三嶺 / 一瞬の奇跡がくれた絶景
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- GPS
- 07:09
- 距離
- 11.4km
- 登り
- 1,076m
- 下り
- 1,246m
コースタイム
天候 | ガス&強風→晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
よく整備されている道。危険箇所は少ない。 |
写真
感想
夫婦で連休が取れたので、どこか遠征して登りに行こうということになり、以前から一度行ってみたいと思っていた徳島の三嶺に行ってきた。
三嶺は剣山系に属する山で、麓にはかずら橋で有名な祖谷渓谷を抱き、山頂には風光明媚な絶景が広がるという。三つの頂を持つことからこの名が付き、徳島では「さんれい」、高知では「みうね」と呼ばれているらしい。
隣にある百名山、剣山へは以前に登ったことがある。石鎚山を制覇して翌日の弾丸登山であったが、次郎笈からのたおやかで美しい姿はまさに天上の桃源郷と呼ぶにふさわしい絶景であった。今回も非常に楽しみである。
前日の12時半に堺を出発、夜中の高速をアニソン爆音でかけながら突っ走り、しかし徳島自動車道がそれも今日から夜間通行止めという謎のゼウスの妨害に遭い、吉野川沿いを延々下道を走らされたりしながら明け方に祖谷へ。
菅生(すげおい)バス停の近くに車を停めて1時間ほど仮眠して7時のバスに乗り、名頃で下りて登山開始。
発電所を眼下に見下ろし、鉄塔の下をくぐって登っていく。登山道は尾根筋に沿ってついているはずなのだが、いつの間にか林道みたいな道に入り込んでしまった。ルートを見失う危険がないのは良いのだが、トラバース道なのやたらと遠回りさせられてる感が強く、尾根に近づいたところで無理やり登山道に復帰する。
なだらかで歩きやすい斜面をダラダラ登っていく。徳島側は晴れているようなのだが、高知側は谷底から濃いガスが次々と上がってきていて、尾根に乗ると強い風が吹き付けてくる。
ダケモミの丘をすぎたあたりで風の強さはいよいよ凄いことになり、これ稜線に乗ったらエラいことになると思い樹林帯を抜ける手前あたりで上だけレインウェアを着る。これなら耳も隠れるし丁度良いだろう。ついでにカロリー補給もしとこうと行動食に持参した羊羹を口に放り込む。
巨岩の下を通過するのを合図に樹林帯を脱出。笹原の中に岩が点在するトラバースの登りとなる。もうこの頃には周囲は濃いガスで真っ白け、風はさらに勢いを増して絶えずゴーゴー吹き付けるという状況。晴れてたらさぞや絶景なんだろうなと思いながらも、止まってたら強風に体温と体力を持っていかれるので黙々と歩き続ける。
斜度と険しさを増した急登をエイヤっと登りきると稜線に出る。目の前に池があり、池の上には雪がまだ解けずに残っている。美しい風景だが周囲はやはりガスで真っ白。ボーっとしてたら強風に押し倒されて池に落ちそうなのでとりあえず山頂へ向かう。
と、ここで奇跡が起こる。ひと登りして振り返ると、ガスが晴れて池とヒュッテ、そして周囲の笹原がキレイに見渡せるではないか。コレだよコレコレ、この風景が見たかったんだよ!
まあ周囲はやはり白くて遠く剣山まで見渡せるということはなかったが、まあコレはコレで仙人の住まう神仙境的な感じが出ていて悪くない。三嶺が見せてくれた一瞬の奇跡に感謝だ。
10:25、三嶺(1,893m)登頂。先ほどのような一瞬の晴れ間を狙って記念撮影したいのはやまやまなのだが、こんな強風の中で10分も待ってたら体温を奪われて遭難しそうだ。さっさと写真を撮って山頂を後にする。
道を15分ほど戻って池の畔にある避難小屋、三嶺ヒュッテへ。綺麗で立派な建物だ。ここで昼食にする。
30分ちょい休憩を取って下山の途に。ヒュッテから池の横をすぎて一段高いところへ上がるとガスが晴れて前方の塔丸が姿を現した。振り返ると三嶺の山頂もガスが取れている。今なら山頂からの眺めも悪くないかも知れないが、やはり高地側からはガスが上がってきているし、今から往復30分かけてまた山頂に行く気にもならない。まあいい、山の姿はストロベリー一会だ。ガスってる山頂もまた山の表情の一つであろう。
菅生に向けて下山開始。前方の徳島側は良く晴れていて美しい富士形の塔丸が存在感を放っている。しばらく下っていると広い笹原の展望台的な場所に出て、ふと右を見ると剣山が姿を現しているではないか。塔丸から剣山、そして次郎笈までが一望することが出来た。これもまた三嶺が最後に我々に見せてくれたご褒美の景色なのかも知れない。
休業中の観光モノレールの下を何度かくぐって下りていき、ヒュッテから2時間半くらいで里に下りる。そこから20分ほどのどかな山村風景を見ながら車道を歩き、車を停めている場所まで帰ってきた。
その後は祖谷のかずら橋を観光して、近くにある宿に宿泊する。温泉もなく素朴な旅館だったがいい宿だった。外国人観光客が2組も泊まっていた。ヨーロッパからの客が多いのだそうな。
翌日は大歩危峡を見に行き、昨夜通れなかった徳島道を爆走して淡路SAのザ・どんで海鮮丼を食って帰阪する。
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