記録ID: 6127785
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
剱・立山
下ノ廊下&水平歩道(黒部ダム→欅平)【2023秋山シーズンその2】
2023年11月01日(水) ~
2023年11月02日(木)
体力度
10
2~3泊以上が適当
- GPS
- 13:26
- 距離
- 33.4km
- 登り
- 6,493m
- 下り
- 7,363m
コースタイム
1日目
- 山行
- 7:36
- 休憩
- 0:27
- 合計
- 8:03
2日目
- 山行
- 5:12
- 休憩
- 0:08
- 合計
- 5:20
・初日のランチ休憩は新越沢〜別山谷の間の河原で(ログ上は記録なし)。コースタイムが長いので、前夜にホテルでパテサンドを作って現地での調理を無しにしました。
・レベル不足な方(番線にしがみついてへっぴり腰、フィックスロープに難儀etc.)がけっこういますが、コースがコースなだけに無理な追い越しできないので、前が詰まって時間がかかる、ということが起こりうるので余裕を持った行動を
・11:46欅平発に乗るには遅くても6:00には阿曽原温泉小屋を出発した方がいいです。
・レベル不足な方(番線にしがみついてへっぴり腰、フィックスロープに難儀etc.)がけっこういますが、コースがコースなだけに無理な追い越しできないので、前が詰まって時間がかかる、ということが起こりうるので余裕を持った行動を
・11:46欅平発に乗るには遅くても6:00には阿曽原温泉小屋を出発した方がいいです。
天候 | 1日目(11/1): ・雲一つない快晴☀おかげで黒部峡谷の紅葉を存分に楽しめました ・とはいえ11月初旬かつ峡谷の谷あいの登山道なので、15:00を過ぎると日の当たる範囲が狭まるので暗くなります。早めの行動が基本です ・昼間はそこまで気温が低くなかったおかげでベースレイヤーにソフトシェル×ハードシェルのレイヤリングでちょうどいいか少し暑いくらいでした。人によってはフリースがちょうどいいかもしれません ・朝晩は冷え込む上、山小屋はそこまで断熱性に優れているわけではないので、山小屋で着るダウンetc.の防寒着はMUSTでした 2日目(11/2): ・朝は少し曇り空でしたが、段々晴れてきて欅平に着くころには11月にしては暑いくらいの気温でした ・折尾谷の滝裏や志合谷のトンネルは冷える&天井から水滴が落ちてくるので、レインウェアorハードシェルの着用はMUSTです※トンネル前後の登山道は狭いので、基本着たままでコース全般歩くことになるかと |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス 自家用車
前泊地まで: 自宅〜(中央道・長野道)〜安曇野IC〜(県道310号・安曇野わさび街道・北アルプスパノラマロード・国道147号)〜信濃大町(前泊) 登山口まで: 信濃大町〜(国道147号・大町アルペンライン)〜扇沢駅(車預け入れ)〜(関電トンネル電気バス)〜黒部ダム駅(入山) 復路: 宇奈月まで: 欅平駅(下山)〜(黒部峡谷鉄道)〜宇奈月駅(車受け取り) 後泊地まで: 宇奈月〜(黒部宇奈月線)〜黒部IC〜(北陸道)〜富山IC〜富山市内(後泊) ※自宅までは翌日北陸道・上信越道・関越道経由で帰宅 駐車場: 宇奈月駅前駐車場 ¥1,500(1泊2日)/¥1,000(1日) ※350台収容可能なので繁忙期でも停められないことはないかと ※料金は入場時に先払い ※黒部峡谷鉄道の駅舎前なので分かりやすいですが、とにかく広いので端の方だと駅まで時間かかるかも マイカー回送: アルペンキャリーサービス ¥20,000(扇沢→宇奈月) ※毎年お世話になってます^^ ※受付は扇沢駅の有料駐車場から一段下がったエリアですので、預け入れしてから駅まで近いのがメリット(会社によっては大町温泉郷で預け入れになります) ※料金は先払い。