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Yamareco

記録ID: 6072607
全員に公開
沢登り
甲信越

越後 佐梨川 雪山沢 右ルンゼ

2023年10月18日(水) ~ 2023年10月19日(木)
 - 拍手
sawanekko その他1人
体力度
4
1泊以上が適当
GPS
23:05
距離
12.6km
登り
1,391m
下り
1,430m
歩くペース
ゆっくり
1.51.6
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
11:24
休憩
0:00
合計
11:24
7:56
684
スタート地点
19:19
宿泊地
2日目
山行
12:07
休憩
0:06
合計
12:13
7:52
613
宿泊地
18:05
18:12
114
20:06
ゴール地点
過去天気図(気象庁) 2023年10月の天気図
アクセス
三階の滝 左岸のルンゼを登り、傾斜が緩んだ所でトラバース。支尾根から懸垂無しで下降出来た。
2023年10月18日 10:00撮影 by  iPhone SE (3rd generation), Apple
1
10/18 10:00
三階の滝 左岸のルンゼを登り、傾斜が緩んだ所でトラバース。支尾根から懸垂無しで下降出来た。
ロータリーピナクルを奥に臨む、2段15m滝。
ここから一段左側に上がってから、落ち口へトラバース。滑りとの戦い。
2023年10月18日 12:29撮影 by  iPhone SE (3rd generation), Apple
1
10/18 12:29
ロータリーピナクルを奥に臨む、2段15m滝。
ここから一段左側に上がってから、落ち口へトラバース。滑りとの戦い。
大滝。左壁容易。落ち口ナメがスタンス無く悪い。クラックに恵まれ、登攀が楽しめる滝。
2023年10月18日 14:15撮影 by  iPhone SE (3rd generation), Apple
10/18 14:15
大滝。左壁容易。落ち口ナメがスタンス無く悪い。クラックに恵まれ、登攀が楽しめる滝。
15mカンテの滝。技術的核心。カンテ左凹角より。スタンス無く、ハーケンにスリングアブミ数回でしのぐ、フリクション皆無。
落ち口にトラバースを試みるも無理で、尾根まで追い上げられる。
2023年10月18日 15:52撮影 by  iPhone SE (3rd generation), Apple
1
10/18 15:52
15mカンテの滝。技術的核心。カンテ左凹角より。スタンス無く、ハーケンにスリングアブミ数回でしのぐ、フリクション皆無。
落ち口にトラバースを試みるも無理で、尾根まで追い上げられる。
奥壁ルンゼを臨む。
登ったルンゼは、沢から正面に見えていた右ルンゼ(Aルンゼ)。写真では、三角形の影になっているスラブが見える。
2023年10月19日 07:59撮影 by  iPhone SE (3rd generation), Apple
10/19 7:59
奥壁ルンゼを臨む。
登ったルンゼは、沢から正面に見えていた右ルンゼ(Aルンゼ)。写真では、三角形の影になっているスラブが見える。
2023年10月19日 08:21撮影 by  iPhone SE (3rd generation), Apple
10/19 8:21
巨大な雪渓をくぐる。
そこかしこで崩壊音が響いている。
時期や寡雪の影響で、雪渓はかなり後退していた。
時期が早ければ、奥壁下部の垂直部が埋まり、中腹部の傾斜が緩むパートに直接取り付ける可能性がある。
今回は逆に雪渓末端のシュルンドはなく、楽に岩に乗り移れた。
2023年10月19日 08:22撮影 by  iPhone SE (3rd generation), Apple
10/19 8:22
巨大な雪渓をくぐる。
そこかしこで崩壊音が響いている。
時期や寡雪の影響で、雪渓はかなり後退していた。
時期が早ければ、奥壁下部の垂直部が埋まり、中腹部の傾斜が緩むパートに直接取り付ける可能性がある。
今回は逆に雪渓末端のシュルンドはなく、楽に岩に乗り移れた。
傾斜がやや落ちた所の階段状?のルンゼ。
まだまだ落ちられない傾斜があり、滑りもある為、油断出来ない。
景色を見る余裕が出来て、完登の希望が見える。
2023年10月19日 12:07撮影 by  iPhone SE (3rd generation), Apple
10/19 12:07
傾斜がやや落ちた所の階段状?のルンゼ。
まだまだ落ちられない傾斜があり、滑りもある為、油断出来ない。
景色を見る余裕が出来て、完登の希望が見える。

