安倍奥全山縦走(千頭駅-静岡駅)


- GPS
- 33:39
- 距離
- 88.5km
- 登り
- 6,444m
- 下り
- 6,742m
コースタイム
- 山行
- 10:37
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 10:37
- 山行
- 14:35
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 14:35
- 山行
- 13:01
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 13:01
距離は+10kmくらい歩いてます
天候 | 晴時々曇 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
高速バス バスタ新宿2255→静岡駅東口0230 JR東海道線 静岡駅0500→金谷駅0530 大井川鉄道 金谷駅0603→千頭駅0725(途中家山駅で代行バス乗換) 帰りは静岡駅から東京へ |
コース状況/ 危険箇所等 |
全体的に危険個所は少ないです 大谷崩付近とバラの段、東稜の数カ所でロープ場有り、注意して進めば特に問題はないと思います 智者山神社までは舗装路で登りそこからトレイルスタート 西稜は林道・舗装路歩きもちょくちょく有り 東稜は基本的に登山道を進む 桜峠以降は私有地内や脇・舗装路の中を進むことが多い 基本的には歩きやすい道が多い印象 青笹山〜浅間原は1m〜2mの藪漕ぎが数km続く(浅間原南側も少し笹薮有り) 桜峠〜浅間神社は6月だと草木が生い茂っていて大変でした |
その他周辺情報 | ●自販機 千頭駅の自販機・水道で補給(売店は7時台だと開いていない) リバウェル井川スキー場のレストハウスに自販機有り(レストハウス自体も4時までは開店、昼時は食事も可??) ●水場(浄水必須) ※確認済 富士見峠のトイレ(自分は汲んでいませんがトイレ内の蛇口から出ます) 山伏小屋付近(3分程度の沢) 安倍峠付近(峠より南に10分程度歩く/安倍川源流地) 十枚峠付近(峠より西側登山道に20分程度・150m程度下る/沢の水) 浅間原付近(送電線沿いに西側登山道へ15分程度・100m程度下る/岩場より染み出ている) 富士見岳付近(富士見岳北側の一本杉分岐を西側登山道へ、分岐を大滝方面に20分程度・150m程度下る/沢の水) ※未確認 県民の森に自販機・水道があるとの情報(要確認だと考えます) 道中に有人小屋・商店など無し、食料補給は不可です。全部担ぎましょう。 下山後は浅間神社付近にある『天神湯』を利用できるかもしれません (ネットの情報だと月曜不定休とのことで自分が訪問時は閉まっていました) |
写真
装備
個人装備 |
PALANTE v2 ベース3.5kg 食料4kg 水平均3kg 10kgオーバーしていたのでそもそもウルトラライトではないのでは・・・
|
---|
感想
安倍奥全山縦走 兼 オクシズ馬蹄形 兼 千頭駅to静岡駅
本当はGWに歩く予定でしたが、天気が終わっていたので1か月延期していざ出陣。
計画時に安倍奥について調べていたのですが、全山縦走している記録が1件も見当たらなかったのでスケジュール感や水場などの情報がなく不安でしたが、ヤマレコの記録をいくつか参考にさせて頂き何とか計画を立てられました。
安倍奥という山域が厳密にどこからどこまでを指しているか分かりませんが、ヤマケイオンラインの記事を参考に智者山〜浅間山までと勝手に決めて歩かせていただきました。
最初で最後の安倍奥かもしれませんが、ちょー楽しかったです。
1日目
