白馬岳
- GPS
- 14:38
- 距離
- 30.7km
- 登り
- 1,617m
- 下り
- 2,712m
コースタイム
- 山行
- 2:49
- 休憩
- 0:03
- 合計
- 2:52
- 山行
- 5:23
- 休憩
- 0:28
- 合計
- 5:51
- 山行
- 5:13
- 休憩
- 0:33
- 合計
- 5:46
過去天気図(気象庁) | 2023年04月の天気図 |
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アクセス |
写真
感想
百名山オーラス。
天候不良や海外出張や体調不良が重なりしばらく間が空いてしまったが、ついに天気、雪の状態、休日がバチンとハマるときが来た。
東京からの行き方を調べると、ちょうど春ダイヤへの切り替えのタイミングで夜行バスがなかったのだが、北陸新幹線で糸魚川まで向かい、そこから大糸線で南小谷、バスで栂池高原まで行くと、始発で1030頃にはもう着いてしまうことがわかり、いいじゃないかと。
しかもちょうど栂池高原スキー場の自然園までのロープウェイが4/1から運行開始ということで、ああもうこれは行くしかないなと思い、すぐに新幹線の切符をとった。
当日、二食分の駅弁を買い込み新幹線に乗り込む。移動中に朝と昼を食べてしまう作戦だ。
北陸新幹線は長野より先が初めてなのだが、すごい面白いルートを通るな〜としみじみ思う。必要にかられて作ったというよりかは、観光のために駅を厳選して作りました、という感じだ。
とはいえおかげさまで爆速で糸魚川まで着き、そこからは糸静線をチラ見しながら大糸線とバスを乗り継いで栂池高原へ。
このバスも4月からのダイヤでちょうどよかった。
栂池高原スキー場の栂池高原駅でゴンドラとリフトの切符を買う。
このとき登山計画書必須で、ただ事前にオンラインで出したと言ったらそれ以上特に追求はなかった。
雪崩遭難事故が多発している割にはやけにあっさりしてるなと思ったが、どうやらBCの人がめちゃくちゃいるので、そんなに片道客は珍しいわけでもないようだ。
ゴンドラに乗り、ロープウェイは30分に一本で、12時前に自然園駅についた。
BCの人たちのトレースがあちこちにあるので、適当にルーファウしながらつぼ足で登り始める。
久々の登山で冬期テント装備なのでザックが肩に食い込む。
最初の方はつぼ足でなんとかなったが、斜度が出てきたらアイゼンをつけ、天狗原手前ではわかんもつけた。つけたほうが楽だった。
天狗原から乗鞍岳は森林限界を超え、雪崩危険地帯を歩く。
この日は、表層は浅く中も硬いのでまず雪崩ることはなさそうだったが、雪の状態によっては確かにめちゃくちゃ雪崩そうだ。
その中をBCの人がシュパシュパ滑るので、そりゃ事故も起きる。
息切れながらも乗鞍岳につき、大池へ降りる。
白馬大池は完全に凍って雪が被っていたので、この時期限定の道ができていた。
大池山荘近くにテント張って飯食ってこの日は終了。
先客は3張りほど。
予定通りド快晴なので、大変快適な登山でした。
明日は白馬アタックである!
