【小金作戦】小川山〜大日岩〜金峰山【甲47.7】
- GPS
- 09:29
- 距離
- 19.8km
- 登り
- 1,821m
- 下り
- 1,832m
コースタイム
- 山行
- 7:54
- 休憩
- 1:36
- 合計
- 9:30
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
八丁平までの道、小川山への道、大日岩への道はマイナー感漂う感じだが、道は確りしている。 金峰山稜線の岩は時々足を置くと動くのがあるので注意。 樹林帯内の彼方此方に泥濘あり。 |
その他周辺情報 | 増富温泉が混むと思われたため、むかわの湯へ。 |
写真
感想
三連休の中でも最も好天が期待されたのが最終日である20日であった。ただ、一部の天気予報では降水確率が40%というものもあったので、当初予定していた空木岳または越百山の予定を改め、一番天気予報が良かった山梨北部の小川山を歩くこととした。
人気の山は早く行くに越したことは無い。前夜にみずがき山荘へ向かうと路肩に多くの車が停まっており、これは駐車場に入れるのかと心配したが、駐車許容量の大きい駐車場は十分な空きがあった。
就寝時にチラリと見えた星に安心し、2:50頃に降った雨に心配しと、一喜一憂の一夜を過ごす。八ケ岳ほどには寒くなかった。
朝目覚めると前日とは違って青い空が頭上を覆う。みずがき山荘のトイレで用を足してまずは富士見平へ。よく歩かれているだけあって道が広い。前日も歩いていることと岩がゴロゴロしていることから焦らずじっくりと歩く。道が濡れてきたら富士見平の水場はもうすぐで、その上は富士見平小屋だ。人気の山とあって、多くの人が山行準備に勤しんでいる。
富士見平小屋から瑞牆山方向へ向かう。静寂を取り戻した山道。天鳥川で身を濯ぎ、桃太郎岩を見ていこうと考えていたところ、八丁平への分岐の標識を見落として、分岐まで戻るのに若干手間取る。一休みして気を取り直し、八丁平へ出発。
八丁平への道は破線となっているが、人一人が通れるだけの幅の確りとした道がある。若干藪が煩いのと、渡渉地点で道が分かりにくい箇所があるくらいで、予想していたほどにはハードではなかった。それどころか、天鳥川の流れを下に見、青空と瑞牆山を見上げ、苔生した静かな道を独占できるというのはこの上ない喜びである。
八丁平〜小川山間も基本は樹林帯で、展望の無い森林浴という趣で臨んだのだが、展望の開けた箇所が2箇所もあり、言うことなし。多くの人が金峰山、瑞牆山に流れる中で、密かに楽しみを得られる所が小川山である。百名山ブームの最中ではあるが、山を歩く者としては百名山でも二百名山でも三百名山でもない、「隠れ百名山」とでも言うべきもの、自分だけの百名山を見出したいものだ。ちなみに八丁平〜小川山間で擦れ違ったのは往路復路とも1名のみだった。
八丁平〜大日岩間の道は以前大日岩からアプローチしようとしたところ、どこから立ち入ってよいかわからず断念したのだが、逆から歩いてみると道はしっかりしている。ただし、岩のあたりまで来ると崩壊地の下りの後、大きな岩をいくつも越えるようになり、どこに進んだら良いのか慎重に見極める必要がある。出たところは大日岩の麓で、前回大日岩にアプローチしようとした時に歩を進めた所からさらにもう少し下った所だ。よ〜く見ると消えかかった赤丸マークが続いている。う〜ん、わかりにくい。
視点を変えれば見方も変わるもので、前回来た時は「上れそうだけど、どこから上ったものか分からないし、危ないからやめておこう」と引き返したのが、今回は「ここを上がっていけば良いんだな」というのがわかる。
そして初めて大日岩の上に立った。難易度は五丈石よりも高いように感じたが、岩の摩擦力は強いので、やろうと思えばどこからでも上ることができるのかもしれない。
大日岩から下って、その後どうするか考える。この山域は他の所に比べて天気が持つようだ。ここで金峰山に登っておかなければ後悔しそうだ。また、大日岩と五丈石を両方上ってみたい。予定よりもかなり速く進行していたということもあり、金峰山へ足を向ける。
予定より速く進行している場合、「も少し足を伸ばしてみよう」ということはあり得るが、「思いつきのルート変更はやめよう」とあるごとく、単なる思いつきのみで足を伸ばすのは避けた方が良い。特にその先の道に不案内な場合は。どこまで行くのか、そこまでの距離・標高差は、時間的・体力的余裕はあるか、天候は持ちそうか、といったことについて考えることが肝要だ。現状認識に誤りがあれば、追加の目的地に着いたが力尽きるようなことになる。
