湯檜曽川本谷
- GPS
- 23:04
- 距離
- 18.4km
- 登り
- 1,502m
- 下り
- 1,492m
コースタイム
- 山行
- 9:40
- 休憩
- 0:20
- 合計
- 10:00
- 山行
- 11:39
- 休憩
- 1:36
- 合計
- 13:15
天候 | 2日間ともに快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
参考遡行図/記録: ・「東北・上信越・日本アルプス 沢登り銘溪62選」P.150-155 (中級/3級=大滝2段40m) ・サワグルイ ・https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-4672428.html 春先に、メンバー2人で今シーズンの沢の最後の〆として行こうと決めていた日本百名渓、湯檜曽川本谷。9月中旬から狙っていたが悪天が続き、10月になった。 沢には数日間雨も降っていなかったため、水量少なめ、両岸共に岩は乾いておりフリクションもあり、というベストコンディション。さらに、2日間共に文字通り雲ひとつ無い青空に恵まれ、絶好の沢登り日和だった。 CLは万太郎沢/ナルミズ沢などの沢泊遡行経験があるが、SL(記録)は初めての沢泊。登山経験も少ないので、体力や足腰への不安を鑑み、シーズン中の数ヶ月間、毎週日帰り沢でトレーニングを重ね臨んだ。 ■■■1日目 アプローチは登山道を2時間ほど歩き、武能沢を超えたあと右に逸れ、不明瞭な踏み跡を辿りながら20分ほど藪をこいで、魚止滝ゴルジュの上から入渓した。寒いので朝イチでの登攀は避けたプラン。 少しゴーロを歩くと、後ろから陽が差してきて暖かくなってきた。左から白樺沢が出合い、その先を進むと直角に沢が右に曲がり、「ウナギの寝床」に。陽も出ていたし、頑張れそうだったので、ザックをビート板のようにして泳いで突破。そのあとの8m滝は左壁の乾いているところを登った。重量のあるザックを背負った上での最初の登攀としては良いアップになった。登り終わると、抱返り沢の出合の大滝が見える。 抱返り沢の出合の多段100m大滝の下まで歩くと、そこが十字峡。休憩がてら多段100m大滝の直登についてオブザベをするが、とにかく出だしの1段目は無理そうだった。休憩を終え、十字峡を左に遡行を継続する。「アナゴの寝床」へ。 アナゴの寝床は、おそらく水量が少ないせいか、簡単なヘツり+右岸の乾いた岩の上を進んであっという間に終わってしまった。ウナギのような泳ぎはなかった。 進むとすぐ抱返り滝2段20mに。抱返り沢にないのになぜこの名前…などと言いながら1段目は水流左から簡単に登れる。2段目は水流左を直登もできそうだったが、最初の出だしが少し怪しかったので、左のルンゼから大きめに高巻きした。踏み跡もそこそこあるが、上部は不明瞭。ヤマレコの足跡も多かったので適当に藪を漕ぎ、滝上へ。 ナメで構成された渓相を楽しみながら進んでいくと、3条10m。ここはガバがちょうどよく繋がっている左のルンゼから簡単に登れた。すると、2条4m滝が水流右にかかっていて、左が七ツ小屋沢の出合。2条4m滝上から左に出てくる水門岩の周辺で、ガイドブックによると「ツチノコのポットホール」があるということで探した…が、見つからず。諦めて歩いていくと、水門岩よりもかなり上にそれっぽいものを見つけることができた。 ナメと小滝を越えていくと、8m滝に。これは右岸から小さく巻き。少しゴルジュ風地形で小滝を登っていく。ここで10mの幅広の滝。これは下段右から水流をくぐって滝を左上し、乾いた左壁を登るでおなじみの名物滝。ちょうど左に出るところで一番水流を強く浴び、重いザックがさらに釜に引っ張られる。水流以外は特に問題なくホールドもスタンスも豊富。 沢が右に少し曲がっていくと、ここまで全く見なかった茶色の岩質の6m+10m滝が現れる。6mは左壁に踏み跡があり簡単に手を使わずに登れる。が、続く10m滝がこの遡行で登った滝の中での核心となった。右壁を登ったが、ホールドが細かく、礫質でもろいこと、そして万が一の落下地点の釜はほぼない浅さであることから、到着後迷わずロープを出した。かなり渋いクライミングをさせられたのはここだけ。Ⅲ+ぐらい。ビレイも、くるぶし丈の水深地点、飛沫が当たる滝下の日陰で行う形になるため、とても寒く、ここで上半身レインウェアを着た。 渋い10m滝が終わるとすぐに、ついに、待ってました、湯檜曽本谷大滝2段40m! 1段目は水流がほとんどない中央からガバを繋いで簡単にテラスまで登った。2段目は水流直登はちょっと難しそうだったので、残置ハーケンがたくさん刺さっている側壁をバンドまで。最初はフリーで登ろうとしたが、出だしのワンムーブに少し高度感からのリスクを感じたので、ロープを出した。難しいのはまさにその最初のワンムーブのみで、それ以外は特に問題ない。