千頭駅から智者山神社までは8kmくらいの舗装路歩き、その後登山道に入って智者山・天狗石山を踏む。ここまではGWに川根トレイルを歩きに来ていたので経験済。
その後、奥大井湖上駅の分岐を横目に益田山・七ッ峰・三ッ峰を踏み、富士見峠へと下りる。ここにはトイレがあるので小休止し、展望台から南アルプス・深南部を眺める。
初日はずっと晴れていたので、木々の間から周辺の山域を眺められてハッピートレイルな1日だった。ハッピー。
その後、大日岳を経由し大日峠まで歩く、そこからは舗装路とトレイルとを交差しながら勘行峰を目指す。勘行峰の先は草原が広がり、南アルプス南部の山々を一望しながらゲレンデの端を歩く。リバウェル井川のレストハウスがあるので、食事と水の補給をする。
県民の森周辺には気持のいいトレイルが整備されていて、アツラ沢の頭などピークをいくつか越えると井川峠にたどり着く。ここから梅ヶ島温泉方面に下りれるのだが・・必死に我慢して先を急ぐ。
その後、笹山を踏み牛首峠まで下り、そのまま歩き続けると初日の宿泊地である『市営山伏小屋』に到着した。計画時は避難小屋としか情報がなかったが、市営の小屋だということで驚いた。先に到着していた男性は自分が到着してから翌日出発するまでずっと寝袋にくるまって寝ていた。暫くぶりの登山とのことでかなり疲れていたらしい。男性が起きたタイミングで何度か会話をし、巻機山や栂池新道について話を伺った。北アルプスやっ東北の山々も今後攻略してみたい。
カレーメシとマッシュポテトを流し込んで眠りについた。
2日目
3時半起床。気温は10℃程度で寒く無かったので熟睡できた。
支度を済ませて4時過ぎに出発。まずは山伏岳を踏む。山頂部は平になっており冨士さんを一望できた。タイミングよく日の出もどきも見ることができた。
その後は新窪乗越まで下り基調の気持ちいいトレイルを歩き、朝食を食べると引き続き大谷嶺まで登る。大谷崩は間近で見ると迫力が半端なかった。高所恐怖症には酷すぎる道だったが何とかクリア。流石日本三大崩落地。
大谷嶺からは安倍奥の山々を一望できる。これまで歩いた山々とこれから歩く山々とを眺められるのは感慨深くもあり『いまからあんなアップダウン有るん?』と軽くメンブレ思想にもなる。
五色の頭を超えて八紘嶺につくと小休止。展望もないのですぐに発ち安倍峠を目指す。途中で展望のいい場所があった(八紘嶺の肩?)ので行動食の補給がてら休憩した。その先の富士見平は展望が微妙で富士山もかろうじて見える感じだった。
舗装路まで下りるとトイレがあったが、時期のせいか閉鎖されていた。しかたないのでそのまま進み、安倍峠に到着した。安倍峠の近くには安倍川の源流があるので、水の補給の為に源流を探し歩いた。5分程度で到着したそこは風も涼しく木漏れ日が気持ちいいオアシスのような場所で、できることならしばらく滞在したいとも感じた。静岡市の水源地にもなっているようで、水場を荒らさないように有り難く水を頂いた。
その後安倍峠まで戻り、バラの段・ワサビ沢の頭を経由、この辺りは道が細い箇所もあり急な斜面に注意が必要です。ワサビ沢の頭より先はしばらく楽しいトレイル歩きが続く。奥大光山・大光山を踏み、大光山の肩から富士山を眺める。かなり素晴らしい景色だが、同時にこれから登る十枚山の登りが見えてしまうのでメンタルは崩れそうだった。
頑張って十枚山まで登る。途中に笹原が広がる開けたトレイルがあり、風を感じながら楽しく歩けた。十枚山は想像以上に展望がよく、人気の山だということも頷ける。ただやはり展望が良すぎるので、進行方向の尾根が見渡せてしまい、そのアップダウン感に軽く絶望した。
十枚山からしばらく下ると十枚峠に着く。手持ちの水が不安だったので、しばらく下ったところにある沢で水を補給した。夏場は水のマネジメントが本当に大変。自分は代謝も良く体格も相まって水の消費量が多いので特に気を使って管理している。
