奥穂高岳 - 新穂高から日帰り往復-


- GPS
- 15:40
- 距離
- 25.1km
- 登り
- 2,730m
- 下り
- 2,720m
コースタイム
- 山行
- 12:17
- 休憩
- 3:24
- 合計
- 15:41
天候 | 早朝雨のち曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2015年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
重太郎橋の場所は沢が雪で埋まっている。 岩切道の盍き道は9割方雪が消えているが、残雪がナイフエッジになり通過困難箇所があった。 巻道道の下の沢上は雪上を歩いて渡れたが、クラック多数あり。 鉱石沢も夏道が雪に隠れ、尾根への取り付きが見つけ難い。鉱石沢と荷継沢の間の尾根道は雪なし。 荷継沢から上の白出沢標高2900mまで雪渓上。 奥穂へのルートは、穂高岳山荘直ぐの鎖場は雪なし、その上山頂まで9割方夏道だが2ヵ所雪の斜面が残っている。普通はピッケルあれば越せる。 |
写真
装備
個人装備 |
ピッケル
アイゼン
ヘルメット
|
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感想
日帰りで新穂高から登って上高地に下りると計画に書いたが、金曜日の雨からの天候回復が当初予報より遅れたので、出発を遅らせて新穂高からのピストン往復に切り下げた。
ガラガラの新穂高温泉無料駐車場に朝3時前に到着。雨がザアザアではないが、しとしとよりは強く、サラサラという感じでまともに降っている。しばらく様子を見て、弱くなって行く気配がはっきりしてきた4時に出発した。右俣林道を歩いて白出小屋跡に着くまでには雨具が要らない状態になっていた。
林道を離れて樹林帯の緩い登山道を行く。標高1700m位から所々で雪を踏むようになる。一ヵ所沢の横断が比較的急な雪面トラバースで、アイゼン出さずにキックステップで凌ぐのはやや緊張する。
レリーフを通過して直ぐに白出沢を渡る重太郎橋、の筈だが沢は雪で埋まっている。横断すると梯子で取り付く高巻き道だが、その梯子に重太郎橋となる木桁が立てかけてある。沢の雪上を遡って行けそうにも思うが、高巻き道のほうが確実だろうとこちらを選択。高巻き道の9割方は雪が無いが、一ヵ所残雪が登山道を隠し、岩壁との間には隙間ができて雪のナイフエッジとなっている。隙間は人が入るには狭い。沢に向って落ちる雪面の角度は60度以上ある。上に立つのも横を渡るのも不可能だ。ここをナイフエッジに跨り、極薄部分は切り崩してなんとか通過した。10m位の距離だったろうか。
高巻き道を下りると間もなく鉱石沢、ここも沢を雪が埋めているが所々で水流が見えている。雪の薄い所もあってかなり要注意だ。沢沿いに少し登って左岸の尾根道に取り付くはずだが、下からその取り付きが見えない。キックステップで雪上を登り始めたが、結局アイゼンを使い、取り付きを見つけるまで捜しながら登った。岩のマークや掲示板が隠れているのでわかりづらいのだ。
尾根道は完全に夏道、この急登を越すと少し下りて荷継沢出合に出る。水なし岩ゴロの荷継沢を渡ると白出沢の雪渓末端となり、白出のコル直下までアイゼン・ピッケルの世界となる。
雪渓の上への眺めは、始めはガスがかかって見えなかったが、次第に晴れて見通せるようになって来た。この沢は中途の標高2500m位の所で僅かに左に曲がっていて、そこまで登ってくるとコルまで一直線、コルにある穂高岳山荘が見える。見えてからがなかなか近づかず、遠いのだ。雪渓上には岩があちこちに転がっている。僕が登っている間には岩が落ちる場面を見なかったが、過去には落石による死亡事故も起きており、ヘルメット必携の場所だろう。
小屋直下の雪のない領域に近づくと、雪渓は向かって左だけに追いやられ、それも途切れて岩ゴロの斜面となり、距離で100mも行かない位登ると最後の雪田になる。ここで標高約2850m。最後の雪田もアイゼン必要でこれで今日は3回着脱。雪が無くなると岩ゴロの斜面で、夏道を拾わないと崩れやすい。最後は岩の階段を伝って穂高岳山荘に到着。長かった。
