沼津アルプス縦走
- GPS
- 08:50
- 距離
- 12.5km
- 登り
- 1,204m
- 下り
- 1,212m
コースタイム
07:15 茶臼山⇒ 07:15大平と江間分岐十字路⇒
07:35 大嵐山(おおぞれやま)⇒ 07:55 石切場跡⇒
08:40新城への下降分岐⇒ 08:50 山口への下降分岐⇒
09:13 山口への二つ目の下降分岐⇒ 09:30 大平山⇒
09:45 多比口峠(大峠)⇒ 10:20 大平地区戸ヶ谷への下降分岐⇒
10:45 鷲頭山(わしずさん)11:15⇒ 11:20 小鷲頭山⇒ 11:30 中将宮⇒
11:40 志下峠⇒ 11:55きらら展望台⇒ 12:00 馬込峠⇒
12:15 大トカゲ場⇒ 12:33 志下坂峠⇒ 13:00 香貫台への下降分岐⇒
13:10 徳倉山⇒ 13:30 横山峠⇒ 13:55 横山⇒ 14:05 中弛⇒
14:15 八重坂峠⇒ 14:20 香貫山入口⇒ 14:37 桜台入口⇒
14:53 香貫山⇒ 15:12 車道⇒ 15:17 五重塔⇒ 15:30 沼津市黒瀬
天候 | 晴れ時々曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年03月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
伊豆の国市の伊豆箱根鉄道駿豆線原木駅からスタートしました。国道136号線を横断し狩野川に架かる石堂橋を渡り、左岸を南へ200m程に進みました。伊豆の国市と田方郡函南町の市町村境に当たる地点に、ひっそりと奥沼津アルプス石堂橋登山入口がありました。 コンクリートで舗装された狭い歩道を登って行くと鳥居と祠があり、そのすぐ手前に登山道がありました。 竹藪の中をジグザグに登って行くと尾根道には境杭があり、踏み跡もしっかりとついていていました。小さなピークを少し進んだ所に立木に赤と白色のポールが赤いテープで縛ってあり、根元には古びた木片に茶臼128mと書いてありました。茶臼山の標示と理解しました。茶臼山から標高約50mのコルに下がると、沼津市大平と伊豆の国市江間への十字路の分岐になっていて大平側には馬頭観音が佇んでいました。 坂道を登って行くと桜の大木がある広い山頂に着きました。山頂一帯と東側斜面は函南町の日守山公園として整備され、地図上では大嵐山標高191mと表示されていますが、「日守山」と山頂には標示してありました。三等三角点があり、富士山から箱根連山、伊豆の山々や田方平野が一望でき、ほぼ360°見渡す事ができました。またコンクリート製の展望台には無料の望遠鏡が1基設置されていて、覗くと三島市街などが手に取るように見えました。 大嵐山山頂のコンクリート製の囲い杭の西側から桧林の中の急な斜面を下がり、沼津アルプスの南端の大平山に向かいました。 桧林を下がったコルには古い石切場の跡があり、過ぎると大きな岩が道を塞ぎロープがありました。左に巻いて登り、ピークを3つ程越えました。細かい岩の尾根を進み、4つ目のピークの伊豆の国側は稜線の真下まで江間の採石場が迫っていました。新城への下降分岐を過ぎると、大きな岩が出現しました。山口への下降点を過ぎると更に岩場は険しくなり5メートル程のアルミ製のハシゴやロープが設置してありました。横には巻き道もありましたがこちらもアルミ製ハシゴを降ります。二本目の3m程のアルミ製のハシゴを下がり、大きな平たい岩の上に出ると展望が開け、北側には富士山が、南側には天城連山が見えました。2つ目の山口への下降点を過ぎ、倒れた桧林横の急な勾配の地肌の露出した。斜面をロープに掴まりながら登り、標高356mの大平山山頂に着きました。 なだらかで広い山頂にはベンチが2基設置されていて、新しくてきれいな表示杭には山名と道標、裏側にはこれから進む沼津アルプスのハイライトなどが書いてあり、木を伐採した所からは三津方面の海と南側には天城連山の矢筈山が見えました。 ここからが五山七峠を越える沼津アルプスとなります。桧林の脇を緩やかに下がり、ウバメガシ林に変わると急な下りになり多比口峠(大峠)に着きました。西側に下がると駿河湾に面した多比地区に、東側に下がると沼津市大平地区に通じています。沼津アルプス縦走は多比バス停から舗装された林道を登り多比登山道入口からここ多比口峠に入るのが一般的なコースのようです。 尾根伝いに登って行くと展望が開け富士山やこれから向かう沼津アルプスの主峰鷲頭山が見えました。ウバメガシ林の中を下がり、岩場の道が緩やかな勾配になると岩の幅1m程の細い尾根が約30m程続いてあり、右側はほぼ垂直に切れ落ちていますので慎重に歩みを進めました。 大平地区戸ヶ谷への下降地点からは、勾配が急で荒れた階段をロープに掴まりながら登り、石の御神燈を通り沼津アルプスの主峰標高392mの鷲頭山に着きました。広くたいらな山頂には小さい祠、たくさんの蕾を付けた桜の木が数本あり、駿河湾から吹き上げる強い風を避け桜の木の下のベンチで早めの昼食を採りました。駿河湾を前景に南アルプスの山々が展望できましたので素晴らしい一時を過ごしました。 山頂から照葉樹の中をしばらく下がり「終焉切腹之場(三位中将重衝・平清盛の五男)」と書かれた標板のある標高330mの小鷲頭山に着くと、狩野川の河口にある沼津港、湾曲の千本松原の海岸線が見え、鷲頭山に負けない展望でした。 小鷲山からの下りは、岩混じりの急勾配になり、大きな岩の下に石仏がある「中将宮」があり、近くには岩を掘って作られた水場もありました。