瑞宝寺谷から六甲最高峰、黒岩谷西尾根で住吉川へ


- GPS
- 06:44
- 距離
- 10.2km
- 登り
- 656m
- 下り
- 857m
コースタイム
- 山行
- 6:05
- 休憩
- 1:34
- 合計
- 7:39
天候 | 曇一時霙のち晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2023年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
増水時の渡渉は要注意。 |
その他周辺情報 | 渦森台から鴨子ヶ原に入るところにコープの店舗。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
昼ご飯
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
カメラ
シュリンゲ
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感想
孫のS君の口から「山に行きたい」発言がちょっと久しぶりに漏れて来たので、遠出はやめて近場の山行とする。S君はすでに寒天山道から山上駅、油コブシのルートと、老婆谷から摩耶山、山寺尾根のルートは踏んでいるが、六甲最高峰には未踏だ。海側からのアプローチは距離も標高差も共にあるので、有馬温泉側から登り、御影に下山するという裏から表のコース取りがいいだろう。asakinuは雑踏が嫌いで、とかく偏屈な行程をとりがち。この季節は陽が高くなり、裏六甲の谷筋にも光は届くようになっているので、静かで山深い雰囲気の瑞宝寺谷を登路にとる計画だ。懸念としては、前日に降り続いた雨。相当な雨量であり、どの谷も増水して渡渉に手を焼く可能性があることだ。少なくともS君に関しては万全の態勢で臨まないといけない。ということで、S君には代え靴下、予備の靴、予備のズボンを持たせる。全てビニールパッキングして水に備える。寒冷前線通過の翌日、空気の温まる間もなくというタイミングなので、防寒着を4枚。日差しが出ると「喉乾いた」の連発になるだろうから、水もたっぷりと持つ。
朝、予想よりも悪い感じの空模様で、黒っぽい雲が漂っている。やはり気温は低い。娘に瑞宝寺公園まで車で送ってもらい、コバノミツバツツジが美しい公園からスタートする。谷に降り、少し行ったところで早速行き詰る。増水に渡渉を阻まれる。思案していると、アベック(懐かしい響き♪)のハイカーがやって来た。ドイツのケルンから来たという。asakinuとkinuasaはケルンに滞在していたことがあるので、少々会話を交わす。さて我々はここで進むか引くかの決断を迫られたわけだが、ここを突破すれば瑞宝寺谷西尾根という選択肢もあるので、突破を決意。asakinuがリュックを下ろしてS君を背負い、渡渉する。一人ならはだしになって渡るところだが、足元が不安定となって危険だ。そのため、靴のままじゃぶじゃぶと渡渉する。そして荷物を取りに戻ると、ドイツからきた女性がS君のリュックを背負って渡ってくれるという(彼女は空身だったので)。こうしてasakinuは二往復で済んだわけだが、それでも靴は完全に水没し、地に足が着くたびにグニョ、と音を立て、水が湧きだす始末。だが、こうなったら何度渡渉しても同じ、開き直る。少し登って再び渡渉点。またじゃぶじゃぶ行くが、今度はasakinuは自身のリュックを背負ったままS君を腕に抱えて渡渉し、一度戻ってS君のリュックを運ぶ。そしてようやく瑞宝寺谷と筆谷道の分岐となる。筆谷道(瑞宝寺谷西尾根も)方向へは再度渡渉となるが、開き直ったasakinuは予定通り瑞宝寺谷へと進軍する。分岐点には道標が立ち、瑞宝寺谷への踏み跡については「登山道ではありません。危険あり」との注意書きが縛り付けられている。
さて、瑞宝寺谷に入っても水量はさほど減った感じはせず、いつになく迫力ある流れが続く。何度渡渉したのか覚えていないが、山上の道路に出るまで5回くらいは渡り返したのではないだろうか。もう、S君はリュックを背負わせたままで抱えて渡る。普段なら、渡渉したことすら意識に上らないところであるが、今日はなかなかのアルバイトである。せっかくこうしてS君を濡らさぬ努力をしたのだが、ちょろちょろ流れる沢水でS君の靴はすっかり濡れている。数年前に来た時には、木を組み立てて作った階段が急勾配の場所や堰堤越えのサポートにいくつも配置されていたが、今ではその横木の多くが腐朽してなくなってしまい、機能を失っていた。それでも、トラロープなどの支持がなされている。全体として、少し荒れて来た感はある。
それでも徐々に水量は減じて、例の斜め横断の難路である白水山から瑞宝寺尾根経由で六甲最高峰へと通ずるルートを見送る頃から、山上遠からずの雰囲気となる。やがて上の方からバイクの騒音が聞こえてくると、ジグザグの上りを経て山上道路に飛び出す。もう最高峰は目前だ。S君がしきりにお腹すいたというので、山上トイレ前で昼食とする。さすがにここは人々で賑わっている。S君には持ってきたすべての防寒着を着せ、ネックウォーマーに手袋で冬のような寒さからプロテクトする。靴と靴下も予備に代える。ここに来てようやく、青空がちらちらと顔を覗かせるようになった。食後は早々に六甲最高峰に上がる。なんといってもこれが今日の目的なのだから。
山頂は寒いので、三角点を確認してすぐに一軒茶屋に降りる。ここから再びバリエーションルートに入る。黒岩谷西尾根だが、しばらく来ないうちにあの頼りない踏み跡がガッツリと踏み固められ、おまけに刈り払いまでされて立派な道に変身していた。ずりずりしたザレ状の場所にはトラロープも設置されていた。二組のパーティーともすれ違って、ここが最早マイナーではなくなったと実感する。尾根を下りきって再び渡渉し、住吉道に出る。本庄橋跡の少し下から「幹線ルート」に別れを告げ、森林管理道に入る。ここはまだ歩いたことのない道である。住吉川沿いの道が石ころだらけで且つ結構登らされる場所があるのが嫌だったのが一つの理由である。森林管理道というのは往々にして非管理道になってしまって藪に没する傾向があるが、ここは手が入っていてアップダウンの少ないトラバース道だった。西お多福山への道を合し、コシアブラ、タラノキ、ウコギ、イタドリなどの山菜をゲットして、住吉川に降り立つ。ここで、増水した住吉川を渡渉。今日最後の渡渉である。
このあとは淡々とメインルートを下っていく。住吉台の住宅地に出るわずか手前で、kinuasaが路上の石に躓いた。これがいためていた右足の問題個所に直撃。それでも頑張って渦森台まで下ったが、痛みがひどいので娘に車でピックアップを頼むことにした。S君は最後まで元気に歩きとおしたが、さすがに疲れていたと見える。夕食前にバタンと寝付いてしまった。歩きなれた六甲山ながら、普段とはまるで違って緊迫感ある山行となり、「学び」のある一日であった。
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