黒岳・白雲岳・小泉岳・赤岳《北海道百名山》
![情報量の目安: S](https://yamareco.info/themes/bootstrap3/img/detail_level_S2.png)
![都道府県](/modules/yamainfo/images/icon_japan_white.png)
![](https://yamareco.info/include/imgresize.php?maxsize=90&crop=1&fname=%2Fuploads%2Fyp194a190f66a3f1a.jpg)
- GPS
- 07:12
- 距離
- 15.7km
- 登り
- 1,067m
- 下り
- 1,075m
コースタイム
天候 | 曇り一時晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
下山:銀仙台から奈良の男性車に同乗し層雲峡温泉へ |
写真
感想
今日は銀泉台から白雲山ピストンを計画したが、ガソリンの残量が心配になり宿の小母さんに聞くと層雲峡との間は上川にガソリンスタンドがあるだけで朝8時にならないと開かないそうだ。銀泉台まで行くと帰りガス欠になりそうなので層雲峡温泉から黒岳に登り銀泉台に縦走し、1日2本ある登山バスで戻ることにした。
5:18層雲峡ロープウェイの駅に到着するとすでに大勢の人が始発を待っていた。コースタイム2時間30分の登山道を僅か7分に短縮してくれるので大半の登山者が利用する。通常はこういうものは使わないのだが帰りのバスは15:30の一本しかなく逃すことができないので文明の利器に甘んじることにした。おまけに7合目までリフトも利用し登山者が充満する前に黒岳を抜けてしまうことを目論んだ。通常は6時が始発だが臨時便が5:47に発車しリフトに乗り継ぎ7合目に6:19に達した。登山届けに記入し2番手で歩き始めた。
今年の冬、本州は雪が非常に少なかったが北海道だけはよく降りこの時期でも残雪が多い。7合目の標高は既に1,515mあり歩き出すと登山道に若干の残雪を見た。振り返ると昨日平山から見ることができなかったニセイカウシュッペ山(1,883m)が殆ど姿を見せていた。7合目からの登山道は等高線が詰りジグザグに高度を稼いでいるが山頂に近付くにつれて険しさが増した。しかしメジャーな登山道で整備は行き届いている。北尾根の岩塔の奇観を眺め50分で黒岳(1,985m)山頂に達した。1番に歩き始めた男性と黒岳石室に泊まった人達が先客で眺望を楽しんでいた。山頂には3等三角点「温泉岳」があるが先端部への進入は阻止されていた。山頂からは御鉢平を取り囲むように北鎮岳、中岳、間宮岳、松田岳、北海岳が取り巻いているが青空の下、薄くガスがかかっている。やはり残雪の多さは半端じゃないようだ。
10分ほど山頂を楽しみ石室へ向けて下って行った。桂月岳分岐点に地に這いつくように建つ黒岳石室小屋には貸出用のシュラフが干され、周辺にはテントが10張余り張られていた。ガスヘッドを忘れてこなければ昨日は此処に泊まっていたのだが・・・小屋には立寄らず分岐を赤石川方面に取った。雪渓を横断し、御鉢平から流れ出る赤石川は雪解け水を集めかなりの流量となっている。渡渉点に達すると少し下流に雪渓ブリッジがあり、まだ十分な厚みがあるようでトレースもそちらに向かっている。これ幸いと雪渓ブリッジで川を渡り難なく北海岳への登路に取付けた。
御鉢平から続く谷間の雪は堆く、7月の半ばとは思えない状態だが歩行には何の問題もなく右手に10m程ありそうな雪の壁を見上げ、大自然の素晴らしさを感じた。空は晴れているが雲の量もそこそこあり、時折ガスが掛かる。振り返って黒岳を見ると山頂付近にピンを並べたように人の姿が林立し、ロープウェイで来た人たちがどんどん登頂して来たようだ。北海岳を見上げるとその稜線にもピンが・・・此れも登山者だ。
