【回天作戦】金明水・六沢山・南本内岳・焼石岳・横岳・銀明水【丙34.3】
- GPS
- 09:31
- 距離
- 19.7km
- 登り
- 1,369m
- 下り
- 1,361m
コースタイム
- 山行
- 8:30
- 休憩
- 1:02
- 合計
- 9:32
天候 | 晴れ→曇り時々晴れ間→晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
中沼登山口〜金明水:前日までの雨の影響で、水溜り、泥濘多し。尾根まで上がって間もなく陵線というところで沢の中を歩くことになり面食らう。今回は何とか歩を進めたが、降雨直後は困難を伴い危険だろう。 金明水〜焼石岳:陵線に達してホッと一息と思いきや、そういえば東北の山の道はこんなだったと思わしめる道の細さ。細すぎて藪茂みが道を覆う。なお、風の通り道らしく、風やや強し。 焼石岳〜銀明水:藪漕ぎに次ぐ藪漕ぎ。進むにつれて藪が高くなり、しまいには背丈を越える。おかげで降りていく道が非常にわかりにくい。それがわかって降りることができても銀明水までの道はこれまた藪。 銀明水〜中沼登山口:泥濘や道の沢化はあるものの、それまで歩いてきた道に比べれば軽度で、歩きやすさに涙がちょちょぎれる。 |
その他周辺情報 | 登山後の温泉:焼石クアパークひめかゆ |
写真
感想
東日本大震災直後から三年にわたり決行した三鎮作戦に続き、北の鎮めに岩手を訪れる(福島は衄血作戦で実施済み)。折りしも全国各地で豪雨大雨による被害が続発していることから、併せて、日本の空の、天をめぐらすごとく穏やかにならんことを祈りつつ歩くこととした。
秋雨の奔りの如き前線が列島を覆っている中、天気予報をもとに直前ギリギリまで決行可否について検討。天候雲行きについては最後まで一抹の不安は拭えなかったが、土曜の昼に最終的に決行することに決め、そそくさと準備を整え、岩手へ向かう。
東北の山は、ただそれだけでもアウェー感があるが、登山口に至るまでの悪路によっても否応無く緊張感が高まる。しかし、この緊張感が安全な山行の助けとなるだろう。朝3時頃、ふと目を覚ますと空に星が瞬いており、私は山行の成功を確信した。
それにしても、夜は寒い。
【中沼登山口〜金明水】
登山口で何か情報が無いか確認。夏油温泉からの道は橋が落ちて通行止めとのこと。今後、夏油温泉からのアプローチも考えているので、その時までに修復してもらいたいものだ。
中沼登山口から金明水までの道は、途中、尿前沢という川を渡渉する。雨が降った直後は基本的に沢周辺を歩くのは避けるべきところ、前日午前中まで雨が降っていたようなので、これから歩くのは直後に該当するのかしら?と思いつつ、とりあえず、尿前沢まで行ってみることとした。幸い私には時間がある。沢が渡れないようであれば、一旦戻って中沼コースを行けばよいのだ。強引に渡ろうとすれば、状況によっては、流されてしまうということもあり得る。
沢へ至る道は、いきなり大きな水溜りと泥濘から始まり、茂みも早い段階から道を覆っている。早くも引き返そうかなと思ってしまうくらいだったが、まだ歩き始めたばかりだ。辛抱して歩く。
沢に至ると、結構な川幅で、幸い渡れる状況だったが、増水時は渡れなそうだ。
沢を渡って以降は尾根へと上っていき、周囲の陵線も見えてきて、金明水も近いかなと思い始めたところで、尾根から下って、道が沢にぶち当たる。ここに来るまでに『日本200名山を登る 上巻』を一通り読んできたのだが、読むのと実際に見るのとでは大違いだ。てっきり沢沿いに歩いていくものと思っていたら、沢そのものを遡行していかなければならない。水量が多いために通るのに慎重を要する箇所が何箇所かある。最後は潅木のトンネル内の沢を上がっていって金明水に至る。金名水を目にして思わず声が出る。
【金明水〜焼石岳】
水量豊富な金明水で咽喉を潤し、陵線歩きへ。大抵の山は陵線に上がってしまうと比較的楽になるのだが、この陵線は道が細く、藪がせり出しているので、歩くのも一苦労だ。しかし、おかげで陵線の起伏を気にかけずに済んだ。
