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Yamareco

記録ID: 6232
全員に公開
沢登り
丹沢

神ノ川/伊勢沢(大滝モ攀ジル)

2012年10月27日(土) [日帰り]
 - 拍手
GPS
--:--
距離
10.2km
登り
1,072m
下り
1,073m

コースタイム

6:54神ノ川林道ゲート-7:30神ノ川・7:53伊勢沢出合-8:00F1-9:10四ノ沢出合-9:43大滝-10:20大滝登攀開始-11:30・2ピッチ終了-12:30・990m二俣-13:00・1,100m二俣13:15-14:00稜線-14:10姫次14:40-15:30風巻ノ頭15:44-16:30神ノ川林道ゲート
天候 曇り時々晴れ(朝のうち雨)
過去天気図(気象庁) 2012年10月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
駐車:神ノ川林道突き当たりの日陰沢橋先のゲート手前の路肩
コース状況/
危険箇所等
温泉:いやしの湯 3時間600円。お湯はぬるめでゆっくり入れる。
食事は野猿街道沿いの蕎麦屋「車屋」鴨南蛮1,980円也

<ルート>
‘陰沢〜下降地点
・ほぼアスファルトの林道

下降路〜伊勢沢出合
・道路が大きく右にカーブする箇所の中間点辺りの1m程度の
岩が下降地点の目印。岩に隠れる格好で白いポールが立っている。
トポにあった黄色のペンキ「イセサワ」は見つけられず。
・下降路は踏跡明瞭で迷う余地なし。
・入渓時、神ノ川本流を徒渉する。水量によって状況は異なる
と思うが、当日はくるぶし程度

0棒沢
F1は左から。上段は左から残置ロープが邪魔だが、ないと結構
難しいと思う。

次の10mは左から。ホールドがやや細かくヌメルが、見かけよりは
簡単。

その後は小滝を交えつつもやや歩きが長い。三ノ沢上部に魅力的な
滝が見える。

四ノ沢を越えると小粒ながらナメが続き渓相グッド。
但し部分的に倒木も多い

大滝前衛の滝は右から。下段を登ると無駄にデカイ鎖がある。
この沢、なぜか残置ロープや鎖、ワイヤーが至る所にある。
正直邪魔だ。特にワイヤーは滝以外にも終始張ってあり、
歩行時の支障にもなる。

大滝は左の凹角から取り付くのが自然。その後はすぐにリッジに
出るか、凹角を詰めるか。凹角を詰めると最後にリッジに出るのと
灌木帯に突っ込むルートが考えられるが、最後にリッジに出ようと
すると、斜度が強くなるのと水の落ち口でもあるので結構難しそう。
落ち口を目指すなら下部又は中間部でリッジに出たいところ。

