熊野古道/小辺路
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- GPS
- 57:29
- 距離
- 64.7km
- 登り
- 4,667m
- 下り
- 5,429m
天候 | 6日(土)曇り 7日(日)晴れ 8日(月)曇りのち雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
夜行バスにて大阪へ。 大阪駅→高野山 電車・ケーブルカーで2:20程度 ■復路 熊野本宮→新宮駅 バス1:00程度 新宮→名古屋 特急で3:30 ※本数少 名古屋→東京 新幹線のぞみで1:40 |
コース状況/ 危険箇所等 |
危険個所はなし。世界遺産だけあってよく整備されていた。 登山ポストは各登山口にちらほらあった。 水場も多く、幕営には困らない |
その他周辺情報 | 熊野古道のコースマップはここで入手できる http://www.wakayama-kanko.or.jp/ 熊野交通バス時刻表 http://www.kumakou.co.jp/bus/jikoku_item_7.html ※他のバス会社でも運行している 周囲に湯の峰温泉、川湯温泉、渡瀬温泉あり http://www.hongu.jp/onsen/ |
写真
感想
【備忘録的なひとりごとメモ(長い)】
■まずはルート選定
6月の休暇にどこへ行こうかと悩む。
最初は北アや南アを考えたけど、シーズン前のため縦走できるような登山バスがない。特に平日。
じゃあ八ヶ岳縦走…?と思ったら、こっちもバスがない。
じゃあ、どうせなら前から行きたかった熊野古道にしようか、と。
しかし熊野古道といっても多くのルートがある。どのルートを歩くか?
熊野古道の主なルートは、こんなカンジ。※wikiより
紀伊路(渡辺津-田辺)
小辺路(高野山-熊野三山、約70km)
中辺路(田辺-熊野三山)
大辺路(田辺-串本-熊野三山、約120km)
伊勢路(伊勢神宮-熊野三山、約160km)
※全体図 https://www.wakayama-kanko.or.jp/kataribe/02/guide_00.html
大辺路、中辺路はTHE・参詣道というカンジで熊野古道らしいかなと思ったが
国道などに吸収されている部分が大半であり細かいコースに分断されていて、
連続して歩ける距離は短いらしい。
ちなみに熊野古道の中で最も険阻なルートといわれる大峯奥駈道(おおみねおくがけみち)は厳しすぎるので除外。5日間くらいかかるし、女人禁制区間あるし。
しかしヤマレコでけっこう記録があってびっくり。
行ってる人いるんだな、すごいなぁ…。
結局、山道かつルートを走破できる小辺路(こへち)にしようと決めて計画。
高野山から熊野を繋ぐというのもまさに巡礼という感じがしてよきかな。
どうせなら観光つけて熊野三山、伊勢神宮も…!と夢がふくらむ。
熊野古道は当初、mshibaさんと行こうと思っていたが残念ながら都合が合わず、単独で計画を立てていた。
ところがmshibaさんが予定を合わせてくれることになり、なんだかんだ2人山行へ。
観光することも考えると荷物を軽くしたかったので民宿泊も考えたが、
集落が限られているため3日行程ではやや計画が難しく、4日になってしまいそう。
mshibaさんがそれ以上休みが取れず、幕営とした。
■アクセス
東京からだととにかくアクセスが悪い。
高野山、熊野どちらでも5時間以上かかる。
開創1200年の高野山も観光したいし、宿坊にも泊まりたいし…ということで
熊野古道に入る前に宿坊で前泊することにして
夜行バスで大阪へ、そこから高野山へ向かう。
■高野山観光
開創1200年とはいえ、ご本尊の特別公開が終わっているからか観光客はまばら。
しかし到着が昼近くになったため(大阪で朝ご飯ゆったりしすぎた)
観光時間が足りなくなってしまった。。これ痛恨!