中将とは平清盛の五男、平重衝のことだそうです。 更に下がった志下峠には高さ3m程の「ぼたもち岩」があり、峠から西に下がれば志下地区へ、東に下がれば大平地区の御前帰に下ることができ、尾根道の周辺の木々も低くなり駿河湾も間近に良く見えました。 きらら展望台から通過してきた南側方向を振り返ると、海岸線に屹立する鷲頭山を見上げることができ、あらためて沼津アルプスのアップダウンの激しさを認識しました。緩やかに下がり、馬込峠に着きました。ここからも大平地区の御前帰へ下降できます。 奥駿河パノラマ台を経て標高214mの志下山(しげやま)に着きました。駿河湾の展望もよく穏やかな山頂でした。さざなみ展望台を通過して、大トカゲ場で休憩を取りました。 志下坂峠に下ると西に下がれば志下地区へ、東に下れば大平地区大井に下がることができます。 千金岩の横の急な登り坂を登り、2つピークを越えて行くと歩道の脇に、戦時中に掘ったL型対空壕跡がありました。 香貫台分岐からは、急な階段を登り広い芝生広場のような標高256mの徳倉山に着きました。山頂には三等三角点があり、沼津市街や登って来た大嵐山、大平山、鷲頭山を見ることが出来ました。 山頂から30m程下がると2つ祠が並んであり、清水町徳倉へも下がることができます。長い急勾配の階段の坂を下り、横山峠に下りました。西に下がれば沼津市香貫、東は駿東郡清水町徳倉の横山トンネル横に通じています。展望が無い赤土の歩道を登り、標高183mの横山に着きました。 山頂は林の中にあり展望はありませんでした。地元では象山と呼んでいるそうで、ここから急な下りとなり鎖が3ヶ所に張ってありました。無理は禁物です。膝が疲れてきているので一歩一歩確実に降りました。 急な八重坂を下り、こぶのような中弛に着くと、林の中から焼却場の煙突が見え、さらに進み急な坂道を下り八重坂峠に着きました。広い車道が沼津市と清水町を結んでいました。車道を沼津市方面にカーブして120m程進んだ路肩の石垣の上に香貫山への道標を見つけ、階段を登り山道を進むと、すぐに分岐になり車道に出ました。ゴルフ練習場入口を通り過ぎ、車両通行止の看板がかかった車道を進みました。桜台への道標から整備された階段の山道に入ると東屋があり公園のようでした。標高193mの香貫山の山頂横は、電波塔の施設になっていました。山頂からは右回りで山道を小さな夫婦岩を通り過ぎ緩やかに下り、せせらぎの森を通り車道に出て更に下ると五重塔や沼津市街が見えました。五重塔周囲は無料休憩所や駐車場がありました。少し車道を下り山道に入ると山道脇には桜の木が植栽してありました。 車の音や街の騒音が聞こえて、人家の横を通り黒瀬の香貫山登口にゴールしました。 |
写真
感想
数年前の登山を始めた頃に沼津アルプスの一部である鷲頭山と大平山に大平地区から初めて登頂しました。遠方からも大勢の登山者が来る人気のコースだとは知っていましたが、近場の山であること、標高があまりないこと、最初に登った時に余裕がなく展望など堪能することなく魅力を理解できなかったことから敬遠していました。しかし、沼津アルプスの魅力は五山七峠を縦走すること、富士山と駿河湾の展望が素晴らしいこと、しかも最近は南につながる奥沼津アルプスが人気が出てきたことを友人から知り全山を縦走してみることにしました。
沼津アルプスは登山家、岩崎元郎氏の新百名山に紹介された人気のある山です。標高400mにも満たない里山の低山が、連なった稜線の尾根を進むルートは、アップダウンが強烈で想像していた以上にハードで歩き応えタップリでした。
奥沼津アルプスは、道標が未整備ですが踏み跡をたどれば迷うこともないでしょう。大嵐山からは境杭を頼りに稜線を歩きます。しかし、友人に聞いた沼津アルプスで時々見かけるスニーカーでのピクニック気分での安易な入山は慎んだほうが無難です。服装もロープ場等が多いので軍手は必需品です。また、登山者も少ないのでアクシデントに独りで対応できるようにしておくことも大切かと思います。
沼津アルプスは多比からの北行と黒瀬からの南行のいずれかを楽しむことが出来ますが富士山を正面に向かって岩場や細尾根の通過を楽しむ北行がお勧めです。道標が整備され、エスケープルートがいたるところにありますので無理をしない自分の体力に合った計画を立てましょう。
大平山山頂には日ごろから沼津アルプスを整備している大平会のノートがありますので、感謝の一言を記しましょう。
今回の山行では、沼津アルプスで多くの登山者に出会い、団体の登山パーティーにも数回出会いました。この山の人気のほどが窺われました。
全山縦走には約9時間を要しました。私が好む天城連山とは同じ伊豆の山とは思えないほど趣を異にし、駿河湾の海の展望がよく、早春の日を浴びての明るい尾根道の通過は気持ちよく歩くことができました。しかし、予想していたとは言え想像していた以上に登り下りが激しく、久しぶりの長時間の縦走で膝は悲鳴をあげてしまいました。友人が口癖のように言っている「侮るなかれ沼津アルプス」を実感しました。近くの山好きがトレーニングの場としてもよく登るというのも納得できました。
車利用の方は大嵐山の直下に日守山公園利用者の駐車場とトイレがあります。遊歩道が整備され山頂まで安全にかつ短時間に行くことが出来ますので、こちらからの奥沼津アルプスのルートも検討されるほうが良いかもしれません。
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