高盤岳・黒味岳・宮之浦岳・永田岳縦走(花之江河登山道〜花山歩道)
- GPS
- 08:14
- 距離
- 40.6km
- 登り
- 2,306m
- 下り
- 3,287m
コースタイム
- 山行
- 5:21
- 休憩
- 1:05
- 合計
- 6:26
- 山行
- 7:31
- 休憩
- 1:54
- 合計
- 9:25
天候 | 1日目: 晴れ 2日目: 晴れのち霧ときどき晴れ 3日目: 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス タクシー
牧野→ヤクスギランド まつばんだ交通タクシー(4,380円) まつばんだ交通タクシーは、今こそ鹿児島の旅電子クーポンを利用できました ※決済時に電波がないと使えないとのこと |
コース状況/ 危険箇所等 |
花之江河登山道: 部分的に荒廃している箇所あり ビャクシン沢渡渉点: 雨天後等の増水時注意 高盤岳までの湯泊歩道: 草木生い茂り水たまり泥濘多し 花山歩道: 倒木等あるが、花之江河登山道ほど荒廃していない 花之江河〜永田岳間は主要ルートだからかピンクテープはなく、非常に整備され迷うことなし 他のルートは倒木等で落ちていることもあるが、迷うことがないほどにピンクテープがしっかり印されている |
写真
感想
今回の山旅の大本命、ヤクスギランドから大川の滝まで2泊3日で縦走(横断?)です。
山旅前日に気象神社でお参りしたおかげか、ちょうど3日間雨の降らない予報天気があって幸いでした(帰ったらお礼参りしなければ)。
ヤクスギランドまでバスを使う予定で計画していましたがダイヤ的に少し遅めな出発になるのと、まつばんだ交通のタクシーは全国旅行支援の地域クーポン(電子クーポン)を利用できるとのことで、牧野からはタクシーを利用しました。
ヤクスギランドから乾いていない先行者の足跡がありましたが、花之江河へ向かう分岐からはなくなり、平日なこともあって「これは今回ひとりきりなのでは?」とわくわく。
実際1日目宿泊した高塚小屋まではひとりきりで、この豊かな屋久島の花之江河登山道を存分に満喫・ひとりじめでき、非常に贅沢でした。
屋久島の山を歩いていて思うのは、メジャーなところ以外は本当に人がいないこと。
車を運転できないので普段行く東京近郊のお山や公共交通機関のある高いお山は平日でもそれなりにハイカーさんがいらっしゃるのですが、屋久島は皆無といっていいほど。
勝手にも人が多めなお山よりも誰もいないお山の方が好きな自分にとっては、屋久島のお山はパラダイスです。
高塚小屋到着後、水場で水を汲んでいると先輩ハイカーさんとお会いしました。
私と同じルートで歩く予定だったけれど1日目が雨だったので、ビャクシン沢渡渉点の増水による渡渉不可を踏まえて逆ルートにしたとのことでした。
空港近くの観光案内所にて、安房タクシーの社長さんに栗生から花山歩道入口まで行ってもらうよう手配いただいたそうです。料金は1.3万と言っていた気がします。
余談ですが観光案内所のスタッフさんの手腕っぷりを聞いていて、私が電子クーポンを使えるタクシーを手配してもらったスタッフさんと同じ方なのでは、と思った次第でした。
ほかにも花山歩道の様子等いろいろお話を聞かせていただきました。
1日目に2人だったので心細く感じることなく、2日目鹿之沢小屋で1人でも快適と感じられたのかなと思います。
夜の間ふと私が起きたときには起きてらっしゃる気配がしたので、もしかして私の寝相がガサガサとうるさかったのかもしれない…ご迷惑おかけしました。
2日目は縦走の核心部。
花之江河から高盤岳へ向かう湯泊歩道入口の案内板には「整備されていない」とありましたが、屋久島のお山のトレイルに慣れてきた自分にとっては「ちゃんとしているじゃん」という印象で、湯泊歩道も歩いてみたいと思わせてくれました。
高盤岳山頂への直登もトレースがしっかりついており、ピンクテープがでてきてからはピンクテープが山頂まで導いてくれました。
花之江河から宮之浦岳まではメジャールートなので他にもハイカーさんたちがいらっしゃいました(それでも北ア等に比べると少ない)。
前回はガスで眺望がないからとスキップした黒味岳にも足を向けます。
高盤岳も黒味岳も向かうまではザックをデポするか迷っていたのですが、当日のザックの軽さに(1日目は久し振りのソロ山旅で交感神経優位になったのか前夜ほとんど眠れなかったため重く感じた)迷わず背負っていきました。
山頂に着くと360度展望が広がっていて本当に素晴らしかったです。
