厳冬期・八ヶ岳(美濃戸口-赤岳-横岳-硫黄岳-美濃戸口)【1泊2日】
- GPS
- --:--
- 距離
- 22.0km
- 登り
- 2,127m
- 下り
- 2,089m
コースタイム
天候 | 1日目: 晴れのち曇り・強風 2日目: 晴れ・強風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
帰り:行きの逆。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【道迷い】 全体的に視界良好だったので、迷う事はありませんでした。 【ルート・積雪状況】 美濃戸口〜美濃戸:数日前に雪で凍結部分が隠れていました。アイゼンなしでも問題ありません。 美濃戸〜行者小屋(南沢経由):しっかりしたトレースもあり、ルートもわかりやすいので歩きやすいです。 行者小屋〜赤岳展望荘:雪が柔らかく、一部のトラバースが狭いので、足元が崩れないように何度も確認しながら進んだ方が無難です。 赤岳展望荘〜赤岳往復:強風に晒されるため、何度か立ち止まる必要がありました。また、直登気味になるので、アイゼン・ピッケルをフル稼働させました。 赤岳展望荘〜横岳:凍結箇所はほぼなしでしたが、トラバースはすごく慎重に進みました。今回もロープは使いませんでしたが、雪の状態によっては必要になる場合もあるかもしれないです。 横岳〜硫黄岳:奥ノ院すぐあとのはしごは、取付くまでが少し怖いです。また、この区間は暴風に晒されました。硫黄岳〜赤岳鉱泉:本来の道とは違ったトレースがついていて、若干、急登になっています。下りは楽でしたが、登りは結構大変そうです。 赤岳鉱泉〜美濃戸口:Ice Candy Festivalというイベントが開催されていたので、たくさんの人の踏み跡がありました。すごく楽でした。 |
写真
感想
冬と言えば!やっぱり八ヶ岳っ。
1か月たたずにまた来てしまいました。(私ってもしかしてすごいミーハー?!)
今度は横岳プラン。前回は赤岳を飛ばして横岳・硫黄岳のみだったのですが、
今回は赤岳も含めたちょっと贅沢な山旅です。
(本当はもっと贅沢したかったのですが、限られた交通機関とスケジュールなどの兼ね合いで
非現実的なのと、一部の情報が充分じゃないという事で却下されました・・・(^_^;))
そして今回ちょっと楽しみにしてたのが小屋泊!!
今年は結構テントで頑張ってきて、ここぞという時以外は小屋に泊まっていなかったから、
約半年ぶりになります。久しぶりで新鮮な感じ!そして身軽に動けます。
(毎回小屋泊だった時はそのありがたみが良く分からず、そんなこと考えた事なかったけど、
テント担ぐようになってから、荷物の重さがどれだけ負担かが分かったのでなおさらです。)
なので時間にゆとりあり!これも嬉しいです。
前日たっぷりと睡眠をとる事ができました(#^.^#)
そして今回のメンバーはJuhaniとAaron。いつもの仲間です。
二人と一緒だとなぜかすごく安心感が出ます。
打ち解けて遠慮なく話せるので、私も自然体でいられます。
時には私が無謀な計画を立てても、付き合ってくれたりするのでなくてはならない存在です。
そんなメンバーと共に旅する、厳冬期八ヶ岳。
今回は横岳を通るため、二人がそれぞれロープを持ってくれます。(ごめん、いつもありがとう!)
見慣れた美濃戸口から出発、今回も南沢を通ります。
最近ちょっと行者小屋までの南沢ルートがちょっと長いような気がしてきています。
それほど急ではないけれど、微妙に登りが永遠と続き、ちょっと途中で中だるみしてしまう道。
口を開くと疲れたとか長いとか言ってしまうので、全然別の事を考えながら歩きます。
それから15分ほどして、ようやく行者小屋に到着。
ひと休みと準備を終わらせたら、地蔵尾根へ向かいます。
この時の手と足の冷えと言ったら、半端じゃないです。冷たいというより痛かったです・・・
そして地蔵尾根を登りきり赤岳展望荘まで来ました。
予定ではこの日のうちに赤岳山頂に向かうつもりだったのですが、視界が悪く風も強い(>_<)
全員一致でこの日は早々に終わりにし、小屋でまったりして早めに寝る事に決めます。
赤岳展望荘は3人とも宿泊するのは初めて。
朝晩食べ放題スタイルの食事で、お肉や野菜などもあるようなので、2食付に。
ホットカーペットとストーブで暖かい室内での温かい食事。身も心も癒されます。
居心地が良すぎて、翌日の朝、小屋から出たくない症状が出るほどでした(笑)
そして第2日目。
この日は天気がいいのですが、気温が低いのと風が強めです。
気温マイナス20度を下回り、風速も20mを超えるため、体感温度にしてマイナス35度くらいだろうとのこと。
実際に小屋を出て少しした時には風が強く、一歩がなかなか踏み出せないような状態でした。
それでも風が弱まったりする時があったり、地形によって風の影響を受けない所もあったので、
それほど困難というわけではありませんでした。
赤岳展望荘から赤岳までのルートについては、ちょっと急になるので、
アイゼン・ピッケルをよく利かせながら進む必要がありました。
時々狭い場所で登る人と下る人がすれ違うので、慎重に譲り合います。
そして山頂到着。風は強いけど、天気は快晴。
権現・阿弥陀・横・硫黄と八ヶ岳主要ピークを全部見る事が出来ます!!
