奥秩父を歩くK姪轡離織襦組龍山〜笠取山〜古礼山〜雁坂峠
- GPS
- 29:13
- 距離
- 44.3km
- 登り
- 4,080m
- 下り
- 3,527m
コースタイム
- 山行
- 5:10
- 休憩
- 0:26
- 合計
- 5:36
- 山行
- 8:08
- 休憩
- 1:49
- 合計
- 9:57
- 山行
- 8:23
- 休憩
- 1:40
- 合計
- 10:03
天候 | 3日〜5日:晴 6日:曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
復)「道の駅みとみ」。塩山駅行のバスと山梨市駅行のバスとはバス停も違う。また運行時間もバラバラで本数は少ないのでバス待ちが好きではない人は事前に調べておいた方が良い。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・三条の湯〜北天ノタルへのルート、1500m辺りから上の水場までは崩落地が続く。 ・大ダル〜竜喰山への稜線はルートが不明瞭なところが多く、また岩場が続くので慎重に。 ・西御殿岩〜唐松尾山へ直接向かう稜線も同様、不明瞭なところが多い。 |
写真
感想
奥秩父主脈縦走の3回目。今回は北天ノタルから雁坂峠へ向かう。当初は三条の湯へのんびりと後山林道を歩いていく予定だったが、きのさんの影響でサヲウラ峠で行くことにした。
鴨沢西バス停から歩いて親川バス停まで。民家の脇から登山道へ入る。30分もせずに集落跡が見えてきた。平地で更地になっているところだけでなく、斜面にも民家のあとが。中には今でも使えそうな立派な佇まいの民家もあった。プロパンガスが残っていたり、お酒の徳利が残っていたり、生活の残像は独特だ。その後しばらく歩いて保之瀬天平。そして丹波天平。「天平」と書いて「てんでいろ」と読む。名前の響きがいい。この2つの天平は高畑集落の生活の糧だったのだろうか。
登山口から3時間ほどでサヲウラ峠。ここから飛龍へ、もしくは飛龍からここへ降りてくるのもいいなと考えながら先へ進んだ。三条の湯へは2時間足らず。予定より早く着きすぎたが部屋へ入り、まずは湯につかった。小屋はずいぶん立派になったけれど、お湯だけは昔と変わらない気持ちの良さだった。湯につかり、上がっては本を読み、また湯につかる。ゆったりとした時間を過ごした。
夕食時に小屋主の3代目木下さんと話ができた。木下さんが2代目から引き継いだころ、私がよく利用していた時期で、そのころ浴室でのぼせて倒れたことがあった。その話をしたら「覚えてる」と言われて非常に恥ずかしかった。それはさておき木下さんの話で印象的だったのが、私がそうやって通っていた30年前とはずいぶん雲取山へ向かう山の植生が変わってしまったと。原因は21世紀に入って急増した鹿の影響だが、鹿に食い尽くされた花や植物は2度と返ってはこないという話だった。熊笹や木の皮まで食べる鹿が山を変えていく。自然との共存の難しさを感じた。いや、共存というのか。山を崩しトンネルを掘り、そんな私たち人間が鹿を責められるのかとも感じ、頭の中で堂々巡りを始めた。初日の夜はそうして更けていった。
2日目、やっと前回終了した北天ノタルへ到着し、主脈縦走が再開となった。飛龍山への道は岩伝いのなかなか楽しい道だった。山頂は標識が立っているところよりも少し離れたところの方が高く、行ったり来たりしてしまった。飛龍権現神社を経て禿岩へ。本当に景色が良く、やや暑さを感じたが、ここで三条の湯の弁当を食べることにした。
食べ終わり、大ダルから尾根道へ入る。取り付きはトレースがあったが、その先は何度も見失い、ひとまず尾根伝いに行けばいいんだろうと思いながら進んだが、次から次へとあらわれる大岩の連続にかなり難渋もしたし、危険を感じるところもあった。今回の主脈縦走は、修験の道をたどる目的もあった。妙法ヶ岳から金峰山まで。修験者は何度も行き来したことだろう。そうしたルートなら当然岩場も付き物。大常木山の先までこの岩の連続とトレースの不明瞭さに苦しんだ。
竜喰山近くまで来ると岩場も終わり、不明瞭なルート探しに専念できるようになったが、大常木山周辺で体力を使い果たしていて、オーバーでなく、10歩歩いて休むような状態。いつになったら小屋に着くのかとヘトヘトになりながら予定よりもかなり遅れて将監小屋に着いた。広い小屋を6人で使用。荷物も広げて、布団も好きに引けてぐっすり休めた。
3日目。山の神土から尾根伝いに西御殿岩へ向かおうと思ったが、尾根筋は見て取れるが、トレースが見当たらず、しばらくうろうろしたあと、時間を考え、正攻法で行くことにした。
西御殿岩は最高だった。360度見渡す限り山、山、山。わずかに数軒の集落が見えるところもあったが、町は一切見えず、見えるのは360度山ばかり。自然の生み出す奇跡と芸術性にただただ感謝。こうして山で遊ばせてもらえてうれしい限り。この見える山のほんの一握りしか登れないだろうが、この景色はずっと残っていくことを心より願う。
そのあとは尾根伝いに唐松尾、黒槐、笠取山へと進む。笠取山は過去2回来ているが、2回とも雨で何も景色は見えなかった。3回目でやっと晴天に恵まれ、こういう景色だったのかとうれしく感じた。この道は修験の道だと書いたが、ずっと富士を見ながら修行というのはどんな気分だったのだろうと考えた。
笠取山西でしばらく休み、燕山へ。ヘトヘトだが昨日よりは体も動く印象。それでも古礼山を経て、本日ラストの水晶山の山頂ではベンチに10分ほど大の字で横になっていた。それで疲れも取れ、雁坂峠へ向かう。だんだんと大きくなる雁坂嶺に圧倒されながらも暢気に歌など唄いながら歩いた。
本日も予定より遅れて雁坂小屋に到着。今回の3つの小屋はどれも個性は違うがとても好きな小屋ばかり。楽しい一夜を過ごせた。ただこの日は朝から強い風が吹いていて、天気が下り坂であることを予見させた。風は夜もずっと吹き続けていた。
4日目。本日は下山のみ。空は雲で覆われている。今回はこの雁坂峠で主脈縦走はストップ。続きは次回。今日はここから道の駅みとみを目指す。尾根筋がどんどん遠ざかっていくのを淋しく振り返りながら、どうせ、今月末にはまた来るし、と思い直しながら歩いた。林道に着くころには無事に4日間を終えた感慨よりも、さあ4回目をどうする、とそっちにばかり気が行ってしまった。帰りは笛吹の湯につかって疲れと汗を洗い流した。
たくさんの方とあいさつを交わしたり、話をしたり。みなさんに感謝です。
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