これまたひとりきりだったので、コーヒータイムを存分に楽しみました(途中から黒味分かれに息子さんを待たせたハイカーさんがお一人登頂され、黒味分かれまでの復路では3人パーティーとすれ違いました)。
宮之浦岳までは前回同様。
前回は投石平でも何も見えませんでしたが今回はこの辺りからガスが出始め、宮之浦岳が近づくにつれて「山頂ではなんとか一瞬でも晴れてもらえますように」と願っていました。
山頂では残念ながら、前回よりはマシではあるものの晴れそうもないガスっぷりでした。
宮之浦岳山頂は狭いわりにハイカーさん方ランチ休憩をとられるため混みがち。
お湯を沸かしてガスが晴れるのを待つのはやめて、その分永田岳でゆっくりすることにしました。
焼野三叉路から永田岳に向かう途中でガスが晴れてきたときには「もう少し待っていればよかったか…」とも思いましたが、永田岳側も晴れてきて山容に更に心が踊り「山頂ではゆ〜っくりするからガスの晴れ間も続いてください」と願いながら山頂に向かいました。
永田岳山頂では終始誰も来ず、ガスが流れて周囲の山々を現したり隠したりするなか、少し遅めのランチタイムを堪能できました。
黒味岳もよかったけれど、永田岳の方が好きだなぁ(でもどちらも好き。素晴らしい。)
万一眺望がなかったら3日目も日の出に合わせて再度永田岳に登頂してから下山しようと思っていましたが、堪能できたので朝日を拝むのは逆ルートで歩くときにすることにしました。
鹿之沢小屋は改修してまだ1年ほど。こじんまりとしていますが、ひとりきりだったので十分すぎる広さでした。
3日目は大川の滝へ下山。
この日の楽しみは、1日目に高塚小屋で一緒だったハイカーさんに勧められ、ワンゲルガイドブックにも「秘密にしておきたいお気に入り」と紹介されていた花山広場先の水場。
予定よりも1時間以上はやく着いてしまったので、その分ゆっくりとコーヒータイムを楽しみました。
朝日に照らされた水場は本当にきれいで(語彙力…)、ずっといたい心地よさでした。
予想はしていたもののそれ以上に早いペースで下りてきているため、電波を拾えるところで都度タクシーを呼ぶか迷いました。が、大川の滝でコーヒータイムしたりとかげきめればいいか、と大川林道をだらだら歩いていました。
ふと石塚小屋でご一緒したハイカーさんが「栗生まで徒歩1時間」と言っていたのを思い出し「時間があるなら疲れもそれほどでもないし栗生まで歩くのもありかな」と。更に時刻表を見ると、13:44栗生橋発のバスがある(大川の滝発は15時台)。大川林道手前まで来ていて現在12:45。
前回訪れたので大川の滝はスキップすることとし(時間があるなら再び訪れたいよさではあります)バスに間に合いそうだな、と林道入口から黙々と歩いていました。
と、大川の滝方面から車が追い越し、停車しました。
なんと関東からの旅行者を乗せた島の方が拾ってくださいました。ありがたすぎる。
途中、宿泊先からおすすめされた栗生の石楠花の森公園に寄り開花見頃なシャクナゲも楽しませていただき、宿泊先まで送っていただきました。感謝の念に堪えません。
ここ1年ほどは以前よりもお山から足が遠のき気味でしたが、ひとり山のなかを歩いていて「やはり自分にとってはお山を歩くことは必要不可欠だな」と感じました。
前夜宿泊先で蛇ノ口滝に行かれた方と話をした際に「登山の魅力って?」と聞かれて答えたのは、自分が感じているものの枝葉にすぎないと感じました(いろんな人に聞かれるけれど、いつもうまく答えられない)。
お山を歩いた人たちは皆、山行中や山行を終えてとてもよい顔をされていて、それが答えだよなぁと思います。
人に聞かれたらうまく答えられない・答えきれないことは変わらない気がしますが、自分が山を歩く理由を実感した充足の3日間となりました。
※ 1,2日目のGPSログが取れていませんでした…ショック。
※ 大川林道入口から栗生橋へ向かう途中でピックアップいただきましたが、栗生橋までGPSログを止めるのを忘れていたため、大川林道入口から栗生橋までの時刻が10分弱となっています。
コメント
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その中で一番のクライマックスと思われる、この宮之浦岳縦走の山行にコメントさせて頂きます。
しかし、今回の屋久島、開聞岳、えびの高原の山行はすごいです。行動力の素晴らしさに脱帽でした。こんな連続の山登りで、衣服の洗濯は大変だろうな、なんて本筋と関係ないこともちょっと思ったりもしました(こんなコメントを書いてすいません、お許しを)。
