玄倉-ユーシン-同角山稜-檜洞丸-ツツジ新道-西丹沢自然教室
- GPS
- 08:31
- 距離
- 19.0km
- 登り
- 1,726m
- 下り
- 1,494m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
復)西丹沢自然教室17:05発 新松田駅行きバス 17:48谷峨駅下車 |
コース状況/ 危険箇所等 |
玄倉林道からは、山桜と若葉の山々を眺められます。 玄倉ダムのエメラルドグリーンの水は相変わらず、透明で美しいです。 ユーシンロッジの炊事場の水道は使えます。 外のトイレは水も出ます。 大石山への登りは急です。へこたれないで登れば、ご褒美の景色が待っています。 大石山の先の下りの鎖場は長く、急で、ザレていて、要注意です。 同角山稜は、東の塔ノ岳〜蛭ヶ岳の主脈も、西の富士もよく見渡せる場所が多く、お勧めです。 檜洞丸の南側、北側には、雪も見られましたが、登山道には雪もぬかるみもありませんでした。 バイケイソウの新芽が大きくなってきています。 ツツジ新道のツツジはまだまだ見頃です。ツツジ越しの富士も乙です。 |
写真
感想
山頂が平らでどこがピークかよくわからない石棚山まで登って、箒沢まで往復した神惑山岳部での山行が、丹沢の山稜への第一歩だった。
このとき、石棚山稜を歩ききっていないことが、ずっと引っかかっていた。
その後、積雪期に塔ノ岳から鍋割山まで歩き、以前の鍋割から雨山峠までの神惑山岳部での山行とあわせて鍋割山稜を歩いたのが丹沢山稜、歩き通しの一つ目。
稜と言えば、丹沢主稜。はるか昔に、丹沢主脈で初の単独小屋泊山行をしてから、KingとQueenになぞらえていた主稜にも、みやま山荘泊で犬越路まで歩き、犬越路から大室山、加入道山への周回山行と合わせて、歩き通した。
主稜がどの範囲までか、よく分かっていないが、蛭ヶ岳から加入道山までか。
丹沢山から蛭ヶ岳の間は、主脈でもあり、主稜も兼ねているような気もするが、どちらにしてもOK。
迷いやすいとガイドブックに書かれていて、単独山行に二の足を踏んでいた雨山峠から林道秦野峠までを歩いて、檜岳山稜を経験。
石棚山稜も箒沢から檜洞丸まで歩きなおして、引っかかりを解除。
そして、同角山稜。
山と高原地図「丹沢」に出ている山稜は、おそらく、これで全部。
しかし、電車・バスの公共交通機関利用登山非ナイトハイク方式採用の僕流では、なかなか計画困難なコースである。
ユーシンまでの最短コースは、玄倉バス停から、コースタイムは3時間10分。
石棚山稜分岐からの最短コースは、檜洞丸の山頂まで行かずに、ツツジ新道経由で西丹沢自然教室バス停まで、コースタイムは2時間10分。
ユーシンから石棚山稜分岐までの同角山稜の登りのコースタイムは4時間。
合計すると9時間20分。
暗くなってから歩くことを考えると、最後を林道歩きにするのが望ましいが、上級者向けと書かれている核心部を下りで使うのは、気が進まない。
始発バスの玄倉バス停着は08:04。
休憩時間0で単純にコースタイムで計算すると、西丹沢自然教室バス停着17:24。
最終バス18:58には十分間に合うが、暗くなってから歩くリスクは取れない。
季節は、日の長い時期に限られる。雪がなく、梅雨前だと、4月後半から6月前半の2ヶ月間。
待ってました。
この計画のために、玄倉林道を2回歩いて、ユーシンロッジまでならコースタイムより1時間くらい早く到着できることを確認。
ツツジ新道も久々に歩いて、渡渉の状況と実際にかかる時間を頭に入れた。
おそらく、昼ご飯を調理しても、17:05のバスに間に合うだろう。これなら日没前に下山できるだろう。
折角、檜洞丸直下まで行くけど、ツツジ新道分岐から山頂往復は35分のコースタイムなので、無理はしない。
今回の目的は、同角山稜踏破なのだから。
もし、ツツジ新道分岐の時点で40分以上の時間の余裕と体力の余裕があれば、寄り道すればよい。
ツツジ新道の下りで、休憩時間なしでコースタイム-10分の設定なので、少しの余裕であれば、その分を下りに使いたい。
さて、体調はいつも万全という訳にはいかない。
週後半に、体調を崩し、土曜日までおとなしくしていた。
本当は、僕にとっては相当のロングコースなので、翌日に休養が取れる土曜日に決行したかったのだが。
土曜日の夕方には、ランニングで体調を確認。天気もよさそうなので、日曜日の山行を決めた。
