国際スキー場から氷ノ山周回
- GPS
- 06:58
- 距離
- 12.7km
- 登り
- 980m
- 下り
- 973m
コースタイム
- 山行
- 5:45
- 休憩
- 1:13
- 合計
- 6:58
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
よく踏まれた登山道 |
その他周辺情報 | 福定に民宿 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
昼ご飯
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
GPS
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
カメラ
シュリンゲ
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感想
先々週、琵琶湖西岸北部の大御影山に登った。その動機はある意味偶然といっていい。たまたまそこが、サンインシ ロカネソウの咲く山と知ったからだ。第一、この花の名は初めて聞く馴染みのないもので、その正体を知らぬままに出かけたのだった。朝、登るときには、生えている筈の場所でこの花を見つけられず、すれ違う人に在り処を教えてもらって下りに見るつもりが、下りでもやはり見つけられなかった。たいそう小さい花で座って探さないと見つからないという。以来、気になって、ちらちらと調べていたら、結構各所に自生地があるのだった。自分になじみのある若杉天然林(岡山県西粟倉村)、鳴滝山(鳥取県三滝渓谷の北)、氷ノ山などが含まれていて、特に氷ノ山は花期が遅いようなので、まだ間に合うかもしれない。生息環境もなんとなくわかってきた。終始水に濡れているようなところ、つまり湧水周辺や小沢の端に生えるらしい。そしてキンポウゲ科。そうか、ならば「あんな葉っぱの形」だな、と。
そこで挑んだ氷ノ山。すでに山頂は3回踏んでいる。二回は雪の季節、一回は秋。夏に南面の久曽木谷の遡行、ブン廻しコースで鉢伏へ、そして雪の時期の久曽木から大段、これらを含めると6回はこの辺りを彷徨しているが、5月という季節は初めてだ。記録によると東尾根ルート上に自生地があるとのこと。東尾根は未踏でもあり、今回は福定から氷ノ越−山頂−東尾根の周回をすることにした。
なんせ人気の山、8時には福定親水公園駐車場はいっぱいになると聞いていたので不安だったが、やっぱり、の満車。国際スキー場の駐車場に折り返してここから出発する。オドリコソウが花盛りで、年1化のウスバシロチョウがふらふらと危うげにあちこち飛んでいる。親水公園で簡易トイレを借りて、すぐに登り始める。滝場の下を渡渉して対岸に上がり、振り返って見上げると、布滝が100m弱の圧倒的落差で落ちている。見事だ。ここから尾根末端をジグザグに登っていく。足元にはオオイワカガミの群落が広がるが、すでに花はほとんど終わっている。右手からは布滝の、また左手からは不動滝のうなりが響いている。このコース中ではもっともきつい登りだが、周囲のブナ林の若々しい緑が陽光に輝く中を行くのは心地よい。ジグザグが終わると平坦になって杉植林にかわり、すぐに地蔵堂に達する。その先、それなりの上りでブナ林の下を気持ちよく進んでいく。主稜線が間近に迫ってきたらしく、道は斜面をトラバース気味に登るようになる。小沢の水源となる湧水が目に付くようになり、弘法の水を過ぎて一口水に差し掛かった。道は傾斜しているので視線は自然と地面に向く。その時、キンポウゲ科に特徴的な葉型をした植物が、濡れた石の上に何本も生えているのが目に入った。よく見ると何やら花のようなものが・・・。アッ、あった! サンインシ ロカネソウだ!! 小さな花とは聞いていたが、それは小さいのだった。ネコノメソウより一段小さいと言えば、イメージが浮かぶだろうか。あらかじめそうと知らなければ、我々の視覚認知の網の中には入ってこない大きさである。見つけたのはいいが、そのサイズ、地表との距離の無さ、下向きに開いた花、この条件が撮影を極度に困難にする。しゃがみこんで時を忘れて撮影を試みる。なんせ氷ノ山のメインルートだ。次々に来る登山者に道を開けつつ何があるの、に答えながらなんとか写真にするのであった。
