【南ア】神宮川笹ノ沢ホクギ沢(仮)遡行・コタキノ沢左俣下降(第5回シン沢屋交流会)
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- GPS
- 05:58
- 距離
- 9.3km
- 登り
- 1,284m
- 下り
- 1,283m
コースタイム
天候 | 曇りのち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
その他周辺情報 | 【沢名】 ・遡行した笹ノ沢の枝沢について、朋文堂の「山」161号(1949年)では「クロツ沢」とされているが、同年の「あしなか」14号ではこれを誤りとする一方で、正しい沢名が示されていないため、無名と考えられる。ホクギノ平に詰めあがる沢であることから、「ホクギ沢」と命名する。 ・富士川砂防事務所では、笹ノ沢を笹野沢、コタキノ沢を小滝沢、本谷を大滝沢としている。 https://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000021771.pdf 【既往記録】 ・ホクギ沢は、クロツ沢の名で山岳巡礼倶楽部の会報「ガムス36号」(1943年3月)に掲載されているそうだが未見。 ・コタキノ沢右俣は2022年11月にtamoshimaは下降している。 https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-4849787.html ・2019年6月のコタキノ沢遡行記録 https://mtgd3chan.blogspot.com/2019/06/blog-post.html 【他のメンバーの記録】 ・リンクロ:https://yamap.com/activities/25174009 |
写真
装備
備考 | ラバーソール適 |
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感想
【計画の経緯】
今回も韮崎の木下道場で開催されることになったシン沢屋交流会。主催のけんじりさんに交流沢登りに良さげなところは無いかと尋ねられ、そういうことならキノポンの追悼を兼ねて笹ノ沢が良かろうと思い、コタキノ沢へ繋げて半日で終わりそうなルートを提案。それで決定となった。
【山行】
○笹ノ沢遡行
25人もいるとまとまって動くのは難しいもので、予定より遅れてばらばらにスタート。出合の10m滝も頑張れば登れそうだが、みんなさっさと巻いていくのでとりあえずついていく。次の13m斜瀑は超簡単で、すぐに前回下った時に頑張れば登れるのではと思って、今回課題としていた22m滝。
右のチムニーをリードしているメンバーがいるが、水線が空いているので、こちらをリードトライ。下部は容易で、中盤で左壁に移るところが嫌らしいが気合の一手で越えて、下から見て核心だろうと思っていた水流横断へ。1枚ハーケンを決めてから横断しようと思うが、水流が凄すぎて何も見えない。2回目のトライで足探りでスタンスをとらえ、しっかり乗って水流に飛ばされまいとしてからトラバースし、横断成功。あとは傾斜の緩んだ水線を快適に直登。
さて、せっかく頑張ってロープを張ったが、なんと、フォローで1人しか登らないとのこと。折角の面白い滝なのに、みんなそんな逃げ腰でいいのか。それでもシン沢屋交流会なのか。
フォローのビレイを終えて進んでいくと、キノポン終焉の地である3段25m滝はすぐだった。皆で線香をあげて追悼。それにしても、こんな大したことなさそうな滝で亡くなったとは。訃報を聞いたときは、もう少し難しそうな滝だったような気がしていたが。フリーソロで登っていたのも納得できる易しそうさである。
追悼が終わると、皆この滝も水線を避けて巻き気味に登っていくが、そんなんでいいのか。逃げすぎだろう。kaiseiに水線をリードしてもらい、キノポンを想いながらじっくりフォローした。やはり、易しい。
以降は容易に登れる小滝が多い快適な沢で、それぞれのペースでホクギ沢出合へ。ここでいったん休憩。
○ホクギ沢遡行
ホクギ沢に入るとすぐに10mの滝があったが、これのヒョングリがなかなか素晴らしい。一見の価値あり。この滝を登ると25mの立派な滝が出てきて、難しそうだが、登れる可能性もありそうに見える。ここでkumassiyが取りついてみたいとのことなので、tamoshimaはビレイ。しかしやはり難しい滝で、リードにかなり時間がかかり、巻いていく皆においてかれる。しかも、下からよく見えなかった上部はフリーで登攀できる代物ではなく、結局上からロープを出してもらってゴボウ。そんな滝なのでフォローのtamoshimaもそれなりに苦労して、リンクロも含めた3人、完全においていかれた。