体調の確認だが、安静にしていれば平気でも、歩き回るととたんにふらふらするようなときもある。熱があるときなどは、このパターン。
歩いていても平気だが、走ると、膝や腰に痛みが出る場合もある。力がかかる関節や筋肉が異なるからだろう。
5km走って何でもなくても、15km走ると違和感が出る場合もある。繰り返しのダメージで調子の悪い部分があぶりだされるときがある。
だから、疲れが残らない程度に、極力近い負荷をかけることで、調子の判断ができる。
玄倉までは、今までは新松田駅からバスに乗っていたが、今回は谷峨駅まで御殿場線に乗った。
以前に新松田駅の富士急バスの窓口でもらった時刻表に、電車の乗り継ぎまで書かれていたので、これを参考に細心の時刻表と料金表をチェックして、バスで立っている時間とお金の相談で決めた。
谷峨駅では、増発バスが来て、本来の始発バスよりも少しだけ早く乗車できた。
増発するほどだから、当然混んではいたが、乗れたので良かった。
玄倉では、随分大勢の人たちが降りた。
新緑の玄倉林道の魅力か。
核心の同角山稜を安全に登るために、体力温存で、ゆっくりめに歩き始める。
小川谷出合から左に降りて行った二人連れや、沢歩きの3人組、10人以上のパーティ、みんなに抜かれていった。
僕も、普段は早く歩く方だが、みなさん、随分早いな。
もしかしたら、自分では気づいていないけど、前日のランニングの疲労が残っているのかな。
体力温存の目的もあり、ダブルストックで歩いたので、以前よりユーシンロッジには、少し早く着くかと思っていたが、到着時刻はなんと1分違い。
2時間強の歩行時間で、よくもまあ、これだけ同じペースになるものだと、感心したり、予想が外れてがっかりしたり。
ユーシンロッジでは、炊事場で飲用、調理用に水500mL×2本を調達。
軽く捕食をして、いざ同角山稜へアタック。
神惑山岳部での玄倉林道往復時に、ユーシンロッジ裏から鎖場までの下見をしていたので、そこからが、本当に初めての領域。
地図に急坂とあり、標高差からも分かっていたが、ただひたすら登る。
息が切れない程度のペースで、太ももに頼ってガンガン登るのは、どちらかと言えば、得意です。
こういう力任せのコースだと、時間の面で、余裕が得られやすい。
ほどなく、大石が見えてきた。
今までいくつも写真を見てきたので、一目でそれと分かる大きな岩だ。
回り込んで、岩の上に出ると、広いテーブルのように天面が平らになっている。
大の字なって寝そべることができるほど広い。
しかし。
しかし、先端が下がっている。
つまり、平らではあるが、水平ではない。
とてもではないが、高所恐怖症の僕には、その上に乗ることはできない。
仮に水平であれば、先端には近づかないが、少しだけ乗ってみる、ということができたかもしれない。
いや、それでもできないかもしれない。
いずれにしても、先端に向かって下っている、その平らな岩の上は、僕には岩の坂なのだ。
本当に、高所恐怖症でなければ、もっと山登りを楽しめるのに。本当に思う。残念だ。
岩の上には乗れなかったものの、視界が開けたその場所は、南の山々や、西の富士が良く見え、腰を引きながらも写真に収めることはできた。
大石山の山頂も開けた場所で、わずかに北側に下ったところは、富士山の絶好のビューポイントである。
大石や、大石山までの往復をする人も多いようだが、それだけの価値のある場所だと思う。
大石山では、予定通り、カップヌードルシーフードごはんを調理して、食べた。
珍しく今月は1ヶ月に3度も山に入っているのだが、前回の2回、山頂で寒い思いをし、暖かい飲み物のありがたさが身にしみていたので、今回はスティックコーヒーを3本も用意したのに、まるで初夏の陽気に、コーヒーの出番はなし。
家から持ってきた麦茶とユーシンロッジで汲んだ水を飲んだ。
予定では大石山で20分食事時間を取り12:30出発としていたが、30分くらいゆっくりしても20分ほど早く出発できた。
山頂で同じく食事をされていた方に写真を2枚撮ってもらい、出発。檜洞丸まで足を伸ばせる可能性もでてきたかな。
大石山直下の下りには、鎖場がある。白くザレた急坂で、ここは、鎖につかまりながら、後向きで降りて行った。
大石山への登りでも、白ザレで危なっかしいところはあった。
丹沢の中では特にアクセスの悪い山域なので、初心者の方が足を踏み入れることは少ないとの判断もあって、管理されているのだろう。
