ただ青い空の青さを知る―赤湯温泉を満喫し、金色の野の苗場山へ



- GPS
- 28:15
- 距離
- 19.8km
- 登り
- 1,938m
- 下り
- 1,499m
コースタイム
- 山行
- 3:00
- 休憩
- 0:50
- 合計
- 3:50
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
大宮08:13(上越新幹線とき305号) 越後湯沢09:07 湯沢駅前BS(東口)09:40(南越後観光¥650) 元橋BS10:15 復路:10/2 和田小屋15:20(ゆざわ魚沼タクシー¥7210) ※電話で予約できる 0120-44-2025/025-784-2025 越後湯沢駅16:00 越後湯沢17:14(上越新幹線とき334号) 大宮18:15/18:22(JRむさしの号) |
写真
感想
昨年計画した赤湯温泉からの秋の苗場山登山。
自分は行くつもりだったのだが、他のメンバーの意向で中止に。
それが1年を経てやっと実現した。
赤湯温泉は「歩いてしか行けない温泉」のひとつで、特に紅葉の時期は人気があるので友人が春のうちに予約を取っておいてくれた。
赤湯温泉から登る場合、どこに抜けようか。
西側の秋山郷に下りるとその後の交通手段が大変そうだ。
せっかく秋なので有名なドラゴンドラを使って下りようかと思ったのだが、運行は来週末からとのこと。
ということで、結局一番メジャーな和田小屋へ下りることにした。
ここからタクシーを使えばゴンドラで下りるよりも早いし、今回は4人いるので料金的にもゴンドラ+バスで帰るのと変わらないか、却って安いかもしれない。
そして昨年電話して確認したのだが、本来ドラゴンドラや田代ロープウェイはそれぞれまたは組み合わせて往復で乗るのが原則とのこと。
だからホームページでも片道料金が提示されていないのである。
乗せてもらえるかもしれないレベルのゴンドラを頼るより予約できるタクシーの方が確実で安心だ。
1週間前位の予報ではあまり良くなかったのに数日前から一転、この週末は秋晴れになるとの予報になった。
迎えた1日目、10/1は最高の秋晴れだった。
初日は赤湯温泉まで歩くだけだがコースタイムでは4時間半もある。
とはいっても林道歩きだろうと思っていたのだが、元橋バス停から登山口に入ると思ったよりもアップダウンのあるしっかりとした山道だった。
ただ別ルートで車道があるらしく、小日橋にある駐車場から先は歩きやすい林道となった。
周囲はまだ全然紅葉しておらず、初日の最高地点となる鷹ノ巣峠で見上げると梢が少し色付いている程度だった。
確かにこれではドラゴンドラの運行は来週末からなわけである。
たどり着いた赤湯温泉山口館は、これまで泊まったことのある「歩いてしか行けない温泉」の中でも一番秘境感の強い場所だった。
部屋に電灯がないのは山小屋としても珍しいだろう。
日光澤温泉も八ヶ岳の本沢温泉も那須の三斗小屋温泉も部屋には灯りがあった。
暗くなると部屋にはランプを灯してくれる。
夕食もランプの光の下で食べる。
「ランプの宿」に泊まったのは、十文字小屋以来かもしれない。
一番大きい玉子湯には明るいうちに一度入ったが、夜にもう一度入りに行った。
小屋から川沿いを少し歩いた先にある露天風呂にも全く灯りはない。
18時〜20時は入替制で女性専用となっているが、20時以降は男女区別はなくなる。
声の感じで20時前から入っていた女性もいたようだが、ただ全く灯りがなく真っ暗なので、互いに全く気にならない。
少し浅めの湯に横になり、見上げると満天の星空。
全く灯りがない場所で、温まりながら星空を見ることができる最高のロケーションである。
ちょうど月も出ておらず、ときおり流星が流れるたびに周囲から声が上がる。
温泉の水面には不気味なほど明るい星が映り込んでおり、これだけ明るい星は惑星に違いなく、おそらく木星だろう。
2日目、10/2も最高の秋晴れだった。
山口館の方によると、週末が晴れるのは2ヶ月ぶりとのこと。
夏場は雨が多く宿泊者も少なかったが、10月になって連日30人の予約が入っているとのことだった。
赤湯温泉から苗場山の登りも、思ったよりアップダウンが多かった。
最初清津川から一度尾根に上がり、熊沢へ一気に下る。
川沿いに進めば最初の尾根の登りは必要なさそうなのだが、渓谷沿いに道を付けるのは難しかったのだろう。
苗場山の南東面から登っているはずなのに昌次新道は深い谷間を進むので、ずっと薄暗い。
薄暗い谷間にはダイモンジソウが花盛りだ。
それがフクベノ平へ登っていく段階でやっと陽の当たる場所に出る。
陽が当たると柔らかく橙色に色付く周囲のブナ林がきれいだった。
どこに穴があるか分からない深穴岩を過ぎると一気に稜線へ。
切り立った断崖と平らな山頂稜線という、これぞ苗場山という台形の形が目の前に。
そして真っ青な空。
全体的に柔らかい橙色に色付いているが、ところどころにヤマウルシだろうか、真っ赤な紅葉が点在する。
自分は7年前に登っているが、今回のメンバー4人の内2人は初めての苗場山だ。
一気に平らな山頂台地に出たら驚くだろうなあと思うとなんだか楽しくなってくる。
そして最後の急登を登り終えると、昨晩ちょうど話が出た、風の谷のナウシカの「その者青き衣をまといて金色の野に降り立つべし」のようなそんな金色の野に飛び出る。
一度経験しているのにも関わらず、この断崖から一気に湿原へというは本当に不思議な感じがする。
今年は夏の天候が不順だったからか、紅葉は全体的にはずれ年のようだ。
目を引くほどの真っ赤というところはほとんどないが、全体的に柔らかな橙色や黄色に包まれていて、これはこれで好きな紅葉だ。
そして、今日はこれ以上はないというほどの晴天。
気持ちのいい秋の湿原を歩くと、向こうには平標山〜仙ノ倉山〜万太郎山〜谷川岳へと続く上越国境尾根。
谷川岳も今日はすごく混んでいることだろう。
山頂台地から神楽ヶ峰方面へ下る稜線もうっすらと赤く色付いている。
神楽ヶ峰山頂近くにある雷清水から振り返ると、苗場山が堂々とそびえていた。
先週は三ツ石山で体調不良になり山に登れない身体になってしまったのかと思ったが今回の登山は順調で、あれはやはり前日に温泉に入り過ぎたための「湯疲れ(脱水)」だったということが判明した。
今回も前日温泉だったので、自分としては入る時間を控えめにした。
体調がいいと歩いているのが本当に楽しく、鼻歌混じりだ。
歌はなぜか木村弓の「いつも何度でも」。
「繰り返すあやまちの そのたびひとは ただ青い空の 青さを知る…」。
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