いているのだが、精神力の限界が近づいていたため車道を取る。バス停までかなり長く感じた。相模湖駅行きのバスはこの時間だと1時間に1本しかない。幸い20分でバスに乗れた。僕が乗った時は乗客は2人だけだったのに、次のプレジャーフォレスト前で幸せそうなカップルばかりが大量に乗り込んできて、僕の荒廃した精神状態に追い打ちを掛けてくれたのだった。
まとめ
2日とも朝から晩まで歩くことができてそれなりの充実感は得られた。しかしその充実感よりも自分の体力のなさを不甲斐無く思う気持ちの方が強い。もう山でこんな思いはしたくない。今年の夏休みは納得のいく山登りができるよう、トレーニングに励みたい。
三つ峠駅〜石割山は富士山が間近に見えるおかげか、なかなか華やかな雰囲気で登山者も多かった。道志山塊は地味で特徴に乏しいものの、頭をからっぽにして歩くにはよい山域だと思う。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
まさにその通りですね。東京暮らしをしていた頃、私も注目はしていたのですが、走破することはできませんでした。まさに裏丹沢、裏高尾、裏笹尾根、裏大菩薩、エアーポケットとかブラックホールとか、最後の秘境とか・・・。
でも、kigisuさんのように歩いてくれる人がいて不遇の山々も嬉しいことと思います(ヽ゜ω゜)ノ
derakkumaさん、コメントありがとうございます!
不遇の山々に不遇の山行記録あり。このような寂れレコに目を通して下さるderakkumaさんのような方がいらっしゃればこそ、僕もヤマレコを続ける甲斐があるというものです。自分のために付けている記録とはいい条、やはり記録は誰かに読まれてこそですよね・・・。新学期が始まってしまいましたが早いところ写真と文章も上げたいと思います。
道志山塊、不遇ですよね。ヤマレコの「エリア選択」にも無視されてますものね。丹沢より東京に近いのに「関東(その他)」扱いです。確かに電車で行くには不便で、御正体の他めぼしいピークもありませんが、もっと歩かれてもいい山域だと思います。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する