その後、下十枚山や岩岳を経由し地蔵峠に下ろうとしていると、ガスが出てきていた。標高1300m程度の高さで一面に雲が溜まっており、軽く絶景だった。峠に降りる頃にはガスに包まれ、ミストを浴びながら歩みを進めた。
2日目最後の登りに取り掛かる。なだらかな登りを上がっていくと両側が笹で覆われたトレイルに出た。高さ170cmくらいの笹を超えて見てみると、両側には絶景が広がっていた。西を見れば冨士山が雲海に浮かんでいる。北に目をやると遠くに奥秩父・八ヶ岳らしき山影を確認でき、西側には南アルプスと安倍奥の西稜、そして真っ赤な夕日を見ることができた。近くにはうつろぎ山の看板がひっそりと掲げられていた。ピークというより普通のトレイルにしか見えなかったが、この山旅で一番のハイライトな瞬間だった。
少し歩くと青笹山に到着した。多分こっちの方が有名で立派なピークなのだろうが、正直先程のうつろぎ山から見た景色の方が数倍感動的だった。今日のラストピークを終えたので少し安堵し、とはいっても夕暮れ時ではあるのでそのまま先を急ぐ。
青笹山から先はいきなりの藪漕ぎで、高さも2m程度があるためメンタルが一瞬で溶けた。しかも漕いでも漕いでも終わらない笹薮が続き、タンクトップと短パンから露出する肌には葉や虫が大量にくっついてくる。泣きそうになりながら数km進むと一気に景色が開けた。浅間原に着いたのだ。
浅間原は少し開けた原っぱになっており、送電線の鉄塔が高々と聳え立っていた。日も暮れそうだったので、近くの茂みにハンモックを張って寝床を整えた。ちゃんとした山行でのハンモック泊は初めてだったのでワクワクとドキドキとが入り混じっていた。風が強く、鉄塔の支柱の付け根のあるコンクリートブロックを風よけにしてお湯を沸かし、カレーメシとマッシュポテトを平らげる。ハンモックに戻り寝る準備をしていると木々の隙間から夕陽の残滓がかすかに見えた。2日目は山にどっぷり浸かった1日となった。
3日目
2時、強風の音に目が覚める。夜は雨の不安もなくタープを張らなかったので頭上には夜空と星々が見えた。周囲の木の揺れ方や体感的に10m程度の風が西から吹いていたようで、その後何度か目を覚ましたが寒さは問題なく回復できた。
4時には起床し準備を進める。近くの水場で水を補給し、浅間原を5時に出発した。ちなみに浅間原の水場までは藪漕ぎする箇所がないので注意。自分はなぜがめちゃくちゃ藪漕ぎしてロスト仕掛けたので気を付けてください。下った先にある鉄塔についたら進行方向と先の道を確認するべし。
浅間原を発つと暫く軽い藪漕ぎゾーンがある。そこを抜けると少し上って、湯の岳に至る。この辺りは気持ちのいいトレイル歩きができた。その先には第2真富士山と第1真富士山があるが、ところどころロープ備え付けの岩場があるので滑落しないように慎重に下った。
霧が出てきて涼しくなってきた。富士見岳の手前の鞍部には一本杉がひっそりと佇んでいる。その分岐を大滝方面に20分ほど下ると沢があり、水を補給できる。今回の参考で一番下らされた水場なので絶対に忘れないし許さない。まあ道の雰囲気はいいし水は美味かったので不問にしてやらんくもない。
気を取り直して富士見岳へと登る。ピークはガスガスで何も見えなかったが、晴れていれば絶景だったに違いない。もう来ないと思うけどまた来たみたい山の一つになった。
駒引峠まではクモの巣パラダイスだった。その辺の木を拾ってシューティングゲームみたく払いのけ続けていた。めっちゃ糸食べた。駒引峠からはしばらく林道と登山道が並行して進み、やがて富士見峠に到着した。このころには少しづつ晴れ間が見え始め、竜爪山(地蔵岳)に着くころにはガスが消えていた。一度下って再度上り返すと竜爪山(文殊岳)に到着した。久しぶりの登山客の姿に少し安心しつつ、腹が減っていたのでトルティーヤにツナマヨを挟んで頬張る。この山行でこいつに何度救われたか・・・ツナマヨは至高。
