那須朝日岳 東南ルンゼ(くの字沢) 朝日岳へ最短コースのバリエーションルート
- GPS
- 03:59
- 距離
- 4.5km
- 登り
- 703m
- 下り
- 704m
コースタイム
- 山行
- 3:00
- 休憩
- 0:52
- 合計
- 3:52
天候 | 曇りのちガス |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
アプローチは一般ルートですが、明礬沢への下降から朝日岳まではバリエーションルートとなります。明礬沢は雪面下で水流が有ります。踏み抜き、転落に注意が必要です。ルンゼ内の斜度は雪山経験者なら問題なく行動できるレベルだと思いますが、落石が有るのでヘルメットを着用しましょう。朝日岳山頂直下で東南稜に合流するので卦蘢度の岩場が有ります。メンバーによっては確保が必要です。 |
写真
感想
那須朝日岳東南ルンゼはくの字沢と呼ばれています。残雪期に峠の茶屋から見る朝日岳、真ん中にくっきりと雪渓が繋がり以前から気になっていました。ルンゼという地形から雪崩を警戒して厳冬期の新雪がある内は控え、残雪期で雪が重くなるタイミングを待って登ることにしました。
峠の茶屋駐車場に駐車し、一般ルートを歩きます。標高1520m辺りで明礬沢へ向かって登山道を外れるのが本来のルートですが、いつもの癖でそのまま歩き続け、朝日岳東南稜への下降ポイントまで来てしまいました。明礬沢を下ったことは無いのでこれも良い機会かと思い「こんな所に高山植物が?」の看板の所で準備をします。
ハーネスにガチャを付けヘルメットを被ると気が引き締まります。雪渓を辿り明礬沢へ下降し、沢沿いをくの字沢の出合に向かいます。いくつか砂防ダムを越えますが、壁沿いで雪が切れている所は落ちないように注意です。また、雪の下からは水流の音が聞こえてきます。この時期雪溶け水で水量は多いと思うので、踏み抜いて飲み込まれる危険が有ります。一番確実なのはコンテですが、単独なので雪のしっかりした所を選んで歩きます。
暫く歩くとくの字沢の取り付きに到着します。ここからルンゼ内を登って行きます。今日の天気は曇りですが薄く青空も見える位で暑いです。アウターは今シーズン導入したファイントラックのニュウモラップですがベンチレーター全開です。
くの字沢下部の斜度は緩く、残雪は潜ってもくるぶし程度で大きく踏み抜くことは有りません。登り始めて直ぐの滝は雪が切れており、雪のつながっている右岸側から越えました。ここは雪の残り具合によってはシュルントになる危険がありそうです。
ゴルジュっぽい丸い大岩の左を抜け、暫く登るとくの字沢上部が見えてきます。上部はゴジラの背のような岩と雪の景色で、以前東南稜を登った時に上から覗いたくの字沢の印象よりも良い景色で気分が盛り上がります。
雪面にはこぶし位の大きさの落石が転がっており、それなりに落石も有るようです。ヘルメットは大事です。ゴジラの背の右側を登って行くと徐々に斜度が急になってきます。登っている内にいつの間にか南風になり、ガスが出てきました。寒くなってきたのでニュウモラップのベンチレーターを閉じ、メットの下にフードを被ります。
ガスを透かしてその先を見るとブッシュに閉ざされた部分が有り、一箇所だけ雪がつながっています。その部分からブッシュを抜けた先に朝日岳の山頂がガスの中にうっすらと見えます。最後の雪の斜面は結構な急斜面で、メンバーによっては確保した方が良いかもしれません。急斜面を越えると朝日岳の山頂直下で東南稜に合流します。
山頂直下を左にトラバースしてルンゼ状の岩場に至ります。卦蘢度なのでメンバーによっては確保が必要です。
朝日岳山頂はガスで展望が全くありません。とりあえずコーヒーで一服します。朝日岳から一般ルートで下山するつもりでしたが、景色が全く見えない上に足元はドロドロで急速にやる気がダウン。という訳でくの字沢を降りることにしました。
山頂直下のルンゼ状岩場を15m懸垂下降します。手頃な岩が有り手抜きで直接ロープを掛けましたが回収する時に流れが悪く、しかも結構な土汚れが付いたので手抜きせず捨て縄を掛けるべきでした。岩に捨て縄を掛ける場合、結んで180cm位の物を解いて結び直す事になると思います。ソウンスリングの場合は岩の根元まで綺麗に掛かるか微妙なサイズでした。
そこから直ぐの雪の急斜面は、前向きでは厳しい斜度なので雪面に正対して下ります。ブッシュを抜けた先でアイゼンを外し、グリセードを交えながらスピード下山でした。下りでは明礬沢から直接峠の茶屋駐車場まで歩いたので、本来のルートログになったと思います。下山しても昼前。往復330kmが勿体無いので鹿の湯に寄って観光して帰りました。
くの字沢は入門者の練習にはそれなりの登り応えがありますが、経験者には単体ではちょっと物足りないかもしれません。三本槍や隠居倉などと組み合わせるか、東南稜の下山ルートとして選択肢に入れると良いかもしれません。それと今シーズン仕入れたニュウモラップが残雪期に便利だったのは収穫でした。確かに時期に寄っては着たままで居られて良い感じです。
コメント
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那須朝日岳東南ルンゼ、また楽しそうな場所に行ってますね〜♪
まさに残雪期ならでは!というルートですね。
町は春ですが、まだまだ雪山が名残惜しいです(笑)
ガチャの中にあるイボイノシシが、さすがという感じですね
イボイノシシに目をつけるpecoさんがむしろ流石です
これ、アイスで氷が薄くスクリューが入らない草付きにも支点取れて便利モノだと思います。
6月〜9月は沢の季節になってくるので、過ぎ行く季節を惜しみつつ5月位までは残雪の2000mクラスを楽しみたいと思います。今シーズンは自分の技量で可能なバリエーションは殆ど登ったので、今年の無積雪期はアルプスを下見して来シーズンの冬期に備えたいと思います。
朝日岳の面白そうなバリエーションルートのレコをありがとうございます。
「岩と雪の眺めが良い感じです」の写真が力強くて素敵ですね。
はじめまして!コメントありがとうございます
実際に登ってみた感じでは、降雪直後でもない限りは雪崩の可能性は低そうです。
これ単体では物足りないので、来シーズンに機会が有れば東南稜と組み合わせてみたいと思います
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