雪渓の谷間を抜けるとクジャク岩の麓に達し、なだらかな登り道に高山植物を楽しみながら北海岳を目指した。石室から1時間30分で北海岳(2,149m)に到着、外輪山のなだらかな山でしっかりした山頂標識があった。黒岳で雲に覆われていた北鎮岳(2,244m)が略姿を現し、北海道第2位の標高の山を味わうことができた。そして北海道最高峰と云えば旭岳で標高は2,290m、此の山も遂に姿を現した。後旭岳を従え懐かしい、あの山から5日間の縦走で富良野岳まで行ったのは12年前の思い出だ。山頂付近にカタツムリの角を持つ岩が面白く、貝殻を付けていないので差し詰めナメクジのように見えていたが山頂から見るとずんぐりと首を伸ばした水鳥のように見えた。烏帽子岳(2.078m)は特徴的な山容を示し、登路がないのが残念だ。
御鉢平の外輪山を離れ白雲岳を目指した。なだらかな高原のお花畑の道で真に気持ち良い。白雲岳は今日登る最高峰で2,230mある。岩の積み重なる荒々しい山で北から直登はできない。一旦小泉岳との鞍部に乗り上がり南側の白雲平から回り込んで登らなければならない。ガスが出て霧の中、白雲岳への分岐に達すると大勢の人が屯し、おそらく白雲岳に行っているであろう人達のザックが多数デポされ賑やかなことだ。昼食にしたいのでザックは担いだまま分岐を通過し白雲平に入るとこれも噴火口の跡なのだろう広々とした平原に高山植物が咲き乱れていた。斜面には残雪がへばりつき登山道が2つに分かれた、メインと思われる道を進んで行くと上から「道を間違えている」とか何とか喚いているが、決して間違いではないと確信して岩の隙間を這い上がって行った。もう1本の道は雪渓を横断して稜線に取付いているがこちらの方が危険度高いだろう。
白雲岳山頂に達すると登山者で埋め尽くされていた。それもその筈大きな団体が2組も来ていた。この混雑の中、風上でタバコを吸うバカもいて落ち着かない。彼らが下山すると漸く安らぎが訪れ視界が回復し山頂からの風景を楽しんだ。北海岳、凌雲岳、黒岳などを再び見ることができた。仙台からフェリーで来て白雲避難小屋で連泊すると云うご夫妻と暫し歓談した。山頂で30分余り過ごし今度は稜線ルートで下山し分岐に戻ると先程の喧騒は影を潜めていた。小泉岳へのなだらかの登り道を進むと花の数が一段と多くなってきた。山頂域の分岐点に指導標とベンチがあり寝ている人がいた。分岐から100m程南に入ると小泉岳(2,158m)山頂で山頂標識がないと何処が山頂かわからないような平らかさだった。
分岐に戻り北東に進むと赤岳(2,084m’)で稜線の先端の岩が積み重なった処が山頂となっている。北東方向の尾根の張出しに2等三角点「幌加石狩岳」(2,079m)があるが、お花畑で立ち入りが規制されている。烏帽子岳が谷を隔てて間近になり後ろに黒岳を従えて見ることができた。暫し休憩して銀泉台への道を下り出すと次々と雪渓が現れ計7箇所程通過した。雪は腐れてアイゼンの必要はないが一部固い所もあった。そして最大の雪渓は500m程続き下部で傾斜が一段と急になり下から見ていると次々に足を滑らせ滑落する人がいた。滑っても下の方で自然停止するので怪我をすることはないので見ていると面白い。
駒草平に到るとコマクサの群落が広がり本当に素晴らしい。第二花苑、第一花苑と通過するが山頂域に比べると大したことはなく標高を下げ最後に男性を追い越し軈て林道となり銀泉台に到着した。登山口傍の泉にはブラシも備えられ靴の泥を落とすことができるのは有り難い。登山届を見ていると殆どの人が白雲岳までのピストンのようだ。沢山の車が止められ監視人が常駐し登山届を管理していた。
最後に追い越した人が下りてきて話しをすると早雲台まで送って貰えることになり有り難い限りだ、バスまではまだ2時間近くも待たなければならなかった。しかも車に乗り込もうとした瞬間雨が降り出し、それは神の恵みに違いないと思えるような幸運だった。道中話をしていると奈良市に住んでいるが移住体験で今は深川市に滞在していると云う。昨年山岳会を辞めたK島さんを“いろり”で知っているとのことで飛んだところで繋がってしまった。
今日確認した花は、エゾイワツメクサ、エゾコザクラ、ミネズオウ、チングルマ、イワヒゲ、メアカンキンバイ、チシマクモマグサ、クモマユキノシタ、チョウノスケソウ、エゾノツガザクラ、エゾノハクサンイチゲ、キバナシオガマ、エゾオヤマノエンドウ、コマクサ、ホソバウルップソウ、タカネスミレ
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する