バンドからはトラバースして落口まで簡単にいける。高度感を除けば、Ⅲないぐらいだと思う。 少し歩くと峠ノ沢の出合。思ったよりも小さい水流で、最初は見逃しそうになったほど。日帰り行程はここから清水峠に詰めるようだ。この辺りから沢幅が少しづつ狭くなってくる。なってはくるがまだ10mぐらいの大きさはの滝は出てくる。全て登れて楽しい。 池ノ窪沢の出合を過ぎ、少し歩き、予定していたテン場周辺に近づくと、焚き火の匂いが。先行パーティが右岸のテン場でタープを張り、4人で既に宴会を始めていた。昼過ぎに着いてしまい盛り上がっておられたようw ヤマレコに記録があったこの方たち: https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-4745647.html 楽しそうな声を聞きながら、左岸のテン場を確保。装備解除し、暗くなる前にテントを張り、焚き火の準備。が、木の枝などは大変少なく難儀した。とはいえ我々はジェットボイルでアルファ米+酒で宴会をする予定だったので、軽く暖をとれればOKということで、その程度の燃料は集めることができ、問題なかった。 ■■■2日目 5:30に起き、朝飯やコーヒーなどをしながら予定していた8:00前に出発。先行パーティの方たちはご挨拶いただき(ありがとうございました)、7時頃出ていかれた。 出発後、すぐに二俣を右のゴボウ沢に。少し進むと出てくる4mの滝で登攀用の身体のアップになる。序盤はまだ両岸の木の高さが高く、鬱蒼とした渓相だが、小滝を越え進んでいくと、ゴーロ状になり、両岸も灌木になっていき、気づいたらV字状の谷になっていて、視界が開ける。 ジャンクションピークの直下の大岩を右岸に眺めながら、ここからはいつ振り向いても気持ちの良い最高の景色のパートに。3mCS滝を超えると少し両岸がゴルジュ風の渓相が続く。数mの登れる小滝が連続し、意外と飽きない。 目指す朝日岳のピークは沢内から見えることはない。また、朝日岳から伸びる尾根を超えるまでは目指す源頭や、その先のヤブも沢内から見えず、それが非常に楽しく、ワクワクさせてくれる。 水流はどんどん細くなるが、意外に水量はあり、最後まで8m程度の滝がある。どれも簡単に登れるが、水流が細いためステミングなどのムーブが必要なことが多かった。 水流が枯れそうになる手前で、水を汲んだ。その後、いくつかの記録で見かけた、水が湧き出している源頭らしいものは見つからなかったのが残念。晴れが続いていたせいかも。 装備を沢用の指出しグローブから純綿軍手に変え、サングラスを確認し、詰めへ。 水流跡をひたすら辿り、ヤブを漕ぎ、灌木を避け、最後はハイマツを躱しながら、40分ほどで朝日岳ピーク直下、水のない池塘がある原っぱに出た。2日目とはいえ、初級の日帰り沢程度の遡行内容があり、かなり楽しめた。 そこからすぐに登山道へ合流。朝日岳からの景色は全方位が最高だった。朝日岳山頂で装備解除と昼飯を食べた。 両日通じてここまでは計画範囲内の山行、だったのだが。 ここからの縦走下山でSLの体力が切れてしまい、山行計画で5時間半のところが、下山まで9時間かかってしまった。白毛門からはSLのガチャ類をCLが持った。また、下山2時間前ほどでメンバー全員、水もなくなってしまう。もちろんヘッデン下山となった。事態をさらに悪くさせたのは、SLのヘッデンが故障しておりスマホのライトでの下山となったこと。ただでさえ長く辛い「地獄の下山」とも呼ばれるパートがさらに大地獄になった。とはいえdocomoの電波はずっと入っていた為、安心はできる。 下山中には、ナルミズを登ってきたパーティや、白毛門沢を登ってきた方などにお会いすることができた。みなさんおつかれさまでした。 木の根がたくさんある、強い傾斜をクライムダウンを交えながら降りる長い下山の末、道標が現れると登山道がようやく平らに。その先すぐに駐車場手前にかかる橋があり、その袂では登山道をよこぎるちょうどいい細さの沢がある。当然、そこに倒れ込むように水を飲み、水を浴びた。そこからすぐに駐車場でゴール。 |
その他周辺情報 | ラストコンビニ: セブンイレブン 群馬みなかみ町店 下山後: 沼田健康ランド (24時間営業の風呂を探してこちらに) |
写真
装備
MYアイテム |
やっくん
重量:3.76kg
|
---|---|
個人装備 |
飲料水
行動食
食料(5食分)
サングラス
レインウェア
ダウンジャケット
着替え
スマートフォン
モバイルバッテリー
ヘッドライト
日焼け止め
運転免許証
保険証
地図
ハーネス
ヘルメット
ビレイ機
アッセンダー
ハンマー
グラウンドマット
シェラフ/テント
スリング
カラビナ
沢靴(ラバー)
|
共同装備 |
救急キット
GPS(スマートフォンで兼用)
ロープ(8mm30m)
カム
ハーケン
浄水器
ジェットボイル
|
感想
ずっとやりたかった湯檜曽川本谷!