高野山は広い。駆け足で奥の院、壇上伽藍、大門、金剛峰寺を回る。
どうしても見たかった大門の金剛力士像に行ってたら金剛峰寺の拝観時間を過ぎており、もう入場できなかった。。無理言ってちょこっとだけ見せてもらう。
写経や阿字観もしたかったのに、、全くできず…。無念。
高野山はたっぷり時間を取って、1泊2日くらいで観光したほうがいいなと思った。
■熊野古道(小辺路)へ
□1日目:高野山〜水ヶ峰〜大股〜伯母子峠(幕営)
宿坊で朝の勤行に参加、朝食をいただいて出発。
小辺路の道は、樹林帯をひたすら歩くカンジ。
もともとが生活路として使われていたというだけあり、岩場とかはまったくない。
世界遺産ということで、道もよく整備されている。
歩くだけならハイキングという雰囲気です。
途中、1時間半ちょっとの車道歩きがあり、だるい。
荷物の重量は2人とも13〜4kg。
軽量化のために食事はすべてフリーズドライにした。
が、下山後の観光のためにサンダルや着替えなどを持っていた分が重かった。
それがなければ12kg程度で行けたと思う。
大股の集落から1時間弱登ると萱小屋につき、とても快適そうな幕営適地で
小屋内も素敵だったが、少しでも先に進んでおきたかったため、
伯母子峠まで足を伸ばし、幕営。
天気について、前日からとても寒く高野山で気温10度だった。
防寒着を買い足したが、それでも寒かった。
この小辺路1日目も寒く、ダウンを持ってこなかったことを心底後悔。。
いつもなら夏山でも確実にダウンは持って行くけど、
近畿、低山、6月…ということで暑い想定しかしていなかった。猛省。
シュラフにくるまりながら外で夕食をとり、テント内でも着込んで寝た。
□2日目:伯母子峠〜三浦峠〜西中バス亭〜十津川温泉(幕営)
予定より起床時間を遅らせたのがすべての間違いだったかもしれない。。
900m下り→600m登り→800m下りの後、舗装路2時間歩き。
登りの時点で足取りが重いことは実感していた。
この辺りでペースが激落ちしたと思う。
西中でバスに乗れば、舗装路歩き2時間をカットできることはわかっていたが
バスの時間にはとても間に合わなかった。。
足に疲労が溜まっているところに、登山靴で舗装路歩き2時間。これ地獄。
筋肉の疲れじゃなくってアスファルトからのダメージでとにかく足が痛い。
どんどんペースは落ちて、足を引きずるように歩いた。
ちなみに舗装路歩きがあることで、登山靴かアプローチシューズか悩んだが
自分は足首の捻挫癖があること、手持ちのアプローチシューズでは疲れやすいので
ハイカットの登山靴で行った。
mさんは逆に、ローカットのアプローチシューズ。
結果、どちらも足へのダメージが大きかった。。
お互い無口になる。頭の中を般若心経がぐるぐる回ってた。修行ですね。
たまにロックバージョンを思い浮かべて元気出した。いや、出なかった。無理。
ヨレヨレと歩いて、上湯川の河原に幕営。
前日と違って暑い暑い。虫は多いし、参った。グッピーなら死んじゃう寒暖差。
□3日目:十津川温泉〜果無峠〜八木尾バス亭〜熊野本宮大社
河川工事の人たちが来ないうちに…とびくびく起床。
mさんがビビりまくる吊り橋を渡り、
果無峠登山口の水場で補給し、出発。
集落で民家を通過する時に、ご主人とお話しする。
ここは日本の里100選になっている景観で、この民家も何度もテレビ放映されているそう。
お花や水場がとても素敵な古民家だった。
この後、観音堂へ向かう道で思い切り進路を間違える。
本来はUターンして30番観音石仏を通るべきところ、
道標を見落として(あるいは目には入ったが方向を誤認した)直進してしまった。
その先はやや荒れた山道で、この状態を見て気づくべきだったが
道自体は明瞭だったため、、そのまま進んでしまった…。。痛恨のミス。。
林道に出て道標もない状態に陥って「???これはおかしいぞ」となった。
しばらく周辺をウロウロしたものの、
「最初から間違えたのではないか」と結論づけて道を戻る。
ここで1時間以上ロスした…。心が折れそうになった。
気を取り直し、33観音像を数えながら観音堂、果無峠を通過。
前日の舗装路歩きで足にダメージを食らっている中、下りが実にツラかった。
雨も降ってきてメンタルも抉られる。
「苦行じゃん、修行だねこれ」と言いながら歩く。歩かないと終わらないもんね…
八木尾バス亭にて山道が終了し、舗装路歩きへ。
コースタイムだと45分だけど、1.5倍くらいかかってたんじゃなかろうか。。
途中、道の駅で休憩。ご飯食べて最後の英気を養う。
また、mさんは当日中の帰京を諦め、わたしと同じ民宿に泊まれるか電話で交渉。
1人部屋(に2人)で狭くても、ご飯はなくても、布団で寝れるだけで十分です!
