岩ヶ峰から釈迦ヶ岳最高点・三池岳周回(鈴鹿)
- GPS
- 05:59
- 距離
- 10.1km
- 登り
- 927m
- 下り
- 897m
コースタイム
- 山行
- 5:17
- 休憩
- 1:14
- 合計
- 6:31
天候 | 晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
ルートから外れやすい箇所あり |
その他周辺情報 | 湯の山温泉 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
昼ご飯
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
GPS
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
カメラ
シュリンゲ
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感想
今週は日曜日に兵庫県多可町の竜ヶ岳に登ったので、それから中3日あけての山行となる。いつも通り週末の山行も可能ながら、土曜日には現在より10℃も気温が下がる予想になっているので、温かいうちに登っておきたいという気持ちが働いた結果である。もっとも、この日の天気に不安要因がないわけではない。発達中の低気圧が日本海を通過中であり、北寄りの山だと雲が多くなる。そして、南からの風が時間と共に強まる予想で、”てんくら”では軒並み午後には「C」が点灯しているからだ。当初、久々に宍粟の山を考えていたが、比較的天気状況がよいはずの東海に方針変更となった。鈴鹿の中でも眺めが優れるとされる釈迦ヶ岳に行ってみることにする。鈴鹿の山には、名古屋圏の岳人がたくさんやってくるし、我々のように関西圏からの登山者も多いので、休みの日は駐車スペースの確保が心配である。今回は紅葉のシーズンは過ぎているから、何とかなるだろう、と、やや楽観視してやってきた。コース的にも八風キャンプ場側から三池岳と結んで周回するので、朝明ほどにはこまないはずだ。今日の第1目標はあくまで「釈迦ヶ岳」。風の弱い午前中に釈迦ヶ岳を踏むことを考え、最短の岩ヶ峰ルートから登ることにする。このルートはその名の通り岩がちの道らしいので、登りに使ったほうが賢明だろうということもある。そこから北に三池岳に向かう予定であるが、途中、風が強まってくるなら、適宜、下山しよう。その場合は谷筋を選べば、風を避けることができよう。今日は雨は降らないはずであり、増水の心配はない。
登山口の道路脇スペースに着くと、数台の車がとまっていたが、スペースはまだ半分程度しか埋まっておらず、読み通りの展開である。準備を整え、駐車地すぐ横の林道に入る。岩ヶ峰ルートの起点であることを知らせる道標などは全くないのは意外であった。沢沿いの林道を少し入った所から左に入る小道を辿るが、この入り口にも道標はなく、ちょっとデコレートされたケルンが立つのみ。小道に入ると岩の表面に赤ペンキで「釈迦ヶ岳→」の文字が書かれているが、林道上からは目に入らないだろう。
小道を入って沢を渡渉の後、右岸の斜面を登っていく。足元は鈴鹿南部を代表する花崗岩地であり、石英と長石の白い土壌となっていて明るい雰囲気である。もう終わっていると思っていた紅葉も、この辺りにはまだ残り、彩を添えている。すぐに大岩が出現し、その合間を縫い、あるいはその上を越えながら進む。高度が着実に上がっていくことを実感できるのが、岩がちな尾根のよさであろう。右手にはこれから向かう釈迦ヶ岳から三池岳の稜線が一望され、さらに遠くにはどっしりとなだらかな山、藤原岳であろうか。北山の三角点を過ぎて白いザレ地を通過する辺りからは、段木のざれたコブがのぞまれる。続いて鞍部に下ってせりあがる岩ヶ峰の登りとなる。目の前に切り立った大岩壁が現れ、これはどう越すのかと思案する間もなく道は木の根岩角を頼って上へ上へと我々を導いていく。結局、岸壁の右のエッジをまっすぐに登っていくことになる。この辺りから右を眺めると、白っぽい大岩が天を突くように立っているのがわかる。ああ、あれが鏡岩だな。どこかにあの岩に向かう側路がある筈だが、と注意を払って進むが結局見つけられず、今後の課題となる。
岩をかわした上はなだらかな地形となり、岩ヶ峰の山名板のつけられた地点となる。ここが岩ヶ峰の山頂らしい。その先、鞍部を越えて再び急登が続く。これをこなせは主稜線とばかり、気合が入って行程は捗る。最後は急な湿ったザレにロープが垂れていて、asakinuはこれをつかんで登ったものの、登りながらばかげた登りと思うのだった。kinuasaには右(登り手にとって)の林下を上がることを勧めた。主稜線に出てみれば、左の岩場をまっすぐに抜けるのが最もスマートだったな、と感じた次第。
この主稜線合流点に立つと、びゅうびゅうと風が吹いていて寒い。着込んで今来た尾根を見下ろせば、先ほどの岩ヶ峰が随分下にある。一気に登ってきたことが実感される。
ここからは主稜線上のプロムナード。わずかな距離を行けばもう釈迦ヶ岳の三角点であった。さすがに多くのハイカーが行き来している。道標は「釈迦ヶ岳最高点→」となっていて、さらに先に向かうことを促している。それに従って進むと、なだらかな山頂部の各所で多くのパーティーが想いのままに休憩をとっている。我々も風のない陽だまりに陣取って昼食とする。
のんびりしていたい気分を振り払って、まずは最高点へ。ここからの眺めもよい。白く霞んで見えないが、伊勢湾がみえたら感動的だろう。まだ先は長い。踵を返して三池岳を目指す。この稜線からは西に琵琶湖も遠望されるというが、今日はそこまではのぞめない。終始視界の開けた明るい稜線を進む。進むにつれて高度は下がって、先ほど踏んだ釈迦ヶ岳の山頂はもうずいぶん高い位置に浮かんでいる。この付近、鈴北岳辺りに似た苔に覆われた尾根筋となる。右手に見える段木のザレた頭がどんどん近づいて、やがて後方に消える。左手に池をみてさらに進めば、北仙香岳の分岐となり、三池岳がどんどん迫ってくる。八風峠に降り立つと赤い鳥居の奥に神の宿る風穴がある。風は強まってきたが、まだ不安なレベルではない。三池岳は目と鼻の先。行かぬ手はない。鞍部に下ってザレ地を登ると、「三池岳」の石柱の立つピークに達する。道標は「点名御菊池→」となっている。隣のピークに行って三角点を確認した。尾根コースはこのまままっすぐだが、我々は八風峠に戻り、そこから由緒正しき八風峠道を下ることとする。この道、織田信長も通ったという歴史の道。古い道は無理なく登下降できるように上手に作られている。期待通り、全く風はない。斜面一面にイワウチワ・イワカガミが群落をつくっている。春には見事であろう。
稜線ルートとは打って変わってこの谷道を行く人はいない。静かな古道をどんどん下って谷に降りると中峠からの道を合する。ここからは、沢の氾濫の影響を受けるため道は荒れる。何度かの渡渉の後、林道跡に出る。しばらくこれを辿るが、途中で左手にテープがいくつも巻きつけられた側路がある。これに入る。林道はこの下で水流によって削りとられているので、ここでテープに従うべきである(無視して少し林道を下って戻った我々の証言)。やがて林道はしっかりとしたものに代わり、奥の駐車場が見えてくる。そこは尾根コースと八風峠道との分岐点でもある。
ここから車道を下って駐車地点に戻って来た。もう、我々の車しかそこにはなかった。11月も終わろうというのに、秋の山路を存分に堪能した今日一日、鈴鹿の山々の良さを十分に味わった山行を充足感をもって終えたのであった。
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