2年前にナルミズ沢を遡行した際に、朝日岳から湯檜曽川方面を見てからずっと目標にしていた沢である。まだまだガイド本にお世話になりっぱなしではあるが、その中でも自己最高グレードの沢でもある。SLを含め最近沢を始めた仲間内にはずっとプレゼンしていたが、ついに叶って本当に嬉しい。
9月末で天候が折り合わず、予行演習として予定していた釜ノ沢ができなかったのは不安だったがそれでもふたりともベストパフォーマンスだったと思う。
本遡行では天気が最高で、両日ともにずっと快晴のまさに沢日和だった。若干気温が低かったかもしれないが、泳ぎパートはきちんとこなせたし、逆に暑ければ後半もっとバテていたかもしれないので結果的にはちょうど良かったのではなかろうか。
遡行パートで大きく苦労した場面はなかったが、SLがウナギの寝床の淵をスイスイ泳いでいくのに対し自分はそうとうもがいて進めなかった。今後は泳ぎが課題かもしれない。
他の反省点としては、沢泊、ひいては山で一泊過ごすSLに対する事前サポートが甘かったかもしれない。持つべき装備や体力の残し方など、教えられる部分がもっとあったなー思い出すポイントがいくつもあった。山にある程度慣れている身としては当然のものが初心者にとってはそうではなかったりするので、見え方を良く考える必要があるなと思う。
結果的に下山に時間がかかってしまったが、それでも安全に下山できたのでよい沢旅だったと思う。個人的には3年前に初めて沢泊を万太郎本谷で行った際にバテて同行者に荷物を一部持ってもらっていたことを思い出し、今回自分が持つ側になれるくらいには強くなったこと、そして決して優しくはないレベルの沢を一緒にやってくれる仲間がいて良かったなぁと感慨深かった。
そして記録作業、そして運転と大変なことをやってくれたSLに感謝です。
一緒に来てくれてありがとう!そして楽しんでもらえたようで何よりです!
ついにきた!今年の集大成、湯檜曽川本谷!
最高のコンディション、最高の天気!最高の沢!最高に楽しかった!!!
悪天が続いたあとの、最高の天気の週末、もっとたくさんパーティが入っているかと覚悟していたが、テン場でお会いしたパーティ以外に沢内で別パーティに会うことはなかったのは良かった。
僕はボルダリングから沢を始めた人間で沢登り経験は2年目。これまで山自体はやってこなかったし、あまり興味もなかった(今もただの登山自体は特にやる気がない)。が、ボルダリングジムで知った沢登り自体はとても楽しく、若い頃に命を危険に晒す系のXスポーツが好きだった人間として、スリリングな非日常として今後も遊んでいきたいと思っています。
さて、これまで日帰りしかやってこなかったので、シュラフもマットもザックも、今回のために買った沢泊用の装備は全て新品。なので、いきなり湯檜曽は怖いので、初めての沢泊は釜ノ沢でやっておこうという計画があった、が、日程と天気が合わず。それが流れた結果、突然今回がホンチャンになった形。その結果、自分が必要とする荷物なども良くわからず、使えないものを持ってきてしまっていたり、ヘッデンが点かなかったり(家に帰ってから、充電器が壊れていて充電できてなかっただけと判明…)と、散々だったw食についても2日目を意識した栄養の摂り方などをもう少し考えられたかもしれない。
と、まぁ、反省点もたくさんあるが、遡行パートには大きな問題なく、無事に下山できたことは今後の一つの自信にはなると思う。
とにかく初めての沢泊、最高に楽しかった。
長い楽しい遡行を楽しめる!沢の音を聞きながら飯!星眺めながら酒!朝、起きたら即入渓!最高の眺望のピークへ!
なによりもとにかく沢の綺麗さ。百名渓は伊達じゃなかった。そこにさらに恵まれたコンディションと天気が最高。谷川岳でこんなに2日間も晴れるのは珍しいはず。
最後にサポートしてくれたCLに大感謝、ホントに帰りは潰れるところだったw
またいきましょう、ありがとうー!
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