谷川岳
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- GPS
- 07:00
- 距離
- 6.5km
- 登り
- 697m
- 下り
- 1,347m
コースタイム
天候 | 1日目 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2004年09月の天気図 |
アクセス |
写真
感想
●天神尾根
リフト山頂駅(天神峠)からは見事な谷川岳が観望できる。素晴らしい眺めである。
またこれからあの山頂まで登るのが不可能と思えるぐらい、雄大で遠く・高く見える。
この景色だけでも天神峠に登る価値はある。
歩行は快適である。道幅も十分あり景色も十分楽しめる。
熊穴沢避難小屋以降は、傾斜がきつくなり休み休みの歩行であるが、快晴と雲海を伴った素晴らしい景色が癒してくれる。
右に朝日岳・武尊岳。左に平標山に続く尾根。後ろは今来た天神尾根 すべて雲海に浮かぶ島の様である。至福のパノラマである。
常連さんからも、こんなに素晴らしい雲海は珍しい。超ラッキーとのことである。
肩の小屋に近づくと階段状に整備された幅の広い道となる。
そうそう、抜きつ抜かれつした登山者に谷川岳登山3000回を目指しているツワモノがいた。確かに価値ある山だか3000回とはどのようにすると達成できるのだろう??。年100回登っても30年かかる事になる・・・。
このツワモノをはじめ、谷川岳には何回も登っている登山家が多かった。皆惚れ込んでしまうのだ、すごい。
肩の小屋でチョット休憩。
谷川岳山頂の反対側平標山に続く尾根は鋭く尖った一本道(ナイフリッジ)でとても美しくとても怖そう。想像するだけでチビリってしまう。
こうもしていると目の前にそびえるトマの耳に雲が増えてきた。曇っては一大事と休憩を切り上げて登りだした。
●トマの耳 9:30
目標が見えていると力が湧いてくる。難なく第1頂上トマの耳に到着した。
さすがにアルペンムードたっぷり、周りの山々が自然のままの雄大な風景(町並みやスキー場がない)で磐梯山よりも格が上である。2000m未満とはとても思えない雰囲気である。
食事をとりつつ隣の人と話をする。その人も1年前から登山を始めた。前に槍ヶ岳と北穂高に登ったが槍より谷川岳のが難しい。と言っていた。本当かな?。
上高地からならそうなのかも知れない。私は、上高地方向は駆け下りただけなので・・・。
しばらく登頂を満喫していると、中年おばさん団体が追いついて来た。いやいやこれまでの雰囲気が激変。恐ろしい生物である。
逃げるように第2の頂上オキの耳に向かった。
●オキの耳 10:10
トマからオキまでは弓の弧のような稜線である。途中のコルに見晴台があるがそこはチビリまくる絶壁の頂上。写真は撮ったがその迫力は現場に行かないと・・・
オキの耳も爽快である。さらに先に同じ高さのピークがあるがあれはノゾキと言うらしい?。ここからは、一の倉の岩壁が見えるとのこと。知ってれば行ったのに・・・
この頃になると下界を封じていた厚い雲海が解け出しまた違った遠景を楽しませてくれる。岐路は西黒尾根を土合まで下降する計画なのでこのタイミングでの雲海解消は我々の希望通りである。ここまでは想像以上素晴らしい山行であった・・?
またもや楽園荒しのオバン集団がオキに迫ってきたので帰路に入った。
●西黒尾根
下山は西黒尾根を土合まで下降する。ロープーウェイで上がった分も下降することになるが下りなのでたかをくくっていた・・・。磐梯山の爆裂火口下降の経験もあるし・・・
チョット道を迷いながらも尾根に入る。いきなり急な岩場である。両手両足を使ってのカメ歩行混じりで下りてゆく。
右手の天神尾根をみるとかなりの登山者が列を作って登っている。山頂でのオバン軍団がかわいく見えるぐらいの人数である。
毎度の事ながら登山は朝一勝負である。
30分も降りて山岳指導員なる方にすれ違った。「まだ山の上層部、下山の始まり。7/25にも滑落による死者も出ているので注意して下るように」との事であった。確かに踏み外すと奈落の底と言う場所が点在している。
とても中級登山道とは思えない急な岩場続き、コースも何通りもあり選択に迷うこともある。傾斜も40度ぐらいはあるし、両サイドは切り立った絶壁であるあまり近づきたくはない。
何とか1時間?かけて ラクダのコルに到着した。日射も厳しくかなり疲れてきた。降りてきた道を見ると遥かな絶壁。これを登る人に尊敬である。
コルからは引き続き西黒尾根に進む道と左に折れ巌剛新道に行く道に分かれる。
コルで休んでいた中年の女性から「ずいぶん軽装だね。谷川岳もハイキングコースになってしまったのかね」との嘆きのような話を伺った。
これでも以前に比べikuはまともな格好になっているのに・・・
どちらの道に進むかその女性に聞くと「どちらかと言うと巌剛新道のが楽。しかし、鎖場は新道にもある。十分休憩してゆっくり下山した方が良い」
●厳剛新道
アドバイスに従い小休止のあと左の巌剛新道に入った。この時はかなり疲れ、土合までの遠さに飽き飽きしていた。
新道に入ると景色は一変し、日陰で樹木があり、そして足場の岩が濡れてツルツルである。山陰で日射が届かないのである。
日射が無いのは喜ばしが、地面のツルツルにはかなり神経と体力を使う。勾配もかなり急である。
途中3箇所の鎖場と1箇所の梯子場もある。難易度は西黒尾根と変わらないかと思った。しいて言えば歩く距離は短いが・・
急な岩場の下り坂は、かなり体力を消耗する。登りとまったく変わらないと思う。多くの場所で4足?歩行で下降したが、行けども行けども出口が見えずである。
2/3ぐらい降りた頃、左足のヒザが全然言うことを利かなくなってしまった。ヒザを曲げた状態を保つことが出できないのである。本当に身体障害者やお年寄りの気持ちが良く分かる気がした。立っている時もフラツキ、歩くたびに転びそうになる。
以降は服もドロドロ、這いずりながら必死で降りてきた。
山は途中giveupができない。自力で完結しなくてはならない。これが登山家のプライドだし、山の恐怖でもある。
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