夏のアルプス始め 黒戸尾根〜早川尾根
- GPS
- 15:15
- 距離
- 22.8km
- 登り
- 3,233m
- 下り
- 2,489m
コースタイム
- 山行
- 4:43
- 休憩
- 0:38
- 合計
- 5:21
- 山行
- 7:37
- 休憩
- 2:13
- 合計
- 9:50
天候 | 1日目 晴れのち雨 2日目 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
東京〜尾白川渓谷駐車場 毎日アルペン号 ■復路 広河原〜甲府駅 山梨交通バス |
コース状況/ 危険箇所等 |
・尾白川渓谷駐車場〜七丈小屋 樹林帯の急登が延々と続く。刃渡りの手前にようやく鳳凰三山の眺望がある。刃渡りは左右が切れ落ちているものの、道幅も広いため注意すればそれほどではなかった。刃渡り以降は鎖や梯子が増えるが、一般的な鎖場(丹沢表尾根など)をクリアできる技量があれば特に問題ないと思う。 ・七丈小屋〜甲斐駒山頂 8合目以降は鎖場が連続する。傾斜は厳しいが、3点支持が出来れば問題なく通過できるレベル。 ・甲斐駒山頂〜仙水峠 特に危険個所はなし。花崗岩の砂が少し滑りやすいので転倒に注意。 ・仙水峠〜栗沢山 樹林帯の急登が続く。特に危険個所はなし。森林限界を越えると甲斐駒の眺めが素晴らしい。 ・栗沢山〜アサヨ峰 距離は短いがゴーロ帯の岩場を歩く。岩場はストックが邪魔かもしれない。 ・アサヨ峰〜早川尾根小屋 特に危険個所はなし。樹林帯に入ってからは歩きやすい道が続く。 ・早川尾根小屋〜広河原峠〜広河原峠登山口 特に危険個所はなし。 |
その他周辺情報 | ■シャワー 広河原山荘で利用可 ■宿泊地 七丈小屋 テント1張1000円 |
予約できる山小屋 |
七丈小屋
|
写真
感想
今年のアルプス始めは南アになりました。
もともとは北アの予定でしたが予報が悪く、比較的マシな南アに変更。とはいえ1泊2日で行けるところは限られているしと考えた末、未踏の甲斐駒黒戸尾根を歩くことにしました。さらに去年歩いた早川尾根もプラス。
延々と続く樹林帯に、梯子と鎖の連続となかなかタフな道でしたが、きつい登りを歩き切った達成感、さらに早川尾根の静かな稜線歩きを堪能できた2日間でした。
〜以下山行記録〜
7/6(土)尾白川渓谷駐車場〜七丈小屋
竹橋で甲斐駒行きのアルペン号に乗り、尾白川渓谷駐車場についたのは翌日の3時15分頃だった。
まともに眠れなかったせいか頭が軽くぼーっとする。バスの中では、時折頭がカクリとなる程度だった。
3時40分頃、ヘッドライトをつけて出発する。神社を抜けて、尾白川にかかる橋を渡る頃には空が白み始めていた。日本三大急登の一つだけあり、初っ端から急登が続く。幸いつづら折りなのでそこまで急には感じないが、テント泊にとってきつい登りなのは変わりない。
じわりじわりと急登を歩くこと約2時間、5時35分に笹平分岐に到着。ここまでずっと樹林帯で、続く道も緑濃い樹木に覆われている。同じ三大急登でも、西黒尾根ならとっくに展望が開けている頃だ。展望無しの急登が続き、体力的にもメンタル的にもきつい。とはいえ人は少なく静かで、すれ違いがほとんどないのは快適だった。修験道の山なので、時折現れる祠や仏像を眺めるのも面白かった。
刃渡りの手前でようやく鳳凰三山と富士山が見えた。延々と樹林帯歩きだったので嬉しい。遠目に地蔵岳のオベリスクも見える。刃渡りは両側が切れ落ちているものの、岩はしっかりしているし、それほど幅も狭くは感じなかった。