大滝以降も小滝が連続し飽きさせない。

が、990mの二俣を過ぎると暫くして伏流になり、冗長な河原歩きと
なりシンドイ。

1,160m二俣手前から水流が復活する。右俣に入ると水も多い。

右俣最初の5mスダレ状の滝は直登は難しい。左から落ち口に巻く。
残りの滝はすべて直登可能。

上部、沢の途中から突然水が湧いてきているのが面白い。
ガブガブ飲んだ。美味しい。

そこから沢を詰め上がるとあっさり稜線に出る。そこから姫次まで
10分程度。

ど閏,ら日陰沢
下山は2時間弱。風巻ノ頭までは地形図の通り小ピーク連続し
結構シンドイ。風巻ノ頭からは下り一辺倒。急下降で膝に来る。
ファイル
非公開 6232.xls
計画書
(更新時刻:2012/10/26 13:58)
予報に反して朝は雨。めっさダウン状態
2012年10月27日 06:54撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
10/27 6:54
予報に反して朝は雨。めっさダウン状態
神ノ川に下降。下降路は楽ちん
2012年10月27日 07:30撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
10/27 7:30
神ノ川に下降。下降路は楽ちん
伊勢沢出合は慎ましやかな佇まい
2012年10月27日 07:53撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
10/27 7:53
伊勢沢出合は慎ましやかな佇まい
入渓後7,8分でF1登場
2012年10月27日 08:01撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
10/27 8:01
入渓後7,8分でF1登場
左壁から。
2012年10月27日 08:04撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
10/27 8:04
左壁から。
F2は10m程度。ここは慎重にロープ出した。
2012年10月27日 08:25撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
10/27 8:25
F2は10m程度。ここは慎重にロープ出した。
沢4回目のショウヘー、余裕です。
2012年10月27日 08:47撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
10/27 8:47
沢4回目のショウヘー、余裕です。
水量豊富な沢です
2012年10月27日 08:58撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
10/27 8:58
水量豊富な沢です
三ノ沢、四ノ沢を見送って、右に大きく蛇行するところ
2012年10月27日 09:12撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
10/27 9:12
三ノ沢、四ノ沢を見送って、右に大きく蛇行するところ
四ノ沢出合から暫くは渓相が美しい。寒くともあくまで水と戯れる。
2012年10月27日 09:16撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
1
10/27 9:16
四ノ沢出合から暫くは渓相が美しい。寒くともあくまで水と戯れる。
釜も多い
2012年10月27日 09:18撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
10/27 9:18
釜も多い
大滝前の2段15m、釜を持って美しい
2012年10月27日 09:28撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
10/27 9:28
大滝前の2段15m、釜を持って美しい
スタンスにやや悩ましいがロープを出すほどではない。上段右壁に鎖設置
2012年10月27日 09:37撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
10/27 9:37
スタンスにやや悩ましいがロープを出すほどではない。上段右壁に鎖設置
抜け口から一筋の光が見え、歓声
2012年10月27日 09:38撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
10/27 9:38
抜け口から一筋の光が見え、歓声
大滝前衛の滝を上から見たところ。水量豊富
2012年10月27日 09:40撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
10/27 9:40
大滝前衛の滝を上から見たところ。水量豊富
前衛滝の上段
2012年10月27日 09:41撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
10/27 9:41
前衛滝の上段
大滝。美しく且つ堂々
2012年10月27日 09:42撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
10/27 9:42
大滝。美しく且つ堂々
伊勢沢大滝の登攀ライン。赤1ピッチ目。青2ピッチ目。核心は1ピッチ目の中間支点ゼロと、2ピッチ目のリッジへのトラバース
2012年10月27日 09:42撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
2
10/27 9:42
伊勢沢大滝の登攀ライン。赤1ピッチ目。青2ピッチ目。核心は1ピッチ目の中間支点ゼロと、2ピッチ目のリッジへのトラバース
しょうへー
2012年10月27日 09:45撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
10/27 9:45
しょうへー
2012年10月27日 09:45撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
10/27 9:45
1ピッチ目途中から凹角を見下ろす
2012年10月27日 10:28撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
10/27 10:28
1ピッチ目途中から凹角を見下ろす
1ピッチ目凹角上部
2012年10月27日 10:28撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
10/27 10:28
1ピッチ目凹角上部
凹角
2012年10月27日 10:36撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
10/27 10:36
凹角
しょうへー登る
2012年10月27日 10:39撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
10/27 10:39
しょうへー登る
余裕ジャン
2012年10月27日 10:44撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
10/27 10:44
余裕ジャン
2ピッチ目。リッジへのトラバースを終えたところ
2012年10月27日 11:05撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
10/27 11:05
2ピッチ目。リッジへのトラバースを終えたところ
リッジを攀じるしょうへー
2012年10月27日 11:27撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
10/27 11:27
リッジを攀じるしょうへー
大滝落ち口の残置確保支点
2012年10月27日 11:40撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
10/27 11:40
大滝落ち口の残置確保支点
大滝上部も990m二俣まで滝が連続する
2012年10月27日 11:56撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
10/27 11:56
大滝上部も990m二俣まで滝が連続する
左俣から1,160mまで単調な歩きでヘトヘト。休憩中
2012年10月27日 13:02撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
10/27 13:02
左俣から1,160mまで単調な歩きでヘトヘト。休憩中
1,160m右俣最初のスダレ状。
2012年10月27日 13:16撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
10/27 13:16
1,160m右俣最初のスダレ状。
さすがに直登はムリ。急な泥付きを左から巻く
2012年10月27日 13:22撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
10/27 13:22
さすがに直登はムリ。急な泥付きを左から巻く
あとは7~8mの滝が2つと小滝が連続。
2012年10月27日 13:28撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
10/27 13:28
あとは7~8mの滝が2つと小滝が連続。
沢納めに相応しい最後まで美しい滝の連続
2012年10月27日 13:32撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
10/27 13:32
沢納めに相応しい最後まで美しい滝の連続
沢とお別れしたくない
2012年10月27日 13:32撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
10/27 13:32
沢とお別れしたくない
水が俺を呼んでいる
2012年10月27日 13:35撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
10/27 13:35
水が俺を呼んでいる
気温は10℃を下回っているが敢えてシャワーを浴びる
2012年10月27日 13:36撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
1
10/27 13:36
気温は10℃を下回っているが敢えてシャワーを浴びる
あくまで水線上を往く
2012年10月27日 13:39撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
10/27 13:39
あくまで水線上を往く
適度な小滝が心地よい
2012年10月27日 13:42撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
10/27 13:42
適度な小滝が心地よい
水勢も衰えず
2012年10月27日 13:48撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
10/27 13:48
水勢も衰えず
雨具の袖口から水が入るのもまた沢登りの醍醐味。気持ち良いじゃないか。
2012年10月27日 13:49撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
10/27 13:49
雨具の袖口から水が入るのもまた沢登りの醍醐味。気持ち良いじゃないか。
このまま終わってしまうのが惜しい。。。
2012年10月27日 13:50撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
10/27 13:50
このまま終わってしまうのが惜しい。。。
最後は紅葉が出迎えてくれた
2012年10月27日 14:01撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
10/27 14:01
最後は紅葉が出迎えてくれた
姫のいない姫次
2012年10月27日 14:39撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
1
10/27 14:39
姫のいない姫次
で、下山
2012年10月27日 16:20撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
10/27 16:20
で、下山
できず。お約束
2012年10月27日 16:30撮影 by  PENTAX Optio WG-1, PENTAX
10/27 16:30
できず。お約束
撮影機器:

