北鎌マイスターと行く槍「稜線通しが正解!」
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- GPS
- 49:30
- 距離
- 42.5km
- 登り
- 2,592m
- 下り
- 2,578m
コースタイム
- 山行
- 8:00
- 休憩
- 1:10
- 合計
- 9:10
- 山行
- 8:46
- 休憩
- 1:47
- 合計
- 10:33
- 山行
- 6:00
- 休憩
- 0:30
- 合計
- 6:30
天候 | 14日 雨のち曇り(上高地では撤退しようか迷う程の大雨) 15日 晴れ 16日 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー 自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
敢えて言えば正解ルートに危険箇所なし。 でもそれはonsenさんの適切なルーファイがあってこそ。 ちょっとずれたらロープが無いと危険な箇所多数。 「北鎌は1に体力、2にルーファイ、3に天候」(by onsen) 稜線通しはクライミングとクライムダウンの連続で体力を使う。 稜線を牛歩しても巻道に進んで進退窮まったパーティーを結局は次々パスして進む |
その他周辺情報 | 中央の渋滞を避けるため入浴は諏訪湖SAの入浴施設でさっと済ませる |
写真
雷雨の中、onsenさん「止めようか?」との弱気のコメント。「今日は降ったり止んだりだけど明日は晴れるから!」と私。(M)
この辺りでスマホとカメラを落とす。回収に約30分のロス。(M)
ソールを張り替えて3年しか経過していないので安心していましたが、最近はトレランシューズばかりで殆ど使っていなかったのが原因でしょうか?よりによってこれから北鎌尾根というときに。。。(m)
ヤマケイのDVDではここでロープを出していましたが、あっけないほど簡単でした。逆コの字を過ぎたら直登に入ります。(m)
どこからでも登れそうな感じですが、不安定な岩もあり、岩選びの重要性を思い知らされました。脆い岩を選んだら大体その上はもっと脆くなってます。手掛かりが不安定ならその上の手掛かりはもっと不安定で足掛かりも不安定ということですね。さすがです。(m)
この上で思わず雄叫びしてしまいましたw。念願の独標からの槍です。この景色が見たかったんです!(m)
槍(ヤリ)ましたね(笑) しかしこの達成感は北鎌を歩いた者だけに与えられた特権です。是非皆さんにも安全に味わって貰いたいです(o)
感想
今まで槍は東鎌、西鎌、槍穂稜線、槍沢、飛騨沢を歩き、計6回登頂していますが、唯一歩いていなかった北鎌。いつかは北鎌。その願いが思いの外早期に叶いました。
きっかけは飲み会での北鎌マイスターonsenさんの一言。「北鎌はいいよ!簡単だよ。」その言葉に食い付かない訳はありません。
最近山に全く行っていないというonsenを口説き盆休みでの山行決定です。
当所はonenさんが最初に北鎌をやったときの湯俣からのクラシックルートで検討しましたが、水量がまだ多く、安全に行ける水俣乗越経由にしました。個人的には渡渉訓練にも参加して沢道具も準備しましたが、まだスキルも不十分。湯俣からは水量が無いときですね。
さて北鎌。
onsenさんのルーファイでクライミング技術の殆ど無い私でも難なく歩くことができました。巻道があっても独標以外は全て直登しました。切り立った岩の登下降は体力勝負ですが、ザレた箇所は殆どなく岩も安定しており、安心して岩に集中できました。巻道は殆どの場合最後に落石必至のガレ沢や細いバンド通過になり、上からみていても多くの方が恐ろしい場所を歩いていました。北鎌は稜線通しが基本です。P8以降の全てのピークを踏みます。疲れてくると巻道の踏み跡を行きたくなりますが、稜線ルートは安全確実です。正解ルートではロープもハーネスも不要です。
念願だった独標山頂からの槍を見ることが、バケットリスト(死ぬまでにやりたいいリスト)を1つ消し込むことができました。単独では独標を巻いていたでしょう。
上のチムニーを越えて穂先に出たときの達成感は格別でした。今なら言えます。「北鎌はいいよ!」
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ところで、今回は今までの山行の中で一番ミスが多く、自戒の意味を含めて記録しておきます。これだけミスをしたら事故起こしてもおかしくないです。
1.食料、衛生用品の車への置き忘れ。途中の小屋でカロリーメイト等を購入して補充しました。独標山頂で食べるつもりで態々用意したチーカマは車の中で生暖かくなっていました。赤牛山頂で飲む予定だったレッドブルを家の冷蔵庫に忘れて以来の失態です。
2.寝不足。前日仕事を20時近くまでやってから23時に自宅を出て沢渡3時過ぎ着。仮眠30分で体調最悪でした。今シーズンは明らかに体力落ちています。
3.天上沢下りで携帯とカメラを落とす。回収に30分ロスしました。onsenさんは歩いた岩を正確に記憶しており非常に助かりました。
4.シュラフ必要でした。ダウンの上下にシュラフカバーでしたが、予想外の冷え込みで殆ど睡眠できず。前日の寝不足から回復できませんでした。