これで今日のミッションは果たした。予想外に登りの途中での達成となった。気持ちが軽くなったせいか、氷ノ越(今どきは氷ノ山越と呼ばれるようになっている)では休憩もせずに、主稜線のプロムナードを登っていく我々である。周囲は近隣の山ではシカの暴食で消えてしまったネマガリダケが密藪をつくっていて頼もしい。みると、kinuasaがちゃっかりスズコ(タケノコ)を手にしている。東北時代の楽しみの復活だ。生のままぼりぼりかじりながら登る。味が濃く旨味がつよい。
やがて、眼前に甑岩が現れる。積雪期、この巻き道がこわい。夏道はしっかりと管理された幅広のルートなのだが、雪が積もると植物がみな雪の下に埋もれ、谷に向かってまっしぐらの雪の急斜面となる。その上を細いトレースが着いた状態で、ここを幅広のスノーシューをはいたまま通過した時には緊張を強いられたものだ。今日はこの岩を登ってみようかと、取り付いた。道からせり出して見える岩と山肌のコンタクトラインを登ってみるが、途中から左の岩盤に乗って越さないとならないようだ。一方、左にせり出した岩には15センチくらいのベルト状のテラスがあり、こちらを行けるところまで行ってみたが、どん詰まりとなった。岩盤上に出たので眺めは実にいい。結局、最初のクラック側から行くようだったが、何も予習をしておらず、そのまま上がって詰まると難儀なので出直すことにした。
道に戻って進んでいくと密藪の中からガサゴソ音がする。そうか、スズコ採りだな。季節の風物詩だ。そうこうするうちに山頂がぐんぐん近づいて、馴染みの避難小屋のあるてっぺんに飛び出した。先週の藤原岳ほどではないものの、大した賑わいである。ここで昼食をとる。
休憩の後、未踏の東尾根コースを辿ることとする。古生沼は地図でその存在を知ってはいたが、今回初めて寄ってみた。水気が飛んでしまっており、大丈夫なのか心配になる湿地である。コースに復帰して古千年杉という天然杉の林立する湿地帯に入るが、こちらも乾燥傾向だ。
神大ヒュッテから左に折れて山腹を進む。東尾根コースの温帯林は比較的若く、氷ノ越へのルートとはまた違った味わいがある。ここも沢の源頭をまたぐように道がついている。小沢を横切るところを注意してみてみると、サンインシロ カネソウが群落をつくっていた。ここが、当初狙っていた場所である。再び撮影を試みる。何とか「みられる」写真が取れたので、切り上げて下山再開である。長い下りをこなして自動車道路にでると、単独行の方がダケフキの茎をとっておられる。こちらはワラビ狩りだ。立派なワラビが生えているのをその方に教えていただいて、今年はとれないかと思っていたワラビをしっかりゲットできた。ここから延々と車道を下り、駐車地に戻る。逆コースをとっていたらこの車道が地獄の上りと化していたわけで、ラッキー!と思うことにするめでたい二人であった。
このお花は、福井では絶滅危惧種粁燹∧叱砲任論簗粘轅種砧爐砲覆辰討い襪里如特に大切にする必要があります。そのためお花の場所か名前は載せず、業者に盗掘されるリスクを少しでも減らした方が無難です。
「ヤマレコ 氷ノ山 花の名」でGoogleなどで検索されると、載せられたレコが表示されます。ネット情報はずっと残りますので、希少種を載せられる時は、場所を悟られないよう細心の注意が必要です。以前、そのことを知らずにヤマレコに場所を載せ、数年後に行った時に花が見つけられず後悔したことがあります。
もしよろしければ、検索されないよう花の名前の間にスペースなどを入れるか、ヤマレコに希少種の写真をアップされる時は「撮影情報を削除」をONにしてアップするなどされてはと思いました。偉そうにすみません。
この件の下の日記もご覧いただければ、より伝わりやすいかと思います。長文失礼しました。
https://www.yamareco.com/modules/diary/72135-detail-190270
https://yamap.com/moments/1010607
頂いたコメントに沿って名前の途中にスペースを入れました。毎回、スペースの位置も変えてみました。
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