槍ヶ岳 北鎌尾根
- GPS
- 80:43
- 距離
- 42.4km
- 登り
- 2,665m
- 下り
- 2,656m
コースタイム
- 山行
- 6:29
- 休憩
- 0:39
- 合計
- 7:08
- 山行
- 0:59
- 休憩
- 0:02
- 合計
- 1:01
- 山行
- 11:33
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 11:33
- 山行
- 9:32
- 休憩
- 1:03
- 合計
- 10:35
天候 | 2022/5/3(火)晴れ 2022/5/4(水)晴れ 2022/5/5(木)晴れ 2022/5/6(金)晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2022年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
※ 5:30には、バスターミナル駐車場は満車 |
その他周辺情報 | ●お風呂 食事処しもまさ(梓湖畔の湯のお向かいのお蕎麦屋さん)600円 脱衣所は籠が6つあるのに、洗い場は2つ(^^; でも、リフォームしたてなのか、カランや床はとても新しい。 誰もいなければ、穴場? ●麓庵カツ玄 多少ドライブしてでも食べたい、自分へのご褒美トンカツ http://www15.plala.or.jp/katsugen/humoto.htm |
写真
感想
長く休みが取れるGWにどこに行こうか悩む。
「今年こそ黒部に行けるか?」と思ったが、メンバーが揃わず。
去年宿題を残した北岳は雪の状態が不明だったので、北鎌尾根から槍〜穂高の縦走へ(私の技術不足でパチンコは断念)。
湯俣から・・・と思っていたら行きそびれていたので、実は無雪期含め初北鎌。
2022/5/3(火)
1日、2日に降雪があった為コンディションに不安が有るも、行けるところまでということで上高地入り。
槍沢ロッジ手前から雪があるも、好天高温につき、グサグサ。
当初北鎌沢出合で幕営予定だったが、水俣乗越から降りられる状態では無かった為、コルで幕営し、明日早朝出発とする。
2022/5/4(水)
2:00 起床、3:35 出発
夜中、風が強く寝不足気味の為、30分遅らせる。
水俣乗越から沢筋を降りるが・・・まさかのふかふかパウダー30cm。
昨日は無かったデブリもあり、雪崩リスクが高い為100mも降りないうちに引き返す。
コルまで戻り、悩む。
東鎌尾根から槍を抜け、穂高までの縦走に切り替えるか、雪が締まることを信じてここで待つか。
明日朝まで待って、ダメだったら槍だけ行って下山ということで、ここで停滞することに。
幕営地を変えようか検討の為、東鎌尾根を上がってみるも昨夜と同じコルで幕営。
好天、ぽかぽか陽気の中での停滞。
装備を乾かしたり、昼寝したり、明日どこから尾根に上がるか観察したり。
北鎌沢左俣の1本手前、独標左肩から落ちる沢筋が1番雪がありそうかも。
雪はどんどん減っていくので、渡渉は困難だろう。
出合まで降りず、早めにトラバースすべき?