感想

2012年の沢納めに裏丹沢の伊勢沢へ。

当初大滝は高巻こうと思っていたが、色々調べているうちに
登攀意欲が高まり、現地判断で登ろうということに。

新人しょうへーが餌食となり、地獄の門を開く。

大滝は残置殆どないとのことで、ハーケン、カム、ナッツと
ギア多めに持参。ロープは60mが推奨との情報があったが、
途中でピッチを切れると判断。手持ちの50mロープとした。

当日発でも大丈夫そうだったが、初のマルチが本チャンとなる
しょうへーと一緒だったこともあり、そのレクチャーを兼ねて
ゲートの駐車場に前泊。飲みながらハーケン、カム、ナッツの
回収方法を伝授。彼、運席席と助手席のリクライニングで寝ると
思ったらしくシュラフ持参していないらしい。

計画書にバッチリ書いてるだろ!と注意し、シュラカバと銀マットを
貸与。寒くなかったかな?次回からは計画書に記載の装備ちゃんと
持ってきましょうね。勝手に思いこまないこと!エククトレイルは
フルフラットです。

朝、起きると、外はナント雨。今日は晴れのつもりだったのに。
大滝も濡れちゃうなぁ。テンションダダ下がり。寒いし行く気
失せる。

が、とりあえず、沢納めだし、新人の手前一応出発。雨も殆んど
止んだ様子。

林道からの下降路は林道が右側に大きくカーブするところで、
1mほどの岩があるところ。同じカーブでも手前に2mほどの
岩があるが、その次。トラップに注意。下降路は踏み跡明瞭で
道も悪くない。

