幌尻岳
- GPS
- 15:24
- 距離
- 28.2km
- 登り
- 1,858m
- 下り
- 1,801m
コースタイム
- 山行
- 9:37
- 休憩
- 1:36
- 合計
- 11:13
天候 | 晴れ〜曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
とよぬか山荘まで移動してとよぬか山荘で一泊 そこで天候様子見てバス運行が確定したら往復シャトルバスチケットを購入 シャトルバスはとよぬか山荘〜第二ゲートまででここで下車して本格的に登山開始 往復7000円でした。およそ乗車時間は50分程です。 帰路もこの第二ゲートまで戻りシャトルバスの出発時間を待って乗車 何もないこのバス待ち場所ですがとても小さな小屋が用意されていて4−5人ならば中に入って日差しを避けてバス待ち休憩も出来ます |
コース状況/ 危険箇所等 |
幌尻岳の核心部は何と言っても渡渉区間ですがそこだけを言うと全体が見えなくなるので区分けして詳細に解説します 登山コースは大きく分けて4つに分類できるかなと思います 【1】第二ゲート〜北海道電力取水施設 【2】北海道電力取水施設〜幌尻山荘 【3】幌尻山荘〜命の水 【4】命の水〜幌尻岳山頂 内部を説明します 【1】第二ゲート〜北海道電力取水施設 車の通れる林道になります。一般車両は通りませんが作業用車両は通りそうです。 多少のアップダウンは有りますが基本的に平坦路なので普通の平地歩き程度の速度で歩けます。 距離:約8km 時間:約2時間 勝手な登山道評価:A(歩き易い) 【2】第二ゲート〜北海道電力取水施設 このルートの核心部に当たります。百名山最難関と言われる幌尻岳の最も特徴的な渡渉ゾーンです。場所によっては腰ほどの深さの場所もあるので普通の登山靴では上から浸水してしまうので何らかの対策が必要になります。自分は濡れてもグリップの保てる水陸両用型の靴を用意しました。靴の履き替えはこのパートに切り替わったタイミングが良いと思います。渡渉は数え方によるのでしょうが全部で20回以上あります。最初は糠平川の右岸にいて最終的には左岸側の幌尻山荘に到達するので奇数回渡渉するのですが四ノ沢の難所は過去の事故の経験からか簡易的な橋が掛けられているので偶数回渡渉回数は偶数回になります。自分のカウントでは22回でした。 距離:約2.5km 時間:約2時間 勝手な登山道評価:C(要注意)・・水量によっては危険 【3】幌尻山荘〜命の水 ここからが登山と呼べるパートになります。いきなり急騰になるのでペースの変化についていく必要があります。がっつり登りますので登山靴も渡渉用では無く通常の登山靴が良いです。一旦幌尻山荘の受付を済ませて不要な荷物はデポして軽くしてからの登山が良いです。命の水辺りから眺望が開けます。戸蔦別岳方面が見えてきてテンション上がります。また命の水まで水場はありませんので水は確保しておく必要があります。命の水も湧き水なので北海道独特のエキノコックスが気になる人は対策が必要です。自分は浄水器持参して飲みました。 距離:約1.5km 時間:約1.5時間 勝手な登山道評価:B(少し注意が必要) 【4】命の水〜幌尻岳山頂 命の水のポイントから急騰を暫く登ると稜線に出ます。ここから一気に雰囲気が変わります。馬蹄形の稜線の先に幌尻岳山頂が見えていてその手前は北カールの美しい傾斜面が見通せます。また登山道にはお花畑かと思えるほどの複数種類の花が色とりどりに咲き乱れる様が見えます。稜線沿いの歩き易い斜面を登っていくルートです。 距離:約2.0km 時間:約2時間 勝手な登山道評価:A(歩き易い) それ以外の注意点: ルート中にヒグマの糞を見かけたり、他の登山者からは熊棚(熊の寝床)が有ったとの情報も貰えたので確実にヒグマは傍にいると思って準備をしておく必要があると思われます。それ以外は全般的には歩き易く景色の良い山行が楽しめると思いますが渡渉対策だけは入念な準備が必要でしょう。 |
その他周辺情報 | トイレ: とよぬか山荘は水洗トイレがあって綺麗です 幌尻山荘は携帯トイレ持参しましたがバイオトイレが新設されていました。 バイオトイレ使用料1000円が掛かりますが綺麗で助かります それ以外の場所にトイレは有りません 宿泊施設: (1)とよぬか山荘 幌尻小中学校の廃校跡を活用している変わった山小屋です 風呂も食堂も売店もあり夕飯はジンギスカンが食べられます ベットは2段ベットが各部屋に4台セットされています (2)幌尻山荘 管理人が数日で交代するらしく交代時間帯によっては不在になります 飲み物(水やビール)の販売もしていますが管理人不在時は困ります マットは全員に支給されますがシュラフは希望者のみで500円です 場所は早い者勝ちで確保する必要があります。 満杯になると窓から出入りするようです。ちょっと厳しい環境です。 飲食: (1)とよぬか山荘 夕食は希望時間帯で提供されます。 朝食は早い出発の場合おにぎりが配布されます。(4個でした) (2)幌尻山荘 食事の提供は有りません。全て食材持参で自炊が必要です。 |
写真
装備
個人装備 |
Tシャツ
ソフトシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
ゲイター
