木曽駒ヶ岳・宝剣岳
- GPS
- 04:41
- 距離
- 8.5km
- 登り
- 681m
- 下り
- 674m
コースタイム
- 山行
- 3:53
- 休憩
- 0:48
- 合計
- 4:41
天候 | 晴れのち曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2022年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
|
コース状況/ 危険箇所等 |
宝剣岳の山頂前後は鎖場が続くため要注意。それ以外は特に問題はなかった。 |
その他周辺情報 | 早太郎温泉こまくさの湯で汗を流した |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
日よけ帽子
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
ザックカバー
行動食
飲料
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
日焼け止め
保険証
携帯
時計
タオル
ツェルト
カメラ
ヘルメット
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感想
2022年7月30日(土)に,木曽駒ヶ岳の日帰り登山に挑戦した。今シーズンは,白山,木曽御嶽山,と百名山づいているので,この週末にもどこか百名山に登りたい,と思っていた。そこで思ったのが,中央アルプスの木曽駒ヶ岳,空木岳,南アルプスの北寄りにある仙丈ヶ岳,北岳,鳳凰三山,だった。当初,北岳に行きたいと思って,金曜日の夜に北岳山荘のテント場を予約したが(北岳山荘自体は建物の改修中らしく休業中),仕事の都合で行けなかった。さらに,それなら頑張ってバスに乗って仙丈ヶ岳へ,と思ったが,天気予報を見ていると午後からきつめの雨が降りそう,となっていた。
そこで,天気予報がましな木曽駒ヶ岳か空木岳へ,と考えたのだった。せっかく伊那の谷まで行くのだから,できれば空木岳にも木曽駒ヶ岳にも行きたい,と思った。そこで週末の2日を使って,初日に空木岳まで往復して,二日目で木曽駒ヶ岳へ行こう,と考えた。しかし,そこでも天気予報が立ちはだかった。仙丈ヶ岳ほどではないが,午後から曇って,少し雨が降る,という予報だった。それなら,ロープウェイを使えば午前中に下りてこれそうな木曽駒ヶ岳に行こう,と決心したのが金曜日の午後8時…。ほんとにぎりぎり。
そこで荷物を準備して,午後9時過ぎに車で出発した。 荷物は,3つ持っているザックに入れてあるので,そのうちの日帰り登山および小屋泊用の道具が入っている2個のザックを積んで出発した。持っているザックは,テント泊用の 60L(青)と小屋泊用の 45L(赤),日帰り登山用の 30L(黒)の3個。普段から登山用の道具類はザックにいれて置いているが,青は基本的にテント泊用のテントやシュラフカバー,マットなどを入れている。赤と黒のザックは,レインウェアやツェルト,登山時に着る衣類,お風呂で汗を流した後に着る衣類,防寒用のソフトシェル,着替え用のシャツ類,バーナー(JetBoil)と燃料,カップ,食器,箸+スプーン,浄水キット,などを分けて入れている。そのため,今回はとりあえず赤ザックと黒ザックがあればいけるはず,というので積んで行った次第。他に,登山靴やヘルメット,泊まれるようにアルファ米とレトルトカレー,念のための軽アイゼン,などを積んでおいた。しかし,ストックを入れ忘れるという失態をしてしまった…ははは。
