滝子山(誤って、寂ショウ尾根を下る)
- GPS
- --:--
- 距離
- 12.4km
- 登り
- 1,227m
- 下り
- 1,106m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
写真
感想
【2015年6月作成 過去レコ】
山歩きが楽しくなってきたこの頃。
初めての道迷いで、山の恐ろしさを初めて身を持って体験した記念すべき山が、この滝子山。
今思えば、とても良い経験となった山行だ。
後に大菩薩嶺の地図を買って分かった事であるが、今回下った寂ショウ尾根はご丁寧に「岩場あり・道不明瞭・上級者向き」との注釈が加えられているルートであった。
勿論、最初からこのルートで下ろうと計画したわけではなく、本来ならば鎮西ヶ池方向に下り、滝を眺めて道証地蔵を経由するルートで下山する予定だった。
何故、このようなミスが起こってしまったのか。
それは、もちろん地図と磁石を持たずに山に入ったからに他ならず、進むべき方向を見誤ったからである。
方向案内板が立っている分岐では、必ず地図と磁石で現在地と目的地の方向確認を行う事。
これを書いている今でも、たまに面倒臭がって疎かにしてしまう事があるので偉そうに言えるわけではないが、これは機会があれば何度でも再認識すべき基本的な作業である。
また、寂ショウ尾根を進んでいてもう一つ道迷いをした原因は岩場に慣れていなかった事も挙げられる。
なだらかな下り道を進んでいると、眼下に大きな岩が足元から水平方向よりもやや下方に向かってせり出していた。
せり出した岩の向こうは開けているように見えたので絶壁だろうと思い、周囲を見渡して歩いて下れるルートを探してみると、岩から少し戻った所の草むらにわずかな薄い踏み跡を発見したのでそこを進んで下って行った。
しばらく進むと先ほどまであったトレースがいつの間にか消えている事に気づく。
これは道を間違えたと思い引き返すのだが、トレースが消えてからも頑張ってしばらく進んでしまっていたために自分の歩いてきた道までも見失うハメになってしまい、一気に焦りの気持ちが出て来てしまった。
しばらく足を休めている間、風が木の葉を揺らす音が聞こえる。
数か月前は、こんな静寂がたまらなく心地良く感じられて、そういった事も山にのめり込むきっかけとなっていたのだが、今回は様相が違った。
それまで心地良く感じられていた筈の何気ない木の葉のざわめきが、恐怖に変わった。
たまらないほどの不安感に襲われ、孤独感が倍増する。
この時、生まれて初めて遭難の2文字が頭をよぎり、それが焦りとなって行動に出た。
その結果、完全に自分の来た道をも逸れて引き返して登ってしまうことに。
かなり焦っていたこともあり、元の薄い踏み跡の所ではなく、そこよりも少し上がった所にヒョコっと出てきてしまった。
呼吸を整え、改めてせり出した岩場の所まで歩いて来たがやはり下りのルートが見つからない。
とりあえず、景色でも眺めて気持ちを落ち着かせようと思い、岩の先端に立ってみた。
そこで、ふと足元を見てみると、なんとその岩の下方向にトレースが見えるではないか。
絶壁と思っていた岩は1m〜1.5mほどの高さの岩で、両足で立てるほどの踏み場に足を載せれば、すんなりとその岩を下りることができた。
岩を下りて振り返って見てみると、登りの登山者向けにはマーキングがあるのだが、下山者向けにはなにもなく、下山者は岩の先端に立って下を見てみない限り先のルートが見えないようになっていた。
とまぁ、岩の先は絶壁で行き止まりだろうという思い込みも困難に遭遇した要因の一つであろうと考えられ、疲労やその時の気分次第で判断は誤りうるという事も身を持って経験することができたのだった。
そこからは特に困難な事もなく下山することができ、笹子駅には日没前に着くことができた。
とにかく、何年たっても記憶にはしばらく残り続けるであろうこの山行。
自戒のために、事あるごとに振り返って後に生かしたいと思う。
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