薬師岳〜黒部五郎岳(室堂〜新穂高)
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- GPS
- 27:19
- 距離
- 51.8km
- 登り
- 3,746m
- 下り
- 5,067m
コースタイム
- 山行
- 6:36
- 休憩
- 0:33
- 合計
- 7:09
- 山行
- 10:14
- 休憩
- 0:39
- 合計
- 10:53
- 山行
- 7:09
- 休憩
- 0:23
- 合計
- 7:32
天候 | 晴れ・雲 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
|
写真
感想
久々に週末北アルプスの天気が良さそうで、土日〜月曜日までもってくれそうだったから、長いとこ温めていた室堂〜新穂高の縦走をすることにした。
もし分割するなら、薬師から折立に降りる1泊と、折立から新穂高に繋げる縦走をくみあわせても良いだが、富山方面へのアクセスが地味にめんどいので、2泊で新穂高まで抜けるのが効率よく、有給を一日使って向かった。
・1日目
この時期扇沢の始発は7:30。9時に室堂につく。ピークシーズンならあと1時間早く着けるが、これはもうしょうがないし、1時間早くついたところで全体の計画はあまり変わらないので良しとする。
7時頃扇沢に着けば普通に最初のロットに乗れるので、そんなに混んでないのも良い。
室堂から乗越峠までは整備された石の道。子どもも気軽に歩けるくらい歩きやすい。
そして冬にここ歩いたな〜というのを思い出す。たしかに歩きやすいので冬歩きたくなる気持ちは分かる。
この日午前中は雄山は雲に隠れてて、昼過ぎくらいから顔を出していた。
龍王岳まではかなり歩いてる人がいるが、その先はガクッといなくなる。
すれ違いや追い抜きも合わせて10人いなかったと思う。
アップダウンのある岩場だが、そこまで難しい道ではない。
五色ヶ原は景色良い。
北アにもこういう湿原タイプの景色あるんですね。
五色からスゴ乗越までは誰とも合わず。
何度かアップダウンがあり、テント装備が足に来る。
迷うような道ではないが、細い道に岩がゴロゴロタイプの道で、荷物が重いと下りがきつい。
この手の道、荷物が軽ければスイスイ行けるんだが、重いとかなりペースが落ちることがわかった。学びである。
結構ヘトヘトでスゴ乗越小屋着。
1日天気は良くて、やっぱし山は天気が良いほうがいいなぁと思った。
この道でガスだとかなり苦痛だと思う。
もうすぐ百名山も終わりだなぁなんてことを考えながら歩いていて、60座目くらいの頃は求めるものは何もなくただひたすらに感謝をするだけである、みたいな悟り的な状態に一瞬入ったんだが、終わりが見えてくると、終わったらああしたいこうしたいみたいな欲が出てきて、結局俺は大いなるなにかではなくただの普通の人間なんだなぁと思わせる。
それでも、学ぶことはたくさんあった。
また明日も晴れるといいな。
・2日目
下界もだいぶ寒くなってきているので冬用の寝袋を持っていったら逆に暑くて、何度か起きた。
テントの中がやたら明るいなぁとは思っていたが、外に出たらとんでもなく明るい満月だった。
鳥海山の夜間歩行を思い出す。
4時頃起きて6時頃出発。
天気は最高に良い。
夜露で藪がびしょびしょになっていて、最初はかっぱを着て歩く。晴れてるのにカッパを着る判断ができるのは経験のたまものだなぁと思う。
薬師岳までの登りはややきついザレ場と岩場。ただ上りは多少道が悪くてもなんとかなるので下りよりはマシ。
ガスったり晴れたりが繰り返されながらガシガシと歩いていく。
北薬師岳ー薬師岳はカールの尾根部分を歩くので、一部キレットみたいになっておりまあまあ危なっかしかった。
ただ薬師岳手前の景色は圧巻で、晴れててよかったと本当に思う。
薬師岳に着いてからは、一部沢道とかはあるものの、概ねのっぺりとした下り。
ある意味この縦走の核心部で、距離が長い。
太郎小屋超えてからもしばらくのっぺりとした上りでこれもまた長い。
ただもう単調な道を延々と歩くのはプロ級なのでなんてことはなく、天気も良くて左手に鷲羽岳、水晶岳とかも見えて気分は良かった。
赤木岳前後で結構たくさんの人とすれ違った、みんな黒五のピストンなのだろうか。
また薬師沢側からバリを登ってくる人もちらほらいて、これは沢登りなのだろうか。
とか思いつつ歩いていたら黒五へ。
