白毛門沢 右俣 (タラタラのセン登攀)
- GPS
- 10:43
- 距離
- 6.4km
- 登り
- 1,034m
- 下り
- 1,027m
コースタイム
天候 | 晴れ時々曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・水量: 少なめ ・他パーティ: 沢内で2PT(3人,2人) ・参考遡行図: 「新版 東京起点 沢登りルート100」P.222-223 (初級/1級上/Ⅲ) ・携帯電波: docomoはほぼずっと圏内 ・ソール: CL/SL共にラバーソール ・登山届: 土合駅にて (帰りに気付いたが白毛門登山口にもポストあり) 台風13号の影響を鑑みて、泊まり予定の沢を日帰りでお手軽な沢に転身してこちらへ。 CL/SL共に一度も来たことなかったのでスタンダードな右俣を選択。とはいえ、我々のメインディッシュは大滝「タラタラのセン」の登攀。 降水量などは事前に調べていたので、台風の影響がほぼない状態なのは分かってはいたが、東黒沢に入渓してすぐに水量の少なさに気付ける状態。水量が少ないと水流際などのヌメリが強いので、足元は少し気を遣ったが、特にラバーソールで問題なく遡行できた。 危険に感じたところなどは特に無し。頂上直下Co.1500らへんからは水流がなくなり、暑い日差しとの真っ向勝負となり辛い。登攀慣れしていれば特に難しいところや高度感もない。 ■大滝「タラタラのセン」登攀 良く登られているようで、残置ハーケンや残置ロープスリングなどは豊富だが、古いものが多く腐っているものも多いので信用できない。 最近は水流からかなり離れた左側のバンドを登るパーティが多いようだが、それなら右岸の巻き道行くのとほとんど変わらなくて面白くないので、水流左の凹角クラックから登った(ラインは写真にて)。リードはCL。 途中にテラスがあり、そこでピッチを切って2ピッチで登るパーティが多い(30mロープ)ようだが、今回は1ピッチで登るつもりで50mロープ1ピッチで登った。落口右岸の太めの灌木2本ほどで支点構築。ロープアップ前でロープは30mほど出ていた。 核心は下部、凹角までの取付き及びテラスに出るまでの凹角処理となった。我々の体感ではⅣ程度。このラインにも古い残置ハーケンやスリングは豊富だが腐っているものばかりで信用できず、核心では自前のハーケンとカムでランニングをとった。凹角処理の核心はフットホールドがなくなるため、リードがムーブに悩み、残置に自前のスリングをかけフットA0でムーブを探った。その後、ムーブが見つかるとA0はいらず、フリーで突破できた。 テラス上はスラブ面にあがるところが少し被っているがホールド豊富で全く問題なく、そのあとは高度感はあるものの、非常に簡単なスラブで落口まであがれる。ここではランニングとらず落口まで上がってしまった。 リードがムーブ解析にだいぶ時間がかかった(登攀だけで約45分)こともあり、準備片付け含め1時間半ほどの登攀時間となった。 ※テラスにブラックダイヤモンドのダイニーマスリング120cm(青色)をフォローが登攀中に落としてきたようです(気付いたのはだいぶ後、落とした場所はヘルメットにつけたGoPro動画より確認)。まだ使えると思うのでどなたか拾ったら再利用されてください |
その他周辺情報 | ラストコンビニ: セブンイレブン 群馬みなかみ町店 下山後温泉: 湯の陣 (1,200円/人、手ぬぐい付き) |
写真
装備
MYアイテム |
やっくん
重量:1.09kg
|
---|---|
個人装備 |
沢靴(モンベル サワークライマー)
沢グローブ
雨具
昼食x1
行動食x6
非常食x1
水2L(ハイドレーション)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
モバイルバッテリー
ファーストエイドキット/常備薬
保険証
スマホ(兼GPS)
時計
ハーネス
ヘルメット
確保機
ロックカラビナ
セルフビレイコード(PAS)
参考遡行図
地形図
バイル
サングラス
|
共同装備 |
ロープ(7.1mm50m)
アルパインクイックドローx5
カム(Z4 #.3/#.4/#.5/#.75)
アッセンダー
レスキューセット(プーリー/マイクロトラクション)
ハーケンx4
特小無線機2台
ナイフ
ツェルト
衛星SOS発信機(inReach Mini2)
スリング
カメラ(GoPro HERO9+HERO10/Insta360 X3)
|
備考 | タオル忘れ(首の後ろを日差しから守り,沢水で冷やすことができなかった) |
感想
泊まりで万太郎本谷に行く予定を台風ケアでこちらに。もう何週連続でこの決断してるんだろう、なかなか週末の天気が安定しない夏ですねwそんな台風は想定よりも規模や速度も小さく、降水量などを調べる限りでは普通に万太郎にも行けたなー、とは思いながらの白毛門へ。
主目的は登山道からも見える大滝、タラタラのセンの登攀。リードさせてもらえて大満足!
残置物が非常に多く(そして古いものが多く信用できない)ちょっと萎えながらの登攀だったが、核心に感じたテラス手前のムーブは非常に面白く解析にかなり時間をかけてしまったが、とても楽しかった。もしかすると、もう少し水量が多いほうが水流際のヌメリが少なく登りやすいのかもしれない?