木曽駒ヶ岳に行くには,中央道の駒ヶ根ICまで行き,少しだけ西に登った先にある菅の台バスセンターにある駐車場に車を止めておく。そこからバスでしらび平まで行き,ロープウェイで千畳敷まで行く。運賃はバスとロープウェイの往復で 4,200円だった。菅の台バスセンターに着いたのは午前0時を少し回ったぐらいだった。その時間だとまだ駐車場には余裕があった。しかし,秋の紅葉シーズンだと午前0時には駐車場はもういっぱいらしい…。すごいなぁ…。
駐車場についてから,チケット売り場やバス停の位置を確認しておいた。その後,2時間ちょっとだったが,車の中で横になって寝た。思ったよりもすっきりした感じがした。午前3時過ぎに起きて,テーピングをして,タイツ,登山用のズボンを履いた。テーピングは両膝の保護のためのテーピングと,カカトに靴擦れ防止のために貼っておいた。今回はアイゼンをワンタッチで装着できて夏の縦走にもいいですよ,と言われた靴(アルパインクルーザー 2300。初夏に買ったけど,まだ1回しか履いてない)を履くことにした。理由はせっかくだから履いて歩く練習したいし,距離が短めなので痛くなってもなんとかなる,と思ったから。結果的には,靴擦れは大丈夫だったが,ソールやカカトがしっかりしている(はっきり言って硬い)ので,岩場とかでむしろ歩きにくい感じがあった。岩の上を踏んだ時に,全然曲がらないのでバランスのとり方が難しいのと,岩の隙間に足が入った時に,カカトが岩にひっかかる時があった。まぁ,これも慣れかなぁ…。
上着はミレーのあみあみのシャツ(ドライナックシャツ)の上に,モンベルの長袖のシャツ(ウィックロンクール)を着た。さらに朝一番は涼しいかも,と思って,半袖のウィックロンのシャツを着ておいた。しかし,重ね着した半袖のシャツは,登り始めたら暑くなってすぐに脱がないといけなかった。帽子も持っていったが,宝剣岳に寄るためにと思ってヘルメットを持っていっていた。ヘルメットは荷物としては結構邪魔になるから,結局ヘルメットをかぶって歩いた。他に,手には滑り止めが施してあるグローブをはめておいた。
バスのチケットは予定の午前4時45分より少し早く,4時35分ごろに販売が始まった。その頃にはチケットの列もバスの列もすごく長くなっていた。当然チケット売り場そばの駐車場は満車だった。午前3時ですでにほぼ満車だったと思う。チケットを買う頃には登山の準備はできていた。なので,チケットを買ったらすぐにバスの列に並んだ。バスは,始発が午前5時15分だった。そのバスは駒ヶ根駅からロープウェイ乗り場まで行くバスだった。しかし,チケット売り場にずらーっと人が並ぶような時には,定期バスだけでいけるとは思えない。案の定,臨時バスがピストン運行するみたいだった。そのため,5時5分ごろに臨時バスの第一便が出た。しかし,その前に団体のバスが上がったので,ロープウェイは第一便には乗れなかった(目の前で締め切られた…)。
菅の台バスセンターからロープウェイ乗り場のあるしらび平までは 30分ほどだった。結構長かった。道は一車線の舗装林道。そこをまあまあの大きさのバス(普通の路線バス程度の大きさ)で登っていく。ヘアピンカーブが続くが,運転手はいともたやすく登っていった。さすがにあの道だと一般車は入られへんなぁ,と思った。また,途中,北御所登山口などの登山口(もう1個あったけど名前忘れた)前にバス停があるが,一便のバスは全部通過していった。
しらび平駅に着いたのは5時半過ぎだった。ロープウェイの始発は 5:40 ぐらいだったと思う。今回は目の前で改札が締め切られたので,10分後(こちらもほぼピストン運行)の 5:50 発と言われた。そこで,トイレに行き,自動販売機で缶コーヒーを飲んでカフェインを補給しておいた。ロープウェイはあっという間,という感じだった。1,662m のしらび平から 2,612m の千畳敷まで 7 分ほどで一気に登る。まさにあっという間に高山へ,という感じだった。途中,眼下に大きな滝が複数見えた。木曽駒ヶ岳は水が豊富な山やなぁ,と感じた。