神ノ川に降り立ち、遡行準備。

今年はどこも渇水だったし、ここ数日も大して雨降っていな
かったが、伊勢沢は水量豊か。F1からゴーゴーいってる。

F2の10mでも十分に迫力がある。ここはロープ出すか悩むが、
朝イチだし、出しておいて良かった。

三ノ沢四ノ沢を見送り、右手に大きく蛇行する箇所を過ぎると、
美しい渓相が続き癒される。この沢支沢からも水がドンドン
流れ込み水量が多いのもうなずけた。

大滝前衛の2段15mは下段でやや細かくヌメル箇所で苦労するが、
初級者ならロープは不要だろう。

前衛滝上段から大滝が見え、ここで歓声。デカっ。
こんな滝が丹沢に隠されているのか。しかもここに観光者は
来られない。

この滝、一条の流れがどこにぶつかることなく、ストンと下まで
落ちている。なので激しいというよりは凛という表現が適当だ。

暫し見惚れて休憩がてら登攀ラインのチェック。水流は滝とは
別に左の凹角とリッジの左側にも少しある。雨のせいだろうか。
あとは全体的に黒光りしてヌメリがありそうが。

水流左のリッジは取り付きから下部が外傾して悪そうなので、
左手凹角から取り付く。

ちなみに今回は念を入れてフラットソールのクライミングシューズを
持参。沢ソックスの上からびしょ濡れのまま履いた。
(沢靴は腰にぶら下げた)

なるべく水流沿いを登りたかったので、途中からリッジに移ろうと
思っていたが、取り付きから20m程度ランナーを1本も取れなかった
ので、一旦凹角左手のテラス状に出てピッチを切る。-〜卦蘢度。
リング×1、ハーケン×2の残置。ハーケンは打ち足せそうである。

しょうへーも取り付きから下部は慎重だったが、傾斜が緩むと
余裕そうだった。

2ピッチ目。当初リッジに出ようとしたラインより1段上からリッジを
目指す。この辺り水がチョロチョロ流れていてかなりヌメル。

途中ナッツ、カムで1本ずつ中間支点をとり、リッジに抜ける。
抜ける箇所は草付きの泥に手をぶっこんでホールド代わりにした。
リッジ側のスタンスがぬめり、また回り込む格好で高度感を味わざるを
得ないので、怖いかも。しょうへーもここでかなり時間を要していた。

リッジに入るとランナーは1本も取れないが、大滝の飛沫を浴びる
心地よさを感じながらヌメル階段状をさっさと登り落ち口へ。
2ピッチ目+〜-級

いやあ、大滝のぼれて良かった。昨夜の車中では、私がリードで
フォールして気絶した場合の対応まで話しておいたくらいで、
それぞれに緊張していたと思う。

大滝登攀後、一息つく。
その後も楽しい連瀑帯が続き、楽しい。

標高1,050〜1,160m付近は伏流で一気にシンドイ。沢は水があるから
面白いのだ。

1,160m二俣を右に入ると途端に水流が復活。

今日は沢納め。水と戯れずして納まらない。積極的に水線上を
往く。横に巻き道が見えていようが、水流沿いにラインを見出し、
そして突っ込む。

「滝が俺に寄りそっているのか、俺が滝になのか」
そう思い、寒くて躊躇しても水流に戻る。

そんな水線突破にしょーへーは「地獄だ」と呟いた気がしたため
「アン?」と振り返ると「ヘブン」と返した。なら良い。

そして、「水から離れたくない」そう口にしながら、惜しみつつ
稜線に出る。なかなかの紅葉に出迎えてもらった。

伊勢沢は途中の河原歩きが冗長ではあるが、丹沢の秀渓。
大滝登攀も交えて楽しみたい。

大滝は今度は残置無視でオールリッジ上で登りたい。

魁tyaku塾,塾生のしょうへいです!
塾長とマンツーで2012年の沢納めに行ってきました。

<出発二日前>
当初,視察のみという話だった50mの大滝。
気が変わった塾長は登るつもりだという。
あれれ,これは大変なことになったぞ。塾長の嘘つき!