これだけ山行のことを調べるのも、普通では時間がかかりますよね。自分がこんな連続の山行をしたら、山登りはもちろん、下山してから体の整備、洗濯、翌日の山行の下調べと登山具の支度で、毎日タイトに時間を過ごさなければならず、体が持たないような気がします。
その上、すべの山行のレコの残すところも素晴らしいです。mka10さんは、すごい”筆まめ”ですね。当方は、月3回ぐらいのペースで山に登っていますが、山行の詳細のレコは書かず(忙しいくて書けない、と自分に言い訳をして・・)、登りっぱなしになっています。少しは、mka10さんを見習わなければいけないです。
当方、屋久島に行ったことはありますが、山登りはしていません(登山を始めた遥か昔の学生時代のことですので)。この時、鹿児島から高速船に乗って種子島と屋久島に行きましたが、高速船が3時間ぐらい(?)で種子島について、意外と鹿児島から近くという印象を持ったことと、種子島から見ると屋久島は海から巨大な山が突き出しているようにみえ、少しの恐怖感を持って屋久島を眺めた記憶が残っています。また、機会があったら、今度は宮之浦岳を登りに屋久島に行ってみたいものです。
開聞岳は、開通したばかりの九州新幹線を乗るついでに、開聞岳を登りました(九州新幹線が開通したのは、東日本大震災の年ですので、今から12年も前になりますね)。
いつも素晴らしい山行のレコをありがとう。時々レコを見せてもらい、癒されています。
長いレスになってしまいましたが、お互いに、これからも長〜く山登りを楽しめたら、良いなと思っています。
思い立った当初は、有休消化しつつそれ以外は雨の日は仕事、晴れの日は山を歩いて1ヶ月
屋久島でワーケーションをしようという心づもりでした。が、まだ勤め先がワーケーション
できる体制が整っておらず、また宿泊先が4月1日以降は貸し切りのため予約が取れずだった
ので、本島に移動してそちらのお山を歩こうとなった次第でした。
洗濯は宿泊先のゲストハウスでコインランドリーよりも安価に洗濯機が使用できたのと、島
ではよい風がふき施設内も風通しがよかったので、化繊の衣類が多かったこともあり乾燥機
を使う手間も省けました(あとは着干しで笑。
今回は一人旅で山を歩いているときや宿泊先・旅行者・島の方と交流しているとき以外は自
分の時間がたっぷりあったので、レコを書く時間や次のお山の下調べ・準備をする時間、自
分の体調次第で臨機応変にできる時間があったのだと思います。
宿泊先はもともとワーケーションの観点から選んだところだったので、コワーキングスペー
スが充実していて、持参したノートPCとにらめっこしながらレコを書いたり調べものをした
りしていました。何度も他の宿泊客の方々に「仕事ですか?」と聞かれては「いえ、山の計
画を立てているだけです」と答えていました笑。仕事関連の書籍も持参したものの、頁をめ
くる気が起きず笑。
現代はインターネットにつながればほしい情報がわりと入手できますし、山行計画も立てら
れるのでありがたいですね。
Aki2shimaさんは高速船で種子島経由で屋久島に行かれたんですね。
私も宮之浦から指宿まで高速船で移動して「結構近いんだなぁ」と感じました。また、逆に
私は屋久島上陸後に種子島を見たので、種子島がのっぺりしすぎているように見えました。
行ってみて屋久島が洋上のアルプスと言われるのを実感できましたし、ひねくれ者なため皆
良いと言うのに対し「ふーん、まぁ興味ないな」という感じだったのが「なるほどな(また
行きたい」となりましたので、Aki2shimaさんもよろしければ是非屋久島のお山を歩いて
みてください。
なお、個人的には宮之浦岳よりも永田岳の方が好みです。
九州新幹線開通の年に開聞岳を登られたんですね。
12年も前のことではありますが、今年の3月上旬にSNSで九州新幹線全線開業の微笑ましい
CMが話題になったので(当時は東日本大震災に伴い放送取りやめになったとか)、 個人的に
記憶に新しかったです。
ご参考(リンク先にYoutubeへのリンクも): 祝!九州 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A5%9D!%E4%B9%9D%E5%B7%9E
私の方こそAki2shimaさんにコメントいただき癒やされています。ありがとうございます。
引き続きお互いお山を楽しんでいきましょう。
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