横岳西壁/石尊稜
- GPS
- 32:00
- 距離
- 11.7km
- 登り
- 1,147m
- 下り
- 1,147m
コースタイム
1月30日 4:55赤岳鉱泉-6:30石尊稜下部岩壁7:25(先行kuriは6:50)-2P目7:45-10:30上部岩壁-12:08横岳稜線12:30-13:05地蔵分岐-13:38行者小屋-14:02赤岳鉱泉15:50-16:43美濃戸
天候 | 1月28日:晴れ、稜線は曇りのち晴れ 1月29日:晴れのち曇り、一時雪 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
美濃戸までの林道は4WD×スタッドレス×チェーンで突破 |
コース状況/ 危険箇所等 |
★道の状況 ※この1週間の降雪で雪多く、石尊稜は日ノ岳ルンゼから稜線までラッセル ※中間部灌木帯の草付き〜雪稜には雪庇 <下部岩壁1P目> 中央のルートを選択。緩やかに左上した後、スラブ状の岩から草付きを右上。最後大きく左に登って終了。 ハンガーボルトと残置スリングのある最初のランナーまで約7〜8m(支点を見つけられなかったが多分ない?)、ここが核心のため、これを越えられないと敗退も難しい。スラブ状の岩にアイゼンを乗せつつ、草付きにアックスを刺す。が、スラブのためアイゼンはガッチリ載せられず、アックスも利かない。当日は全面に雪がつき先行のkuriさんは雪落としに苦労していた。終了点にはハンガーボルト1つと、残置ハーケン、スリングが多数。 <下部岩壁2P目> 草付きから灌木帯へ。こちらの草付きはアックスが利く。昔は1P目もこんな感じだったのではないだろうか。灌木などを支点にして登る。ロープの長さに注意。 <上部岩壁1P目> 凹状からリッジ。顕著なピナクルが2つ続き、ガレを登る。リッジ〜ピナクルは高度感がある。慎重に登れば問題ないが、疲れも出てきているので、グレードよりはシンドイ。 この後はガリーに出るところで岩の乗越しがあるが、この後のガレを含めコンテで問題ない。 ★ 登山ポスト:美濃戸 ★ 温泉:鹿の湯(露天寒すぎ) ★ 飲食店:境川PA(アジフライ定食が美味しい!) |
ファイル |
非公開
5450.xls
計画書
(更新時刻:2012/01/26 05:00) |
写真
感想
今年の冬の到達点としていた横岳西壁/石尊稜へ行ってきました。
今週には南岸低気圧、そして強い寒波と、八ヶ岳にも相当降ったようで、
1月3連休に比べると格段に雪が増えてました。しかも、正月前後に
比べると結構湿ってます。雪崩への注意が必要。
美濃戸から出発。
kuriさん、お昼ごはんを美濃戸で食べたかったようですが、
上の山荘はやっておらず、しつこく中の様子をうかがっていたため
時間ロス。凄い悔しそうな姿は少年のようで結構笑えました。
のんびり歩いて鉱泉にIN。駐車場の感じでは大分空いている様子
でしたが、さすがにこの時間に来ると、テン場は一杯です。
雪踏んでテント設営。
実は、私、今週風邪をひいて、さらに取引先とのお酒の付き合いなども
あって、体調も今一つ。てなわけで、テントでお酒を飲みたかったのですが、
石尊稜取り付き付近まで偵察。もう15:30だというのに・・・
が、偵察に行って良かった。沢はトレースあるも雪深い。
で、日ノ岳ルンゼ辺りからトレースはほぼなく、石尊稜下部岩壁に向かう
トレースは1つもない。入ってないようだ。
どこから取りつくか探る。これはやっておいて良かった。
行く筋かトレースを付けてみるが、どこも身体が沈むので、諦めて帰還。
ちなみにアプローチの沢は灌木の枝が飛びており、油断してると突き刺さるので
要注意。私は瞼が摺り切れていまだ痛いです。
夜は初のtoritoriさんご飯。
ミネストローネ(ペミカン)にペンネ(マカロニ)。とっても美味しかったです。
3:30起床。5:00出発。
気温-25℃。強烈に寒いが風は微風。
日ノ岳ルンゼに入ってすぐのところから取りつく。雪面を左上しながら樹林帯の
稜に乗って、取りつきへ。ラッセルだったが、過去のトレースに乗れたようで
足元は安定して助かりました。
そして、問題の1P目。
先行kuriパーティのリードはkuriさん。のっけからホールド探しに苦労。
雪もついているので落とす。なかなか進まない。難しそうだ。見てるだけで怖い。
が、何とか越えた。次は私がリード。登れることは分かったが、本当に
登れるのか、、、スゲー不安になる。そして、強烈に寒い。ダウン着てくれば
良かった。。。取り付きは傾斜があり狭いので、なかなか着替えは難しい。
先行パーティのtoritriさんが登る。
そして私の出番。気合いを入れる。
最初の2〜3mは無難にこなす。
で、そこからの4mほどのスラブが核心。
右上に魅力的な草付きがありそこにアックスを刺したいが、やや遠い。
kuriさんとtoritoriさんのリーチとは違うことを実感。
で、まず、平足い6cm×3cmほどの平足い岩にアイゼンを載せる。スラブ
なので、アイゼンは引っかけるというより載せる感じ。安心感ない。
で次に右手でアックスを草付きへ。
が、刺さらない。何箇所か試すも刺さらない。
