槍ヶ岳(新穂高温泉より)


- GPS
- 22:08
- 距離
- 26.6km
- 登り
- 2,300m
- 下り
- 2,306m
コースタイム
- 山行
- 11:00
- 休憩
- 0:52
- 合計
- 11:52
天候 | 一日目:雨のち曇り 二日目:快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2015年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
予約できる山小屋 |
槍平小屋
|
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
ハードシェル
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
ゲイター
靴
ザック
ザックカバー
アイゼン
ピッケル
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
地図(地形図)
コンパス
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
日焼け止め
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ナイフ
カメラ
ヘルメット
|
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感想
今年は積雪が少なそうで、穂先の雪も既に解けているとのレコを見て、槍にチャレンジすることにした。重たい一眼レフや交換用レンズを担いで長距離を登るので、かなり厳しい登山になると思っていたが、その通り、体力的に厳しい登山だった。
一日目、新穂高温泉を雨の中、スタート。時折強く降るが、白出沢出合までの林道歩きに支障はない。白出沢出合からは樹林帯に入る。序盤はほとんど積雪がなく、夏道をたどるのでルート的な問題はないが、登山道を完全にふさぐ倒木があり、これを乗り越えて進む必要がある。白出沢から滝谷出合の中間くらいから、徐々に積雪が現れ始め、後半は雪渓を横断する箇所が複数現れる。再び夏道が現れる可能性を考えて、アイゼンを装着せずに進んだが、その後、滝谷出合に至るまで何度もトラバース箇所があった。最初に本格的な積雪に出会った時にアイゼンを装着するのが良い頃合いかと思う。その後、積雪箇所を歩いて滝谷出合に至る。既にこのころは小雨になっていたが、それまでに降っていた雨のせいで滝谷の水量が多く、どのようにして渡るか、河原をしばらく彷徨う。昨夏に掛けられていたであろう木製の橋は完全に崩壊しており、補助的に使用できそうなものは沢の中に張られたネットだけである。しかし、このネットの箇所は水流が激しく、足を踏み入れれば靴の水没は必至である。結局、ネットの下流側に、何とか飛び移れる石を見つけ、飛び石的に渡渉した。この時、同伴者が水流にアルパインポールをすくわれて流してしまったが、気を取り直して先に進む。滝谷渡渉後は、完全に積雪があるので、アイゼンを装着する。トレースは複数あるが、どれを辿っても特に問題はなさそうである。ピンクのリボンはあるにはあるが、密度が低いため、あっ、ここがまさに夏道だったのか…。という感じである。飛騨沢に近づきすぎてドボンとなってはまずいので、少し山側の開けた斜面を進んでいくが、時折、小さな尾根、というか樹林帯を突っ切る必要がある。この時は、強引に藪を漕いで行くか、夏道と同じ個所を辿るか、のどちらかである。藪を漕いだ後に、あっ、こんなところに夏道があったのか、ということがあった。快適な雪上歩行をこなして適度な疲労感を感じながら槍平小屋にたどり着いたが、ここの標高は2000m弱。これからの標高差を考えると、少し気が重くなる。最近、少し体重が増えた上に、カメラを担いでいることもあって、ペースが上がらないようだ。このまま登っても、小屋への遅着は必至なので撤退も考えたが、同行者がまだまだ元気はある、登れる、とのことなので、小屋に電話で遅着の旨を伝えて出発。槍平小屋からの序盤は、落石が転がる飛騨沢を左下に見ながら緩やかな雪面を登っていくが、次第に沢を離れて斜度が急になってくる。登りが体に堪える。千丈分岐の手前まで登ると、遠くに槍ヶ岳山荘が見えた。一歩一歩、小屋が近くなるように感じたので、気が楽になったが、疲れていると脳が錯覚を起こすのか希望的に物事が見えてしまうだけで、実際はここからが長かった。雄大なカールの雪面のど真ん中に建てられた旗竿一本一本を数えながら、一歩一歩、登って行く。斜面はそれなりに急ではあるが、かといって落ちるような危険は感じない程度である。旗竿を辿って登ると、ついに、飛騨乗越まで続く岩場にたどり着く。真正面から岩場に取り付いたが、ここは夏道ではないのでガレの具合が悪く、同行者が難儀していた。ガレ場の末端から取り付くのではなく、右に巻いたところに夏道が出ているので、そこから取り付くのが楽だと後で気が付いた。ガレ場には、完全に積雪がある時に直登するための目印と、夏道を示すもののがあるので、状況に応じて登りやすい方を選ぶと良いと思う。ひどくバテながらもなんとか飛騨乗越にたどり着くと、そこからは明日の晴天を予感させる見事な夕焼けが望めた。ここまでくれば、後は急いで小屋に向かうだけである。遅着にはなったが、何とか無事に小屋に着いた。
二日目、快晴の朝を迎える。小屋で朝食を頂いてから、槍の穂先を往復する。槍に登る途中、かなりの強風であったが、頂上は一転して穏やかな風であった。わずかに日陰に雪が残る程度で、夏と全く同じように登ることができた。頂上を二人で独占できるのも今の時期ならではであった。しばし絶景を楽しみ、また、下山時には槍沢から登って来られた他の登山者の方との会話に花が咲き、穂先の往復にずいぶん時間がかかってしまった。飛騨乗越までは完全な夏道で、そこから夏道でしばらくガレ場を下り、カールの雪面を下る。同行者はアイゼンを装着したが、自分はグリセードで楽しく雪面を下る。スキーなど持ってきたら、最高に楽しい斜面だろう。歩きやすさから、登りの時よりも沢に近い道を下って、槍平小屋に至る。ここで昼食を取った後、足取り軽く、滝谷出合まで下る。滝谷の水量は、昨日に比べて大分落ち着いており、飛び石的に対岸に渡ることができた。滝谷の渡渉後、改めてアイゼンを装着し下山する。雪渓のトラバースを何度かこなせば、後は夏道なので、アイゼンを外し、下へ急ぐ。順調に、白出沢出合を通過し、最後の林道歩きを経て下山した。
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