残雪の笠ヶ岳で初テント泊 (雨・ホワイトアウト・強風・のち晴れ)
- GPS
- 36:30
- 距離
- 18.2km
- 登り
- 2,062m
- 下り
- 2,062m
コースタイム
05:00 深山荘前登山者用無料駐車場
06:30 笠新道登山口
11:00〜13:30 杓子平(風が収まるまで待機)
17:30 笠ヶ岳山荘付近 着
15日
04:00 笠ヶ岳頂上、写真撮影
〜05:00
09:30 笠ヶ岳山荘付近 出発
16:20 笠新道登山口
17:30 深山荘前登山者用無料駐車場
天候 | 14日 雨・ホワイトアウト・強風のち晴れ 15日 晴れのち曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2014年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
有料の第2駐車場は工事中で使用不可でした |
コース状況/ 危険箇所等 |
標高2,000m以上あたりから雪がでてきます。朝晩は冷え込みが強く昼に解けた雪解け水が氷になっている部分があります。笠新道はわりと岩や石がゴロゴロしているところがあります。また、今後シーズンに向けて整備されるのだと思いますが、雪のせいかあちこちで倒木などがあります。 平地で気温が高くなってきたとはいえ、麓で13℃(6/14)くらいで標高が上がればもっと寒くなります。この度の山行では温度計を持っていませんでしたので正確な温度は分かりませんが、雪の状態やテント内外で霜や結露の凍結を見ると朝晩は0℃か氷点下になったこともあると思います。風があれば一層寒さを感じます。冬山に準ずる装備が必要と考えます。 傾斜のキツイ場面も幾度が登場します。前爪のあるアイゼン(10〜12本爪)とピッケルが必要です。アイゼンはフロントポインティング(キックステップ)が効果的なリンキングバー(センターバー)がフレックスな柔らかいものより硬い本格的なものが最適です。 夏道と雪が交互に登場するとき、アイゼンをつけるのを億劫になりがちですが、6/14.15現在においては雪質が硬めで靴のみですと斜度もあるため、容易に滑落してしまう危険があります。 杓子平手前、抜戸岳へ向かう道などはルートファインディングが必要です。今回のようなオフシーズン山行においてはトレース、赤テープはあったりなかったりで期待できません。笠ヶ岳山荘が営業開始するとルート案内のテープが整備されるようです。踏み抜く箇所があちこちあります(木、岩、土が出ているところの周辺は特に注意です)。 |
写真
感想
はじめに
初めてのテント泊をしたいということと、前々から登りたいと思っていた笠ヶ岳。そしてオフシーズンの静かな時ということで、今回の山行となりました。2週間くらい前からいろいろ考えたり準備をしたりワクワクドキドキしながら当日を待ちました。正直言うと初めてなので不安の方が大きかったです。
出発
なかなか連休がなく待ちに待った当日。週前半の天気予報では土日ともにまあまあ良好のはずが、日が近づくにつれ土曜の天気が怪しくなってきました。でも徐々に天気は回復する予測。だめもとで麓まで行こうと決め車で新穂高登山者無料駐車場へ向かいました。う〜んやっぱりがすがすで真っ白です。
笠新道登山口へ
自然はこっちの都合など関係ありませんので従うしかありません。しかし、こちらでもできることはしたいと考え、とりえず笠新道の登山口まで行ってみることに。すると駐車場では降っていなかった雨が・・。ありゃー、予想はしてたものの幸先悪すぎです。結構へこみます。小雨か雨くらいでしたが、これ以上強くなれば引き返すと決め進みます。
笠新道
笠新道上で雨があがります。でも、がすがすの真っ白な状況は変わりませんが、一瞬だけ晴れ間が見えたりしてきて私のテンションも急上昇。天候回復の兆し?予報は午後か夕方から天候回復を告げています。だけど、そううまくもいかず、また、がすがすの繰り返しで杓子平に到着。
すると今度は風です。立っていられないことはないものの、ここでこの状況だと稜線に出ればもっと強い風が吹いていることは想像に難しくありません。そのまま進んだ方と引き返した方がいらっしゃいましたが、私はこのままでは進めないと判断して杓子平手前で待機することにしました。今日はいつもとは違い日帰りではありませんので、明日の朝まで待機することも可能です。時間的にも装備的にも余裕があってよかったです(そのかわり重くてしんどかったですが 笑)。
待機