とは言え、一般登山道としてのケアはされていると思います。
標識の確認はできなかったが、石小屋ノ頭と思われるところにはベンチがあり、西に視界が開け、富士がよく見えた。
しばしベンチに腰掛け、写真を撮って、一休み。
その先、同角ノ頭まで、やせ尾根、キレットなどの事前情報に緊張して臨んだが、多少、肩透かしの感あり。
そして、同角ノ頭に到着。
とんがった形が他からよく目に付き、いつかは行ってみたいと思っていた場所に、やっと来られた、との思いで、「ついた!」と叫んでしまった。
誰もいないことを確認して、叫んだのではあるけれど。
ずっと、同角ノ頭(あたま)だと思っていて、ヤマレコで「どうかくのかしら」と書いてあって、「かしら」だったんだ、と思っていたら、山頂の標識は「atama」でした。
やっぱり「あたま」でした。
読み方なので、両方正解なのかもしれないが、山頂の標識が「あたま」だったので、僕の中では、これからも「あたま」にしようと思う。
山頂にはブナの立ち枯れの説明板がある。確かに、枝ぶりの見事な大きめのブナが何本もあった。
視界はないとの記述があったので、鬱蒼とした山頂を想像していたが、予想よりずっと見通しのよい場所であった。
同角ノ頭から先は、木道が整備されていて、歩きやすいところが多い。
檜洞丸の山域なんだなと、感じさせる。
中ノ沢乗越あたりで、くぼみに残雪を見つけた。
大石山では初夏を感じたが、1600mの檜洞では、GWでも雪が残っているのだ。それも、今年雪が多かったせいかもしれないが。
中ノ沢乗越からの上り返しは割と急であったが、歩きやすい道を進み、バイケイソウの新芽が大きくなり始めた石棚山稜との分岐まで来た。
同角山稜踏破!
ここからはおまけ。とは言っても、安全登山におまけはない。下山するまでが本気。本気。
ツツジ新道分岐に14:20着。計画では15:15に下り始めればバスに間に合うので、55分の余裕。
檜洞丸山頂往復35分、下りのコースタイムからの短縮計画10分を差し引いても、あと10分余裕あり。で、山頂へ向かう。
どのみち、1本前のバスには間に合わないだろうから、山頂で少しゆっくりして、下りも安らかな気持ちで下る。
事故は下りが多い。くわばら、くわばら。
ゴーラ沢出合の先、西丹沢自然教室まで1.5kmの地点の別れ道、まだ時間に余裕があったので、初めて山コース(本道)ではない方に向かう。
沢を渡渉しながら、キャンプ場の上に出る道だが、途中、広い河原で回りに誰もいない空間は、とても開放的な気分に浸れる。
結局、16:41に西丹沢自然教室バス停につき、24分、余裕を残した。
今回の山行は、転ぶこともなく、しりもちをつくこともなく、下り始めに紐をきつくしめた靴の右足の甲が少し痛んだくらいで、足もつらず、筋肉痛にも、膝痛にもならず無事降りてくることができた。
帰路のバスも臨時増発便が出て、少し早く出発した。
新松田駅まで座っていこうかとも思ったが、にぎやかなオバサマ達に気押されして、御殿場線の待ち時間が長いのは分かっていたが、谷峨駅で降りて、松田駅まで電車に揺られていった。
今回、セーターやネックウォーマー、冬用毛糸の帽子、冬用手袋をザックに入れていったが、使わなかった。
檜洞丸の山頂で休んだ後、下り始めに少し寒さを感じたが、夏用手袋を出すのも面倒でそのまま歩いたら、北側斜面に雪の残っているところがあったものの、すぐに寒さは消えてい行った。
今月2回の山行で、下山するまで500mlちょっとしか飲み物を消費していなかったので、今回は調理の分も含めて1.5Lあればいいかと思い、500mlの麦茶と、空の500mlペットボトル2本を持って出掛けたが、玄倉バス停で500mlのポカリスエットを買って正解。
西丹沢自然教室バス停でついて、2L分、飲み干した。非常食は、それなりに持っていたが、水が足りないと心細いものだ。
玄倉でとっさに仕入れたものの、助かったと思う。
百名山を目指す人は多いだろう。
ジグソーパズルのピースをはめていく楽しさがあるのだと思う。
年に数回、それも近場がほとんどの僕の山行スタイルの場合、百名山完登は狙うべくもないが、ホームグラウンドの丹沢では、ジグソーパズルの完成を楽しみたいとも思う。
ヤマケイガイド表紙の11座登頂についで、今回の5山稜揃い踏みも、こじつけっぽいが、その一つかなと。
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