って言ってて涙出そうになった。
幸せのハードル下がってるよね。それでいいのかい、ねぇ。
再び山道に入り、雨で滝のようになった石階段やたぷたぷの水溜りの道を歩いて
ようやく、どうにか、やっとこさ熊野本宮大社へ到着!!
もう疲労困憊。
魂抜けてしばしボーッとする。ゴールして「やったー」とかそういう気力もなし。
ライフは限りなくゼロに近かった。もはや戦闘不能。
我に返って、バス来ないし夕飯の時間もあるし、
宿までタクシーで行こうかねとなった。ら、タクシー会社の営業終わってた。
なん…だと…!?
タクシー会社が17時で営業終了だと…!?
ここで呆然。。宿まで歩いたら1時間半。車だと10分なのに…
教訓。旅行先で都会感覚ダメ、絶対。
途方に暮れて宿に電話すると、終バスがあるのでそれに乗ってきてと。
まだバスがあったことに心の底から安堵。
雨の中バス亭まで迎えにきてくれた女将さんに感謝。
びしょ濡れのわたしたちを玄関でタオルで拭いてくれた。
ご飯食べて、温泉で温まって、ほっとひといきついて、寝た。
■熊野三山、伊勢神宮観光
朝、帰京するmさんを見送って自分は観光へ。
熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社を回る。
交通の便が悪いので三山巡りの観光バスに申し込んだ。
それぞれ観光時間はそんなに長くなかったけど、まぁ必要十分かな、というカンジ。
特急で松阪へ移動し、松阪牛の焼肉で乾杯。旨かった、とろけた。
翌日は伊勢神宮へ。
今までと打って変わって人が多かった。ちょっと落ち着かなかったかな。
敷地が広くて緑が多く、雰囲気はとっても癒された。
ただ基本的に拝観ができないので、あまり見るものはなく…。
雰囲気を味わって帰った。
■総括
小辺路では3日間通して他の登山者には会わなかった。
集落の人によると、最近は歩く人が多くて集落の民宿はいつも満員らしいけれど。
タイミングの問題なのか、時期的(梅雨)な問題なのか…。
とにかくほぼ人には会わなかったので、孤独に浸りたい人にオススメです。
民宿泊で行くとなると、泊まれる場所(集落)が限られる、
そもそも宿の数が少ない、などの理由でかなりハードルが上がると思う。
幕営でなら、水場は豊富だし適地も多いので行きやすいかと。
舗装路歩きは自分的にはかなりツラかった。
面白くないし、足のダメージが大きい。
バスの運転手には「馬鹿正直に全部歩く人は少ないよ!みんなバスとかタクシー使ってイイトコ取りで歩いてるよ〜」って言われた。マジすか。。
はい、正直舗装路は歩く意味を全く見いだせなかったです。
乗れるならバス乗ってよいと思う。
登山とは色々と違って何だか苦行難行ってカンジだったけど、いい経験になった。
解脱しました。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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おつかれさまでした。ひしひしと伝わってきた。
足限界だね
いやホント、外傷的な痛さで参ったよ〜!
まさに修行でした。。
数年前に、運転手さんの言う「イイトコ取り」で歩きました(^^;。
その時はそれで満足したのだけれど、レポ読んで、
「歩いた」ってことに意味があるんじゃないかしらと思いました。
今細切れに四国お遍路中なのだけれど、これもちゃんと歩くと数か月かかるらしい。
お疲れ様でした!
解脱して進化したhirotkちゃんに会えるのを楽しみにしてます。
おお、歩いたことあるんだ!
全部歩いたことに意味が…あるのかな。「参加することに意義がある」オリンピック的なカンジかね…
確かに、変な自己満足感はあるけどね〜!
お遍路やってるんだね、すごい!あれは長期間かかりそうなイメージ…
幸せレベルが下がって煩悩を払ったわたしに、乞うご期待!w
ロングトレイル系に興味ありありなので、いつかあるいてみたいわ〜。なんか、田舎を人力踏破って、アルプス縦走とはまた違う苦労があるじゃない。
舗装路を歩く意味…むーん、メンタル面と達成感のためなのかな…
うん、アルプス縦走とは全然違った。。
いちいち集落に下りるので、それなりに高低差があるから思ったよりハードだしね〜。
達成感はあるけど、、、、それよりも修行感の方が勝ってる(^-^;)
でもツラかった分、これはいい思い出になると思うー!
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