岡山県鏡野町 真庭市境〜不溜山 アサギマダラ他夏の動植物
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- GPS
- 04:17
- 距離
- 13.3km
- 登り
- 752m
- 下り
- 754m
コースタイム
天候 | 曇りたまに小雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2022年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
危険箇所はありません。基本は緩やかで歩きやすく、傘を差して走れます。道の一部に根曲がり竹がかぶさってくる所がありますが、片手でよけられます。また、雨上がりなので道の一部にちょろちょろと水が流れてぬかるみがありました。大雨後や雨天は避けたほうがいいでしょう。なお、マダニはいます。 スタート&ゴール地点から不溜山(たまらずがせん)登山口<写真24>までは作業道です。 最初はきれいな草も生えていない砂利道で、次第に草が生えてきますがよけて通れます。アメンボの仲間<写真17>撮影地点の水たまり辺りから、たまに根曲がり竹がかぶさってくる所がありますが、片手でよけられます。また、たまに道の真ん中にヒノキや杉の幼木が生えていますが、よけて通れます。 雨上がりだったので、道の一部にちょろちょろと水が流れている所がありました。特にヤマアジサイ<写真14>撮影地点周辺はぬかるみがありましたが、なんとか避けられました。 不溜山(たまらずがせん)登山口<写真24>から不溜山頂上までは、根曲がり竹の間の細道で、途中から体に当たり続けますが、足元も前方のピンクテープも見えます。 |
その他周辺情報 | スタート地点から自動車で東に15分程進むと、国道179号線沿いに道の駅奥津温泉があります。レストラン「温泉亭」ではランチバイキング<写真34〜36>が楽しめます。健康茶やアマゴの甘露煮などメニューの一部は売店で購入可能です。 |
写真
アサギマダラ♂
出発して程なく、フワフワと優雅に舞うアサギマダラがお出迎え😍後翅裏側に黒い部分があるのでオスです。北の谷からアカショウビンの鳴き声が聞こえてきましたが、すぐにやんでしまいました。
いつも見上げて写真を撮る岩です。生えている木が気になっていたのですが、小さいほうはヤマアジサイと判明😊復路で動画を撮りました。BGMはエゾハルゼミです。彼らの独特の鳴き声を聞くと、夏も本番と実感します。
縁紋はオスは赤、メスは白です。ニホンカワトンボにとてもよく似ています。縁紋にかかる横脈の数は、オスの場合は6以上ならニホン、4以下ならアサヒナでほぼ間違いないそうです。鏡野町ではほぼアサヒナカワトンボのような気がします。
動画も撮りました。頂上付近に見えている風況観測塔は六本木ヒルズにある会社が設置した施設のようです。年末まで観測が続けられ、結果次第では、乗幸山(のりさちやま)に風力発電所が誕生😱復路で訪問する予定でしたが、天気が不安定で頂上付近がガスっていたのでスルーしました。
土が湿ってやわらかいところには、こうした鹿の足跡がたくさんあります。長さは5〜6cmです。この日は人間の突然の訪問に驚いて逃げ去っていくシーンに何度も出くわしました。もちろん、彼らがいるということは、マダニもいるということで😓今回は連れに2匹ついていましたが、刺される前にモゾモゾ感に気づいたそうです。
作業道の法面にヒヨドリバナの仲間とセットで生えていることが多かったです。この日もっともよく見られた花でした。周辺は水がちょろちょろと流れており、特に復路ではぬかるみが道幅いっぱいに広がっていました。
ソウシチョウやコゲラと群れていたようで、枝から枝へと十数羽が移動しながら近づいてきました。飛び回るので動画に撮れたのはこの個体だけでした。お腹にネクタイのような黒い筋模様がありますが、首の後ろと前の黒い模様がほとんどつながっていないので幼鳥です。
作業道の標高1,040m地点の水たまりにたくさんいました。どうやってこんな高い所までやってきたのでしょうか。体長は1〜1.5cmで半透明の翅が見えているのは幼虫のようです。コセアカアメンボかヤスマツアメンボではないかと思います。ここから細道になり、たまに根曲がり竹がかぶさってきましたが、片手ですぐによけられました。
目指す不溜山(たまらずがせん)が正面に見えたのでズームして動画も撮りました。根曲がり竹が体に当たることが次第に増えてきました。たまに道の真ん中にヒノキや杉の幼木が生えていますが、よけて通れます。
