高指山-菰釣山-畦ヶ丸 〜甲相国境尾根を行く〜 B18
- GPS
- 09:20
- 距離
- 20.7km
- 登り
- 1,276m
- 下り
- 1,704m
コースタイム
- 山行
- 8:48
- 休憩
- 0:27
- 合計
- 9:15
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
復路 西丹沢自然教室15:40(富士急湘南バス1,180円)16:50新松田駅16:53(小田急小田原線) 小田急高速バス 03-3427-3160 富士急山梨バス http://bus.fujikyu.co.jp/line/jikokuhyo/01.html 共和タクシー 0120-38-1313 富士急湘南バス http://www.fujikyu.co.jp/syonan/rosenbus.html |
コース状況/ 危険箇所等 |
総じて迷う個所も危険個所もない。標識は完備され、道は明瞭。 ・高指山〜菰釣山 気持ちの良い尾根道が続く。緩やかな登り。わずかに鎖場もある。 ・菰釣山〜城ヶ尾峠 急な下りの後、少々の藪漕ぎと厳しいアップダウンが続く。 ・城ヶ尾峠〜畦ヶ丸 鎖場あり。 ・畦ヶ丸〜西丹沢自然教室 ところどころ階段があったり、広々とした道が続いたり、丹沢らしい道のあと、沢沿いの気持ちの良い下り。 |
その他周辺情報 | 前日泊 山中湖平野「観湖荘」0555-65-8634 素泊り4,860円税込 |
写真
感想
歩いた、いや歩けた。毎回真剣に何かにチャレンジしているつもりだが、さすがに今回は現在の体力からして大いに不安だった。甲相国境尾根の縦走は、昨年秋に山岳雑誌で知ってから1〜2年のうちに行こうと決めていたコースである。そこでは、西丹沢大滝橋から入り山中湖平野へ抜けるルートが紹介されており、夕刻に高指山から見る富士が印象的である、とあった。当初は私もそのルートを辿ろうとしていたが、始発バスに乗ってもスタートが8時過ぎとなり、日没までに平野まで下山する自信がないため、逆ルートしかも平野に前泊することを考えた。
例によって一人の素泊まりでも快く受け入れてくれる宿をwebから探す。見つけた。いわゆる合宿旅館だが、平野バス停に近く安価である。電話での対応の良さも大いに気に入った。宿の手配と同時に、御殿場からの最終路線バスから逆算し小田急高速バスを予約する。台風の巨大さやその動きにより一旦は延期を考えたが、高気圧の頑張りのお蔭で前々日には予定どおり出発準備に入った。
8畳の部屋を提供してくれた「レイクストリート観湖荘」をほぼ日の出時刻に出発する。予報どおり曇天、されど早朝の風が心地よい。まずは今年の1月とは逆ルートで高指山を目指す。別荘地の近くまでニホンジカが下りてきていた。私の気配を感じ、跳ねながら遠ざかる。近くから嘶きも聞こえてくる。久しぶりに一人静かに歩ける道が恋しくなり、このルートを選んで良かったと思える瞬間だ。
残念ながら、というか当然ながら富士には会えなかった。高指山から石保土山までは緩やかに登る尾根道である。少し油断するとクモの巣が顔に張り付く。徐々に体が温まり、先の長さゆえに自然にペースアップする。今回の予定通過時刻は、前半のみコースタイムの8割程度、後半をいつもどおり9割に設定した。
出発前、何度となく「てんきとくらす」で確認してきたポイント、菰釣山に到着した。ほぼ中間地点である。元々眺望の開けていない山頂だが、この天候だから気にならない。行動食を口にしてほどなく出発する。
菰釣山から急坂を降りたのちの登り返しは、急登かつ少々の藪漕ぎである。アップダウンも続き、かなりきつい。この疲労によるペースダウンを考えると、暗くなる前に樹林帯を抜けられるか危ういかもしれない。少し焦りを感じ始めたとき、行く手の登山道にクマの糞が堂々と残されているのを目にし、それどころではなくなった。
初めての単独幕営行で雷に打たれそうになって以来天敵は彼だけだったが、近ごろ山で怖いものは、「自信、雷、クマ、電池切れ」といったところか。一人歩きのため、クマとの遭遇は今最も不安に思えるのだが、スマホのバッテリー切れも実は恐ろしい。前回泊まった山小屋でも「バッテリー充電1回500円」とメニュー表に記載があるほど、このご時世スマホ類から得られる情報は登山に伴う不安除去や危険の回避に大いに役立っており、必要不可欠なのである。
そんなこんなで、いつの間にか早足になったにもかかわらず、城ヶ尾峠には予定どおりの時間に着いた。45分早く出発したのだから予定どおりの時間では少々苦戦したことになる。まあ、とりあえず本日の「難所」は越えたし、丹沢領域に入ったのだから、少し安堵しよう。先日セールで購入したメリノウールと化繊の組合せシャツと「エアリズム」、今の季節最強のウェアに身を包まれているせいか発汗にも少々の寒さにも十分対応している。
畦ヶ丸山頂も木々に囲まれ眺望はない。ここまでおよそ17辧△修蹐修軾莽を感じる時間である。下山路での安全を祈願し、近ごろお気に入りの「パワードコーヒー」を飲む。下りは速度制限を課し、階段多く丹沢らしくなってきた道を慎重に進む。やがて尾根道と分かれ、急坂を下るようになると不思議とリズムに乗ってきた。先ほどの魔法の飲料が利いてきたのか、ペース配分が正しかったのか、いずれにしろ予想以上に疲労感なく本棚を通過した。
久しぶりの沢下りが気持ちよい。せせらぎや水しぶきを感じながら高度を下げる。この調子では予定どおりのバスに十分間に合う。いつになく、ゆっくりと、水を撮り、緑を愛でながら歩いた。私は冒険家でもなく登山家でもない。一人の登山者として臆病で、自信がなくてちょうど良いのだ。これからも無理のない登山を真剣に楽しもう。敬意を示しつつ自然をこよなく愛しながら。
「想い出の山」写真&レポートコンテスト 「山行記録部門」 by モリパーク アウトドアヴィレッジ(MOV)
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