昼前に山頂に着くと見てガシガシ上る。前日は12時15分に雨が降り始めたこともあり、時間と天気には若干ナーバスだ。どんどん下山者がやってくるので上るのにはちょっと遅いかなと思ったが、砂払いノ頭で空模様を確認。よし、大丈夫だ。
森林限界を超えて金峰の岩の稜線を歩く。甲府は36度に達するとも予想されていた真夏の灼熱の陽光に焼かれるかと思っていたが、意外と熱さを感じない。或いはこういった体感というものには、やはり体調が影響しているのかもしれない。
天気もどうなるか分からないし、皆速めに下山するのかな?という不安とは裏腹に山頂は多くの人で賑わっていた。金峰山頂は3度目だが、その中で最も多く人がいる。まあ、昼時だから当然と言えば当然か。
はるばる山頂まで来たのは大日岩とセットで五丈石に上がることだったので、鳥居で一礼の後五丈石に取り掛かる。久し振りに来たので、一部の箇所についてどう上ったのかうろ覚えだ。真ん中あたりで2、3回ほど上るのに失敗する。ここはどう上ってたっけ?後ろからは「前の人に付いていけば上り方がわかって上れそうだ」と思ったのだろうか、若いのが2,3人すぐ後ろに迫る。危ないなあ。前の人が上っている時に距離を詰めてくるんじゃないよ。何かあったら巻き添え食らうことになるぞ。とにかくさっさと上ってしまわなければと踏ん張って、辛うじてクリア。そこを過ぎれば後は簡単だ。そして五丈石上で夏日を浴びる。後ろに詰めてきた若者の内の1人もクリアできたようで、その後上ってきた。
展望は東側と南側が雲に覆われ、そっちの方の山は見えないものの、西側は雲に覆われつつも南アと八ケ岳を見渡し、瑞牆山、小川山のラインはまだ青空が健在といったところ。天気はもしかしたら下山時まで持つかもしれない。足を伸ばしてよかった。
降りる時は降りる時で、若者グループの残り二人が私も難儀した所で相変わらず上れずにいた。その後結局上れなかったようである。大日岩の方が難しいと書いたが、こちらもこちらでコツがいる。親子連れと思しきのが、そのさらに下の取り付き部分で苦戦していたが、大人の方は何度かトライして断念、子供の方はなおも未練があるようでさらにトライしていた。難しいなと思ったら他に容易に取り付けるところが無いか見渡してみてはどうだろうか。ただ、背の低い子供単独でのアプローチはいずれにせよ不可だろう。五丈石は誰にでも上れるわけではない。能力的に見合わない人は取り付き部分で断念することになり、その結果、無駄な事故が抑止されているように思う。
見るべきは見、上るべきは上ったので、後は雷雲との競争だ。下山が先か、落雷が先か。時々、立ち止まり、振り返っては展望を見渡しつつ雲の状況を確認する。先程までいた金峰山頂は雲に覆われてしまったが、頭上にはなおも青空があり、森の中にも陽の光が差し込んでくる。これは下山まで天気が持つと思う頃には富士見平への道も大分楽になってきていた。
その中で、これまた下山中の若者4人組が何だか危なっかしいと感じる。何を急ぐのか分からないが、結構なスピードで歩いている。内の一人はそのペースに付いていけず、グループから遅れては走って追い着の繰り返し。他の山行者も彼等を避けるようにしていたが、案の定、最後の方ではずっこけて尻餅をついたり、「左脚が痛い」と言ったりしていた。もちろん原因はメンバーの一人を走らせるほどの無理やりなペースにあるのだが、根本的な原因は周囲に配慮しない者がマイペースにズンズン行ってしまうので他の者もつられて早足になり、全体として無理のあるペースになったというところか。グループ山行を単独山行と同じ気持ちでやるとこうなる。落伍しがちだった者も、先頭の者の目がグループ全体に行っていないのだから「ペースが速過ぎる」と一言言わないとダメだろう。
夏休みということもあって、気になる山行者も目についたところだが、我が身を振り返れば他人のことをとやかく言えるほどには無難に完踏、下山することができた。天気も最後まで晴れ。夏本番の導入としては申し分ない。混雑するはずの三連休に静かな山行ができたのもこれまた大きい。まさに大成功だ。
山の恩寵に感謝しつつ、心は早くも次なる高み、もう一段上の高みへと馳せる。
その前途は本山行のように明るくあるだろう。
〜おしまい〜
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