高柵山:岩倉山から周回
- GPS
- 06:36
- 距離
- 7.2km
- 登り
- 411m
- 下り
- 400m
コースタイム
- 山行
- 5:20
- 休憩
- 1:10
- 合計
- 6:30
天候 | 曇り後晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
電力巡視路、林道は問題なし 山上ピーク間移動は積雪でルート手がかり少なく、地形図とコンパス必須 |
写真
感想
前回の蒲沢山レコで、デラックマさんから頂戴したエールにお応えできず、宿題とさせてもらっていた高柵山にチャレンジしてみることにした。
天候を選びたかったが、春先の常で、なかなか安定しない。
仙台西部の予報は、雪のち曇りと、パッとしないものだったが、決行。
里の雪はあらかた融けていたし、里山の上のほうの白さもだいぶ薄くなってきていたので、雪対応の装備の簡略化を考えた。
ストックのスノーバスケットは、藪漕ぎで邪魔になるし…
だが、もしも北側斜面の残雪が深かったら…と考えなおし、スパ長靴に膝うえ雪除けカバーとスノーバスケットは残した。
マイカーを県道55号(定義街道)の路肩駐車で出発。
夜盗沢へ向かう市道に入ってしばらく歩くと、電力巡視路の案内板があるので、そこを入る。
道路はもちろん、巡視路沿いの雪もほとんど融けている。
ほどなく、大倉2号鉄塔の下に出る。
ここからは、真っ白な大倉ダム湖が見えるが、曇天で他の展望はきかない。
近くに、これから向かう高柵山と吹越山が望めるだけだ。
ここが、岩倉山から続く尾根道の末端なので、これを登っていく。
途中、けっこう急登だが、尾根越えの強風で吹き飛ばされているのか、ほとんど積雪は無い。
見晴らしは良いので、晴れていれば眺望が楽しめるはずだが、今日はわずかに大倉ダム湖と高柵山、それとダム対岸の中崎山が見える程度だ。
ほぼ直線的に登り詰めると岩倉山山頂に出る。
「宮城…」と刻んである石柱があったが、ここはまだ埋もれるほどの積雪ではなかった。
曇天は変わらずで、眺望は残念のままだ。
とりあえず、吹越山と高柵山の間を目指して、尾根をくだることにしたが、ここでコースミス。
尾根を外してしまい、吹き溜まりに腰まで沈んでしまった。
脇から眺めれば、明らかな尾根地形も、積雪期に上方から判別するのは難しく、大幅なタイムロスをして、ようやく尾根筋に登り返して、高柵山方向へ進んだ。
何回かアップダウンを繰り返すうち、次第に積雪が深くなってきたが、高柵山直下に到着。
ここから、直登気味に一気に高柵山へ。
山頂にはポツンと石柱があるだけ。
間近に大倉ダム湖が見えるが、天候の回復はまだで、眺望はきかず、すぐに戻ることにした。
先の方に切払集落方面への下り口があるようだったが、そちらには向かわず、来たトレースを下った。
途中まで戻ったところで、北側を東西に走る尾根形状を見つけ、さきほどの切払集落方面への下り口から分かれて吹越山方面へ向かうルートだと気付き、トラバースして移った。
この間、膝うえの吹き溜まり積雪に難渋したが、尾根筋に赤テープを見つけ、ホッとした。
だが、この尾根は、北方から吹き上がる強風による吹き溜まりクラスト地帯だった。
しかも、少しく緩みはじめて、強度を失ったクラストは、一足ごとに膝までめり込む最悪の状態で、悪戦苦闘。
一瞬だけ雲が切れることがあって、後白髭と思われる巨大な白い山体がチラ見できて喜んだが、すぐにかき消され、連続するスカブラでは、膝うえまで沈んで、進退極まるイヤな予感がよぎる。
見かける野ウサギのトレースは軽快だが、こちらの体重では、まさに抜き足、差し足、一歩づつ進むしかない。
予定時間を大幅に超えて、ようやく先人のつけて下さった白テープ(吊り尾根分岐と表現)に到着した。
ここから吹越山へピストン。
吹越山山頂と思われるところには、雪に埋もれた石柱があったが、確信は持てず。
南東側は切り立った絶壁状で、見晴らしが良さそうだったが、天気が相変わらずなので、眺望はNGだった。
吊り尾根分岐まで戻り、幅広の台地状尾根を大平山に向かって進む。
膝うえのクラストは疲れるうえに、まったくのノートレースで、ルートの手がかりに乏しく、地形図とコンパスだけが頼りで、頻繁にチェックを繰り返して慎重に進むしかない。
カモシカのトレースが先導するように見えるが、時として、とんでもない崖地に平気で導いてくれたりするので、要注意だ!
