芦川右岸縦走
- GPS
- 23:55
- 距離
- 69.6km
- 登り
- 3,560m
- 下り
- 3,560m
コースタイム
- 山行
- 4:41
- 休憩
- 0:34
- 合計
- 5:15
- 山行
- 10:23
- 休憩
- 1:51
- 合計
- 12:14
天候 | 晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
自転車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
一般登山道 |
写真
感想
土曜日、早朝用事の前に自転車をデポする予定だったのが、忘れ物を家に取りに帰っていたら用事の後になってしまったり、そもそも14時くらいまでだと思っていた用事が15時過ぎまでかかったりと、何かと時間が押してしまっていた。
尾根の先端にあたる三珠農村公園に着いたのは17時前。まだ夏至半月過ぎで、行動には全く支障がない明るさだが、既に陽は傾き始めていた。暑さを懸念して6Lの水を詰めたザックを背負い、山に入った。
桜峠までは、マウンテンバイクのコースとしても整備されている良い道だ。それ以降も、倒木等はあるものの登山道として問題なく機能する道が続いていた。調子よく標高を稼ぐ。尾根歩きが目的なので、大峠手前の913mピークへは林道から外れ、尾根に乗って歩いたが、藪が濃く大変だった。山頂を南北に貫く立派な林道ができており、傍らの掲示にはリニアに電力を供給する送電線を作っている旨が書いてあった。 2時間歩いたので、大峠で休憩とした。時刻は19時、そろそろ自然光に頼った行動は難しい。しかしコースタイムはあと16時間、今日中にもう少し歩いておきたいところだ。
ヘッドライトを頼りに、たいら山、七覚山、日蔭山と、小さなピークを越えていく。気温はさほど高くないのだが、湿度が高く、ミストサウナの中にいるようだ。これはこれでかなり辛い。風はなく、自分の足音と熊鈴の、ガサガサ、カラカラという音だけが聞こえ、時折シカの警戒音が耳をつんざく。真っ暗な世界の中、リニア供給線工事のためのモノレールが心強い。
日陰山からの下山時あたりから、目の奥の鈍い痛みが強くなってきた。夜間の行動では、野生生物や眠気、脚の筋肉と戦うことになると思っていたが、まずやられてしまったのは外眼筋であった。
ハトロ峠は狭かったため、千畳敷へ。日蔭山山頂部は平らで寝やすそうだったと後悔はするものの、名前からして寝やすそう「千畳敷」に期待を込める。踏み跡が薄く、暗い中では分からなかった部分も多かったが、別に危険はないので、ヘッドライトに照らされた中で登れそうなところを適当に登った。標高差300mの長い登りを経て辿り着いた千畳敷は、千畳敷けるかはわからないが、少なくとも1畳ちょっとあれば張れる1人用テントには充分な、柔らかく平らな地面があった。
ちゃちゃっと設営。非自立式だが、良い位置に立ち木があったので、自立式より時間がかからなかった。時刻は22時半、ちょうど普段寝る時間くらいで、眠くなってきた。狭いテントの中で、ザックとスペースを分け合い、横になった。
しかし、このテント、ツェルト的に使えるよう、ベンチレーションから首を出せるようになっている。0時頃と1時過ぎに、恐らくそこからカマドウマが侵入し、その真下にあった首元に落下するという事件が2度あった。その度に飛び起き、カマドウマをひっ捕まえて外に放り投げた。結局手ぬぐいで首と顔を覆うことにより力マドウマとの共存の道を選び、朝まで束の間の平和な睡眠を得た。
寒さから起きたのは4時過ぎだった。辺りはもう明るくなり始めている。朝食を摂り、テントからカマドウマを追い出して畳み、4時半に出発した。
既にヘッドライトは要らなかったが、まだ湿度の高い夜の空気だった。滝子山へのわずかな登りで汗が噴き出る。名所山、春日山を越えると、鳥坂峠から釈迦ヶ岳に向かってじわじわと登りが続く。気温も上がってきてしんどい。
釈迦ヶ岳付近は岩稜帯で、直射日光に襲われる。標高が高くなり、たまに風が吹くようになってきたのがまだ救いだ。山頂直下からは、眼下にこれまで歩いてきた芦川右岸の山稜が、山頂からはこれから向かう御坂主稜線の向こうに富士山が見えた。かなり登ってきたが、まだ黒岳が大きい。ここまで全く出会わなかった人がそこそこいたが、これも1600mあればまだ涼しいと思ったからだろうか。
眺望より涼を求めて少し下って休憩。暑さからか食が進まないが、計画的に食べておく。
日向坂峠からいよいよ黒岳に取りつく。北側斜面は風がないが、気温が上がって湿度が下がってきたため、自力で冷えることができ、昨晩よりまだ快適だと思った。黒岳と展望台にもそこそこ人がいた。これまでは見えなかった河口湖と富士北麓の眺望がすばらしい。
あとはもうほぼ下るだけだ。かなりの急斜面で、ロープがずっと張ってあった。御坂トンネル、広瀬への下山路と別れ、烏帽子岩方面へ向かう。最高点はただの樹林帯だったが、次第に岩稜と化してくる。大きな岩は10m以上あり、右に左に巻きながら進んだ。
標高1250〜1190m付近は、とても急で立木もなくややザレていて、かなり気を使った。尾根が広く、踏み跡も判然としないため、何度か尾根を間違えそうになった。942.5m三角点で、行動用のペットボトルに最後の水500mLを移し、いよいよ尾根の先端に向かう。
車の走行音や遊覧船の汽笛の音が聞こえる。左右どちらを向いても輝く水面が海のようだ。リゾート施設内の舗装路に一度出るが、また尾根に乗る。ランディングはハードになりそうだとおもっていたが、麓から見た時には見えなかった踏み跡があり、意外と苦労なく道に出られた。
長崎公園では外国人観光客が湖水浴をしていた。気持ちよさそうだ。手先だけ水に浸してゴールとした。
デポしておいた自転車を転がしていると、防災河口湖から熊出没のお知らせの放送があった。藪山を下っているのをクマと間違われたかとも思ったが、場所が違ったため、本物のようだ。
舗装道路に最早樹林はなく、直射日光が容赦なく照りつけ、滝のように汗が吹き出た。若彦トンネルまでの標高差150m以上のヒルクライムは大変厳しく、長崎公園から1時間近く使った。道端の表示は気温37℃を示していた。
そこから先もおおよそ下り基調とはいえ、細かなアップダウンに苦しめられ、頭痛も始まったが、何とか下りきり、普段は使わないクーラーを全開にして家まで帰った。
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