第一級の雪稜、白馬岳主稜の長〜い1日
- GPS
- 18:43
- 距離
- 23.4km
- 登り
- 2,248m
- 下り
- 2,242m
コースタイム
- 山行
- 16:33
- 休憩
- 2:07
- 合計
- 18:40
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
装備
個人装備 |
ダブルアックス
|
---|---|
共同装備 |
スノーバー×2
デッドマン1
60mロープ
|
感想
この時期の白馬主稜を日帰りで行って来ました。
とても長ーい約19時間行動の一日になったんですが、夜明け前後の山の美しさと主稜の連続ナイフリッジ、日が暮れてからの身体に堪える長いデプローチ諸々含めて記憶に残る山行になりました。
そして関係者の方々、下山が遅くなり心配をおかけしてすみませんでした。
行程の長さやロープ使用、人数、あとは雪の状態への想定が甘くて計画よりも遅くなってしました。気にかけてくださってありがとうございました。
今回はかなり直前に決まった白馬主稜でしたが、私自身は2度敗退していて(1度目は板担いで時間切れ、2度目は雪崩くらってヒヨって、雪の着きが悪くて敗退)いつかリベンジを毎年考えていました。今年は雪が少なく、気温も高くなってきていたので、そろそろ行けるんはじゃないと思って計画しました。結果的に雪はずっと繋がっていて緩みもひどいほどではなく雪の状態的には良かったです。
大学生の頃の部のOBの方が板を担いで登ったということを聞いて、自分もやれるだろうか、やってみたいと温めていました。
二俣で車を停めて、2時出発
板を担いではいるが、日帰り装備なのでそこまで重くはない。
しばらくは雪のない道を歩く 2〜30分くらい歩くと雪が繋がっているようになってきたのでシール登行に切り替える。登山靴の2人は各々チェーンスパイクとアイゼンを装着していた。
雪道をしばらく進んで猿倉荘へは寄らずまっすぐ進み、トレースがまっすぐ川沿いへいくものと左へ行くものとに分かれる。地図で確認して左は地図に出てる道だったので左へ進んだ。(もしまっすぐ川沿いのトレースでも行けるのであればそちらの方が早そうだ。)
しばらくトラバース道を進んで長走沢出合の少し先で、金山沢から来ているトレースに誘われて沢のボトムへ出てしまった。このまま沢沿い進んで白馬尻までと思ったが、デブリたくさんで歩き辛そうだったので、左にある登山道へ登り返した。
白馬尻小屋のあたりで主稜へ取りついた。そこでDさんの持ってきたワンタッチアイゼンが靴に合っていなかったので、俺の紐締めの10本爪アイゼンと交換する。雪稜なのでアイゼン外れやズレてバランス崩すとそのまま下までスライダーとなるかもなので(1度目に来た時に主稜から滑り落ちていった人の滑り跡を見たことがあった。目撃者によると奇跡的に無事だったようで、白馬沢のボトムまで滑り落ちて、起き上がりそのまま帰っていったようです。標高差で3〜400mくらいの滑落って超怖そう)
主稜へ取りつく、ここからやっと標高差を稼いでいく。空も明るくなってきた。2度目の敗退で雪崩を食らったのもここだったなぁ。傾斜も出てきたので八峰手前でストックをしまい、ヘルメット着けてダブルアックスに変更
ここからは急な雪壁とナイフリッジを落ちないようにひたすら登っていく。
足を決めて、雪質を見極めピックをかけるかシャフトを差すか判断して登っていく。
2人とも安定した足取りで登ってくる。
今回の山行で一番怖かったのは登りの斜度のない平行なナイフリッジでした。平行なとこだとピッケルも届かなくて、スキーブーツだと足首があまり曲がらないので踏ん張りが効かなくて、そんなとこで強風に煽られるとめちゃこわでした。
山頂直下の雪壁をずっと眺めながら、なかなか近づかないねーと言いながらも高度を稼いでいくと標高2810mあたり(3峰過ぎかな?)で、岩を左から巻いていくとこが、クラックっぽくなっていてしかもスカ雪になってやらしそうなのでロープを出して、60mくらい行き1ピッチ、その上はコンテで30mくらい登り2峰トップへ。
最後の雪壁と2峰のコルからスタティックで20〜30mで一度ピッチを切り、ピッケルをアンカーに使ってしまったので、リードをAちゃんに交代してもらい雪壁のトップまで。トレースはしっかり付いていて、雪庇の張り出しも右にかわせたので、雪壁最後の土木工事はなかった。
雪壁抜けるともう山頂!やった!3人で写真を撮り、もう16時前なのですぐに下山を開始。山小屋あたりで板に履き替え滑るがいやーなモナカですごく滑りづらい。センター96の板を持ってきたがもっと太い方が良かったか?登山靴の2人もバリズボの雪に苦しんでいた。
白馬尻までモナカに苦しみながら滑降し、猿倉荘まで下り。歩き組と差が付いたので、ザックを置いてシールを張って登り返して重い荷物を預かりに向かう。2人も頑張って歩いていて比較的すぐに長走沢のあたりで合流。ただ、荷物は大丈夫とのこと笑 そのまま一緒に猿倉まで
猿倉からは先に行かせてもらって車まで。冷えてきていたので雪がよく滑って快適だったが、片方ビンディングが壊れてヒールがロック出来なくなってしまったので慎重に滑れるとこまで 車まで残り1.5km地点で板を担ぐ。ロープや諸々の登攀具が入り、板が付いたザックなかなか良い重さだった。
車に着いたら片付けて、少しでも下山が短くなるように通行止め手前まで車を移動させて後ろの2人を待つ。30分後くらいにヘッドライトの明かりが見えて無事に下山完了しました。
弱音を吐かずに長ーい1日に付き合ってくれた2人に感謝です。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する