阿弥陀岳北稜〜赤岳(ちょっとアルパイン)
- GPS
- --:--
- 距離
- 16.7km
- 登り
- 1,572m
- 下り
- 1,571m
コースタイム
12:10赤岳12:05〜13:30行者小屋13:35〜14:00赤岳鉱泉14:15〜15:50美濃戸口駐車場
天候 | 午前中は青空が見えたが、午後からは曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年02月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
美濃戸山荘に登山ポストあり。 赤岳鉱泉営業中。 トレースははっきりと有り、斜面のゆるやかな所はアイゼンは不要でした。 全体的に雪は少なめに感じた。 |
写真
感想
この記録はアルパインクライミングの技術的な参考にはならないので、
アルパインクライミングの技術的な内容は、他の有益な情報を参考にしてください。
今回は車中泊だが、工夫して出来るだけフラットな状態にし、冬用シュラフで寝たので、
かなり快適な睡眠がとれた。外に出しておいた温度計は-10℃。
夜の8時くらいに空を見上げると、満天の星空で期待したが、2:30に起きると空には
薄らとガスがかかり、星たちは隠れてしまった。
気圧配置は太平洋側に高気圧が張り出したので、穏やかで暖かくなるだろう。
ただ、西側に前線が迫ってきているので、昼ぐらいから弱冠崩れだしそうだ、、
と、予想したが、まさにそのままだった。
アプローチをぐいぐいと進んでいく。−10℃だから、さすがに大丈夫と思ったが、
やはり発汗してしまう。
途中で中間着を脱ぐが、次に着るタイミングが難しい。
行者小屋で着なおしたが、ここで体温を下げ過ぎたので指先の温度が下がり、
復活させるのにかなり時間を要した。
行者小屋のテン場は4張りくらい。ちょうど3パーティー8人くらいが出発を始めているようだ。
皆ジャラジャラとカナビラを鳴らしている。アルパインのようだ。
土日明けなので人気の八ヶ岳山域は、既にトレースが道になっている。
阿弥陀岳北稜方面へも、予定どおりトレースバッチシ(笑)
途中指先がまた冷えてしまったので、温めたりして血行を促していると、2人パーティーが
先へと進んでいった。
これで先行パーティーのお手並みを拝見できると思ったが、この2人は通常の北稜ラインの
もう一つ下の垂直の岩稜にとりついた。レベルが全然違うようだ。
2人ともかなり若く20才代だが、先を歩くリーダー格の方は、一つ一つの動作が非常に丁寧で
急ぐことなく確実に進んでいく。良い指導者にめぐり合ったのだろう。とても参考になった。
ただプラブーツにストレートで長めのピッケルを持っていたのは、、?
雪稜の斜面も思ったより急で、雪稜は3点が決まるので、今まで怖いと感じたことはあまり記憶に無いが
今回は初めて後ろを振り向いたら恐怖を感じてしまい、この一ヶ所は振り返るのをやめて斜面を登った。
気温は昼に向かいどんどん上昇しているので、全く寒さは感じない。
写真では何度も見ている第一岩稜の基部へ到着する。写真で見ると小さく見え、登るのも5m位との
情報を目にしていたが、実際に岩を目の前にしてみると一回り大きく見える。
とりつくのに一番やさしそうな所を見ると、ホールドもはっきりしているので、問題なさそうと思い
いざとりつくと、予想外にすぐに行き詰まってしまい、そのまま一度慎重に下りる。
見た目よりホールドが逆層になっていたり、氷が付いていたりしてうまく掴めない。
もう一度チャレンジするか。それとも左側を巻いていけば無理しなくても雪稜を進んでいくことが出来る。
もし途中まで登ってしまうと、もう下りることはできない。
しばらく岩を見ながら悩む。何度も何度もイメージトレーニングを繰り返し結論を出した。
「よし、いくぞ」
2度目はイメージトレーニングを繰り返したおかげか、何とか上まで這い上がることができたが、
思ったよりも体力を消耗した。
そのまま登り第二岩稜の基部に到着すると、3m位だが垂直に近い岩に顕著なクラックが一本入り、
下にボルトが2本打ち込んである。
岩はすべて乾いているが、3重の手袋だと当然全く掴めない。一枚で軽く触ってみるがきびしい。
3m位登った後の上の様子も解らないし、先程の第一岩稜からの疲れも取れていない。
・・・第二岩稜、パス・・・
左を巻いて上へ上がったが、この巻き道は踏み後だらけだった。
第二岩稜を上がりきった上から見ると、岩を越えたところにある短いナイフリッジに踏み後が少ない。
皆さんもパス?