直前パラッと雨が降ったので展望は諦めてたが、晴れた。カールがすごい。
そのままカール降りて小屋へ。
カールから見た黒五も凛々しくてかっこいい。
結構このあたりからだらだら歩いてしまって予定より30分くらい遅れて到着。
やはり荷物が重いとペースは出しづらい。
重い荷物を運ぶ筋肉と、はやく登る筋肉は違う気がする。
黒部五郎小屋のテン場で一泊。
このテン場、夜になるとネズミがめちゃくちゃうるさい。右から左からチュイチュイチュイチュイチュイ聞こえる。食料やゴミはテントの中に入れるのは当然として、耳栓もあったほうがいいかも。
明日は下山だが、こう天気がいいともう少し山にいたくなる。
本当に久々に快適な登山だ。
・3日目
夜結構雨が降っていてどうなるかなと思ったが、雨は止んでいた。
今日も月が明るい。
行動食がそこそこ余っていたので、朝飯は作らず出発。
結果出発30分くらいで空腹でバテる。朝飯は重要やったんや…。
三俣蓮華岳に着くまでの間に、煎餅やら芋のお菓子やらナッツやら余ってるものを食べまくり、なんとか復活。しかし残ったのはソイジョイ一本と半袋程のドライフルーツ(レモン)。下りが主とはいえこれで足りるのかビクビクしつつ歩いていった。
三俣蓮華岳前後は朝イチの天気がよく、黒五や薬師、水晶鷲羽もよく見えた。
薬師岳方面を見るとよくこの道を一日で歩いたな…という気持ちになる。
燕岳方面はガスっていた。
双六岳はカールがかっこいい。
雪が多いときれいなカールができやすいのだろうか。
双六小屋までいくとちょうどヘリの荷揚げをしていて、初めて荷揚げ中のヘリを間近に見れた。土日は基本やってないし、アルプス以外は回数も少ないのでなんなら熊よりレアでテンションあがった。かっこいい。
他の小屋でも荷揚げしていたので、いくつかの小屋でまとめてヘリの日にしているようだった。
結構な頻度で往復していて、わさび平小屋のちょっと上にヘリ用に梱包した荷物がおいてあったので、ここまでトラックで運んであとはヘリのよう。
秋のシーズンに向けた荷揚げだろう。
普段山小屋には交番や消防署みたいな、公的なものをすごく感じるんだが、大量に運ばれたビールの箱を見ると急に民主的なものを感じる。ガンガン稼いでほしい。
双六小屋の軽食メニューをチラ見しつつバスの時間が微妙なのでぐっとこらえスルーして歩く。
この辺の稜線の景色は良くて、初めて西側から槍穂高を望んだ気がする。やはり道は険しそうだ。
鏡平山荘にもちょうどヘリが来ていた。
ボリュームたっぷり味噌ラーメンにかなり心を惹かれつつ、あとは降りるだけだからと先へと進む。
左俣林道までの道は意外とだるい。
涸れ沢の跡をメインで歩き、道も割と整備されているが、長い。
この道鷲羽水晶でも使うんだがなかなか気がめいる道である。
左俣林道からはだらだら林道歩き。
予定していた帰りのバスの発車時間より30分くらい早く着きそうで、ただ30分だと風呂にもメシにも微妙でどうしようかな〜と思いながら歩いていたが、飯は松本戻ってからちゃんと食べればいいからなんとかもう少し巻いて風呂に入るか、と思い、足の豆も肩の痛みも無視してせかせか歩いた。これはこれできつい。
結果50分くらい巻いて着いて、ホテル穂高の日帰り温泉ですべてをリセットできた。
単純温泉と硫黄泉の2種類の源泉がある良い温泉だった。
穂高ロープウェイのバス停からバスに乗って、平湯温泉で乗り換えして松本へ。
ハイシーズン以外は新穂高から松本への直行バスがなく、平湯で乗り換えが必要。
ちなみに裏技として、事前にチケットを買っておくか、平湯で降りるときに松本までの乗り継ぎがしたい旨を伝えると、新穂高〜松本の通しの切符を買える。この方が400円くらい安いので機会があれば。(平湯で途中下車的に使うこともできる)
全体として天気が良くていい山だった。
ただ、テント泊2泊装備でコースタイム1日11時間程度は結構キツイかもしれない。
特に岩場の下りが厳しい。荷物が軽いときとのギャップがひどくて、精神的にも来る。
鍛えねばという気持ちはありつつも、残っている山は最大一泊だし小屋泊でも良いので、もう残りは軽量速攻型に特化していくでいいんじゃないかな。(今回も軽くして小屋泊とかにすれば笠か槍も行けた気がする)
これで2泊以上必須の大型は一通り片付けた。残るは単発で行けるとこか、遠いか、難易度の高いところなので、最後まで気を抜かず頑張りましょう。
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