朝が早かったのと睡眠不足でしたのでしばし寝ます。午後になり空を見てみると天候が回復している様子。これは時間的にも笠ヶ岳山荘に到達できそうですので進むことにしました。抜戸岳の稜線に出るまでがなかなかの登りでキツかったですが登りきればあとは稜線を進むのみ。晴れたり、がすったりの景色を楽しみつつ笠ヶ岳山荘へ向かいます。
山荘へ到着
山荘へ着きましたが、頂上は日の出を見るときの楽しみにとっておこうとテントの準備をし、日暮れまでしばらく休憩です。待ちに待った夜ですが、空は明るくて星はいまいちでしたが明るい月と遠くの太陽の不思議な光につつまれて神秘的な世界を体験することができました。
さて、これから日の出の時間まで寝るのですが、ここからが大変でした。風がもうちょっと弱くなるかと思っていたのですが、けっこうな強さで吹いているのです。テントが一晩中ゆさぶられるし、気温が低いし大変でした。幸いシュラフ(マウンテンイクイップメント ヘリウム400 ダウン量が400gの意 快適:4℃ リミット-2℃)が微妙に対応温度外でしたが暖かかったので助かりました。ほんとはもう少し高い気温で使う予定でしたが、個人的には大丈夫でした。しかし、寒がりの人は厳しいかもしれません。
テント泊
なによりテント(ノースフェイス ストームブレーク)が平地用でへっぽこなのが厳しいです(分かってはいましたが)。やはり、本格山岳用テントとは違います。生地が弱いのと、超ミニマム仕様ですので、台形状のフロアの細い部分はほぼサーマレストのマットの幅と同じで快適とは言いがたい空間です 笑。そして、風に吹かれたときの安定感がほとんどありません。風に対して細い方を向けるとか工夫するにしても限度があります。実際、人が入っていればなんとかなりますが、無人になると写真のようにひっくり返ります。朝、写真を撮って帰ってきたら、あのありさまです。しかし、ツェルト泊の人も日曜にはいたみたいですし、このテントは値段がツェルトに毛が生えたくらいなので、中がメッシュとはいえダブルウォールでなおかつ自立するので、これはこれでありと思います。
明けて日曜の朝
朝日が昇る前のブルーの世界。北西尾根方面から吹いてくる風が笠ヶ岳の尾根と山頂に切り裂かれて両側2つに分かれ、地上では見ることの無い速度であっという間に穂高へ向かう雲。そして、これほどまでに美しいものがあるのかと思うような昇り始めた太陽。その光につつまれた世界。生涯忘れることのない光景を目に焼き付けることができました。
おわりに
めまぐるしく変わる山の天気と景色を見ることができましたし(ガスで真っ白にガックリして、そこからの快晴でしたので感動が大きかったです)、色々なシチュエーションにおいて対応、判断、行動するという経験ができましたので、ただの快晴より結果的にはよかったなと思っています。また、日帰りでは決して味わえない、朝と夜の頂上を満喫することができ、この上なく幸せです。そして、朝日があれほどまでに美しいものであるとは想像さえもしていませんでした。また、違うシーズンに訪れたいと思います。
翌朝、出発前にテントさがしたら撤収されてたので、挨拶できませんでした。
近くにいらしたのですね。
同じ行程辿っても、これほど充実したレポ書けるのかと感心です。
またどこかの山でお会いしましょう
こちらこそ貴重なお湯をありがとうございました。ほっとしました。初めてコメントをもらったんで嬉しいです。
朝、山頂に向かわれているのを見たんですが挨拶できずすみませんでした。出発が先のはずなのに、記録が9時出発になってるのは、その間なぞの行動があったんです。笑
山で再会できるといいですね。そしたら感動です!
こんにちわ。
今週末行こうと思っていて雪の状態はどうかなと思って検索してたらヒット。
まだ一杯あるみたいでよかったです(笑)。
笠の稜線はやっぱり何度みてもきれいですね〜!!(一杯拍手しときました♪)
今週末はお天気悪そうなんですが、okadaさんが見られたような朝日が見れたらいいな・・・。
ちなみに笠ヶ岳山荘の水はまだ出ていないですよね?
初めまして。
さすがに6月なので雪がないところもありますが、たっぷり残ってましたよ〜。白い世界を満喫できると思います。
テント場の水は出てないんじゃないでしょうか。他の方も水を背負ってきたと言ってました。笠新道登山口の水は14.15日の時点ではどばどば出てました〜。
あまり役に立たない情報ですみません。 天気予報変わるといいですね。
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