分厚い雲が焼石岳方向から東の方向に向かってくるが、焼石連峰案内地図に「強風多し」とあるように、風の通り道らしく、やや強めの風が吹き渡っている。雲は陵線にかかっては抜けていく。風は涼しいくらいでちょうど良い。
予報では天気は午後にかけて晴れるとのことだったので、晴れ間が増えるまでの時間調整として南本内岳に寄る。これが思わぬ好選択で道中、湿原の花々を楽しみながら歩くことができる。また、数十分の差ではあるが、取って返して焼石岳に向かう頃には心持ち晴れ間が増えてきたようにも思えた。
焼石岳北面九合目の焼石神社に参拝の後、岩のごろつく焼石岳北面を上って山頂に至る。山頂には他に5,6人。
【焼石岳〜銀明水】
焼石岳を下りながら銀明水に向かうか、横岳に向かうか考えるが、雲も薄れつつあり、もう一峰くらいいけるだろうと、足を再びピークに向ける。
この横岳経由で銀明水に至るルートは非常に曲者で、破線ルートには破線ルートになる理由があるということがよくわかる。最初は踏み跡も明確で比較的歩きやすいのだが、だんだんと藪茂みが膝下、腰、胸とピークを経るごとに深みを増してくる。そのため、このくらいなら行けると思って歩いて行くと、いよいよヤバイとなった時には、戻るのも躊躇うほど奥まで来てしまっているというわけだ。
横岳らしきピークを過ぎて銀明水に下る段になると道は完全に埋没。陵線は断崖のようになっている箇所もあるため、焦らず、道を探すのに集中する。何回か進行方向を誤ったり、見えない段差で滑ったりを繰り返す。汗が噴き出るのは単に陽が出てきたためだけではないだろう。何回か元の分岐に戻ろうかと考えたくらいだ。
こういう時、進むべきか、戻るべきかというのは例題としてあり得るが、そもそも思いつきのルート変更をしないという自動車免許の試験問題のような回答が正しいように思われる。何はともあれ、下に抜ける道を見つけ、笹薮を脱出。
笹薮を抜けると石のごろつく開けた斜面に出るので、下っていくのは楽だが、銀明水までの間にはもう一藪あり、気を抜くことができない。
道はあの先だろうと思うところまで歩を進め、道を探すが沢に出てしまった。やや大きめの岩が転がる沢であり、山の「常識」として「沢を下って行くのはNG」というのがあるので、この沢を下っても大丈夫なんじゃないかという思いは若干あったものの、一旦戻る。今度は反対側の斜面に道が無いか探るが、道らしきものも続いていかないので、また戻る。この戻ってきたところでピンクテープを発見。おお、これは渡りに舟と、進んで行ったその先は、最初に出た沢だった。
沢を下っていって大丈夫だろうか?いやしかし他に下っていける道が無いのもまた事実、と内心半信半疑のまま降りていくとピンクテープが。しかも、たくさん短い間隔で置かれている。さらには最近道を手入れしたようで、藪が刈り払われ、銀明水に近づくにつれ歩きやすくなる。人の声が聞こえるようになり、避難小屋が直前に見える段になって、本日二度目の歓声をあげる。
笹薮の道は非常に苦戦したけれども、漫然と歩くのではなく、自分で考えながら歩くことができるという点では非常にためになる。軽々に人が立ち入らないためにも上の方はピンクテープ無しのままで良いだろう。
【銀明水〜下山】
銀明水避難小屋ちかくに蛇口があるが、ひねっても泥水しか出てこない。本当の銀明水は避難小屋の下手にあり、こちらは美味な清水である。
きれいな水で水分補給した後、いよいよ下山へ。相変わらず、水分が多く、所々沢の中を下る箇所もあったが、いままで歩いてきた中では非常に楽な道だ。上沼、中沼越しに陵線を仰ぎ見ながら今日の振り返りをして中沼登山口に帰還する。
【総括】
最近中折れ気味な山行が続いていたが、本山行は、天佑神助により天候に恵まれ、最初から最後まで完歩できた。
しかし、北海道において大雨による犠牲者が出てしまったのは残念だ。願わくは、あまねく日本の空の穏やかならんことを。
〜おしまい〜
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