成虫はこんな可愛い姿をしていますが、日本の蝶の中で唯一、幼虫が完全な肉食性で、ササなどに付くササコナフキツノアブラムシなどのアブラムシのみを食べます。撮影中に人の声が聞こえたのですが、不溜山(たまらずがせん)頂上直下で団体さんにお会いするとは思いませんでした。
登山口<写真24>からは根曲がり竹の間の細道で、体に当たり続けますが、足元も前方のピンクテープも見えます。頂上に到着すると、また天気が怪しくなってきました。乗幸山(のりさちやま)の左端のほうに風況観測塔が見えています。
翅の裏側の模様は特徴的でわかりやすいです。メスは前翅の先端近くに黒い帯模様があります。南方系のチョウで幼虫はパンジーなどのスミレ科を食べるので、我が家の庭でも育っています。
標高1,124.4mの不溜山(たまらずがせん)頂上三角点です。草を刈られた頂上の端にありました。展望が効くのは乗幸山(のりさちやま)方面のみですが、開けており数人ならゆっくり休憩できます。下山開始早々に団体さんとすれ違いました。
アメンボの仲間<写真17>のいた水たまりにいました。岡山県では全域に分布していますが、特に県南の平地では見られなくなってきているので準絶滅危惧種に指定されています。標高1,000m超でトノサマガエルが見られるのがサプライズでした。実は、非繁殖期には水辺を離れ、このくらいの標高にいることもあるようです。
昨年9月にはあった「不溜山 6km先」の道標はなくなっていましたが、足元には丸太と土の階段の一部が残り、見上げるとこのような一本道が続いています。傾斜は急で、途中に旧道との分岐があります。
地面を這うように生育し、直径1cm程の花がまばらにつきます。直径数mmの丸い実はナスというよりもミニトマトに見えます。ナス科ではなくサクラソウ科です。ここのは1株がとても小さく、花も1輪ずつでした。
シーボルトが標本を持ち帰ったのが名前の由来です。国内最大のミミズと言われ、過去最長記録は45僂世修Δ任😱この個体は体長30冂、山ではよく見かけるサイズでした。体色はもっと濃い紺色が多いです。動画のラストを飾ってもらいました😊
ランチバイキング1
山菜の煮物や切り干し大根のなます、夏の定番コリンキーの酢の物、名物田舎カレーなど、ここならではのおふくろの味が楽しめます。トウモロコシは2種類あり、特に白が甘くておいしかったです。
ランチバイキング2
卯の花や白和え、名物のアマゴの甘露煮などの定番メニューの他、肉料理は種類が増えていました。唐揚げ、蒸し鶏、手羽元のさっぱり煮、酢鶏と、肉じゃが以外はすべて鶏肉でした。ちなみに、カレーも鶏肉です😊
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下(厚手)
手袋(防水加工)
軍手
雨具
スパッツ
日よけ帽子(フード付き)
雨用帽子
登山靴(防水加工)
靴ひも予備
アタックザック
ザックカバー(防水用)
地形図
コンパス
マップケース
筆記用具
タオルハンカチ
カメラ
飲料水(スポドリ&茶)
水筒(保温)
非常食(栄養補助食品)
スマホ(地図アプリ使用)
eTrex22x(GPSナビゲーター)
虫よけスプレー
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感想
【アプローチは長いが高低差が少なく散歩感覚で山行ができる不溜山】
今回訪問した不溜山は“たまらずがせん”と読みます。日本の山には珍しく漢文読みです。標高は1,124.4mあり、岡山県ではそこそこ高い山です。
7月に入り、海に近い県南部では気温が連日30℃を超す真夏日が続きます。さすがに、この時期に県南の山に登るのは熱中症などのリスクがあります。特に年をとると体温調節機能が衰えるので、安全登山を行ううえで適度な気温も重要な要素となります。
岡山県で標高1,000m以上の山は県北にしかありません。ちなみに、高度が100m上がるごとに気温は0.65℃下がります。つまり、標高1,000mまで上がると、海抜0mに近い平地より6.5℃下がります。不溜山は少なくとも平地より7℃は気温が低いだろうと考えました。余談ですが、これがもし富士山なら平地よりおよそ25℃も気温が下がりますので、仮に、富士登山を半袖&短パンで敢行すると、低体温で危険な状況に陥ります😱まあ、自分たちは夏の1,000m級の山でも半袖&短パンで登山をすることはありませんが・・・
また、大気が不安定な日(天候が急変しやすい日)だと、突然大雨になった際に、非常に危険な状態になる恐れもあります。そこで、道の大半が作業道で高低差が少なく、いざとなれば傘を差して走れ、しかも標高が1,000m以上あり、道の大部分で太陽の直射が避けられ、熱中症の心配もない山ということで、不溜山に決まりました。