休憩もそこそこに、東海自然歩道上の道を進む。延々続く階段を下り、しばらく進むと若山との分岐がある。短い区間ではあるが東海自然歩道を歩けて楽しかった。細いトラバースの道を進むとトリカブトの段に到着。ここまでくると標高も1000mを切ってくるので山の上とはいえ暑さが身に染みる。下界は連日30℃を超えているようで、この先の行程はかなり骨が折れた。
桜峠まではひたすら下りが続く。道は草木がかなり生い茂り、顔に葉っぱが何度も当たった。この時期に1000m以下の山を歩くのはかなり厳しいと改めて痛感させられた。そうこうしているうちに高速道路が見え始めた。一気に500mくらいを下ると、ありえん段差の階段が突如現れる。高速道路の下をくぐるために階段で標高を下げ、くぐったあとはまた階段を上り返される。結構しんどかったです、ここ。
急に竹林に中に突入し、しばらく進むと桜峠にぶち当たる。なんてことない峠だが、ここから町に降りることもできるみたい。ここから先は浅間神社まで200m前後のピークを縦走していくいわゆる里山系ハイキング。ラスト10km程度だが、この道のりがかなりしんどかった。思い出したくないので簡単に書くが、ここにきて照り付けるような日差しが爆誕し、ありえんくらいに雑草が繁々としているトレイル、小刻みにアップダウンを繰り返すその全てにメンブレ寸前だった。
とにもかくにも浅間山にたどり着いた。浅間山は特に標識などなく、よく分からない祠があった。脇に蛇口がありひねると水がドバドバでたので、汚すぎる体を軽く洗った。あとは浅間神社まで下るだけなので、荷物の整理もここで済ませておいた。浅間神社までの参道は近所の公園感と厳かな参道感を煮詰めて冷凍した感じの雰囲気だった。ここまでくると人もまばらに散見された。神社まで下りきると、平日にも関わらずまあまあな観光客がいた。多分というか絶対汗臭いし、山から突如現れた全身真っ黒のタンクトップ短パン傷だらけ野郎はどう見ても不審すぎるだろうと客観的に想像したので、神社の端で記念写真を撮影し山行は終了した。というわけでゴールです。
下山後はダメもとで近くの銭湯に行ってみたが扉は固く閉ざされていた。仕方がないのでそのまま近くのすき家に飛び込み、5秒でキング牛丼を注文。2分で出てきた。早すぎんか。てか多すぎんか。とりあえず腹は減っているので半分食べた。そこから先は覚えていない。気づいたらコーラ5杯を飲み干し、吐くことなく完食していた。
しばらく動けないでいたが、なんとか決死の覚悟で店をあとにし、静岡駅まで2kmある道のりを天を仰ぎながら進んだ。丁度退勤し駅に向かうサラリーマンの群れがあったのでそれに溶け込み、命からがら静岡駅にたどり着いた。安心してください、吐いてないですよ。
ともかく気持ち悪すぎて鈍行での帰宅を諦め、躊躇することなく新幹線の切符を購入した。待合室はお姉様が多くいい匂いに包まれていたので自分の汗臭さが少しはカモフラできたのだと信じたい。視線はえぐい感じた。
新幹線に乗ってからはあまり覚えていない。気が付くと東京駅についていた。何はともあれ無事に歩ききれたので良かったです。安倍奥最高。逆走だけはやめた方がいい。
もうすぐで登山を始めて1年が経つ。このタイミングで安倍奥の山々をまるごと歩くことができてとても楽しかった。GWに深南部・今回安倍奥を歩いたので、次は白峰南嶺を歩きたい。アディオス
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する