5.ソール剥がれ。張り替えて3年のスポルティバ。朝一の北鎌沢右俣登りで剥がれ始めました。大ピンチです。北鎌のコルで通りかかった登山者に針金を頂き、onsenさんにもテープとスリングを貸して頂き何とか歩き通すことができました。ちなみに下山後にソールを確認したら半分以上剥がれてあと少しでベロンでした。ソールは滑るし相当神経をすり減らしました。
6.財布に金不足。山用の財布に現金を足すのを忘れて小屋代不足。onsenさんに借りて帰路のセブンでお返ししました。恥ずかしい限りです。
睡眠不足、準備不足、体力不足。大反省ですm(_ _)m
北鎌尾根
何時だったか、マツさんとガル姐と飲む機会があって、3人で北鎌尾根に行くことに
なった。
しかし、ガル姐の日程が合わず、(というか私がお盆の期間しか連休が取れないので)
マツさんと二人でコラボ登山と相成った。
北鎌は2011年に3度登っており、CLを2度経験しており、「北鎌だったらご案内でき
るかもしれない」的な話が事の発端ではなかったと記憶している。
北鎌尾根はエスケープルートはない。一度歩き出したら後戻りできない山域なので、
以下の三条件が安全に歩ける3要素であると思っていた。
それは1に「体力」2に「ルートファインディグ」3に「天候」である。
どれか一つが欠けても難易度は格段に上がる。
「体力」は道に迷い、または重い荷物を背負って山行時間が伸びても、それを乗り越
えて歩き通せるだけの体力を持ち合わせているか?それでなくても大小数えきれない
程のピークをいくつも超えて槍の頂きまで到達しなければならず、それだけでも中々
手ごわい。
今回私は仕事が忙しすぎて、北鎌尾根への準備が全くできていなかった。2年間全
く歩いていないし、北鎌のトレーニングも赤岳のピストン一回だけしか行けなかった
ので、槍ヶ岳からの下りでは両腿の筋肉痛で大変な思いをした。あと1日山行が延び
ていたらとんでもない事になっていたことだろう。
「ルートファインディグ」ルーファイは正しい道を選択する目。若しくは力。これは
自分もそうだが、リーダーのルーファイの出来次第で時間が短縮さるし、一緒に登る
メンバーの体力の消耗を防ぐことができるし、なにより安全に歩くことができる。
「俺たちは巻きにきたんじゃない。登りにきたんだ」歩いている最中、私がよく口にしたことだが、疲れて巻きたい気持ちを抑えることが大事。
それでも直登できない所があり、それは巻き、直登できるところは全て直登する。そ
うした方が大きな岩にセパレートされていて、結局は安全で歩きやすい。
そしてピークに着いて行き詰まったら、また巻くが鉄則のようだ。
「天候」は言わずと知れたこと。
雨が降らなければ、岩でスリップして滑落する危険性が減るし、風が吹かなければ煽
られて危険な思いも軽減される。当たり前の話だが悪天を突いて北鎌に突っ込んでも
良いことなどありえない。
そういう意味での3要素だが、今回はそれにもう一つ「装備」を加えたい。
今回北鎌沢出合でのビバーグでは二人ともかなり寒い思いをした。マツさんが計った
ら気温は5℃だったそうだ。通りで寒い筈だ。
多少のテントの結露は致し方ないと思うのだが、それによってシュラフが濡れるのは
まずい。私は夏仕様のシュラフだったが、シュラフカバーは必要だと思ったし、寒す
ぎてシュラフを頭からすっぽり被った程だった。ダウンのジャケットだけでも持って
いけば良かったと後悔した。
マツさんも寒過ぎて眠れなく、次の日の歩きに影響したようだ。
また、マツさんは不慮のアクシデントで登山靴のソールが剥がれるという事があった。
新しい登山靴に越した事はないが、3年前に張り替えたそうだから、これは誰でも有
りうることだ。
もし、起こったら、応急処置のできるテープや針金等応急処置ができるものを、その
装備品にリストアップする必要があると思った。
また、何かのアクシデントで稜線上にビバーグする必要があるなら水も必要だろう。
食料も別に必要かもしれない。
そんなことしたらザックは大きくなる。重くなると言われるなら、それを担いでも歩
けるだけの体力を養えばいいだけのこと。
だから、それは「体力」に通じる。
北鎌尾根に臨むなら、歩く準備を怠らず、トレーニングを十分に重ねてから臨みたい。
最後に、北鎌沢から、私のルーファイを信じて一緒に歩いた31歳の四日市からの青
年は、来年の4月に結婚するそうだ。お相手の奥様は7歳年下の24歳だそうでここで
死なせたら嫁さんに一生恨まれると身を引き締める。
マツさんは、今までに沢山の山に登られてて経験も豊富な方で、そんなお二人が最後
まで私のルーファイを信じて下さり、一緒に歩いて下さったことに大変感謝しています。
登攀中、私は身の引き締まる思いで安全で最適なルートを選択することだけに集中し
て歩けました。
この場を借りましてお礼申し上げます。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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行かれたんですね^o^
初日雷雨で、よく決行しようと思いましたね(笑)
でも2日目の空と景色、すごく綺麗!