上を見上げると、すぐそこに阿弥陀岳の頂上が見えてきた。
苦労の末上がった頂上は、ひと味もふた味も違う。
山頂は360度のパノラマで、まだ天気はもっているので遠くまで見渡すことができる。
唯一富士だけがガスがかかり裾しか見えなかった。
ここで燃料を補給し(相変わらずマズイ、、)山頂を後にする。
この阿弥陀岳からの下りが急との情報を予め目にしていたので、気持ち的には準備していた。
北稜からは直接見ることはできなかったが、その横の斜面もかなり急にみえる。
70〜80度位は有りそうで、真上から見ると、ほとんど垂直に見えることだろう。
頂上には前日の踏み跡が残っているので、足跡を追って進むと夏道の斜面が見えてきた。
始め横を向いたまま下りようとするが、雪面も硬く、踵を蹴り込もうとしても全く入らない。
初めて斜面に向かいダガーポジションでつま先を斜面に蹴りこみながら中岳とのコルまで下りて行った。
今回時間があったら赤岳を周って下ろうと予定していたが、この時点でまだ11:00にもならないので、
赤岳へ向かうことに。
第二岩をすぐに諦めた理由の一つが実はここに有った。
ここまで自分が冬山にのめり込むきっかけとなったのが、実はこの冬の赤岳だ。
2年ぶりにルーツへの回帰をしたいとの思いが、弱からずあった。
昼に近づくと風も強さを増してくる。身体が疲れてきているので足取りは重いが、
夏道もほとんど露出しているので、ゆっくりと赤岳へ向かい進んで行き、頂上に立つ。
といいたいところだが、本当は疲れ果てて座り込んだまま写真を撮る(笑)
なのでちょっとあおり気味(大笑)
頂上を発つと後は下りだけ。地蔵尾根の下りはじめを気おつければ、後は大丈夫だろう。
頂上小屋を越えた所に有る痩せた尾根を前にして、風が一段と強くなってきた。
常時風速15m位は十分に有りそうだ。ここで突風に当たるとシャレにならないので、
しばらく様子を見るが、なかなか収まらない。
もどって文三郎から下りようか?このままじっとしていても気圧配置は悪くなる一方だ。
すこし弱まったところで、思い切って出ることにする。
這いつくばって行けば、少々の風では飛ばされることは無いだろう。
中腰姿勢のまま痩せ尾根をやり過ごすと、前回も感じたが1ヶ所、風の全く当たらない場所が現れた。
不思議なくらい無風だ。ここでひと休みし、行動食をとった後、地蔵尾根を下って行った。
地蔵尾根もあっという間だ。2年前は長く感じたが変わるもんだ。
さすがに土日明けの人気の赤岳。クラスとした雪稜にも、きれいに足場が切れている。
行者小屋の分岐で装備を入れ替えアイゼンをはずす。
今まで使っていた縦走用の12爪アイゼンは爪が短く、今回は弱冠役不足のようだった。
ここからまだ通ったことの無い赤岳鉱泉に立ち寄り岐路に着いた。
今回は気温もこの時期としてはとても高く、それなりに終えることができたが、
もし大寒波に当たり、-20℃の強風の中行動したら、とてもこのようには行かないだろう。
八ヶ岳は凍傷で指を落とすのもよく聞くし、阿弥陀岳でも厳冬期に多くの遭難者を出している。
また今後アルパインをどこまでやるかも解らない。
北稜に有る2ヶ所のほんの数メートルのミックスにしても、ソロである自分としては
全く楽勝ではなかった。
もっとも、このラインはいろんな逃げ道が有るということでは、自分には向いていたと
言えるかも知れない。
また、現代において今あるゲレンデで練習する以外に、新たにボルトを岩に打ち込んでまで
何もとりかかりのないフェースを登る意味を私は感じない。
もはや山や岩とのコミュニケーションを免脱していると思えるし、そこに美しさも感じない。
今後も自分の力量に合った、ちょこっとアルパインをたまに試してみようかな。
まずは、単独での北稜お疲れ様でした
ヤマレコでこのルートの単独は初?