2日目
エアマットを新調したからか底冷えが気になり、あんまりちゃんと眠れなかった。
なので予定より遅めの起床。7時ごろ出発した。
本来一泊で行けるコースを余裕を持って2泊にしているのだが、こんなに余裕がある登山初めてな気がする。
本日も快晴。
トレースがいくつかあるので使わせてもらいながら山頂を目指す。
最初からアイゼンをつけ、斜度がきつくなったとこでポールからピッケルに変えた。
高妻山のときも思ったが、人の多くない雪山に一人で行くと、自分の身を守るのは最後このピッケル一本だけなんだよなと思う。
途中稜線上にテント張ってる人もチラホラ見かけた。
たしかに今日みたいに風もなく天気も良ければ快適かもしれない。
三国境に出る前の上りと、出たあとの頂上手前の最後の上りが、そこそこの急登で、雪崩リスクや岩場など緊張感もある。
とはいえキツイのはそこくらいで、あとはそこまででもない。
そんなこんなでいよいよ頂上についた。
正真正銘百名山百座目だ。
よくやったぞ自分。これほど人生をかけた大きな達成は生まれてはじめてだ。
山座同定が心地よい。
近場の鹿島槍、五竜、劔、火打、妙高、高妻の他、黒五、鷲羽、槍、穂高、白山なんかも見れた。
そういえば北陸新幹線使ってるから白山近いわ。
山頂に浸っていたい気持ちもあったが、やはり下山までが登山であり、この百名山線つなぎプロジェクト、白馬八方まで歩いて初めて完結なので油断は禁物である。
特に雪山なので下りのほうがリスクは高い。
気を引き締めて折り返しの帰路についた。
とはいえ今日は時間に余裕があるので、途中写真撮ったり自撮りしたりゆっくり歩いていた。
13時前くらいに大池に戻ってきた。
あと一時間早くついてれば今日下まで降りても良かったが、焦る山行で無し、お昼を食べて昼寝したり散歩したりしてダラダラと過ごしていた。この時間も贅沢な時間である。
この日も日が陰るとなかなか寒い夜だった。
3日目
4時半頃起きて、朝ごはん食べて撤収して6時半頃出発。
わりとだらだら撤収しても、テキパキ撤収しても毎回撤営は2時間位かかる。みんな同じくらいかかっているのだろうか。(朝弱いのもある)
固くしまった雪道を歩いて帰る。
白馬乗鞍岳から降りる途中、ん?これはもしかして雷鳥の鳴き声じゃないか?と思って周りをよく見渡したら岩の上に真っ白な雷鳥がいた。真っ白な雷鳥は初めて。鳴き声が分からなかったら見落としていたので分かって嬉しい。アルプスでの雷鳥遭遇率50%以上くらいな気がする。
白馬乗鞍岳の下りの最後の雪崩地帯を抜けたら一安心。
ゆるゆるとロープウェイ駅まで向かい、接続のためスキー場まで歩いた。
途中樹林帯ではアイゼンからチェンスパ+ピッケルという調子乗ったスタイルに変え、時々滑落防止訓練をしてた。たまにやっておかないといざというとき動けなくなりそうだ。
それにしてもこのエリアはBCでも確実に楽しいと思う。車で来てたらロープウェイ上か天狗原あたりまではスキーで来てたと思う。(電車+バスなどで雪山装備のザックとスキー装備を持ち歩きたくなかった)
その後は雪がなくなりつつある栂池高原スキー場を歩き、栂池高原駅でオンロードの靴に履き替えて、概ね千国街道(塩の道)を白馬八方までリアル歩荷のように歩いていた。
千国街道も半端に歩いているのでいずれ糸魚川までつないでおきたいところ。
白馬八方についてからは八方温泉でバスまでの時間を待った。
これにて百名山全山接続完了。
記録し始めて6年。特にコロナになってからの直近の3年で狂ったように登り、ついにたどり着くことができた。
登り始めこそ純粋な好奇心だったものが、山が楽しみになり、現実からの逃げ場にもなり、日常になり、ついには飽きて嫌になり、それでもやっぱし山に登るというところまでやりきれたのは、ただ百名山を登頂するだけでない、「百名山の接続」をゴールにしてよかったなと思うことだった。
これほど人生をかけた目標の達成は初めてで、目標に向けてやり切る力は自分でも想像できないくらいに強くなった。
どんな体調でも、どんなメンタルでも、どんなずさんな計画でも自分を受け入れてくれる山は、僕とすごく相性がいいのだと感じた。いろいろな自分を見つけ出してくれて本当にありがとう。
今後については、正直同じような登山の目標を改めて設定したとしても、得られるものはあまりなさそうなので、しばらくは運動不足解消も含めたこのプロジェクトのエキシビション(やり残し)と、パーティを組んだ登山になるかなと思います。
改めて、ここまで本当にお疲れさまでした!
(この感想は下山後すぐ書いたものです。公開をサボっていました)
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