日よけ帽子
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
昼ご飯
行動食
非常食
調理用食材
飲料
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
針金
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
タオル
ツェルト
ストック
ナイフ
カメラ
幌尻岳用装備:
渡渉用靴 渡渉用速乾靴下 山小屋デポ用荷物入れバック 熊スプレー 熊用対策用ナイフ 熊用携帯スピーカー 熊用大型笛 浄水器 |
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感想
日本百名山最難関幌尻岳に登頂しました。
百名山を目指したら何時かは登る必要がある山なのですが
最難関らしく最後まで悩み計画を見直ししたので本年度最大のターゲットがようやくクリアできた感触が強いです。何が最難関なのかといろいろな人に尋ねられましたので少し記載しておきます。
■最難関 Щ馨屋確保
先ずは山小屋の確保が大変です。ルート的には最もメジャーな平取ルートを取りましたがそれでもとよぬか山荘前泊、幌尻山荘に最低1泊、出来れば2泊が必要とのことですがこれが完全予約制でキャパも50名程度なので先ずこの確保が大変です。自分たちは前年の12月に予約開始になる時間にネットに張り付いて予約しました。
■最難関◆Д織ぅ潺鵐袷定
この予約するタイミングも重要で雨が多い時期や雪解け水が多い時期は渡渉水位が上がって難易度が増すので梅雨が明けて台風が来る前の7月20日〜8月10日的を絞り込む必要がありました。
■最難関:渡渉対策
過去にこれほどの水深の渡渉は経験が無くどの程度の水量に耐えられるのか?どの程度の水深まで滑らずに進めるのか?そのために必要な靴はどんなものがあるのか?全部手探りで探す必要があります。沢用のフェルト靴が最適だとか、地下足袋が良いとか、渓流釣り用が良いとかいろいろな情報があって混乱します。結局自分が選択したのはSOLMONのTECHAMPHIBIAN5でしたが、この靴は水陸両用を謳うだけあって今回の渡渉では滑ることも無く陸上も普通に歩けるので大変重宝しました。
また、直前にYoutubeで見て渡渉用の構え方も学びましたがこれも役に立ちました。上流に向かって正面を向き、ストックを上流側に刺して足を交差させずにカニ歩きするのが最も安定するようです
■最難関ぁХ対策
ヒグマ生息地域を通過すると言う事で熊対策も必要になります。この数年熊の出没数が急増しており北海道でもヒグマ被害も発生しているのでしっかり対策する必要があると認識していました。熊鈴、ラジオ等で音を出して人がいることを気付いてもらう。出逢ってしまっても距離があるならホイッスルや対策音スピーカーで追い払うことも可能そうです。また近距離で出会ってしまったら武器は殆ど熊スプレーしかありません。もしも接触してしまったら前年度に北海道の消防職員が刃渡り5cmのナイフで勝利したように最終手段はナイフかも知れません。でも不慣れなナイフはかえって危険も伴います。とよぬか山荘のパンフには出会ってしまったら防御姿勢を取れとありました。なのでまとめると以下のようになります
1)距離有り・相互不認識時用
・熊鈴準備
・ラジオ準備
2)距離有り・相互認識時用
・ホイッスル準備
・熊対策音源を入れたMP3プレイヤー準備
3)距離無し・非接触用
・熊スプレー準備:射程10mの長射程の物を購入
・飛行機に持ち込めないので宅配便で送付
4)距離無し・接触用
・ナイフ準備 :飛行機手荷物は不可なので預けて持ち込み
・防御姿勢理解:腹ばいで両手で首筋を抑えて顔面を地面に着ける
■最難関ァЫ杜迷从
渡渉対策、熊対策でも余分な持ち込みをするために重量が増大しますがそれに加えて寝具系、自炊用道具、食材などの重量も必要になるので荷物が多くなります。重量多すぎで渡渉中に転倒などが起きては本末転倒なので重量超過に慎重に対応しすべてのパーツを重量計測して総重量10kg以下に設定。
などなど
大変な準備がこの山の難しさを表しているのかも知れません
でも終わってみると・・
渡渉は段々と慣れてきて途中から面白くなりました。もっと深みに入ってみたらどうだろうとか考え始めていてこれはこれで楽しいものだな思えます。また熊対策は今後の本州地域の熊にも応用が利くので全然無駄にはなっていません。むしろこうやって経験値が上がるのだろうなと思います。
でも流石に幌尻岳
山頂付近で出会った方々や同タイミングで渡渉をしていた方々は殆どが百名山90座以上のベテランでやっぱりこの山は最後の方に登るような宿命なのだろうなと実感しました。正に北のラスボス的な幌尻岳。山頂付近の北カールや稜線で出会ったお花畑の可憐な花たち。馬蹄形の山脈を成す戸蔦別岳や北戸蔦別岳などの全体風景など渡渉以外の魅力も沢山ある良い山でした。感動と達成感をどうもありがとうございました。
日本百名山 幌尻岳(標高2062.4m)
本年度百名山5番目
通算92座目 残り8座になりました
北海道にある百名山9座はこれで完登です
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