乗鞍岳 〜アイゼンで登る人は少なかったよ編〜


- GPS
- --:--
- 距離
- 11.2km
- 登り
- 1,049m
- 下り
- 1,456m
コースタイム
- 山行
- 6:30
- 休憩
- 0:30
- 合計
- 7:00
天候 | 快晴のち曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2014年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
・松本市内〜乗鞍高原は、車で約1時間。 ・乗鞍高原内では鈴蘭橋付近にある第3駐車場を利用。(スキー場でいう「レストランやまぼうし」付近。) ここからゲレンデ内を歩き、リフトに乗り継ぐ。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
★スキー場内 第3駐車場→(ゲレンデ内徒歩)→夢の平クワッドリフト→かもしかリフト ・チケット売り場:8:15より営業開始 ・夢の平クワッドリフト:8:45より乗降可能 ・かもしかリフト:9:00より乗降可能 ※各リフトとも1回400円。事前にチケット売り場にて要購入。 ※リフトは下山時には利用できません!! ★かもしかリフト終点〜位ヶ原山荘分岐点 (ツアーコース) まずは樹林帯。斜度はスキー場でいう「初級〜中級」くらいの傾斜。無風。入山者はかなり多いようで、トレースははっきりついている。もちろん踏み抜きの多さは否めない。 なお、ルートの途中から◆銑Δ糧峭羯イ鮓つけた。多少は登るときの目安になるかもしれない。 ★位ヶ原山荘分岐点〜肩の小屋口(=トイレ小屋) 位ヶ原山荘分岐点は樹林帯がひと段落ついた所であり、ここから大斜面が広がる。雪で埋もれた車道も見られ、雪深さを感じる。また今回は晴天だったが、ガスの場合は方角を見失いやすい場所かもしれない。 なお、完全に樹林がなくなる頃には開けた台地となり、真正面に摩利支天岳、左斜め前に朝日岳、その左に乗鞍岳が雄大に聳え立つ。ここも無風だった。 ★肩の小屋口(=トイレ小屋)〜朝日岳手前 バックカントリーヤーやボーダーの多くは肩の小屋方面を目指していたが、我々は剣ヶ峰を狙う。「肩の小屋口→剣ヶ峰」は一見直登できそうで(!?)、かなり急斜面なので、朝日岳方面の稜線から回り込もうと決める。 朝日岳への斜面はそこまで沈むことなく歩けるが、だんだん急登となる。日陰ではアイスバーンもあり、また稜線に近付くにつれ、次第に風が強まる。風が吹くと雪煙が舞うため、ひたすら耐風姿勢でこらえるしかない。 ★朝日岳手前〜蚕玉岳〜剣ヶ峰(乗鞍岳) 朝日岳手前でふと剣ヶ峰方面を振り返れば、山頂の鳥居が視界に入り、ここで方向転換。斜面を無理やり横切り、蚕玉岳手前の稜線に出る。 稜線上はガリガリ状。風は容赦なく叩きつけてくるし、雪の塊(らしきもの)も飛んできたが、目指す山頂ははっきりとわかるので、あとは前進あるのみ。 ★剣ヶ峰(乗鞍岳)〜蚕玉岳〜肩の小屋口(=トイレ小屋) 蚕玉岳まで戻り、ここからはトイレ小屋へほぼ直線で下山。急傾斜だが、アイゼンでザクザクと下れた。また、一時稜線からガスが湧きだす場面には、小屋が見え隠れして焦らされることも。それでも少しでも標高を下げると、ガスも落ち着き、比較的安定して歩けた。 ※ちなみに当日出会った方の話によると、このコースはバックカントリーヤーの間では初級者向きと言われている、とのこと。そのくらいバックカントリー(orバックカントリースノーボーダー)の入山者が多かった。 (→逆に、歩いて登っている人は見たことがない、とも言われてしまったり。あれ!?) |
その他周辺情報 | ★自由空間 松本インター店 http://jiqoo.jp/shop/9931671/ 深夜2時頃に松本に到着し、ここで仮眠をとりました。 ★おはしカフェ・ガスト 松本中央店 松本駅付近のガストにて朝食。松本は24時間営業の店が少ないので、たいへん重宝!! (駐車場がないのが残念。) ★湯けむり館 http://www.norikura.co.jp/yukemuri/ 乗鞍高原エリア内。乳白色かつ硫黄臭の残る温泉で、身体が芯から温まります。 ※店員さんいわく、白骨温泉にほぼ近い効能、とのこと。 |
写真
ここで多くのバックカントリーヤーが、シールをつけていた。あるいはボーダーがスノーシューを履いていたりと。
トラッドな(!?)アイゼン組は少数派だと悟った瞬間。。。
※参考タイムとして、どぞ。
10:21
10:28
10:36
10:49
11:00 位ヶ原山荘分岐点
バックカントリーヤーは、ここから摩利支天(or肩の小屋)方面へ登る人が多かった。
後ほど聞いたことだが、Oさんは頭が痛かったそうで、下山後も尾を引いていた。スポーツ用の目出し帽を被っていたそうだが、ニット帽の方が有効なのか!?