もっとも、作業道の一部は根曲がり竹(チシマザサ)がかぶさり気味、登山道は途中から足元と前方のピンクテープは見えるものの体に根曲がり竹が当たり続けましたが😅雨上がりのこの日は、作業道の一部に水がちょろちょろと流れており、多少ぬかるみもあったので、大雨後や雨天は避けたほうがいいかもしれません。ちなみに、ニホンジカが多いのでマダニはいました。
この不溜山(たまらずがせん)は「新岡山の山100選」にも選ばれているのですが、訪問する方はあまりいません。そもそもどこからアプローチをしていいのかがよくわかりません。一般的には富東谷の四季桜を起点にアプローチをするようです。頂上まではおよそ6辧高度差およそ600mのコースです。頂上直下でおそらくそのコースを辿って来たと思われる団体さんとすれ違いました。お互いに「まさかこの山で人に会うとは思いませんでした」と、同じ言葉を交わしました。
我々はそのコースとは逆方向にある真庭市と鏡野町の境(峠)を起点に頂上まではおよそ6.3辧高度差およそ280mのコースを設定していました。当初の計画では復路で乗幸山(のりさちやま)も訪問する予定でしたが、天候が不安定な状況に加えて、乗幸山頂上付近がガスっていましたので、今回は不溜山ピストンとしました。
【今年初めてアサギマダラに出会う!】
2020年8月15日に不溜山と乗幸山を訪問しました。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2506239.html
その時は鹿・蝶・トンボ・鳥などの動物がたくさん見られました。
今回はオニヤンマやミヤマカラスアゲハなどは見られませんでしたが、今年まだ一度もお目にかかっていないアサギマダラを見ることができました。決して珍しい蝶ではありませんが、渡りをするので、いつもその地にいるわけではありません。
春から夏にかけて暑さを避けるために気温の低い北へ、秋には寒さを避けるために気温の高い南へ移動していると考えられています。ちなみに、調査によるとアサギマダラの最長の移動距離は約2500劼任后1日に200勸幣絨榮阿靴燭箸いΦ録もあります。それぞれの移動先で産卵して死ぬと考えられており、つまり、南下する個体と北上する個体はなんと別個体なのです😯まだ見ぬ目的地に道案内なしで旅をしているわけです。しかし、なぜ渡りをするのか(日本で唯一の渡り蝶です)、初めて訪れる目的地にどうやってたどり着いているのかなどについては、未だ謎のようです。
この鏡野町にも毎年欠かさずやってきます。特にヒヨドリバナの仲間やフジバカマなどアサギマダラの大好物の植物がある場所で見られる可能性が高いです。また、9月中旬以降に生まれた個体は、1~3齢の幼虫のまま、あるいは卵の状態で越冬する場合もあります。これらの個体は、移動せずに日本で成虫になり夏を迎えることになります。もしかしたら、岡山で越冬した岡山育ちの個体もいるのではないか・・・など、アサギマダラのことを考えるだけで、ロマンが無限に広がります。
ミステリアスな生態もさることながら、大型で青みがかった翅が美しく、フワフワと優雅に飛ぶさまは、多くの人々を魅了しています。今年も見られてよかったです😊
【山も料理もすっかり夏モード】
出発地点の作業道起点には、自動車1台分のスペースがあります。降り立ったとたんにエゾハルゼミの大合唱が聞こえてきました。県北ではおなじみのセミで、鳴き声が独特です。自分たちの耳にはグワーヒー、グワーヒー、ウィウィウィウィと聞こえます。ヒグラシの鳴き声から風情を取っ払ったようなけたたましい声ですが、これを聞くと夏本番を実感します。
出発早々にアサギマダラに会えましたし、作業道法面にはヤマアジサイがたくさん見られました。ツルアジサイやリョウブ、ミゾホオズキなどの夏の花も今年初めて見ました。7月に入り県北の山も夏本番と感じました。
山行が予定より早く終わったので、道の駅奥津温泉に向かいました。13時半頃でしたが、天気のせいか人は少なめで、レストラン「温泉亭」は待ち時間なしで入店できました。
生でも食べられるカボチャ「コリンキー」の酢の物は、夏の定番メニューで人気があります。また、モロッコインゲンの天ぷらや甘みが強いトウモロコシなどの夏野菜メニューも楽しめました。料理でも夏の到来を実感できました。
今月下旬には梅雨も明け、天候を気にせず山行できるでしょう。少しずつ猛暑に体を慣らして備えたいと思います。
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