奥岳から安達太良山〜鉄山〜箕輪山
- GPS
- 09:52
- 距離
- 18.8km
- 登り
- 1,155m
- 下り
- 1,147m
コースタイム
天候 | 晴れ 稜線は猛烈な強風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
特に危険な場所はない 駐車場から五葉松平へ登る際、スキー場内の標識が少ないため注意。 最初のゴンドラの左手に登山コースがある。 安達太良山の稜線の強風は有名だが、この日は牛ノ背や馬ノ背では時折立っていられないような強風が吹いていた。 鉄山避難小屋から箕輪山はルートは明瞭だが、乳首あたりに比べて歩く人は格段に少なく、灌木が登山道にかぶさり、所によってはぬかるみ滑りやすくなっている。 |
写真
感想
当初の予定では5月中に本栖湖と寄居の線つなぎを完了させ、5月31日に安達太良に登るつもりだったが、福島の天気予報が晴天になり、急きょ予定を変更、郡山のルートインに空き室があったので土日で福島の山に登ることにした。
24日は安達太良に登った後、船引の移ヶ岳にも登り、25日は鎌倉岳(常葉)と日山をハシゴしてから東京に戻るというちょっと欲張りな算段も描いているが、果たしてこれは??
安達太良山は前週の18日に60回目の山開きが行われ、なんと史上最高の1万5千人ものハイカーが集まるという異常な人気ぶり。
24日も晴天予報でハイカーの出足も早いだろうと想定し深夜0時に自宅を出て東北道を北上し、午前3時半過ぎに登山口の安達太良高原スキー場に到着した。
さすがにこの時間の駐車場はまばらで、さくっと準備をして空が白んできた4時過ぎに登山開始。
ヘッデンを付けないスタートは久しぶりだ。もちろん今日も私は半袖で出立。
安達太良山にはこれまで都合6回登っており、今回も過去6回と同様五葉松平まで上がり乳首から箕輪山まで歩き、勢至平からスキー場に戻るというプラン。
ただ前回登ってから15年たっており、登山口の記憶は薄弱。
下山後はいつもお風呂に入っていた富士急ホテルも震災の損傷で解体されて更地になっている。
指導標に従いビジターセンターから車道を進み、最初の二股で左に折れる。
そのままリフト乗り場を越えて、リフトの左側のゲレンデを登るのが正解なのだが、手前の踏跡につられて一つ手前のゲレンデに入ってしまった。
途中で引き返そうかとも思ったが、地図で確認したらそのまま上がってもリフトの終点で登山道と合流するのでゲレンデを直登、無事登山道に復帰できた。
リフト終点からは灌木の中溶岩が冷えた大岩がごろつく道を緩やかに高度を上げてゆく。
五葉松平を過ぎると右手に鉄山から箕輪山が姿を現し、一登りで薬師岳へ。
ここで初めて正面に乳首を拝める。。
ゴンドラ山頂駅からの道を合わせしばらく木道を進むが、このあたりショウジョウバカマが登山道を彩り、ミズバショウが1株だけ花を咲かせている。
木道が終わり、表登山道からの道を合わせるとハイマツやシャクナゲなどの灌木の中の登りとなる。
ここでソロの男性に追いつかれ道を譲るが、挨拶しても返事なし。やな感じ。
一ヶ所小さな雪渓を超えるが、このあたりからところどころに氷が張り霜柱が立つ。
気温は氷点下だが、山頂までは半袖で頑張る。
やがて森林限界となると、山頂までは一投足。
山頂直下で右手の雪渓に、ヤマレコでも皆さん話題にしているハートマークを確認。
溶岩ドームである乳首の根元に大きな山頂標識があり、先週行われた開山祭の神事の玉串が残っている。
乳首の頂上には三角点と祠、そして昭和15年に建てられた『八紘一宇』の石柱が鎮座している。
山頂は360度の大パノラマで、東は二本松の街並みを挟んで阿武隈の山々、南に和尚山、西に磐梯山、そして北は鉄山へと続くまるで火星のような茶褐色の荒涼とした光景、さらに彼方の蔵王、吾妻、飯豊の山々。
この荒涼とした景色こそ火山である安達太良の真骨頂だろう。
私もそうだったが、初めて安達太良に登った人は必ず驚く光景だ。
ここでのんびり栄養補給と行きたいところだが、とにかく風が強くじっとしていられない。