ちなみに、タラタラのセンの右岸巻き道は滝のすぐ横を通っているので、あまり灌木帯に近づくと登ってる間に巻き道を歩く人の声が姿が見え、複雑な気持ち(巻くのと変わらんやんけ)になりますw今回のラインが現状の僕だと水流一番近いラインな気はしてるので満足です。もっと水流際の突破とかトライするならクライミングシューズ持ってきたい感じかな。
また、白毛門の下山は僕にとって鬼門で、これまで一度も明るいうちに歩いたことがない道wただ、今回は明るいうちに3時間で歩ききれて及第点になった。これまでは泊まり沢の帰りだったので重量があったが、日帰りなので軽かったのも要因の一つ。明るいうちに歩くと割と景色が良くて楽しい道なんだな、という発見がありましたw
沢としては踏み跡や巻き道もしっかりありながら、登ろうと思えば登れる滝も多い楽しい沢で、確かに初級者を連れてくることもできそうですが、上流の標高差300mぐらいの岩壁登り(そのあとの白毛門の下りも含め)は体力のない人をかなり苦しめることになりそうなので、どちらかというと登山・持久力が求められる沢だと思いました。
左俣のジジババスラブも面白いらしいので、いつかまた来ることがあればそちらに行きたい。が、それ以外がちょっとしんどいというか飽きるので自発的にまた来ることは・・・ない・・・かもwもっと晩秋で植生が減る頃とかだと違う景色が見れて楽しいのかもしれないですね。
まぁともかく。
大満足の大滝登攀ができて楽しかったです!おつかれさまでした!
ダイジェスト動画: https://x.com/yaklimber/status/1701597406805270739
初めての白毛門沢へ。
7月に東黒沢+ナルミズ沢の遡行時に白毛門沢の出合いを見て、いつか行ってみようねとパートナーと話していた沢。とは言え、その時に地獄の白毛門下山を味わっていたので「いつか」「そのうち」「まあ、タイミングがあれば…」くらいに思っていたけど、割と早いタイミングで行くことになってしまったw
東黒沢からの入渓は慣れたもので(一回行っただけのくせに)ゴーロ歩き〜ハナゲノ滝までサクサクと。入渓してすぐ「水、あんまり冷たくないね…」と二人でしょんぼり。
白毛門沢出合いで左へ。入ってすぐに流木が詰まっている箇所が多く少しげんなりしました。東黒沢と比べるとヌメりが多くて歩く時にラバーだと少し気を使ったのですが、沢全体はナメ滝が多いのでフリクションが効く水流中心をジャブジャブ登れて楽しかったです。
そして現れる大滝タラタラのセン。
ナメばかりの沢で一際大きくて迫力のある滝!カッコイイ!でもこの滝もやっぱりヌメってる!!!(涙)
残置ハーケンが何個も打ってあるのが見えたのでCLとルートをなんとなく見出していざ登攀開始。
ビレイでCLが登るのを下から見守っていましたが、ヌメり箇所がとにかく多くてハラハラしました。いままで何本か登ってきた中で過去1、2番目に入りそうなヒリヒリした滝でした。
いざ自分の番になり登りはじめるともう本当に悪い、ヌメる。見た目よりも傾斜が立っているし、のっぺりとした岩ばかりで掴めるところを探すのも一苦労。足上げもハイステップばかりで背が低い自分は苦労しました。特に核心の中間凹角部分はしんどかった。古く腐っていようが残置のロープスリングを思い切り握りしめ、滑る岩肌に足を押し付けてレイバックっぽいムーブを繰り出してなんとか抜けられました。心拍数が大変なことになっていたと思います。怖かった。
タラタラのセンを終えると大ナメや奇岩が出てきて和みましたが、その後もずーっとナメ滝が続くので少々お腹いっぱいに……。そして詰めの岩登りも段々と水量が減っていくなか(しかも上に行くにつれてどんどん温かい水になる)、背の高い木も減り、日差しが背後からジリジリと攻撃してくる灼熱地獄が待っています。下山も地獄なのに、その前から地獄始まった。暑さと岩登りとで二重に疲れました。でも高度が上がってくると爽やかな風が吹いてきて心地よかったです!汗が冷えて気持ちいい!
白毛門山頂では別パーティと何組かお会いしてお話しさせていただいたのですが、その中で米子沢へ行った時に巻機山山頂でお会いした方々と偶然遭遇!びっくり!数ある山の中、同じ時間にまた山頂でお会いできるなんてミラクル!!「またどこかの山で!」とお別れしましたが次はどの山頂でお会いできるのでしょうか?楽しみです。
そしてみんな大好き白毛門下山。前回は時間をかなりオーバーしてしまい真っ暗闇の中ヘッデン下山(ヘッドライトに虫が群がってくるオマケ付き)だったのですが、今回は陽がある時間に下山できてそれだけでも気持ちが楽でした。そして遠目からタラタラのセンを眺めることができて嬉しかったです!あんなにでっかい滝を登ったのか、と感動しました。
たくさん登って満足な一日でした。お疲れ様でした!
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