仙丈ヶ岳 ライチョウが飛んだ!
- GPS
- 12:42
- 距離
- 24.8km
- 登り
- 2,372m
- 下り
- 2,361m
コースタイム
仙流荘10:05→南アルプス林道バス→10:40歌宿バス停10:46→12:00大平山荘→12:12北沢峠→12:22長衛小屋(旧北沢駒仙小屋)
5月25日(日)
長衛小屋テント場4:20→4:46二合目→5:37大滝頭→6:35小仙丈ヶ岳→7:49仙丈ヶ岳8:05→8:26仙丈小屋→8:40馬ノ背コース引き返し点→9:06小仙丈から仙丈間の小屋分岐→9:36小仙丈ヶ岳→10:14大滝頭→10:57二合目→11:21北沢峠→11:33長衛小屋テント場
テント撤収
長衛小屋テント場12:34→長衛荘(こもれび山荘)にて昼食→14:40歌宿バス停15:15→南アルプス林道バス→15:50仙流荘
(下りのGPSトレースが乱れていますが、忠実に林道を歩いています)
天候 | 5/24 晴れのち曇り 5/25 曇り時々晴れ、霞濃い |
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過去天気図(気象庁) | 2014年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
仙流荘から歌宿まで南アルプス林道バス(往復2080円、荷物代込み) |
コース状況/ 危険箇所等 |
○歌宿〜北沢峠 歌宿以降の南アルプス林道は整備中で落石跡が多数あります。ネット等の整備前なので、落石に注意してください。 長衛小屋(旧北沢駒仙小屋)はまだ営業していません。このためテント場は無料で使用できると小屋に貼り紙がありました。 北沢峠の長衛荘(こもれび山荘)は営業しています。入り口に自販機があり、ビールや酎ハイを購入できます。 ○北沢峠〜大滝頭 二合目以降から積雪が多くなります。4合目の上あたりから雪の斜面をトラバースして大滝の頭に至りますが、ここはアイゼンを装着した方が良いと思います。 ○大滝頭〜小仙丈ヶ岳 自分は大滝頭にてアイゼン(12本爪)を装着。ほどなく森林限界を超えますが、これ以降腐った雪の踏み抜き多発地帯となります。 ○小仙丈ヶ岳〜仙丈ヶ岳 途中岩場など雪のないところがあります。アイゼンは付けたままなので、岩に爪を引っ掛けて転倒しないよう。仙丈ヶ岳直前の痩せた雪稜は両側が切れ落ちています。自分が登った日はほぼ無風でしたが、風が強い日は防風対策をしっかり。 |
予約できる山小屋 |
北沢峠 こもれび山荘
|
写真
感想
南アルプスへ足を運ぶようになったのは昨年から。
7月に両俣小屋発で仙塩尾根から間ノ岳〜北岳を登り、10月には黒戸尾根日帰りで甲斐駒ヶ岳に立った。
どっしりとした山が多い南アルプスは今年もぜひ行かなくては、とヤマレコを眺めていたところ、つい先週の仙丈ヶ岳の記録が目に留まる。
なるほど、南アルプス林道のバスは北沢峠の手前まで開通しているが、今の時期は登山者が少なく空いているらしい。
まだ仙丈ヶ岳へは登ってないので、ちょうどいい。決めた。
と仙丈行きを計画したのがつい5日ほど前。多くの人は北沢峠定着で甲斐駒と仙丈ダブルで登るようだが、そのためには初日に仙流荘6時発の始発に乗らなくてはならない。自分の住む石川県から仙流荘までは5時間かかるので寝ないで車を走らせる?ソロの中高年にはキツ過ぎるので、甲斐駒はパスしてのんびり北沢峠でテント泊、翌日に仙丈アタックとした。
5/24 土曜日
仙流荘10時発のバスに乗るべく車を走らせる。朝4時に自宅を出たが仙流荘には意外に早く9時前に着いてしまい、のんびりとバスを待つ。昨年は1時間以上並んで乗ったバスも余裕の定員以下。数人のテント装備登山者と、あとは林道沿いの山野草を楽しむ高年グループ。清々しい天気の下、バスは定刻に歌宿に着いた。今日はここから6キロ林道を歩くだけだ。