扇沢の場合はその場でキーを預けます ※宇奈月駅前駐車場代は別途かかります(料金と一緒に支払い) ※何社か比較してもここが一番安いですし、かれこれ3年連続で利用しているので安心できます 立山黒部アルペンルート: 扇沢→黒部ダム(関電トンネル電気バス) ¥1,800/人(片道) ※10日前くらいからWeb予約可能で、時間指定も出来ます ※扇沢駅で15min前までに紙のチケットを発券必要なので要注意(スマホ画面では乗れません) ※さすがに11月だと始発(7:30)の予約も簡単に取れました 黒部峡谷鉄道: 欅平→宇奈月 ¥1,980/人(片道)※2024年から値上げ予定 ※欅平→宇奈月の片道はWeb含めて一切予約不可なので、欅平駅でのチケット購入時に一緒に時間指定整理券を発行してもらいます ※紅葉の時期は鐘釣駅往復のツアー客で大混雑するらしいので、欅平11:46発に乗れるように出発した方がいいと阿曽原温泉で言われます(平日も) ※11/2については11:46、12:28あたりは余裕がありましたが、それ以降は満席が続いていたので、やはり昼までには着かないと遅くなったようです ※時間帯によっては窓付きリラックス車両(+¥530)が付いてますが、11:46発にはついていません^^; ※トロッコ車両は屋根はありますが左右はフルオープンなので、結構寒いです。防寒着を着て乗った方がいいかと |
コース状況/ 危険箇所等 |
※すべて2023年11月の情報です。毎年状況は変わるので下ノ廊下・水平歩道の状況は参考程度で 黒部ダム〜内蔵助谷出合: ・黒部ダム駅でバスを降りたら黒部ダム方向ではなく「日電歩道・内蔵助谷」の標識に従ってまっすぐ進みます ・建物を出る前にトイレ・洗面所があります。ここから先は阿曽原温泉小屋まで無いのでここで済ませましょう(仙人谷ダムにトイレはありません) ・ダム下まで一気に標高差200m弱下ります。そこまで急登ではありませんが、11月の朝だと下の影響で少し滑りやすいので注意しながら下ります ・ダム下から内蔵助谷出合までは普通の登山道なので紅葉とまだ穏やかな黒部川を眺めながらの気持ちのいいトレッキングです 内蔵助谷出合〜別山谷出合〜十字峡(下ノ廊下その1): ・ハシゴ谷乗越方面への分岐を過ぎるとだんだん高度感を増していきますが、道幅もそれなりにあって、番線はほぼすべてに張ってあるので、予想より怖くないです ・有名?な白竜峡の高巻きですが、確かに見た目は圧巻の垂直ハシゴの上り下りをしないといけないので圧倒されますが、丸太ハシゴはしっかりしているので槍の穂先の垂直ハシゴに登ったことがあればそこまで難易度はありません。梯子を登り切った先の高度感はかなりあります ・確かに登山道は狭いところもあるのですが、番線はしっかりしているし丸太の橋も安定しているので(高度感を除けば)難易度はそこまで無い筈なんですが、へっぴり腰でおっかなびっくり歩いていたり、フィックスロープでの登りに難儀していたり、と明らかにココに来るにはレベル不足な登山者がちらほら。。。中級者ルートではないので、もう少し北アルプスの上級者コースで経験積んでから来られた方がいい気がします ・十字峡手前にある登山道上の滝横断ポイントは、幸運なことに水量がほとんどなかったので濡れずに通過できました ・十字峡の吊橋は踏み出した一歩目に結構揺れます。高さがあるので高所恐怖症の方は下を見ずに前だけ見て歩きましょう^^ 十字峡〜東谷吊橋〜仙人谷ダム(下ノ廊下その2): ・十字峡を過ぎるとしばらくは道幅もそれなりにあって歩きやすいですが、黒四発電所に向けてだんだん狭くなってくるので、番線を頼りに歩くことになりますが、頼り過ぎずに足元はしっかり確認しながら歩くことが重要かなと ・必要な箇所の丸太橋はしっかりしていますし、慎重に行けば(危険がないことはないが)難易度はありません ・半月峡・S字峡の眺めは素晴らしいですが、高度感がすごいので高所恐怖症の方はあまり下を見ない方がいいです ・東谷吊橋は十字峡の吊橋と比べると長いですが、揺れは少なく安定しています。