ちなみに西側(白山方面)は、もくもくとガス。しかしそれよりなにより、とてもゆっくり眺めていられないほど、爆風なので…。
この後16:30に第3駐車場に下山。おつかれさまでしたっ!!
感想
見てください、ブルー&ホワイトの写真ばかり!!
というわけで、気がついた時には、3000mに登頂していましたとさ♪
って、こんな簡単な一行だけで終わらせてはいけないはずなのだが…。まずは写真のとおり、晴天に助けられたといっても過言ではない一日だった。そして、同行者のOさんは目的が明確な人であり、乗鞍と決めたら乗鞍しかなく、あとは日程を調整していただいて実現。こうして久々の冬山は、充実かつ達成感のあるものとなった。
と言いつつ…。
少々プライベートなことに踏み込んでしまうと、ここ最近、常に悶々としていた。今回山に登っている間も、どうしてもいろいろなことを考えてしまう。目の前の悩みは尽きず、ここで登頂できてどんなに満足感を得ようと、目の前の悩みが解決されるわけではない。そう思うと、ただただ空しくなる…。
なーんて、こういう展開は、今に始まったことではないから、相変わらず成長してないなぁ、自分。そう思えた(笑)。(まぁこれが自分なんだけどね。)
今回、冬の乗鞍に登頂できたことを、少しでも自分の自信につなげたい。最近はドMと言われることが多かったけど、ドMになりきってでも課題を成し遂げれば、経験値は得られるはず。特に今回は、足の指先の感覚がおかしくなったり、鼻すじの、ほんの少しだけ肌がむき出しになっている部分から頭が痛くなりそうになったり、耐風姿勢で風と戦ったり、それでも偉大なる風を浴びることで生きているんだと感じたり…。
以上、全身で冬山を感じ、ちょっとだけ前向きになれたワタクシでした。でも、山にばかり逃げていてはダメなわけで、またいろいろとがんばります。はい。
ちなみに稜線の強風を浴びた瞬間、以前Oさんと登った那須岳(夏山)を思い出した。あのときは、ウインドブレーカー代わりに着ていたレインウェアが内側からパンパンに膨んでいくほどで、全身で強風に煽られながらも、ストックで支えながら突き進んだのであった。そして、あの時の経験があったからこそ、今回の稜線では、まだ歩き続けられる範疇ではないかと自分に言い聞かせられたのである。
下山後、Oさんにその話をすると同意してくれ、最終的にそれは笑い話で終わった。共有体験があると、安全の判断基準を話すのにも案外便利だなと思いつつ、日頃の山行の苦楽の積み重ねが、こういうときに生きたんだな、とも実感できたのでありました。ドMバンザイ!?
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さて、ついでに今年一年の山を振り返る。
何気に今年は例年以上に入山できたが、これもひとえにヤマレコを始めたお陰かもしれない。
ヤマレコつながりで多くの山仲間と知り合え、サラ戦に所属させてもらうことでハードな山にも遠征でき、また毎週入山している人たちのペースに圧倒され、自分にはない発想で山を楽しんでいる人たちを目の当たりにし…、まだまだ山について勉強しなくてはいけないと思わせられた。
そして、毎回の山行をヤマレコで締める。学生時代、下山後は必ず「山行記録」で締めていたのだが(=各自が反省や感想を自由に綴るもので、これを読み返すのが私は好きだった)、それを再び楽しんでやれる仲間に会えたことが嬉しかった。
他方、今年知り合った方で、私が十数年山を続けてきたことに敬服してくださる方もいたが、私自身は自分のスタイルは古臭いのではないか、と考えさせられることも多々あった。でも裏を返せば、それは自分の原点を再認識できることでもあり、その中で変わらずに続けていきたいことも自覚できた。もちろん、他の人のいいとこ取りも忘れずに続けていきたい(笑)。
というわけで、来年もヤマレコと、そしてヤマレコで出会った素晴らしい山仲間にお世話になりながら(!?)、山を楽しんでいきたい。この駄文を読んで下さったみなさま、今後ともよろしくお願い申し上げます!!
wildwind
トラッドな(!?)アイゼンとヒップそりを携えての厳冬期3000m峰登頂おめでとうございます!
