奥只見 貝のくらスラブ
- GPS
- 32:00
- 距離
- 9.4km
- 登り
- 978m
- 下り
- 985m
天候 | 晴れときどき曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
バックウォーターを歩くときは事前に放水時間を調べておくこと 柳沢溯上は1000mあたりから枝沢に入っていきやすい。ルーファイ大事 貝のくらスラブと倉ドノ沢下降はガレが多いので落石注意 熊のにおいがいっぱい。熊に注意 ■kamogの記録と写真 http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-511084.html |
写真
装備
個人装備 |
クライミングシューズ
チョークバック(これは出番がなかった)<br />シュラフ(モンベル3番)
シュラフカバー
ダウン
ダウンパンツ(不要。女性はあったら快適)
|
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共同装備 |
ツェルト
テント
カム
タイブロック
ハンマーバイル
ハーケン(クロモクハーフ)リングボルト
ジャンピングキット
|
備考 | 蚊よけネット、虫よけスプレー必須、宿泊中にサンダルと一緒に履く靴下(蚊よけのため)必須。クマよけ鈴必須 |
感想
半年準備してきた奥只見。
ついに行ってきました!
一緒に行ってくださったkamogさん、igarashiさん、3Bさん、ラインホルトさん、ほーり、本当にありがとうございました!
奥只見に行くためにたくさん練習をしてくれた、ラインホルトさん、キング、会長、うっちさん、ごちん、はるさん、れお、ほーり、きむち、応援してくれた皆様、本当にありがとうございました!
マルチシステムも不安だった私が奥只見行けたのは皆様のおかげです(^◇^)
技術と装備を4月からたくさん準備するも、体力とカムの心配を残して挑んだ奥只見。なんとなく9月は緊張しっぱなしだった。
なのに
出発3日前に風邪を引いてしまった。
出発の日曜日は37度。咳がひどい。ビミョー…。
『迷惑かけられる場所じゃないし、ロープだけ皆に渡して帰ろう』と悩みに悩んで決めたが、『いやいやきみこさんいきましょーよー!ケラケラ』みたいな軽いノリのほーりーに乗せられ行くことになった。(笑)
薬漬けでなんとかごまかし、栄養ドリンク、アミノバイタル、パワージェルをフル活用。
道の駅ゆのたにで仮眠し、奥只見湖に着く。
日本一大きいダム湖のバックウォーターに降りる。ドキドキ
水門を降りていたら、突然けたたましいサイレンがなり、水門が開いてしまった。一気に増水。
放水時間は調べなきゃだね
湖岸は足が埋まり歩きにくい。柳沢出合までの湖岸歩きは約1キロ。1時間くらいかな
。
柳沢はふつーの沢。(笑)
核心の5m滝のほかはあまり、みどころないかな。
1100mから上は迷い易い。
藪漕ぎ後、今度は片貝池へ下る沢を下降。
ちょくちょく熊の臭いがする中を、笛を吹いて歩いた。
片貝の池に到着!
片貝池の周りはスラブ天国。
すり鉢状のスラブの山の中心に池があるイメージ。
目指す貝のクラスラブはその中のひとつ。
貝のくらスラブは全景が東ナメ沢によく似ていた。
池の畔で宿泊。
枯れ木はたくさんあって、焚き火は調子良い。
kamogさんの今年のブーム、グリーンカレーをおいしくいただき、たくさんお話して就寝。
『きみこさん、焚き火の隣で寝てみましょーよー!ケラケラ』と、ホーリーの軽いノリにまた乗せられ、満点の星空の下で就寝。(笑)
熊の巣の中で寝てる気がして怖かった。
ダウンパンツ、ダウン、モンベル3番で温かくして寝たらすっごく暑かった。
火の番しなきゃいけないのに爆睡。
蚊がいっぱいいた。蚊よけネット必須。
ネット持って無いホーリーはシュラフの口を最大限しめて顔を隠し、ミイラになっていた。
翌日、花曇りの中スラブに出発。
30分程で取り付きへ。
kamogさん、3Bさん、きみこパーティ
igarashiさん、ラインホルトさん、ホーリーパーティ
3Bさんがリード。
いきなり難しい染み出しのほうへ行く!!