缶ビール3本とウィスキー、食材で満杯なザックが重い。今回はデカザックは林道歩きだけ、とオツマミ系はもちろん生野菜やレトルト食品、バケットも持ってきた。水を担がないだけマシだがさすがに重い。たっぷり汗をかき1時間30分かかって静まり返った北沢峠に到着。昨年はここから林道を下って両俣小屋まで歩いた。
今回も少し林道を進み分岐を左に下るとすぐにテント場到着。ただっ広いテント場だがポツポツと4張ほど。どこでも好きなところに張り放題だが、水場からの水流が横を流れる場所に決めた。
まだお昼過ぎだが今日の予定は終了。担いできたビールを片手に至福の時が過ぎて行った・・・
5/25 日曜日
午前3時頃目が覚める。もう少し寝ていたいが、2度寝すると危ないのでとりあえず起床。簡単な朝食の後、ヘッドライトが必要のない明るさとなった午前4:20テント場を出発する。林道を横切り小さな橋を渡って山に入る。この道は斜面をショートカットして仙丈ヶ岳二合目に至るようで、ジグザグにぐんぐん高度を稼いでいく。ウォーミングアップにはちょうど良い感じで、テン場から25分で二合目着。その後三合目で同じくテン場発の二人組みをかわすと、後はずっと一人旅だった。
四合目を過ぎトラバース道が始まると、ようやく雪がつながる感じとなる。早朝ながら雪は軟らかくアイゼンなしでも大丈夫な感じだったが、時折ズルっと滑るので大滝頭にて休憩がてらアイゼン装着。だんだん斜度も厳しくなると、あと少しで森林限界らしく周囲の山々がぼんやりと見えてくる。今日は霞が濃く、近くの甲斐駒ヶ岳もはっきり見えない。
森林限界を抜けると進行方向に小仙丈ヶ岳へと続く緩やかな斜面が広がる。緩やかと言えどもなかなか厳しい登りで、おまけに緩んだ雪に踏み抜き多発でパワーを削がれる。このあたりでオスライチョウに出会う。北アルプスではよく出会っているが南アで見るのははじめてだ。
6:35小仙丈ヶ岳着。目の前には小仙丈カールを抱いた仙丈ヶ岳がどっしりと広がる。左手には昨年歩いた北岳から間ノ岳の稜線が。軽くエネルギーを補給し山頂目指して歩を進める。相変わらず時折雪を踏み抜いて調子が狂うが、今日は風もほとんど吹かず3000Mの稜線とは思えない快適なトレイル。霞が濃く眺望が悪いのが残念だ。
小仙丈カールの上の台形のピークを後に回り込むと、今度は藪沢カールが広がり斜め前方には山頂と思われるピークが。人がいるように見えたがカメラの望遠で見ると山頂標識らしきものが確認できる。
両側が切れ落ちた細い雪稜を渡り、7:49仙丈ヶ岳山頂着。今年最初の3000M峰にふさわしい、暖かく穏やかな山頂だった。
誰も来ない山頂をしばし独り占め。セルフタイマーでポーズを撮って遊んでみる。日頃やらないポーズを取ってもぜんぜん決まらないのがオッサンの悲しさか?(笑)
下りはせっかくなので藪沢カールの基部に建つ仙丈小屋に寄ってみることに。山頂から数歩下ったあたりで左足を腿のあたりまで踏み抜き、引っ張っても抜けなくなった。痛みや圧迫感は全くないが力を込めても全く抜ける気配がない。仕方がないのでストックの先で雪を砕き、手で雪をどけていく。5分以上雪を掘って足先の雪がなくなり、ようやく足が抜けた。ヤレヤレ、腐り雪は本当に疲れますね。
あとはカールを適当に下って小屋に到着。誰もいないと思っていたが、3階の雨戸が突然開き、どうやら人がいるようだ。冬季小屋に泊まったのかな?
そしてトラブル第二段。何を思ったか下に見える尾根を小仙丈へと続く稜線と勘違いし、ここをそのまま下ったら近道では、と咄嗟に判断してしまった。カールから続く緩斜面は簡単にどんどん下ることができる。やがて灰色の地面が露出したところに登山道が表れ、ほーらショートカット成功とほくそ笑む。でも登りでこんなところを通ったかな?と不安になり右手を見ると、谷を隔ててあれは小仙丈では(汗)。誤って馬ノ背ルートを下りてしまった。ここをこのまま進んでも下山可能だが雪上にはトレースもない。予備知識ゼロの雪上ルートを進むのは危険過ぎる。ここは潔く下りた斜面を登り返します!