この25m滝が終わるとホクギ沢は平穏になり、進んでいくと、コタキノ沢へのコルへの分岐にはご丁寧にケルンが積まれていた。これに従って枝谷を登っていくと、非常に楽な詰めでコルに出た。
○コタキノ沢左俣下降
コルから先、20人以上が先行しているとあって、踏み跡が非常に濃い。概ねこれに従って進んでいく。右俣同様極めて下りやすい沢で、1度のクライムダウンもなしで二俣へ。ここからは昨年も歩いているところで、径路に従って下ればよいだけである。相変わらず立派すぎる「小滝」を見ながら淡々と下り、車に戻った。結局最後まで皆に追いつくことはなかった…。
【感想】
昨年8月にキノポンの訃報に接したが、沢で直接の知り合いを亡くすのは2回目であり、その2回ともが、なんでこんなところで、というような、通常であれば事故になるはずのない所であった。今回、その現場を改めて確認することができ、やはり大して危なそうに見えない所であることを再認識した。沢登りでは大したことなさそうな所でも人は死ぬという事実を直視し、少しでも危ないところでは気を抜かないということを徹底していきたいと思いを新たにした。
今回、こういう形で皆でキノポンを追悼することができ、非常に良かったと思う。今まで以上に気持ちの整理もついたような気がする。
【総評】
笹ノ沢下部は、頑張れば登れるが巻くのは容易という滝が多い沢で、こういういろいろな人が参加する遡行の場としては、それぞれのスタイルで楽しむことができ、良かったと思う。ホクギ沢からコタキノ沢へ繋ぐことで短時間で終わらせるという目論見もうまくいき、計画者としては嬉しい。
笹ノ沢は、下降時の感触よりも遡行価値があると感じたので、遡行対象としてまずまずお薦めである。本流の上流部は凡流であるが、ホクギ沢とアレ沢の間には多くの枝沢があるので、これらを探索してみても楽しめるであろう。
コタキノ沢は遡行価値はないが、小滝だけは一見の価値あり。
シン沢屋交流会に参加してきました。
2日目は交流山行で、行き先は昨年8月に木下徳彦さんが亡くなられた谷でした。
追悼山行であると気付いたのは行く少し前で、
知人が亡くなった谷に入ることに少なからず抵抗がありました。
迷いながら当日参加しましたが、結果的には行ってよかったです。
たもしまくんが感じたような「なぜここで」という感想や
私が感じた「もしスリップしても運が良ければ無傷で済むのでは」と思うようなこと
また「ロープを出していたら違ったかもしれない」ということなど
実際に滝を見ることで、具体的に思うことがありました。
25人くらいで遡行しましたが、
なにかこの賑やかな追悼山行もキノポンさんらしいというか
大勢の顔ぶれでその場を共有できたという感覚が、
行ってよかったという、いい方向に働いてくれた気がします。
交流会、そして交流山行の参加を通して
ここには書かないけれども、キノポンさんへの断ち切れない思いや、
キノポンさんの事故に対して分かっていることや分からないことなどを
いくつか聞くことができました。
まだ若いけれども、ニッポンのハチャメチャな沢屋たちをまとめ上げる
豪傑なキノポンさんが亡くなってしまうことへのつらさ。
それをずーーーっと思いながら、一人3時間運転して帰路につきました。
沢屋たちはめちゃくちゃだけれども、芯のある熱いやつらばかりで
それをずっと見守っていて欲しいです。
シン沢屋交流会の交流山行、たもしまさん企画で木下さんの追悼と交流を兼ねた良い山行でした。
和田さん、けんじリさんと三人の現代登山会のカルトヒーローそろい踏みでした。
たもしまさんの滝の登攀は見事でした!高巻しながら、見てましたが、あれをやるのかと眺めてました。また、和田さんの兎に角早い身のこなし、けんじリさんのルーファイなど、細かいところも丁寧でしかも早く、さすがのメンバーでした。
私はというと、昨年の出来事と事故の写真を見てたことから、怖くなったり、色々思い出して不安定だったかなと思います。そんなこと言ってると、漢だろ、登ろうぜと三途の川から叱咤されそうですが、これで一区切りと思います。
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