清水岳・ハヤ谷初滑降
- GPS
- 32:18
- 距離
- 38.3km
- 登り
- 4,134m
- 下り
- 5,010m
コースタイム
- 山行
- 9:40
- 休憩
- 0:05
- 合計
- 9:45
過去天気図(気象庁) | 2024年01月の天気図 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
・二股からonestoneに栂池に送ってもらった(感謝) |
写真
感想
カナダから一時帰国中のkktnbr(以下、ボブ)とどこかへ滑りに行こうという話になり、行き先を検討した結果、深山を目指すことに。清水岳北面は、2020年に朝日岳から見つけた斜面で、その時はonestone(以下、一石)らが一緒だった。また、2022年にseike、wataruとトライして敗退している。寡黙にしてほかの記録を知らず、山の深さや斜面方位、地形などから、春にも滑られていなかったのではないかと思う。記録をご存じの方がおられたら、コメント欄ででもお知らせいただきたい。
当初の予定では、船越ノ頭から白馬岳、旭から清水岳へと縦走し、目的のハヤ谷を滑ってから柳又谷をしばらく下り、そこから赤男山へ登り返し、木地屋に下山する計画だった。しかし、土日に思ったような行動ができず、それでも目的を完遂すべく、今回のような形になった。
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栂池のゲレンデトップから入山。自然園まで歩く途中で蛍チームに遭遇。自然園から先では2パーティおり、その後も2パーティを見た。ストーム中の雪崩か、普段見ることのない位置にまでデブリがありビビる。気象モデルによっては晴れ予報だったが、視界悪く、風が強い。しかたなく雪洞を掘って停滞する。
ボブはじっとしていると寒いらしく、晴れ間も見えたことから、もう少し先へ進もうと言う。行程を考えるとたしかに先を急ぎたいので、同意する。船越手前はいつもより急で、石や植生が出ており、稜線直下には破断面が続いていた。稜線は強風かつ少雪のため、直下にイグルーを作り、夕飯を食す。
隙間風と言うには激しすぎる風雪を顔面に浴び、さらに厳しい寒さから、ここで夜を明かすのは明らかに苦行である。仕方なくシールを剥ぎ、せっかく獲得した標高を落とし、最初の雪洞に戻って寝ることに。なお、雪はパックやらアイスバーンやら。さすがに雪洞の中は快適だったが、モンベル#3ハーフでは寒く、ほとんど眠れずに朝を迎えた。
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少し雲も見えるが、基本的には晴れており風も弱いため、未明から歩き出す。稜線手前で雪面が赤く染まった。小蓮華の手間まで歩くが、スキークランポンでは歩きにくく難儀する。白馬岳方面はガスが出ており、進退に悩む。サンピラーを眺めながらしばらく検討した結果、金山沢を下ることに。
金山沢はしっとりした良い雪で、気持ちよくてあっという間に下りてしまった。白馬沢出合から見上げた白馬岳は晴れ始めており、弱気な判断を悔やむことに。一瞬そのまま下山しようかとも考えたが、2日間山の状況を見て、大雪渓を登れるコンディションを確認していた。木地屋下山は難しいとしても、大雪渓を詰め、ハヤ谷滑走後に柳又谷を登り返せば、まだ可能性はある。その方向で計画の継続を決め、午前中のうちに白馬尻にベースを設けた。
安全マージン的にも意思決定的にも2人よりも3人がいいと思い、直前に連絡を取っていた一石さんに3時白馬尻集合で参加を要請。悩んでいたようだが、昼前に参加連絡が来た。白馬尻で半シュラフにくるまってまどろんでいたら、遅刻軍団が小蓮華から下りてきて、しばし談笑。翌朝の快晴予報に合わせて16時頃就寝。半シュラフを逆さにして使ったら、意外にもよく眠れた。
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一時半起床。水を作ってカレーメシを胃に流し込む。2時半前に外に出ると、澄み切った空と数百メートル先にヘッドランプが見えた。急いで準備して、一石を迎える。ガス缶とジェル類などの供給を受け、万全の体制で3時出発。大雪渓は最初登りやすかったが、急傾斜では雪面が荒れ、また固くなり、途中でスキークランポンからツボ足に切り替えた。大岩の影で半雪洞を掘り、30分休む。
6時過ぎの薄暮を見て、シール登高を再開。稜線手前で夜明けを迎える。稜線から見た旭岳には破断面があり、トラバースを戸惑うが、ここはボブが先頭でこなした。そこから先はなぜか風の影響を受けない低密度なパウダーが全面に残っており、澄み切った空気と絶景も相まって、ちょっとした下り移動も至福。このあたりで成功を確信した。
これ以上なくスムーズに山頂に着き、準備をしてドロップ。途中狭いクーロワールがあり、ビビって止まったが、最高の一本だった。
合流してからゴルジュの登り返し。ここはボブが高速でトレースを伸ばした。登り返しの標高差は1,000mで最後はバテたが、ずっと軽いくるぶし上くらいのパウダーラッセルで、気持ちはよかった。大雪渓の下りは試練、二股までの林道は冷えて最高。山行としても稀にみる達成感だった。
・日帰りした一石さんの記録はこちら
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-6418044.html
コメント
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ペーパー老山屋には「ありがとう」しかありません。
「冬山の掟」が脳裏にドキドキします。
清水岳を経て白馬山荘近くまで到達しながら...凍死したとか。
isao_miyazaki
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