さすがに半袖では耐え切れずシャツを羽織って稜線を北へと向かう。
強風が吹く中牛ノ背を進み、峰ノ辻への下降点を過ぎると矢筈森。
ここで左手に安達太良のもう一つの顔である爆裂火口の沼ノ平が姿を見せる。
昔は降り立つことができ、私も歩き回ったことがあるが、硫化水素中毒による死亡事故があってからは立入禁止となってしまった。
矢筈森から馬ノ背に下るがここも風が強い。
ただ鉄山への登りに取り掛かると、岩陰でピタッと風がやむ。
鉄山は柱状節理で構成された船の艪のような山で、標高は乳首よりも10メートル高いが山頂には三角点とケルンがあるのみ。
吾妻連峰を見ながら軽く下ると黒い屋根の鉄山避難小屋へ。
誰もいないと思ってドアを開けるとシュラフに足を突っ込み読書をしているお姉さんがいてちょっとびっくり。
話を伺うと前日登りここで泊まったそうだ。
風がなければ今日は日向ぼっこする予定だったが、寒いので小屋に籠って、もう一泊するとのこと。
こういうのんびり過ごす山行って理想的。
15分ほどお話をして箕輪山へ向かう。
避難小屋から先は歩く人も少ないようで、灌木が登山道を覆い、足元もぬかるんでいる。
標高差100メートルほど下ると笹平でここは僧悟台への分岐点となる。
ここから歩きにくい道を100メートル強登り返すと安達太良最高峰の箕輪山。
こちらも展望は素晴らしく、吾妻連峰が近い。
吾妻の右手には蔵王、左手には飯豊が連なり、西には秋元湖と磐梯山が見える。
箕輪山も風が強かったが、陽射しがずいぶん暖かくなり、岩陰で風をよけながら40分ほど食事休憩をとった。
再び鉄山避難小屋まで戻り、小屋の中に腰を下ろすと、箕輪山まで足の延ばすハイカーがちらほらと到着。
件のお姉さま、ヤマレコは登録してるけど書いたことがないとのことで、『じゃあ私のレコ読んでください!!』とお願いして小屋を後にする。
再び半袖になり鉄山を超えるが相変わらずというか、朝にもまして稜線は強風。
鉄山を下り風が来ないスポットで休まれていた地元のご夫婦と立ち話をするうちに気がつけば40分もおしゃべりしてしまった。初対面でも山の話で盛り上がるととにかく時間がたつのが早い。
ただ、この時点で、下山後移ヶ岳もやっつける気力はほとんど失せた。
御夫婦とお別れして、ふと乳首山を見れば頂上直下から山頂まで蟻の行列のようなハイカーの列。
やっぱり山は早出に限る。
鉄山まで足を延ばそうと矢筈森まで来る人はちらほらいるが、強風に腰が引けてほとんどが引き返して下りてゆく。
半袖で馬ノ背から牛ノ背を歩くと、風にあおられた砂や小石がビシバシ飛んできて痛い痛い。
牛ノ背から雪渓に沿って下ると風が当たらない峰ノ辻はお昼休みのハイカーで一杯。
大半のハイカーはくろがね小屋の方へ向かうが、別に山バッジは集めていない我が家は直接勢至平へ下る道を進む。
前半は灌木のトンネルだが、途中から登山道はクリークに変化する。
ここはちゃんとした登山靴履いていないと難渋する。
峰ノ辻から30分ちょっとで勢至平分岐に到着、くろがね小屋からの道と合わさり再びハイカーの数が増える。
お腹がすいたという嫁さんに応え、ここで小休止。
ふと山頂方向を見上げると虹のような七色の雲。
現地では彩雲だと思ったが、写真を見たらこれは環水平アーク。
彩雲だと瑞相で縁起がいいが、環水平アークだったら地震雲といわれている。
さらに東の空に巨大UFO出現。笑
30分ほど休んだ後、岩槻から来られたソロの男性と御相伴、駐車場に戻るとほぼ満車状態の活況だった。
15年ぶりの安達太良山は急きょ変更して登った甲斐あって、天気に恵まれ期待通りの素晴らしい眺望を楽しむことができた。
火星のような稜線の荒涼とした世界、残雪と新緑のコントラスト、そして小石まで飛ばす名物の強風、とどめは環水平アークと巨大UFO、まさに春の安達太良を十分に満喫できた充実した山行だった。
着替えや荷物の詰め直しなどで駐車場を出たのが午後3時過ぎ。
最初の計画では下山後船引の移ヶ岳をやっつけてから郡山へのルートインへという腹積もりだったが、途中でその気持ちは失せ、移ヶ岳は25日に登ることにして直接宿に向かった。