徐々に梯子や鎖が増え始め、両手を使ってよじ登ることを余儀なくされた。道自体の難易度は大したことはなかったけれど、この辺りから七丈小屋までは猛烈な便意との戦いだった。なのでこの辺から七丈小屋のトイレに駆け込むまでの記憶は抜け落ちているというか、恥ずかしながらお腹のことしか考えられなかった。
七丈小屋のテント泊受付は10時からと張り紙があった。ただ、10時前に到着した場合は先にテントを張っておいてOKとも書かれていたので、小屋から10分ほど離れたテント場に向かった。まだ早い時間なので他には1名しかおらず、いい場所に張ることができた。
朝食を食べていなかったので売店でカップ麺を買い、小屋横のベンチに腰掛け、ビール片手にずるずると麺をすすった。急登をたっぷり歩いた後のカップ麺は格別だった。
15時ごろから強い雨が降り始めた。新調したプロモンテVL18がどこまで耐えられるのか心配になったけど、漏水は全くなくて安心した。
夕飯はアルファ米のチキンライスを食べた。GWの笠取小屋で盗み聞きした話を思い出し、試しに普通のお米同様に炊いてみたら結構美味しくなった。いい発見をしたと思った。
7/7(日)七丈小屋〜甲斐駒ヶ岳〜広河原
2時に起床。食事と撤収を済ませて3時半に出発。
テント場から30分ほど登るとようやく森林限界を抜けた。樹林帯の区間が本当に長かったので、朝焼けに染まる空を見た時は本当に嬉しかった。
標高を上げるにつれ鎖場が増えた。傾斜の厳しい箇所もちらほらあったので、ホールドを確保して注意深くクリアした。
5時ごろ、甲斐駒ヶ岳に登頂。約一年ぶりの2回目だ。期待通りの快晴で、北岳、鳳凰三山と富士山、八ヶ岳までも見渡せた。長く険しいルートを歩いて来ただけあり、達成感もひとしおだった。
ひとしきり景色を眺めてから下山を開始。花崗岩の白砂の巻き道を歩き、途中摩利支天にも寄った。駒津峰から少し下ると再び樹林帯の急坂に入り、7時50分頃、仙水峠に到着。この時の余力次第では北沢峠に降りることも考えていたけど、まだ歩けそうなので栗沢山に向かう。
賑わっていた甲斐駒とは打って変わり、栗沢山への登りは静かだった。通る人が少ないせいか苔の緑も濃い。昨日は延々と続く樹林帯にうんざりしていたのに、南アらしい深い森に嬉しくなる。よく眠れたからなのか、昨日より楽しむ余裕が出てきた。
8時45分頃、栗沢山に登頂。登った道を振り返り、日光を受けて白く輝く甲斐駒にしばし見とれた。南東にはアサヨ峰、さらに先には高嶺、地蔵岳へと尾根が続いている。
岩場を40分ほど歩いてアサヨ峰に登頂。相変わらずの快晴と静けさが気持ちいい。振り返って、岩稜帯の稜線と栗沢山と甲斐駒が一緒になるように写真を撮った。大展望でありながら人が少ない。本当にいい尾根だと思った。今年も歩くことができて良かった。
アサヨ峰から下り、再び樹林帯に入る。去年歩いた時は夜明け前だったから分からなかったけど、樹林帯に入ってからも歩きやすい道が続いた。早川尾根小屋につき、トイレを済ませて水場に向かった。勢いよくドバドバと流れていたので手ですくい、首筋と顔と腕に思う存分かけた。炎天下を歩いて来たのでたまらなく気持ちよかった。
その後も樹林帯をゆるやかに下り、広河原峠から沢沿いに下った。沢沿いなので先日の大雨で道が荒れていないか心配だったけど、特に倒木や崩壊もなく歩きやすかった。等高線は詰まっているが、つづら折りなのでそれほど急にも感じなかった。
広河原峠登山口からはアスファルトを歩き、広河原山荘へ。シャワーで汗を流した後、山荘の食堂でビールともつ煮を注文し、だらだらしながら甲府行きのバスを待った。
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