千畳敷駅に着いたのは午前6時だった。登山届はネットで提出していたし,しらび平駅でトレイにも行っていたので,駅を出たらすぐに歩き始めた。千畳敷駅からは,まずは乗越浄土を目指した。乗越浄土は千畳敷カールの「壁」の上にある分岐で,宝剣山荘付近から伊那前岳に向かうルート上にある。乗越浄土へは30分ほどかかった。乗越浄土手前で斜面が急角度になるが,その辺りからは快晴の南アルプスの山並みが見えた。高度をあげると,南アルプスの山並みの向こうに富士山の山頂付近が見えた。いやぁ,頑張った甲斐があった。
乗越浄土に出ると急に視界が開ける。伊那前岳から中岳,天狗荘,宝剣山荘から宝剣岳,将棊頭山から権現岳に向かう権現づるね(尾根の名前かな?),などが見えた。乗越浄土からは宝剣岳との分岐点にある宝剣山荘横を通り,中岳を越えていく。その辺りの登りは比較的緩やかなので,ダラダラと歩いていたら山頂にたどりついた。横に細長い中岳山頂域からは周りの山々がきれいに見えた。眼下の駒ヶ岳頂上山荘の向こうに木曽駒ヶ岳が見え,伊那前岳とその左下に黒川谷,宝剣岳から空木岳,南駒ヶ岳に向かう山並みや,西寄りの方角には木曽御嶽山,北に乗鞍岳や北アルプスの山々,東(北寄り?)には八ヶ岳,東から南東にかけては南アルプスの山並みが見て取れた。
中岳から木曽駒ヶ岳へは,駒ヶ岳頂上山荘前まで一度下ってから登り返す。登りの傾斜は言うほどではないので,これまたダラダラと登っていたら山頂に着いた。山頂域は中岳よりも広い感じだった。山頂の碑の他に三角点や祠があった。眼下には頂上木曽小屋があり,その向こうに木曽前岳があった。将棊頭山(しょうぎがしらやま)から茶臼山にかけての稜線もきれいに見えた。北アルプスや八ヶ岳連峰,南アルプスの山々もきれいに見て取れた。
木曽駒ヶ岳の山頂域で景色を楽しんだ後は,馬の背を下り,濃ヶ池を目指した。木曽駒ヶ岳から引き返して宝剣岳に向かってもよかったが,それだと歩く距離があまりに短いとバスに乗っている時に言われ,下りてからソースカツ丼を食べるために濃ヶ池から宝剣山荘に向けて登り返さなきゃ,とのことだった。うーん…,確かに。そこで山頂から馬の背を将棊頭山に向かって下ったのだが,これが思ったよりも急な下りだった。鎖は必要ないが,丁寧に下らないと転がってしまいそうなぐらいの傾斜のところが何箇所かあった。距離もあったしね。
結局,濃ヶ池への分岐に着いたのは午前8時過ぎだった。そこからはほぼ水平移動で濃ヶ池に向かう。道はそんなに難しい感じはしなかった。濃ヶ池に着いたのは 8:15 だった。池は枯れていることも多いらしいが,前日夕立があり池には水が溜まっていた。濃ヶ池には長居はせずに次に向かった。濃ヶ池からはしばし横移動になるが,どちらかというと少し下り基調だった気がする。濃ヶ池から出る道は池の水が流れ出す経路となっていて,完全に「川」と化していた。それも数十 cm 程度の深い「川」だった。流れの中の岩や横に足の踏み場はあったが,それでも気を使う道だった。最初はどこに行けばいいかわからなかったぐらいやから…。
「川」区間をすぎると,少し登って横移動して,少し下って横移動,という感じが続いた。しばらく行くと「伊勢滝」という標識があったが,今回はいいや,と思ってパスしておいた。後で地図を見ると伊勢滝は黒川谷の途中にあり,かなり下った所にあるみたい。行かなくてよかった…。その辺りで,そのままトラバースしていく感じの「沢道」というヘタった標識があった。横には上に行くルートがあった。沢は気をつけないと歩くのが大変な道多いよなぁ,と思って,右上にいくルートを行くことにした。頭の中では,すぐ先の沢を上の方から巻くのかな?と思っていたが,予想に反して道は急な斜面を直登していた。ぐいぐい高度をあげるし,はしごも出てくるし…。そこを10分ちょっと登ると少し開けば場所に出た。そこはカールの底みたいな場所で,少し行くと駒飼ノ池というのがあった。池と言っても水はほとんどなかったけど…。きっと濃ヶ池も普段はあんな感じなんやろなぁ,と思った。