この日、場合によっては赤岳だけで下山しようかっていう話もあったのですが、
この景色を見てしまったからには、横岳・硫黄岳まで縦走したいという気持ちが強まる一方です。
一旦赤岳展望荘まで戻り、これからどうするかをまた相談します。
結局のところ、時間は充分、という事だったので、横岳・硫黄岳縦走をする事になりました。
冬は雪のコンディションや天気などによって難易度が大きく変わってきてしまうので、
慌てずに時間をかけて慎重に準備をしたいところ。完全装備になったところで出発です。
横岳までの道はすでに先行者がいて、トレースがついた状態。
とは言っても、踏み固められたようなしっかりしたところばかりではなく、
足幅ほどのトラバースで、雪が柔らかくていつ崩れてもおかしくないようなところも。
急いでいると、そのままスタスタと歩いてしまいそうになりますが、
私の前を歩いていたAaronが、踏み出す前に必ず、
このトラバースを歩いても問題ないかを一歩ずつチェックしながら進むのを見て、
私も真似をして、慎重に、確実な方法で歩く事に決めます。
いくつかのトラバース・直登も同じように前に倣ってチェック・進む、
そしてまたチェック・進むを繰り返し、私もそれに続いて同じ行動をとります。
なるほど、決して運任せにはしないで、自分で自分を守る一番確実な方法ですね。
私には今までこういう所が足りていなかったかも、と考えさせられました。
そんな地道な確認作業をしながら進んだ甲斐あって、
転倒や滑落もなく無事に、横岳に到着です!!
朝の時点では今回は諦めなきゃいけないのかな、、、なんて思ったりもしましたが、
何だかんだ言って、結局来てしまいました。
そして着いた時には嬉しくて、3人で握手(#^.^#)
横岳山頂から見る赤岳へ続く稜線の眺めは格別です。
(長居はできないので、10秒くらいの間にその景色を必死で目に焼き付けます!)
そして横岳山頂まで来てもまだ下山したわけじゃないので気は抜けません。
一部の鎖場ではチェーンが出ていますが、チェーンとチェーンの間などは
自分のピッケルと足場が頼りです。
安全なところを探し、問題無さそうなところを判断しながら進みます。
ある程度下りて、目の前に台座の頭(硫黄岳手前のピーク)が見えれば、
後は硫黄岳まで続く比較的なだらかなアップダウン。
滑落などのリスクが少しだけ減ります。
ただ、さすがに冬山。ここで簡単に硫黄岳という訳にはいきません(>_<)
硫黄岳までの稜線、風が非常に強いです。
横岳までの道とは別の試練が・・・
いやと言うほど冷たい暴風にさらされ続け、休憩ポイントもかなり少ない。
途中、Aaronが鼻が痛いと言うので、見てみると、2か所白くなっています!
「!!!」
ここ1年くらいの登山の中での一番のパニックに陥りました。
まだ痛みがあるのでひどい凍傷とでは無さそうですが、ここから硫黄岳まで
ずっとふきっさらしの状態。硫黄岳山荘も雪の下(泣)
私と言えば、取り乱して大騒ぎしないようにするだけで精いっぱい。
ここでできる事は限られているので、
フェイスマスクで鼻を覆ってまた歩き出すしかありません。
もう心臓バクバクでした。
その後、硫黄岳まで到着。あとはお楽しみの時間です。
ふかふかの雪の中、Juhaniが木の側の深雪に埋もれてみたり、
3人で尻セードで滑り下りたりと子供に戻ったかのように雪遊び。
赤岳鉱泉まで到着が、本当にあっという間でした!
そして赤岳鉱泉でランチを食べ、
北沢を経由して美濃戸口まで戻り今回の山旅が終了です。
いつもよりも少しハラハラドキドキの大きかったこの日の登山。
強い風と冷たい気温で普段より少し過酷な状況だったけれども、
それでも無事、安全に、そしてなにより楽しい旅になったのも、
JuhaniとAaronのおかげだったと思います。
下山後、ずっとずっとこうして一緒に登山に行けたら幸せだなと
思いながら帰ってきた山旅でした。
おしまい。
〜後日談、その後のお話〜
硫黄岳までの途中で凍傷の前兆だったAaronの鼻ですが、
下山後2日経った時点でまだ違和感があるものの、
ひどい凍傷にならずには済んだようです。
そして、凍傷とはおそろしや・・・私の顔に一本の黒い筋が。
どうやらゴーグルとフェイスマスクの隙間が風にさらされていたようです。
最初はちょっと一部寒いかもと思っていたのですが、
歩いているうちに気にならなくなり、そのままに。
その結果がこれです(^_^;) あーあ、痕残らなきゃいいけど・・・
自分の詰めの甘さを実感した出来事でした。
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