いやいや、登れませんそこ!不安いっぱいで見つめた。
3Bさんは穴ボコにカムを決め、『カムは決まってない。気休めー…』といいながら進む。むー…。怖い。
秘境だからか、不安定に積み上がった石が多く落石が半端ない。
『ナウシカの虫が飛ぶような音』(kamogさん)を唸らせながら落石は自分の横を高速で落ちて、下の石に当たって砕け飛ぶ。怖いー…
60ダブルロープが足りなくなり、60シングルを継ぎ足したため、4人がフィックスであがった。
その後は2パーティに分かれ、上がる。とにかく落石注意。1ピッチ目が核心
どのピッチも、ロープの終了点に支点がなく、カムも取れないため、リードとフォローが一緒に上がることが多かった。
最後の9ピッチ目!
ブッシュにはいってからの 泥付きスラブはめちゃ怖かった!
その泥付きスラブで沢靴に履き替えるのも恐怖。
スラブをあがり平左衛門岳に2時間ほど詰めあげたら、下山遅れが確定していた。
あとは倉ドノ沢(標高差600m)を下降すれば奥只見湖に降りられる。
まずは崩れたばかりのガレ場の懸垂下降から始まった。捨て縄で。
ちょっと触れただけでナイフのような人の頭大の岩が崩れ落ちる。
人が入らないと荒れるのがよくわかった
一歩降りてはカサっと動く岩を慌てて止める、の繰り返し。
水平距離半分、標高差500mの急勾配を降りきったあたりでヘッテンになった。
3Bさんが暗くなる前に傾斜のゆるやかなところに出たいと管理してくれていた。
沢の下降でヘッテンて始めてだなー…。
白い息が出る。寒い。
しばらく歩くと滝に出ちゃった。
下を覗くとトイ状の滝の先には深い釜があるみたい。
巻けなくて懸垂して滝の横を降りることになった
すっごく怖かった。釜の深さがわからない。
怖い!釜が真っ暗で!寒いのに!
今日はビバークするかもだし。
このタイミングで濡れたら乾かせるだろうか。
懸垂して降りた先が水なんてどうしよう。
泣きそうになっていたが強い漢たちはどんどん降りて行く。
先に降りてもらったので釜の深さがわかった。
着水ポイントを選べば腰くらい?行けるかも…。
私の番になり、全部を吹っ切って、行くぞぉー!とありったけの声で叫んで降りた。
着水。水はお腹くらいまで。
ひとまずホッ。
淵に沿って歩いていく。
それ以上深くなることはなかった。
最期はほーりがロープ回収。
長い時間釜の深いほうに浸かり、ロープを回収してくれた。ありがとう。
あとは小滝を降りながら歩いて行った。倉ドノ沢は昼間に遡行してみたい、水のキレイな沢だった。
へってんを消すと満点の星空。
明かりが何もなく美しかった。
792mの一の沢出合から林道に上がった。
8:30頃車に到着。
ほー・・・ついた〜
以上が今回の奥只見の行程です。
奥只見はたくさんのことを学んだ。
初めて、ひとつの山を目指した長期計画を立てた。
半年前に参加表明してから
どの技術がどれだけ要るか、自分が足りないものはなにか。考えると自然と何がいつ必要か見えてきた。
今回は
.ムって自分に扱えるものか見極め(4月)
▲蹇璽廛錙璽基礎練&高所恐怖症克服(5.6月)
スラブ慣れ(6月)
い劼燭垢藺瑤芭習&(7.8月)
ゥ廛貉街圈8月東ナメ沢)
β領鷲佞院泊まり慣れ、釜恐怖症克服(8月)
という計画が自然と頭に出来上がっていた。
誤算はΔ梁領鷲佞院B領呂倭瓩せ期から付けてもすぐなくなるのでもったいないと思い、お盆の赤木沢&薬師岳PHでつけようと計画した。
お盆は天気悪くて、山に行けず。
いちばん大事な体力に心配を残す結果となった。
もうひとつ誤算は、沢にたくさん行ったが、カム使用は結局,世院ハーケンは一回打っただけだったこと。
これは反省。とてつもなく不安を残した。つるべできないよ!って内心ビクビクした。
良かったことは何回かのマルチで高度を徐々に上げて高所恐怖症が克服できていたこと。冷静になれた。