暗い中、間違えずに狙った沢に入れるだろうか。
30cm近くあった新雪が夕方には半分に減っていた。夜気温が下がってくれと祈る。
2022/5/5(木)
0:00 起床、1:45 出発
雪は思った程締まっていないが、沢を降りれなくは無い。
降りたら戻れない。自分の判断に自信が持てず、自己嫌悪に陥る。
が、そんな悠長なことは言っていられない。
ここまで降りたら、雪が緩む前に尾根に上がらないといけない。スピード勝負。
残念ながらSさんにトップをお願いし、着いていく(不甲斐ない)。
昨日狙った沢は笹ヤブが酷く、かなり下まで回り込む必要があった為、その先のルンゼから上がることに(GPSで判断)。
悪い雪をトラバースし、ようやく北鎌沢左俣到着。
デブリが酷いがそのおかげで沈まずに登れる。
眼前の雪庇に、北俣本谷を思い出し足がすくむも、左脇からどうにか上がった。
稜線は雪半分、岩(夏道)半分。
うっすら乗っている雪なので、下が分からず、雪を払いながらの歩き&登攀。
独標直下 yachimayuリード
回り込んだ先の幅の狭い雪壁を上がるのだが、落ちると沢底まで一直線だったので、ロープを出す。
好天に温められた岩の雪はグサグサで、岩に近づき過ぎると踏み抜いて落ちる。
ロープ着けていて良かった。
岩より確実に登れる雪壁と、ずるりと落ち足さえ置けない雪が入り混じる。
神経を使い、予想以上に疲れ、「集中力切らすな!」と何度も声がかかる。
槍ヶ岳山荘でビールの予定だったが、槍平手前で幕営することにする。
2022/5/6(金)
2:55 起床、4:35 出発
明るくなってから出ようということで、久々にゆっくり起床。
昨夜は冷え込んだのか、この3日間で初めて結露。
この2日で雪の量がかなり減ったので単純に追えないまでも、
うっすらだがトレースらしきものが残っていた為、少し気持ちが楽になる。
岩峰基部からだと1ピッチで山頂まで届かない為、1段上がる。
ルンゼ手前に残置ハーケン2枚あり、ここからロープを出すことに。
山頂直下 yachimayuリード
最後の最後で、ルーファイミス。
登りながら、「あーこれ絶対違う。無雪期だってこんなムーブで登らない」と思う。
行けなくは無い。残置リングもある。でも絶対正規ルートじゃない(確信)。
案の定、フォローで登って来たSさんから「馬鹿野郎!」。
見下ろすと、山頂を見上げた左手に登りやすそうなルンゼがあった。
山頂まであと2m。
去年の地震で崩れたのか、明らかに新しい岩を越えると祠裏に出た。
槍ヶ岳山頂は、貸切!
無事に北鎌尾根を抜けられてホッとした。
グサグサの槍沢を半分滑り下りるも、3日前よりはるかに雪は少なくなっていた。
槍沢ロッジ前も全く雪は無い。
汗をかきながら、夏道を上高地まで駆け下りたのでした。
<おまけ>
@麓庵カツ玄
今回は頑張ったので、ご褒美にカツ玄、四味盛り♪
筍ご飯と、ニラ&厚揚げのお味噌汁、山盛りのキャベツが身に沁みる。
<感想>
課題山積だが、とりあえず今季の雪山はこれで終了。
アイゼン登攀、ラッセル、悪雪処理、全装登攀。
色々積み上げてきたつもりだったけれど、まだまだ足りない。
1番身に着けなければいけないのは「スピード」と「判断力」。
そして、圧倒的に足りないと言われた「観察力」。
残雪期の北鎌尾根は「雪崩判断」と「ロープを着けないからこその難しさ」を学ぶ良いルートでした。
<装備>
・60mロープ 1本
・ダブルアックス
・岩登り用のリンクス(デュアル)
・リンクカム 1set
4泊予定だった為、久しぶりに52Lザック。37でも入ったかも(Sさんは37L)。
自分の遅さに、持って行ったワインは捨てました(泣)。
私は3日夜にババ平まで下りテン泊しましたが、翌朝の烈風で(中に居たのに)テントごと吹き飛ばされました。
記録ID:4248191「積雪期 槍ヶ岳 東鎌尾根 (雪崩に関する一考察)」にまとめました。
5/3の先行トレース、ありがとうございます!
実は大曲からの登りの途中で、YukimineHAGIさん達のトレースに新しいデブリがかかり、
途中からルートを変えざるを得ないほど、雪の状態は不安定でした。
確かに、あそこを引き返すのも危うかったと思います。
強風も大変でしたね。壁を作ったはずなのに、私たちのテントもたわみました。
雪崩判断は難しいですが、だからこそ安全に雪山を楽しんで行きたいですね!
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