結果、30分ほどのロスで登りのルートに戻ることができた。お疲れモードの中、小仙丈ヶ岳で長めの休憩を取る。順調に下りれば歌宿13:15発のバスに乗れるかな?と思っていたけど、もうこれは無理ですね。
登って来る人のトレースも厚くなり、下りは先人が嵌った跡で踏み抜きポイントが容易にわかる。登りでライチョウに出会ったあたりまで下りると、またしてもライチョウに遭遇。しばらくするともう1羽やってきて「クェ〜」と奇声を発しバトル開始。どちらもオスなので縄張り争いか?と見ていると2羽揃って飛び立った!。数十メートル飛んで再びバトルを繰り返している。そのうち1羽はどこかへ消え、もう1羽は近くのシラビソのテッペンに止まった。そーっと近寄りシラビソの上のライチョウを激写。と、目の前で飛び立ち、気持ち良さそうに羽を広げて滑空して去って行った。
高さのある立ち木に留まるライチョウを見たのも、飛ぶライチョウを見たのもはじめて。残念ながらピントが合わなかったが、飛ぶライチョウをカメラで撮ることができラッキーだった。写真のバックは鋸岳。ピントが合っていればなぁ、鳥撮りはしないのでテクニックがなく残念でした。
あとは淡々と下り、11:30テント場に帰着。ゆっくり1時間かけてテントを撤収後、営業中の長衛荘で山菜ソバを食べる。日曜のお昼時だけど客人は自分ひとり。来月になれば北沢峠までバスが開通し、いつもの喧騒に戻るのだろうか?
帰りのバスは15:15なのでゆっくりゆっくり林道を下る。大平山荘へのショートカット道は無視して遠回りの車道をそのまま進むと、ユンボで工事中のおっちゃんがエンジンを止めて「こっちは遠回りだよ」と教えてくれる。ごめんなさい、時間があるので登りで通っていない道をゆっくり歩きます。
14:40歌宿バス停到着。定刻の15:15、バスは定員の半分くらいの客を乗せて仙流荘へと出発した。
dokuboさん、ご無沙汰しています。
先週石川から夜通し運転して仙丈行ってきたところです。
朝6時のバスは厳しいんですよね・・・執念で間に合わせましたが(笑)
どこもそうかもしれませんが、GW開けのアルプスは静寂に包まれていていいですよね。
仙丈はアクセスが悪いだけになおさらその色が強く出ている感じでしょうか。
それにしても、踏み抜きやらルートミスやら困難が多かったようですが、最後に雷鳥が飛ぶ姿を見れるなんて、ラッキーでしたね。
自分も飛ぶことは聞いていましたが見たことはないので羨ましい限りです。
レコ見ててそろそろのんびりテン泊もいいなーと思いました。
Sanchan33さんコメントありがとうございます。
常念に続いて2週連続でSanchan33さんの追っかけになりましたが、あくまで偶然です(笑)
南アはマイカー規制のためバスで入山のところが多いようですが、長時間運転でようやく駐車場に着いて、さらにバス待ちの行列はうんざりです。なので空いている梅雨入り前は狙い目かもしれません。近いうちにまた行こうと考えてます。
自分が間違って下った斜面はSanchan33さんが滑ったところの最初ですね。吸い込まれそうに気持ちの良い下りだったので、つい足が勝手に向かってしまいました。
ライチョウはこの季節よく見かけますが、まさか目の前で飛ぶとはラッキーでした。
dokuboさん!やればできる子ちゃん!見事な飛翔を披露したんですね。
私が会ったときはよちよち歩きだけでした。
雪が減りトレースもしっかりあって、しかも夏の喧騒が訪れる前のこの時期は狙い目ですね。
願わくば舗装路歩きがもう少し短ければ・・・
ちょっと調べたところ、この季節は縄張り争いのため高いところにとまって見張りしたり、飛ぶこともあるようです。でも目の前で見ることができてラッキーでした。
林道歩きは花も少なくて退屈でしたね。南アは遠くて移動が大変ですが、今年は何度も通いそうな予感です。
またどこかでお会いしましたら、よろしくお願いします。
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