これが皆がなかなか進めない理由か〜
で、暫くアレコレ考えるが他に方法が見当たらないので、アックスは
刺すではなく「かける」に決定。
不安定な右足、アックスをたよりに、左足を上げることに。
左足はさらに置き場がない。が、ともかく置く。
つかの間、右手右足、そして左足がはがれないことを実感して、
アックスを先の雪面に刺す。身体を引き上げる。傾斜がやや緩み少しだけ
安心。
ちなみに左手の使い方は忘れました。確かダブルアックスだったと。
そこからもう1ヶ所いやらしい箇所があったが、よく覚えていない。
無我夢中。
で、取り付きから7〜8mのところで左壁に最初の支点。
すると、途端に両手に強烈な痛みが。今までに感じたことのない痛み。
寒さによるもの。ここまでは必死過ぎて感じなかったようだ。
泣くほど痛かった。
そこからビレイ点までは問題ない。
セカンドのttoiさんを引き上げ。奮闘している。
そして、同じ所で「イテー!」と大声あげてる。
普段、痛いだ痒いだ言わないttoiにしては珍しい。やはり今日はかなり寒い。
2P目からは特に難しくない。
途中からコンテ。
真っ白におおわれた南八ヶ岳の山々に包まれながら、歩き、そして登る。
灌木帯を抜けると、美しい雪稜が現れる。八ヶ岳西面でこの雪稜は嬉しい。
しかもノートレース、我々1パーティの貸し切り。(実際は後続2パーティが
見えたが、1P目に苦労していた様子で、その後は見かけなかった。敗退
したか?それと、ノートレースにラッセルしてトレースをつけたのは先行の
kuriパーティです。)
バリエーションで途中初めて休憩したのも嬉しかった。
お湯のんで行動食を食べられた。
上部岩壁はttoiリード。甘く見ていたが、疲れていたこともあり、また
結構高度感もあったので、結構緊張した。油断できない。
最後はガリーからガレを登って稜線へ。
登ったところは石尊峰のやや赤岳側、のっぺりしていて「ここどこ?」な
感じ。安堵感は大きかったが、登ったドー!感は赤岳主稜の方が上。
ただ、雪壁、岩壁、草付き、ミックス登攀、雪稜歩きと色んな要素を
味わえるという点では魅力的なルートでした。
問題は1P目。あれを越えないと、その先の雪稜をエンジョイできません。
ちなみに、私はスラブ苦手です。その辺は差し引いてください。
ただ、帰りに皆「石尊はしばらくはいいね・・・」と言っていました(笑)
帰り、赤岳鉱泉で休憩。
カレーが5種類あった。私はビーフカレーをいただきました。
時間にもよりますが、ここでご飯を食べられるのは幸せ。
これからの定番にしたいカモ。
但し、鉱泉から出るのが核心になるので注意。
あの積雪量&状況、そして気温のなかいい経験したジャン。
残念なのはもう少しガスったり、風雪が強かったら面白かったのになぁ〜。
まあ、それは半分冗談として…。
次は西面なら中山尾根、東面は…天狗尾根は今度だったな。
じゃあ、旭岳東稜だな。
がんばれぇ〜。
何しろ寒かったです。これで風強かったら、こっそり撤退しますw
しかし・・・別パーティで登っているとは言え、kuriさんtoritoriさんの
先行パーティがいるといないとでは雲泥の差。ラッセルしていただいた
というのもあるのですが、それとは違うメンタル部分への助力は
やはり大きかったと思います。
正直、やや満足感もあるのですが、また次のステップに向けて
頑張ります。
こうして完登できる度に、ttanaさんに感謝する日々です。
今後ともよろしくお願いします<(_ _)>
トレースの有無では全く価値が違う!
どんなに記録がたくさんあっても、目の前にトレースがないと数段アップ!!
すべてを自分たちの判断で完結できた時はの達成感は、
それまでに苦労した労力に比例して大きくなるもんだよ。
またそれは自分(自分たち)の自信につながって次のステップを目指すというように、
いい流れで経験を積んでいける。
たまには(ちょくちょく?)失敗するもいい勉強。
東面の天狗尾根、先行がいないといいよね。
まあ、経験者はいるけれど可能な限り自分の判断を大事にしてほしい。
飽きてきたらしいね。
でも、まだ見つめてため息はついていない(と思う)から、
カロリーメート・フルーツ味で何かを学んだらしい。
そうやっていろいろ学んで経験積んで頼もしい限りです
あ、もちろん、そのパートナーもね
…天狗尾根、KYピーに大分脅されています
正直、天狗尾根に関しては、昨年のttanaさんの記録を見てマジ不安です。
ラッセルは大変そうだし、ヤマさん怖そうだし・・・
でも、おっしゃる通り、主稜と石尊はそれぞれにコンディション
いまいちだったので、良い経験になりました。
だから、天狗尾根くらいは、最高のコンディションで登りたいのですが・・・
kameさん、宜しくお願いします
ソイジョイやめて、なに食ったの?
(まだ食ってたんだ!って驚きの
方が大!)
最高のコンディションの中、頑張りましょ〜
よろしくです!
でも、「kameさん」やなのぉ〜。
そうそう、ソイジョイ歴2年の彼は、練乳に手を出してましたよ。
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