5月累計
山行回数 6回
登山日数 6日
合計距離 117.42km
累積標高(上り): 8334m
累積標高(下り): 8312m
SOYJOY、ありがとうございました
小屋の主です(笑)
私もあの日は、予想より早いお客さんの訪問でビックリしましたが、少しの間だったけど、お二人から楽しい時間を頂けて、ほんと良かったです
安達太良のUFOは、あの日ずっと出てました
私も不思議な雲〜って思って、写真撮りましたよ
土曜の夕方に同居人が出来たので、翌日一緒に下山させてもらいましたが、稜線上は動けなくなるほどの強風で、大変でした
安達太良らしいなぁとは思いましたけど
またいつか、どこかでお会いできますように
奥様にも、よろしくお伝えくださいね
yukinosky さん、さっそくのコメントありがとうございます。
SOYJOYはセブンイレブンのくじで当たったもので、頂き物みたいなもんですから。
24日はUFOが現れたり、環水平アークが出現したりと上空で珍しいものがいろいろ見れた一日でした。
山頂にこだわらず小屋でまったりと過ごす、ある意味山屋の究極の贅沢でうらやましい限りです。ブログの方も拝見させていただきますので、これをご縁いまたどこかでご一緒できると幸甚です。
環水平アークとは?
初めて聞く言葉に、さっそくWikipediaで調べたならば、すっごく珍しい現象なんですね
UFO雲もさることながらびっくりしました
沼ノ平の荒涼とした風景は今なお硫化水素が噴出してるからなんですか
おっぱい山のさきっぽ以上に見入ってしましました。
マコトさん、いつもコメントありがとうございます。
現地では雲が七色に染まる彩雲だと思っていたんですが、帰宅後写真を見たり、ニュースなので環水平アークだと分かりました。
ちょくちょく見れるものではないので、もっとしっかり写真撮っておけばよかったと後悔しています。
荒涼とした景色は磐梯と同じで噴火に伴う爆裂で山が吹っ飛んだ結果です。
沼ノ原だけじゃなく、くろがね小屋の上でも硫化水素は噴出しており、これが麓の岳温泉や中ノ沢温泉の源泉にもなっています。
安達太良山には都合2回登った記憶があるのですが、いずれもゴンドラに乗って楽をしました。
が、いずれも天候には恵まれず、雨こそ降らなかったけど、大した眺望もなく・・・だったような記憶です。
荒涼たる大地・・・も記憶に薄いんですよ。
おっしゃるように、少々寒いくらいでは半袖でもOKなのですが、風が強くなりだすと体感温度が急速に低下して、我慢できなくなりますね。
隊長、こんにちは。
安達太良や磐梯山は天候や視界によって印象が全く違いますねー。
私は安達太良6回目ですがはずれなしの相性のいい山です。
ぜひ好天の日にリベンジしてください。
朝は氷点下に加えて、稜線は風速20メートルくらいの風が吹いていたと思いますから体感温度は氷点下20度。
おまけに風に飛ばされて砂や小石がビシバシ飛んできましたので、山頂から長袖を羽織ることにしました。
お疲れ様でした
風を感じず絶景写真を拝見させていただきました
珍しい雲まで見られてラッキーでしたね
和尚山って形いいですよね
いつか登ってみたい緑の山
登る人少ないのかなぁ・・・
掲載した写真はそうでもないですが、実際にはかなりの写真が風のせいでぶれていました。
環水平アークは磐梯や一切経など周辺の山に登ったレコでも取り上げられていたので、結構広い範囲で見れたようです。
和尚山、乳首から見ると本当にハンサムですね。
銚子ヶ滝の方から周回できるようですが、あまりレコは多くないですね。
地元の方にクマが多いと聞いたことがあります。
環水平アーク UFO雲 ダブルで見られるとは、お二人の仲が良いからですね。
妻レコ流行ですね。
因みに私のレコには妻レコは絶対にありませんので、ツマらないです。
hamburg
渋描き隊長、こんばんは。
うちは基本的に二人で登っているのでいつも妻レコです。
というか、彼女が写真担当なので、写真は夫レコです。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する