橋を渡りきったところに座るのにちょうどいい岩がいくつかあるので休憩ポイントでした ・吊橋のあと仙人谷ダムまでは工事現場のそばを通ります。時間帯によっては工事関係者の車が通行するので前後に注意が必要です 仙人谷ダム〜阿曽原峠〜阿曽原温泉小屋: ・2023年11月当時は仙人谷ダムの築堤に上り下りする階段がペンキ塗りたてだったため、歩行箇所が指定されていました。塗りたて注意^^ ・ダムの施設内を通り過ぎて上部軌道(来年からのキャニオンルートの一部)の仙人谷駅を横切って関電人見平宿舎のそばに出ます。施設から出る際にクマ・サル侵入防止の柵がありますので、出たら必ず閉めましょう ・人見平宿舎の脇から阿曽原峠に向けて120mほどの急登ですが、危なそうな箇所にはフィックスロープも設置してあり、北アルプスではよくある急登かなと ・権現峠を過ぎて一か所トンネルがありますのでヘッデンはMUSTです ・阿曽原温泉小屋に向けての下りは急ですが、道よく整備されているので特に危険はありませんでした 阿曽原温泉小屋〜折尾ノ大滝(水平歩道その1): ・阿曽原のテント場から水平歩道の始点まで標高差120mを急登しますが、渓谷側が切れ落ちているわけではなく、いたって普通の登山道なので、危険個所はありません ・小屋でも注意がありましたが、水平歩道は下ノ廊下に比べると登山道上に落ち葉が積もっているため、渓谷側の崖との境目が分かりにくいです。基本は番線を持って岸壁側を歩けば問題ありませんが、慎重に歩く必要があります ・折尾ノ大滝の後に堤防内のトンネルをくぐりますが、一部水が溜まっているのと、天井からも水滴が落ちてくるのでレインウェアはMUSTです 折尾ノ大滝〜大太鼓〜志合谷〜水平歩道始終点(水平歩道その2): ・折尾ノ大滝までに比べると少し道幅が狭くなりますが、慎重に行けば難儀するほどではありません ・最大のポイント、大太鼓ですが予想していたより道幅もあり、番線もしっかりしているので(下を見なければ)そこまで怖くはありません。黒部峡谷を向かんで反対側にある奥鐘山の紅葉が絶景でした ・志合谷のトンネルはヘッデン&レインウェアMUST。足元はかなり水が溜まっているのでハイカット登山靴(+ゲイター)がベスト。ミドルカットでもゲイターやレインウェアのズボンで何とかなるかも、というレベルでした ・トンネル両端の出入り口付近は広くないので、レインウェアやゲイターの着脱をここでするのはNG。阿曽原温泉(欅平)を出発する時から着用しましょう ・志合谷のトンネルを過ぎた後も2,3か所短いですがトンネルがあります。ヘッデンもずっとヘルメットに付けたままがいいかと ・意外と鉄塔が見えてからが長かった気がします。鉄塔を4つほど通り過ぎないと水平歩道は終わりません。この辺りが一番気が抜けるので要注意でした ・阿曽原温泉→欅平方向に歩いてきたせいか、水平歩道始終点の標識を見落としたのでいつの間にか水平歩道が終わってました^^; 水平歩道始終点〜欅平駅: ・標高差約300mを一気に下ります ・水平歩道始終点からパノラマ展望台への分岐までは荒れた岩場の下りで難易度はありませんが段差が大きかったりで少し難儀しました ・パノラマ展望台との分岐の鉄塔を過ぎると一気に登山道の状態が良くなります。九十九折にしっかりした階段・ハシゴが設置されているので、慎重に下れば特に問題はありません 総評: レコードやTwitterで人見平寮から阿曽原峠への登りや水平歩道始終点から欅平の急登がキツイ、という感想を散見しますが、総じて北アルプスの上級者ルート(大キレット、東鎌尾根、読売新道etc.)に行ったことがある方ならそこまでのレベルではないかと。どちらかというと下ノ廊下・水平歩道に来るレベルではない登山者が無理して来るからでは?というのが率直な感想でした |