駒飼ノ池からはカール内をダラダラと登って宝剣山荘に向かう。高山だからかペースを上げたからかわからないが,あの登りはちょっとしんどかった。ダラダラと30分近くかけて宝剣山荘前まで登った。宝剣山荘に着いたのは 9:25 頃だった。そこまで来たら宝剣岳だけなので,余裕で午前中に終われそう,と思った。しかし,そこからが今回の核心部だった。宝剣岳は宝剣山荘のすぐ横という感じで存在してる。宝剣岳の辺りだけ岩場が取り残されて,とんがった剣のように見えるのが名前の由来だと思った。そんな山の佇まいだった。宝剣山荘からの高度差は言うほどなく,すぐに登れる,と思ったが,山頂付近は急な斜面であり,気をつけないと滑落しそうだった。そのため鎖もあるなかなかにスリリングな場所だった。当然すれ違いには気を使うし,山頂は狭いので多くの人はいられない。そうなると当然渋滞がおこる。なので,宝剣山荘から宝剣岳山頂まで 30分ほどかかってしまった…。ま,渋滞してる時は休憩になった,という話もあるけど…。
宝剣岳山頂は岩場だった。順に写真を撮ったりしていたので,なかなか山頂部に行けなかったが,なんとか一番高い岩のところまで行った。しかし,さすがに山頂の岩の上に立つのはやめておいた。落ちそうで怖かったし…。宝剣岳からは引き返す人が多いが,そのまま向こう側に下って極楽平に行き,反対側からロープウェイの千畳敷駅に行くことができる。今回はせっかくなので極楽平経由でロープウェイに戻ることにした。駐車場でバスに乗る前に「極楽平から宝剣岳に行くのは余裕やで」みたいな話も聞いていたし…。しかし「余裕」というのは違っていた。あれは宝剣山荘側よりも極楽平側の方が厳しい。鎖も長いし,鎖場のアップダウンが3回もあるし…。もう,めちゃめちゃビビりながら,慎重に慎重に歩いて,なんとか無事に乗り越えられたけど,あれは心臓に悪いわ。
鎖場の続く区間が終わり,なだらかなところにたどりつた時にはホッとした。その辺りが極楽平なのかな?そこからしばし緩い稜線を行くと,鞍点に分岐があった。その分岐を左下に下っていくとロープウェイに戻れる。そこからは千畳敷カールをぐるっと回って下る感じになるが,これが意外と距離があった。しかし,下りが得意なので,いつものようにタッタッタと下ると,15分ほどで極楽平からロープウェイ駅に戻ることができた。ロープウェイの千畳敷駅に着いたのは 10:41 だった。そこのレストランでご飯を食べることも考えたが,人が多そうだったのでさっさと下ることにした。10:50 発のロープウェイの臨時便に乗り,しらび平でもすぐに菅の台バスセンター行きの臨時バスに乗った。そして,11時半過ぎに無事に菅の台バスセンターに戻った。
バスセンター前に戻った後は,歩いて早太郎温泉こまくさの湯に向かった。もう汗だくだったので,とりあえずお風呂に入りたいと思ったから。こまくさの湯で汗を流すと気持ちよかった。露天風呂から見た山もよかったなぁ。その頃には木曽駒ヶ岳は雲の中だったけど…。お風呂の後に,すぐ近くの明治亭でソースカツ丼を食べようと思ったが,少し待たないといけなかったのと,暑さで食欲が減退していてソースカツ丼を食べ切れる気がしなかったので,ソースカツ丼はまたの機会にすることにした。そこから中央道,名神と走って,無事に午後4時過ぎに帰り着いた。
今回は初中央アルプスに挑戦してみた。と言ってもロープウェイで往復でサボってしまったが…。それでも午前の前半は快晴に恵まれて,気持ちのいい山行になった。次は空木岳にも行ってみたいし,南アルプスの山にも行ってみたいなぁ…。
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