越後 佐梨川 雪山沢 右ルンゼ
- GPS
- 23:05
- 距離
- 12.6km
- 登り
- 1,391m
- 下り
- 1,430m
コースタイム
- 山行
- 11:24
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 11:24
- 山行
- 12:07
- 休憩
- 0:06
- 合計
- 12:13
過去天気図(気象庁) | 2023年10月の天気図 |
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アクセス |
写真
感想
佐梨川の最奥に向かって見ると、クライミングで有名な金山沢奥壁と正面尾根を挟んで並び立っているのが雪山沢だ。
金山沢と同等の傾斜を持ち、挑戦すべき課題として、申し分ないロケーションを持ちながら、何故だか記録が少ない、もったいない沢だ。
過去の記録では、ルンゼを直上出来たパーティーは何故か見当たらず、今回はルンゼの完登も目的の一つだった。
最初から最後まで、越後の難渓らしい気の抜けない沢で、核心部以外もやや悪い所が続く、内容の濃い銘渓だった。
登山大系では、階段状のルンゼ等、雪山沢の記述に関しては全体的にやや甘めの表現が見られ、実際の難度と乖離があった。これで惑わされるのも雪山沢の不遇に繋がっているのだろうか。
沢全体を通して、技術的な核心ポイントは奥壁では無く、雪渓手前の4カ所の滝にある。
1.金山沢出合から直ぐの、三階の滝。
2.ロータリーピナクル手前の2段15m滝。
3.40m大滝。
4.大滝直後のカンテを有する15m滝。
一番の核心は4.の15mカンテ滝で、スタンスが無く、ハーケンを打ってスリングアブミを設置する人工登攀を強いられた。
登山大系での記述から、そのまま落ち口にトラバースを試みたが、フリクションに乏しくそのままピナクルの尾根まで追い上げられる。
フォローは日没による時間切れで、ユマーリング。
暗い中滝壺に下降するよりはマシと、尾根上でビバークを覚悟するが、奇跡的に尾根上に二人寝るのに十分な藪の薄い平坦地があった。更に奇跡があり、少し奥にルンゼが発見され、飲み水も確保出来た。
翌日、沢に懸垂で下降。簡単な滝を越えると雪渓のあるカール状台地。
巨大な雪渓が奥に控えるが、トンネルをくぐる事で通過出来た。
奥壁への取りつきもシュルンドが無くスムーズに乗り移りができた。
奥壁は、地形図上で左、中央、右の3つのルンゼに分かれている。今回は、沢から正面に見え、最も顕著に思えた右ルンゼを目指した。
奥壁は、最下部の傾斜が強く、これを越えると傾斜が落ち着く。特に上部のスラブ帯は、登山大系で階段状と表現された所のようだ。そして最上部に再び傾斜を増し尾根に突きあげる。
最下部、直接右ルンゼに取りつく事ができず、左ルンゼ側の緩い場所から廻りこむ。際どいトラバースで右ルンゼに入る。
後は階段スラブかと油断したが、傾斜が思いの外強く、ワンポイントの積もりで出したロープを、ロープ一杯まで引いて登る羽目に。しかも油断からスリングの受け渡しを忘れ、盛大にロープスタックさせてしまった。
最上部は草付きから尾根上のコルへ。フリーで登る積もりが、やはりロープを出す必要があった。垂直の木登りをこなし、池の塔尾根へ出る。
下山は池の塔尾根を手別山まで下降し、東側の
支尾根を佐梨川本流まで下降。
藪は濃くはないが、所により傾斜が強かったり、ルート取りが分かり辛かったりして、楽ではない。
手別山からの下降で尾根を外さないように進んでいたところ、岩壁につき当たり懸垂で下降した。
後はどちらに降りても問題は無いと思い直し、細いルンゼに下降路をとった所、スムーズに佐梨川本流に出る事が出来た。
最後まで、越後の洗礼を浴びる手応えのある渓で、全力を出しきった山行だった。
B.C.C S石、M田
コメント
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雪山沢は自分も数年前から狙っていて、何なら今週末も計画していましたが、天気に恵まれず流れてしまったばかりでした。
まさか遡行する方が現れるとは…。
登攀の内容も含め、素晴らしい記録ですね!完登おめでとうございます!
コメントありがとうございます。嗜好が近いようで、時々記録拝見しております。
9月後半、黒又沢の奥に行こうと計画しており、悪天により転進した後で、yamakurumiさんの荒山沢の記録を拝見し、大変羨ましく思っていたところでした。
返信ありがとうございます。
羨ましい気持ちはお互い様でしたね。笑
来年も越後で良い沢やりたいですね。
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