感想

佐梨川の最奥に向かって見ると、クライミングで有名な金山沢奥壁と正面尾根を挟んで並び立っているのが雪山沢だ。
金山沢と同等の傾斜を持ち、挑戦すべき課題として、申し分ないロケーションを持ちながら、何故だか記録が少ない、もったいない沢だ。
過去の記録では、ルンゼを直上出来たパーティーは何故か見当たらず、今回はルンゼの完登も目的の一つだった。
最初から最後まで、越後の難渓らしい気の抜けない沢で、核心部以外もやや悪い所が続く、内容の濃い銘渓だった。
登山大系では、階段状のルンゼ等、雪山沢の記述に関しては全体的にやや甘めの表現が見られ、実際の難度と乖離があった。これで惑わされるのも雪山沢の不遇に繋がっているのだろうか。

沢全体を通して、技術的な核心ポイントは奥壁では無く、雪渓手前の4カ所の滝にある。
1.金山沢出合から直ぐの、三階の滝。
2.ロータリーピナクル手前の2段15m滝。
3.40m大滝。
4.大滝直後のカンテを有する15m滝。

一番の核心は4.の15mカンテ滝で、スタンスが無く、ハーケンを打ってスリングアブミを設置する人工登攀を強いられた。
登山大系での記述から、そのまま落ち口にトラバースを試みたが、フリクションに乏しくそのままピナクルの尾根まで追い上げられる。
フォローは日没による時間切れで、ユマーリング。
暗い中滝壺に下降するよりはマシと、尾根上でビバークを覚悟するが、奇跡的に尾根上に二人寝るのに十分な藪の薄い平坦地があった。更に奇跡があり、少し奥にルンゼが発見され、飲み水も確保出来た。


翌日、沢に懸垂で下降。簡単な滝を越えると雪渓のあるカール状台地。
巨大な雪渓が奥に控えるが、トンネルをくぐる事で通過出来た。
奥壁への取りつきもシュルンドが無くスムーズに乗り移りができた。

奥壁は、地形図上で左、中央、右の3つのルンゼに分かれている。今回は、沢から正面に見え、最も顕著に思えた右ルンゼを目指した。

奥壁は、最下部の傾斜が強く、これを越えると傾斜が落ち着く。特に上部のスラブ帯は、登山大系で階段状と表現された所のようだ。そして最上部に再び傾斜を増し尾根に突きあげる。

最下部、直接右ルンゼに取りつく事ができず、左ルンゼ側の緩い場所から廻りこむ。際どいトラバースで右ルンゼに入る。
後は階段スラブかと油断したが、傾斜が思いの外強く、ワンポイントの積もりで出したロープを、ロープ一杯まで引いて登る羽目に。しかも油断からスリングの受け渡しを忘れ、盛大にロープスタックさせてしまった。
最上部は草付きから尾根上のコルへ。フリーで登る積もりが、やはりロープを出す必要があった。垂直の木登りをこなし、池の塔尾根へ出る。

下山は池の塔尾根を手別山まで下降し、東側の
支尾根を佐梨川本流まで下降。
藪は濃くはないが、所により傾斜が強かったり、ルート取りが分かり辛かったりして、楽ではない。
手別山からの下降で尾根を外さないように進んでいたところ、岩壁につき当たり懸垂で下降した。
後はどちらに降りても問題は無いと思い直し、細いルンゼに下降路をとった所、スムーズに佐梨川本流に出る事が出来た。

最後まで、越後の洗礼を浴びる手応えのある渓で、全力を出しきった山行だった。

B.C.C S石、M田



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コメント

記録拝見して驚きました。
雪山沢は自分も数年前から狙っていて、何なら今週末も計画していましたが、天気に恵まれず流れてしまったばかりでした。
まさか遡行する方が現れるとは…。
登攀の内容も含め、素晴らしい記録ですね!完登おめでとうございます!
2023/10/22 16:47
いいねいいね
1
yamakurumiさん
コメントありがとうございます。嗜好が近いようで、時々記録拝見しております。
9月後半、黒又沢の奥に行こうと計画しており、悪天により転進した後で、yamakurumiさんの荒山沢の記録を拝見し、大変羨ましく思っていたところでした。
2023/10/22 19:38
sawanekkoさん
返信ありがとうございます。
羨ましい気持ちはお互い様でしたね。笑
来年も越後で良い沢やりたいですね。
2023/10/23 12:32
プロフィール画像
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