あ〜、私も行きたかったな〜
一度目は初めっから巻に行きましたのでね。。
次回は私も登りに行きたいところです。
ヘリテイジのストックシェルター、買うかどうか相当悩んだ事あります。
結局購入には至らなかったのですが、MATSUさん、もう少し詳しいレビューを頂けましたら有り難いです!
余談ですが、自分は結局モンベルのドームシェルターにしました。
先日初実践しましたが、自分的には及第点でした。
それにしても殺生を0:30出発って
onsenさんもお元気そうで何よりです
もしかして北方稜線以来でしょうか?? (ひえ〜、本当に?)
お二人の元気な姿見られて良かったです。またそのうち〜(^▽^)
ittiさん、コメントありがとうございます。
行ってきましたよ〜
私も単独だったら巻道行ってました。しっかりした巻道の踏み跡を見る度に「こっちじゃないの?」とonsenさんに聞いていました。巻道を無理に行ったら結局は酷い登り返しになるんですよね。
ストックシェルターを使うのは早川小屋、槍平小屋と3回目ですが、好天では快適ですが、スペースが狭い分悪天候と高湿度での利用には不向きですね。でも結露を防ぐように通風を確保してその代わりシュラフで保温するのが良いみたいですね。
はい、またそのうち
いっちさん久しぶりです。
ittiさんもお元気そうで何よりです。
私自身の登山は二年ぶりで久しぶりで(ittiさんも二年ぶり?)それが、成行きとはいえ、
まさかの北鎌尾根ですから、多少尻込みしたのはしょうがないこと。
そこに上高地で雷鳴が響き大雨だった時には、これ幸いと「撤退」の二文字が脳裏に浮かぶ
のはしょうがない事ではないでしょうか?(笑)
結果的にはギリギリで歩き通せることができて良かったと思ってますが、次はこんな無茶は
せず、もっと準備せねばならぬと後悔しているのです(本当に(笑)
また、機会があったら山ご一緒しましょう!
無事北鎌制覇、おめでとうございます!
天候が天候なので心配していたけれど、決行がイイ目に出てよかったですね!
”いただけない”ところもありますが(←ギャグだよ
余談ですが、アルプスでガイドに岩稜歩きの極意を聞いたところ、「トラバらないでリッジ」とのことでした。
もちろん、地形と状況によりますが、お二人の記録を読ませていただいて思い出した次第。
ブランクを感じさせないonsenさんのルーファイ、お見事です
MATSUさん、やったね
「目標」があるってステキだなーとしみじみ。
オヤジたちの夏休み、カッコ良すぎです
お疲れでしたー♪
ガル姉、コメントありがとうございます。
はい、今回山行の一番の目的は独標からの槍でしたので好天に恵まれて見事達成です。
リッジ通しは体力勝負ですが、北鎌に関しては安全確実ですね。
onsenさんのルーファイは確実でした。
今度はオヤジに混じっていかがですか
ガル姐ありがとうございます。
北鎌尾根何とか歩き通せてよかったです。
一緒に歩きたかったですが、オジサン二人でも色んなことがあって、それはそれで
楽しかったです(笑)
それに、久しぶりの北鎌でしたが、二日目の天気が最高で大満足すること
ができました。生意気な言い方ですが、「やっとここに帰ってきたんだな」と
思ったものです(笑)
相変わらず、ガル姐は精力的にいろんな山に登られてるようで、一緒に登ったら
きっと追い立てられるような登山になっていたかもしれませんね?(笑)
また、計画して山の予定立てたいものです。こんどこそはご一緒に登りましょう
matsuさん、onsenさん、cc:garumaaさん
巻かないで稜線ならロープ出し不要、など重要な情報ありがとうございます。
また、単独の方もいるのですね。私は岩と沢は単独は?と思っていましたが。
軽量化して頑張る??。
i_wata18さん、コメントありがとうございます。
独標からの槍を見るのが目的でしたので天候にも恵まれてラッキーでした。
もちろん稜線でも一般道では危険印が付く箇所多数ですが、クライミングもされるi_wata18さんであれば単独でも全く問題ないレベルだと思います。手袋は指先まであるものをお勧めします。私はクライミング用のハーフフィンガーを使いましたが指先がすり減ってしまいました。
i_wata18さん
おひさしぶりです
お返事遅くなりました。
4年前の富士山以来ですね。
北鎌尾根・・毎回何らかの感動を与えてくれます
しかし、私などは初めての北鎌尾根は歩きのイメージが湧かずガイド登山でした。i_wata18さんはあそこを単独で歩こうとしているのですか?
だと、すれば凄いです。一度歩いた道は要領がわかり、同じように歩ける気がしますが、初めて北鎌をルーファイしながら単独で歩くというのは、本当に北鎌を自分の手で制覇した事だと思います。
それって普段の総合登攀力が余程身についていないとできない事だと思います。
本当に凄い事だと思います。
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