<前泊>
塾長カーにて,シュラフを持参していないことで早速叱られる私。
すみません塾長。次回はギア等の不足分も含め,
道具を完璧に揃えて臨みますので破門だけは勘弁してください。
学んだのはハーケン,カム,ナッツの回収の仕方について。
自己脱出の話もありました。やったことないことだらけだよ,
明日はいったいどうなるんだ。不安に苛まれながら,
お酒の力を借りて就寝。

<当日>
出発の朝,小雨がぱらついています。「大滝が濡れる,大滝が濡れる。」と
うわ言のように呟く塾長。何ならもう少し降ってもらって,
塾長に大滝登攀を諦めてもらえないものだろうか。

いくつか滝を登攀したのち,大滝到着。進路を塞ぎ切り立つ50mの岩壁。
遥か上方から音を立てて降り注ぐ激しい水流。こんなん登れるんか。
塾長のお腹が痛くなって,大滝登攀を諦めてもらえないかな。
そんな私の思いをよそに,ワクワクしている様子の塾長。

一休みしたのち,「じゃあ,ビレイよろしく。」との言葉を残し,
左凹角をスイスイ登っていく塾長。塾長がどんどん小さくなっていく。
塾長はルートを探りながら,ランナーを全く取らないまま凹角左の
テラスまでの1ピッチ目を登りきった。

塾長から登って来いの笛の合図が聞こえる。とうとう私が登る番だ。
もうやるっきゃない。絶対落ちないように慎重を期してホールドを
満遍なく探し,ゆっくりと登る。なんとか登れそうだ。
塾長の待つテラスまで登りきって一安心。

2ピッチ目,塾長はナッツとカムで支点を取りながら登っていく。
それを見て,きちんと回収しなきゃと緊張する私。リッジを越えると,
塾長のお姿が見えなくなる。ロープはどんどん引かれていく。
順調のようだ。次に塾長が見えると,ピースサインを送ってきた。
どうやら完登したようだ。

私の番になり,右にトラバースする。スタンスが小さい箇所があり,
高度感がある。ジャンダルムの方がよっぽど安全だとか考える。
そしてナッツの支点に到着し,回収を試みる。ナッツに繋がる
カラビナをギアラックにかけて落下させないようにした後,
上に引くとすんなりと抜けた。そこから上方に進み,
続けてカムの回収を試みる。トリガーを引き,
上に持ち上げると比較的簡単に抜くことができた。
順調順調。

しかしここから,リッジに向かう少し手前でヌメるスタンスしか
見つからなくなる。いくつかのスタンスに右足を乗せてみるも,
どれもヌメって仕方がない。試しに塾長が登ったルートから
少し左にそれて登ってみたが,ここは岩ではなく土だ。ボロボロ崩れる。
しょうがないのでヌメるスタンスに右足を乗せ,体重を乗せると滑って
落ちかけた。必死に岩にしがみつく。ひえ〜。もしこのまま身動きが
取れなくなり,一生岩にしがみつきながら生きていかなければならなくなったら
どうしようとか考える。すると上から塾長の顔がひょっこりと現れ,
ご指示を頂き勇気をもらった。左足をひとつ上げ,右足をもっと
上の方のスタンスに乗せた。ハイステップになるが,
ここはヌメらないようだ。思い切って右足に乗り込んだ。おりゃー。
やった,いけた。その後のリッジに難しいところはなかった。

やった,50mの大滝を登りきった!やったよ,母さん。
生きているって素晴らしい。完登した瞬間,
なんだかすべてが光り輝いて見えた。

その後は通常サイズの滝がいくつもあり,愉しく遡行することができました。
終盤,塾長は沢とサヨナラしたくないと駄々をこね始めました。
大きな駄々っ子を前に,私は「ワガママ言うんじゃない!ほら,行くよ。」と
言って襟首を掴むことはできませんでした。

今回も塾長には新しい世界を見せて頂きました。ありがとうございました。
堅忍不抜の精神で精進しますので,今後ともよろしくお願いします!

しょうへい

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