剱岳(雪の早月尾根)
- GPS
- 12:45
- 距離
- 15.5km
- 登り
- 2,455m
- 下り
- 2,451m
コースタイム
- 山行
- 10:23
- 休憩
- 2:23
- 合計
- 12:46
天候 | 小雪のち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
2週間前は雨の早月尾根だったが今日は雪の早月尾根に行こう。昨日新雪があったから今日は晴れればキラッキラの剱岳が楽しめる。もう我慢できない!
深夜1時にコーエーと待ち合わせて馬場島へGo、馬場島は閑散としていた。深夜3時前にいざスタート、2週間前と全く違う空気、冷え冷えする。富山の夜景を見ながらガンガン行く。冬山装備は荷が重いし足回りも重い。久しぶりに肩にずしっときた。
紅葉は早月小屋前後で見頃であった。早月小屋はすでに今期クローズされていてテントもなかった。今日は貸切のようだ。深夜満天の星が見えていたが小屋を過ぎるとガスが湧いてきて剱岳は隠れてしまった。おまけに雪まで降り出してきた。
2400mを過ぎると少しずつ雪も増えていく。放射冷却と雨のせいで雪はカチカチで早々にアイゼンを軋ませてダブルウィペットで歩いて行く。一歩でも滑って池ノ谷に落ちれば即終了となる。緊張感MAX。
2700mを過ぎた辺りで青空がのぞき視界が良くなってきた。2800mで眼前にキラッキラの劔がドン、スンバラしいこれが見たかったこの時期の劔は最高である。毎年新雪の劔を見ないとスキーシーズンには入れない。
2800からはかなり緊張した。カチカチの雪と凍った岩、鎖も凍りついて雪に埋まる箇所が多い、安全第一でルートをどう取るかはその場で判断していく。凍りついたルンゼを抜けると別山尾根の合流点が見えた。もうちょいだ。
貸切の山頂で写真を撮り合いしばし絶景に酔いしれた。剱岳はやはり特別な山である。まさに岩と雪の殿堂に恥じない。
さあそろそろ帰ろう。登り以上に下りは慎重に時間をかけて行く。安全第一でバックステップを多用しよう。早月尾根の池ノ谷側はカチカチだが日が当たる場所は緩んで来ていてこれまたグズグスで滑りやすかった。
早月小屋まで降りてようやく安堵して防寒解除してあとは足早に降って行った。無事3時過ぎに下山して12時間を越す緊張と感動の山行は終了した。
初冬の剱岳は期待を裏切らない素晴らしい景色が楽しめる。
生きてて良かった!
月曜に先生から剱いくか?とラインが来た。雪剱は未体験なのでついにこの時が来たかと期待と不安が交錯し、不安を打ち消すように先生の過去の記録を見たり装備をいろいろ考えたりして万全の準備をした。
水曜は高気圧が張り出してくるので天気は回復してくるが朝方はまだ不安定なので出発時間を調整。1時(と言いながら0時30過ぎには出発したが…)に先生の医院に待ち合わせて馬場島へと向かう。
馬場島へと向かう剱岳公園線でも星が見えていたので雨の登山は免れると安堵。登りだしは寒かったが登り始めると荷物も重いのですぐに暑くなってきて一枚脱いで登る。出だしは全く雪はないが今日は冬靴を履いてきたので歩きにくい。
途中稜線もはっきりわかるくらいだったのに白んできて小屋に近づくにつれガスが湧いてきた。小屋手前から雪も舞いだしてきたので防寒を整える。小屋仕舞いされているので閑散としたものだった。二週間前を比べると紅葉も進んで小屋周辺が紅葉の最盛といった感じだった。
土曜日に猫又山から見た感じでは小屋のあたりから雪は結構積もっているように思えたが、月曜の雨ですっかり融けていた。標高を上げていくと降った雪が積もって白くなってきた。だんだん残雪も目立つようになり固くなってきたのでチェンスパイクで登るがトラバースの傾斜がきつくなるところでアイゼンに換装。
まだ登山道が分かるくらいなのでトラバースでも行けるがもう少し積もれば登山道も消え、ルートファインディングのスキルも問われる。先生に雪が積もった時の自分なりに考えたルートを話したらそれは危ないと言われた…
2700mを越えると雪は結構残っていて登山道は消えていたのでトラバースは片斜面となり危なくなるが雪は固いのでアイゼンは良く効いた。カニのハサミの鎖場はまだ鎖が出ているので問題ないが、その先の最後の鎖場に行くトラバースが落ちたら終わりのところなので緊張した。
最後の鎖場の登りは夏道には行かず、冬に使うルンゼを詰めることとなった。雪はしっかりついて固いのでアイゼンは効くが岩が多いところで雪の薄いところもあり、安易に足を置くと滑るのでウィペットの指す場所や足の置場には気を使った。最後の詰めが狭かったのでなかなか緊張する登りとなったが無事通過できたので安堵。
ここまで来れば後はウイニングロード。控えめの雄たけびを上げながらしばらく歩くと無事登頂。まだ雪は少なめで難易度は低い方だろうけど雪の剣に登れてうれしかった。2週間前とは違い少し雲はあるものの絶景を堪能できた。しかしいつまでも浸っている訳にはいかない。下りの方がもっと危険なので気を引き締めて下山にかかる。
登りで使ったルンゼは使わず夏道の方へと進む。鎖は埋もれているところもあるのでダブルウィペットとアイゼンでクライムダウン。焦らず時間をかけて慎重に下った。カニのハサミのトラバースも行きは登りの為すんなり行けたが下りは傾斜が急に感じて安全にクライムダウンで横にトラバースした。
自分の中の難所は終わったがここからもミスしたら大変なので慎重に下り、雪が減り、緩んできたところで防寒やアイゼンなど解除。振り返ると日の当たった剱岳本峰が眩しかった。いつもは下山はさっさと下るが今日は何度も振り返り装備変更のたびにゆったり眺めた。
小屋から先はもう雪はないが冬靴なので急がず下った。試練と憧れの石碑の前で写真を撮って無事終了。いい経験が積めた。今回は使用しなかったがロープスリング類も持ってきていたので不安があれば使えると思うと落ち着いて行動できた。また機会があれば挑戦してみたい。
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