どうにか大平山山頂と思われる辺りに到着したが、三角点は視認できず下山にかかる。
この山頂は、のっぺりした台地状で、積雪期の下山ルートファインディングは難しい。
地形図とコンパスで見当をつけた方向へ進んだが、行き過ぎて引き返し、それらしい形状を見つけ出してそちらに進む。
けっこう急なくだりで、疑問符もわいてきたが、構わず進むと、ほどなく平坦部に出、さらにコンパスに従って歩くと、林道らしい地形に合流して、一安心。
右に進めば夜盗沢からの市道へ出、左は湖岸の切払集落へ抜けるはずの林道の真ん中で、ようやく遅めのランチタイム。
陽射しも出てきて、明るくなった静寂の中、案外悪くないロケーションだ。
腹がふくれ、天気も回復となれば、萎えかけていた気力も戻ってきた。
林道をくだっていくと、いつの間にかしっかりしたアニマルトレースが先導している。
よく見ると、ブタ足で、イノシシとわかる。
しかも、途中からは、かなり頻繁に往復していると思われるほど、轍(?)状に溝ができて、完全に通勤路化されている様子。
市道沿いに延々と張り巡らされたイノシシ除けのフェンスを、さもありなんと思い浮かべた。
標高が下がってくるにつれ、あれだけ積もっていた積雪が無くなり、林道の幅も広がってきた。
しばらく下ると、市道口に到着。
回復してきた天気と気力に、時間を考えあわせ、蒲沢山を経由して戻ることに決定。
市道を横断して、向かい側で探すと、すぐに林道が見つかった。
先日、通過した蒲沢山裏手の溜め池のほとりに通じていることを期待して、この林道を進んだ。
市道を挟んだこちら側では、ほとんど雪が消えていて、春近しの感が強い。
しばらく歩くと、青葉幹線鉄塔の手前に出、すぐそこが、溜め池だった。
溜め池は真っ白だったが、岸近くでは、水面が透けて見えるようになっていた。
湖岸に沿って進むと、先日イノシシ除けフェンス手前で撤退した夜盗沢集落方面への分岐に出る。
ここからは、先日のコースを辿り、蒲沢林道へ。
さすがに、蒲沢林道では、人間の(!)トレースがあって、ちょっと懐かしい気分になった。
三叉路から、畑前草地沿いを県道55号方向へのんびり歩き。
戸神山から白沢五山、大倉山から青麻山まで。
亀ヶ森、萱ヶ崎から蕃山まで一望!