あと、とにかく沢に行っていたこと。
歩きが安定した。転ぶことはなかった。
学んだことを大きく分けると
【混合パーティーの力や意識疎通の違い】
【マルチの何通りもの方法】
になる
【混合パーティー…】
のほうは。
今回は山の先生とご一緒させていただいた。
経験が半端ない先生たち。
だからロープワークも、捨て縄の結びも、何が今いちばん安全な方法かを見極めるスピードが違う。
そしてこれがダメならこれに移行するという流れが先生たちはあうんの呼吸で分かっている。
だから私には言葉少なに思えた。ロープワークの意思疎通は最小限。
私はポカンとしてしまう場面が多かった。
【マルチの何通りもの方法】は。
方法がいくつもある、のはもちろんなんだけど。
困ったらこれをやっても大丈夫という判断力がすごい。
例えば、ロープ足りなかったらフォローも登る。とか。
リードがスリング足りなかったら、ロープに結んで引き上げてお届け。とか。
私ならパニクる場面で、
『じゃあ、こうしよう。この状況ならこの方法をやっても大丈夫』
という判断ができる。
たくさんマルチの技を知っているだけでなく、安全が確保できるギリギリの範囲の方法を引き出しから自由に選び出せるみたい。
私にはまだまだあの先生たちのような世界は遠いね。
たくさんの技よりもいっぱい基本を練習するほうが先だ。
奥只見へ行って、『マルチのこれを学んだ!あれを学んだ!』とピンポイントで言えるような経験を自分はするのだろうと思っていた。
が、実際は『へー!こんな考えや景色が世の中にあるんだ。』と大きな広い経験をした。という感じ。
マルチの技術を深く学んで来るだろうと予想していたが、違う種類の学びをしてきたため、感想がなかなか書けなかった。
うまく言えないけど、
初めて沢登りというジャンルの登山形態を知ったとき、みたいな新鮮な感覚だった。
今回、最低限必要なレベルまで自分を押し上げられたのは嬉しかった。
誘ってくれたkamogさん、本当にありがとうございます!!
そしてたくさんの沢練習をさせてくれたラインホルトさんには感謝してもし切れません。
ラインホルトさん、本当に本当にありがとうございます。
カモの皆さんにたくさん助けていただき、新しい世界を見た今回のチャレンジ。
とっても楽しかった!
かもに入って良かったなと思いました。
いつかは自分も誰かのギリギリチャレンジを後押しできるような人間になりたいなとおもいました。
皆様!本当にありがとうございました!(^◇^)
コメント
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いい感想。
読んでいてこちらも勉強になる。
きみこの頑張りや計画も◎
今年、自分としても良くわかったのはまず『目標山行』だよね。
トレは実践をイメージしてやらないと身につかないし、つまらない。
トレばかりして本チャンが見えないと結果、山から離れていくと感じる。
仮に本チャン行っても、いつの間にかの本当の本チャンでは自分の山行でないから達成感もないし。
こういう記録が今の会には一番必要なんじゃないかと思う。
山の素晴らしさが詰まってるね!
いい山行記録ありがとう。
来年はキミコCLで屋久島行こうよ。
奥只見目指してほんと良かった!
自分にはできないと思っていたことが、できるかも知れないと考えられるようになった。
あと、自分の限界をありのまま受け入れられた。
奥只見はもちろんだけど、目指した半年もほんと楽しかったよ!
目標ってとても大事だね。
ずっと応援してくれてどうもありがとう。
屋久島ラジャ(^◇^)楽しみだ!(^◇^)
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