その他周辺情報 | すべて2023年11月時点の情報です(2024年は変更あるかも) 前泊: ルートイン信濃大町駅前 ※去年の赤牛岳〜水晶岳縦走時以来の前泊です ※チェックイン時間が24:00まで&大浴場がAM2:00までやっているので仕事後に出発しても大丈夫です ※ホテルの裏に駐車場(91台収容)あり、無料です。 ※朝食はAM6:30〜なので、扇沢始発の乗る場合は食べられないかも 山小屋(11/1-2): 阿曽原温泉小屋 ¥12,500(1泊夕食+弁当)/¥11,500(1泊夕食) ※2023年は電話予約のみ(電話受けられる時間は指定時間のみ)。予約時には食事の有無は聞かれません ※山小屋に着いて受付時に食事をどうするか聞かれます。欅平に向かう場合は紅葉の時期は昼以降黒部峡谷鉄道が混雑するので、早出(朝食なしor弁当)を推奨されます ※寝室は12畳の相部屋×4に最大12名収容。11/1は41名だったので一部屋10名程度で少し余裕がありました ※夕食は18:00〜/18:30の2回転。受付時に指定されます。2回とも30min限定カレー食べ放題🍛この日は途中でご飯がなくなり売り切れました^^; ※温泉は小屋からテン場経由で10〜15minほど急な山道を下ります。小屋のサンダルでも行けなくはないですが、登山靴で行くことをお勧めします ※入浴時間は1Hおきに男女交代。11/1は15:30〜16:30:女性/16:30〜17:30:男性/17:30〜18:30:女性、と言った感じ。20:00以降は混浴(水着着用可)ですが、白馬鑓温泉以上に明かりが一切ないので、ヘッデンあっても危険かも ※早出用に夕食後にお茶・お湯、冷め茶を用意してくれますので、翌朝の弁当や(自分で用意した)朝食を食べるときにありがたいです。この日は朝も魔法瓶のお湯・お茶を置いてくれていました(毎日そうなのかは微妙) ※電気は点いていませんが、食堂は開放してくれていますので、弁当はそこで食べることが出来ます 後泊: 富山マンテンホテル ※夏の五色ヶ原〜薬師岳縦走に引き続いて下山後の後泊で利用 ※最上階に大浴場(人口ラジウム泉)があるので、下山後に立ち寄り湯に行かずにホテルに直行しました♨ ※早く行くと敷地内駐車場に停められますが、立駐が5ナンバー限定!?なので注意。平面が空いていない場合は路面電車で2駅富山駅寄りのボウリング場駐車場を案内されます |
写真
撮影機器:
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
ゲイター
着替え
靴
ザック
ザックカバー
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
ハイドレーション
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ストック
ナイフ
カメラ
ヘルメット
|
---|---|
備考 | トンネルをくぐることが多い&阿曽原の温泉まで夕方以降は灯りないので暗い&翌朝早朝出発だと薄暗いので、ヘッデン使うことが多いです。予備電池は多めに持って行った方がいいかも |
感想
・不帰ノ嶮の帰りに猿倉から八方まで乗ったタクシーの運ちゃんに「下ノ廊下行かないの?これからシーズンだよ」と言われなければ気付きもしなかった下ノ廊下トレッキング。まだまだ先かと思っていたコースに今年行けるとは思っていませんでした
・これでも高所恐怖症なので、大太鼓とか絶対無理!と思っていましたが、三大キレットも早月尾根も槍の穂先も問題なく登れてる辺り場数踏んだ経験のおかげで思っていたほど高度に恐怖は感じませんでした。。。まぁ、番線がしっかりしていたおかげでもありますが
・ちょっとココ来るには経験不足な方が結構いた気がします。紅葉がきれいなので行きたい気持ちは分かりますが、レベルに合わせた登山コース選びをするべきかと
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