ようやく、眺望を愉しむことができた。
文々さんがコメントで触れてくださったように、富良野を思わせるような畑前草地のゆったりとしたアンジュレーションは、春を思わせ、草っぱら昼寝を愉しみたい♪期待を抱かせる。
蒲沢林道は畑前草地を回り込む形で曲がっていくが、駐車場所に戻るため、右にくだる林道に入る。
ここは、だいぶ荒れていて、廃道じみているが、しばらく進んで鉄塔表示板に出るころからは、道がスッキリしてくる。
やがて、大倉3号鉄塔下へ到着。
ここからは、対岸の岩倉山と吹越山が見え、岩倉山の左手には出発地点近くの大倉2号鉄塔も見える。
ここまで来れば、あとわずかと思ったのだが…
県道にくだるルートが、県道沿いの土砂崩れ対策工事で分断されていた。
結果、尾根を外してしまい、少し藪漕ぎを余儀なくされたが、無事、県道55号線・定義街道におりることができた。
この後、数百メートル、舗装路を歩いて、出発地の市道との交叉に戻り、周回完了。
山上の状況を甘くみて、思わぬ苦戦を強いられる結果になりました。
スノーシューか、わかん持参が適応であったと反省。
…ですが、畑前草地では褒美をもらった気がいたしました。
おつき合いくださって感謝いたします。
宿題提出です(デラックマさん)ヨロシク。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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レポート提出お疲れ様です
未知の世界・・・最初はドキドキしながら拝見してました
戸神山や畑前草地の画像で何故かホッとしました
”富良野的な”原っぱで昼寝いいですね〜
もう少し春めいたら再訪してみようかなぁ〜
お疲れ様でした
さっそく、コメントありがとうございました。
未熟者と云いますか、年寄りの冷や水と申しますか、自業自得のゾッとした感じも味わいましたけど、楽しめました♪
モチベーションが下がってきたなと思うとき、まず疑うべきはシャリバテだってこと、改めて実感しましたよ(爆)
パーペキな作品ありがとうございました。もはや何も言うことはないですね。畑前草地からの展望には感動しました。青麻山を除けば隅から隅までアヤシさんのテリトリーではないかと。驚きですね。
今日もバスから高柵山を見上げながら大倉ダムを通り過ぎ、見えない後白髪山に心引かれながら横川林道に降り立ちました。いずれ、高柵山から蒲沢山へと歩いてみたいと思います(ヽ゜ω゜)ノ
コメント、ありがとうございました!
エッ!卒業ですか?
押しかけ入門させて頂いてから、日も浅いですし、留年を希望したいのですが…
破門じゃなくて、良かったです♪♪♪
不肖の弟子です、これからもウォッチングよろしくお願い申し上げます。
横川からの黒鼻山、ご苦労様でした!
さすがっ!師匠の荒行に較ぶべきものもありませんが、ズボッズボッとあいた雪原の穴ボコは共感!でした。
デラックマさんの言われる通り完璧な作品だと思います
スゴイです 、 いつの日か模倣したいですね
畑前草地でまだ見ていないもの、草地のアンジュレーションです。
それを見たくて時期を図っているのですが、見事なそうですよ (^^)
お褒めにあずかって恐縮です。
拙いものですが、自分なりの精一杯なので、お三方(デラックマさん、文々さん、花さん)に褒めていただくのは、マジ嬉しい♪です!
畑前草地、本当に癒しスペースですね!
知らない雪の原を彷徨ったあとでしたので、格別でした。
もうすぐ、緑萌え出で爽風に波打つさまを眺めて、まったりした時が過ごせそうですよね♪
遅くなってすみません。大変お疲れ様でした〜
大平山から蒲沢山方面へ戻ってきたときのayashiさんのほっとしたお顔が
目に浮かぶようです。蕃山が高尾山のにぎわいに見えたりして ・・・
実は私もその前日、車から降りずプチ下見してきたのですが 、県道55号線の若干の崩れや落石(目の前に小さな岩がゴロンと落ちてきました)にビビり、夜盗沢から奥武士へ進むと残雪たっぷりの道(一台もすれ違いませんでした)に、暗くて奥深い杉林。ayashiさまに大言発したこと大いに後悔していました 昔の人はここらへんを定義詣りに歩いていたなんてすご〜い
里山は残雪なくとも、読図とコンパス使えないとダメですね
私も勉強したいと思います。
あらためてayashiさん、すごいです
コメント頂き、ありがとうございました!
過分なお褒めにあずかって光栄です♪が…おだてに乗りやすい軽い体質なもので、盆と正月が団体で到着したような気分を、先輩方の膨大な雪山レコを眺めてクールダウンしたところです。
帰ってから地形図を再見してみると、あそこらへんは、東から南に峰が並んでいて、北西風を抱き込む形で、積雪に標高差以外の要素が大きかったのか…と今更ながら勉強になりました。
出かける前にちゃんと地図読み!ですね。
micremonさんのPCメンテ・アップももうすぐでしょうから、怒涛のヤマレコ・アップ!期待してます♪
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