何か大きな目標でもあるかの様な強い意志が感じられました。
山暦を改めて拝見いたしましたが、良い山登ってますね
雪が締まる頃は東面でも?
どちらにせよ、お気をつけ良い山登ってください
レス、ありがとうございます。
たしかヤマレコに山頂直下で時間切れというのが有ったと思います。
次は何となくは頭に描いていますが、
まだ全く具体的には詰めていない感じです。
オフは基本いつも突如として現れるので、
天気との兼ね合いでGO〜ですね。
大きな目標・・
今の自分の有り方としては、すべてが均一に同じ
プロセスの中の一つとして受け止めている。
といった感じです。(まじめに答えすぎた? )
お気遣い、ありがとうございます。
ホトケになるのはまだ早いので、
最大の注意、意識、そして
すべてを受け入れる覚悟をもって望んでいくって所ですね
良い山を登りましょう
jazzyさん、
同じ日に赤岳に行っていた者です。
文三郎から見る阿弥陀岳は遥かに積雪多かったです。
上部に行くにつれ急ですので下は見たくないですね。
登りより下り厳しそうです・・・お疲れ様でした。
jazzyさんの記録よく拝見させて頂いてます。
お会いしてお話したかったです。
と言ってもその場ではjazzyさんとは分らないと
思いますが
冬山、これからも気をつけて行かれて下さい。
はじめまして。
koujouchouと申します。
>山頂直下で時間切れというのが有ったと思います。
一昨年に単独で時間切れした者です。(はは。。。)
単独で行った方のレポを読んでみたかったので、、、
じっくり読ませて頂きました。
今年は訳あって遠出が出来ないので、、、
(=ほとんど雪山に行けないので。)
エア雪山?を堪能させて頂きました。
行った時のことを思い出し、、、
「あぁ。。。。もうちょっとだったんだなぁ。。。」
なんてブツブツ呟きながら。。。
また、ちょくちょく寄らせて頂きます。
よろしくお願いします。
阿弥陀岳もそれほど雪はなかったように思います。
斜面もかなりしまっているようでした。
ただヤマレコにある1月にいかれた方のレポを見ると、
下りはザイルを出した方もいるようです。
2年前の3月に文三郎からみたら、踏み後はありましたが、
今にもなだれそうな感じで、よくあんなとこ下りてるなと思いました。
kankotoさんの記録もよく拝見させてもらっています。
改めてみると、このスピードはもう笑ってしまいますね
私はいつも写真の同じ格好をしているので、
山でお会いしたら、こちらこそよろしくお願いします。
お互いに気を引き締めて山行をエンジョイしましょう。
よく記録を拝見させてもらってます。
とてもかわいらしい坊や達は、うらやましいかぎりです。
雪山のチャンスはまだまだいくらでもやってくるので、
お互いソリストとしては気を引き締めて(坊やたちのためにも)
エンジョイしましょう。
はじめまして。
今月末に八ヶ岳に入ろうと予定しております。
我が師と登った北稜にソロで登ろうかと情報を集めていたところでございます。
何せ20年のブランク。
当時は、シングルで登攀しておりました。
ご指南ございましたら、お手数ですがよろしく願います。
ここまでこれたのも幸いです。
以前にシングルで登攀されていたのでしたら、私が指南するのは
おこがましいことと思います。北稜も登られているようですし。
唯一は20年のブランクでイメージと実際の身体の違いをどの位
認識しているかではないでしょうか。
登攀能力は昨今ではジムも多く、ここで試してみるのも一つの手
ではと思います。1月に南沢の大滝に行ったときは今年は雪が多く、
ガイドさんが今北稜を登ったら同ルート下降になると言っていた
ので、天気と雪の状態は気にした方が良いと思います。
お気をつけて。
ありがとうございます。
正直、ビビっておりました。
もっと早い時期に登るべきですね。
今回は、阿弥陀岳を見ることに専念し素直に赤岳でヤメテきます。
山は、逃げませんので。
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