山荘の正面玄関のある東側に回ってくるとびっくり。西側が雪渓上端から上は完全に夏姿なのに、こちらは一面真っ白の雪景色、それも残雪でなく新雪。小屋の人によると金曜夜には雪が降ったと言う。ここまで来ると登山者が大勢いるだろうと思ったが、小屋の外には誰も居なく、中もこの瞬間には従業員の人以外に僕一人だった。その後すぐに次々と客が入ってくるようになったが。
ザックを小屋において奥穂の山頂を目指す、ピッケルとアイゼンだけ持って。小屋正面前の雪壁を回り込んで山頂ルート取付きだが、直ぐの鎖場には雪なし、その上に短いが割と急な雪斜面があり、しばらく夏道を行って半分以上行った所でもう一ヵ所ある。どちらも僕はピッケルだけで通過したが、足跡はアイゼンのものだった。登山中周囲の景色は雲で見えないことが多かったが、時折雲が流れて山が見える。山頂についた途端、サッと晴れて見えてくれたのがジャンダルムだった。山頂で粘っている間に涸沢岳、北穂は見えたが、槍と前穂は見えることがなかった。
山荘に戻ってランチタイム、しばらくくつろんで、さてそろそろ下山しますか。おや、もう2時半か、少しゆっくりしすぎたかも知れない。
一つ問題が起きた。先月足を挫いてしまってもう大分良くなって支障ないつもりで来たのだが、それがぶり返して痛むのだ。右足だが足の置き方で痛い時とそうでない時があり、雪渓下りでは右向き斜め下りは良いが逆は良くない。雪が無くなって石の上に足を置くとき、足が右を下に回るようになると痛む。ひねっても痛いし、右足でも左足でも着地でスリップして転ばぬよう踏ん張ると凄く痛い。こんな調子で歩けはするが急ぐことが出来ず、余計に時間がかかってしまった。
鉱石沢から重太郎橋にかけては、尾根道から鉱石沢に下りた所でアイゼンを着け、そのまま沢床の雪渓通しで、高巻き道には上がらずに重太郎橋まで行った。途中大きなクラック、大きな段差があったが切り抜けるルートは見つけられた。間もなくこれは出来なくなるかも知れない。
重太郎橋からは基本夏道、足首の痛みとは折り合いをつけながら、着実には歩き続けて、右俣林道も同様に、丁度明かりが要るようになって新穂高温泉に辿りついた。長い一日だった。
コメント
この記録に関連する登山ルート

当初計画を拝見したときに、Nishidenさんらしいチャリ併用の計画だな、と思いましたが、やはり天気が悪かったので計画変更されたんですね。
自分も白山へ行きましたが、同様に出発時刻を繰り下げました。
足、怪我されてたんですか。
その状態で穂高とか・・・恐れ入りました。
しばらくゆっくり養生してください。
自分も御前沢で痛めた右ひざが完治しておらず、しばらく曲げたままの状態から伸ばす時に(その反対の時も)痛みを感じます。けど、日一日と快方に向かっているのが朝起きるとわかるのでそろそろ遠征しようかと思ってます。
Sanchan, redsさん、
お気遣いありがとうございます。
足を挫いたのは5月3日で、札幌藻岩山を下りてから舗装道路上でやっちゃったんですよ。
でも大したことはないと思い、5月9日の白山東面台地も、5月17日の御前谷も行けたんです。そして24日の黒部名水マラソンでも大丈夫でした。
でもスキーでは唯一キックターンで180度開脚した時だけは痛かったので、完治ではないという認識はありました。スキー靴と普通の登山靴で足首の固定度が違うのが効いたのですかね。
でももう一ヶ月たってこれでは、普通の筋痛めただけの捻挫とは違うかも知れないですね。
山行途中で足の付け根やヒザが痛くなったり・・・の経験は過去に何度かありますがヒヤッとします。
山では唯一の移動手段。足。
無事下山で何よりでした。
雲間のジャンダルム、存在感ありますね!
Nishidenさん こんばんは
天気が良くなかったので決行しているとは思っていませんでした。
この時期はかなり難易度が高そうですね。
僕は日帰りしかできないので夏に同じコースを行こうと思っています。
完璧に雪がなくなってからでないといけないと思いますが・・
気をつけるところはありますか?
足大丈夫ですか?でもマラソン完走ってすごいですね。
koueiさん、
白出沢でアイゼン・ピッケルが要らないのは9, 10月。8月でどうかは直前に穂高岳山荘に聞くと良いです。
でも雪のないガレ場よりもアイゼンでガシガシ登れる方が僕は楽だと思ってますよ。
あと注意点は、重太郎橋が大雨では渡れなくなることかな。
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