そして見事なブルー&ホワイト!!
何も言うことはありません。
写真ではイイ絵でも、実際には雪の塊が頭に直撃するほどの強風が稜線で吹き荒れていたんですね。
恐怖や困難、危険を共有できるお仲間をお持ちで心強いですね。
今年一年大変お世話になりました。
冒険心を掻き立てられる山行やヤマ仲間との鉄の掟(?)、多くのエピソード・・・
豊かな経験談をお聞きでき、また、おヤマにご一緒できたことがワタシにとって何よりの宝となりました。
来年もどうぞよろしくお願いします。
すみません、登ってきてしまいました
稜線の強風、下界でいえば台風並みでしたね。
もちろんそこに生ぬるさはなく、キンキンの冷風でしたが、
人間って案外丈夫にできてるなと体感してきました(笑)。
そして今回私一人だったら行かなかったと思います。
いろいろな山に登ってみたいという好奇心はありつつもビビるので、
その背中を押してくれる仲間にはたいへん感謝です。
(だからこそ、自分もそういう存在になれればな、とも思っています。
背中を押された側には、余計なお世話と思われない程度に!?)
そして、末尾でたいへん恐縮ですが、
LArcさん、来年もどうぞよろしくお願いします
wildwindさん、こんばんは。
年またぎのコメントになってしまい、すみません。
青空の下の雪山は本当に映えますね
私が訪れたGWでも稜線はなかなかの強風で、風が吹くたびに態勢を低くして堪えながら登りましたので、冬の乗鞍の厳しさといったら…
それでも、山頂からの景色も楽しめたようで何よりです。
雪山のような厳しい状況下では、進退等の判断が重要ですよね。
雪山を始めたい私としては、是非ともご指導いただきたいと思いますので、本年もよろしくお願いいたします。
入山前はrgzさんのヤマレコも参考にさせてもらいましたよ。
山頂付近を何往復も楽しそうだなと思っていました
山頂からの景色は、山の神様から素晴らしいご褒美をもらえた気分になれました。
進退の判断は常につきまとうものですが、常日頃の意識が必要かも!?
「安全とは何か」ってやつですね
また、天候は味方につけておきたい(=天気の読める男になりたい)とは思っていましたが、
今回の青空は、運もよかったかも!? まぁ晴れ男率も高めたいですね、はい
こんにちは、wildwindさん。
厳冬期、3000mの頂への登頂おめでとうございま〜す
みごとなブルー&ホワイトの世界でしたね。
頑張ったものだけに与えられる美しい世界。
お裾分けどうもありがとうございました。
いつか私も、自分の目で見て、肌で感じられる日が来ればいいな。
と、思います。
で、これはこれ自体確かにすごいのですが、私にしてみれば、何か自分に対して課題を設定するということ自体が、すごくハードルが高いし、とても尊敬できることだと思いました。
課題達成、おめでとうございました。
人間はなんだかんだ言って、海にも山にも宇宙にも、どんどん入り込んで、そこに根を張り、枝を拡げ。
結構というか、相当しぶといものですよね。
我ら、世界の片隅に住む民。
きっとそういう祖先がたくさんいたに違いないと妄想しています〜
muniさんもきっと行けますよ、うん!!
文明の利器に頼り、中央アルプスのロープウェイ経由はいかがでしょう!?
人間のしぶとさ。確かにありますねー。
でも何かを成し遂げてい今がある、そのDNAは誰しもが持っていますよね。
ロープウェイだって先人が作り上げてくださったものですしね 。
そこにたどり着くまでの車だって、道路だって!!
先人には感謝です
尊敬されると言われると、ちょっとこそばゆいですが、
でも今回は達成感を覚えられたので、自分をちょっとだけ褒めたいと思います
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